企業の一言説明

雨風太陽は、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を主軸に、生産者と消費者をつなぐ食品・旅行関連サービスを展開する、地域活性化を目指すグロース市場の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 事業モデルの特異性と成長性: 生産者と消費者を直接結ぶプラットフォームは、食の安全性への関心の高まりや地域創生ニーズと合致し、社会貢献性と経済性を両立するユニークなビジネスモデルです。特に法人・自治体向けサービスが堅調に成長しており、2025年12月期に上場来初の経常黒字化を達成、2026年12月期には通期での純利益黒字化を見込むなど、過去の赤字体質からの脱却が進んでいます。
  • 経営効率の改善と財務健全性: 2025年12月期は販管費率を改善し、営業損益も大幅に改善。財務健全性を示す自己資本比率、流動比率、F-Scoreなども比較的良好な水準を維持しており、経営効率の改善が着実に進んでいます。代表体制の変更による社会性と経済性の分担も、今後の成長戦略実行に寄与する可能性を秘めています。
  • 株価の割高感と収益回復の不確実性: 足元の株価はPBRが業界平均を大きく上回る水準にあり、割高感が指摘されます。過去数年間は赤字が続いており、直近の黒字転換も予断を許さない状況です。今後の成長戦略の実行に伴う費用や、助成金収入の変動リスク、市場環境の変化による個人消費への影響など、収益回復の確実性には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや鈍化
収益性 C 改善途上
財務健全性 A 良好
バリュエーション C やや割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 770.0円
PER 62.15倍 業界平均66.2倍
PBR 5.39倍 業界平均3.5倍
配当利回り 0.00%
ROE -1.16%

1. 企業概要

雨風太陽は、「都市と地方をかきまぜる」をミッションに、生産者と消費者をつなぐCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を主軸に事業展開しています。食の月刊誌「食べる通信」や、自治体・法人向けの地域活性化支援サービスも提供し、地方創生に貢献しています。主力サービスは「ポケットマルシェ」で、生産者から直接、旬の食材や魚介類などを購入できるアプリサービスであり、ふるさと納税サイト「ポケマルふるさと納税」も連携しています。独特のビジネスモデルと社会貢献性が特徴です。

2. 業界ポジション

同社は「情報・通信業(Internet Retail)」に分類され、CtoC型プラットフォームを通じたD2C(Direct to Consumer)市場、特に産直ECおよび地域活性化支援の分野で事業を展開しています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、「ポケットマルシェ」は産直ECのパイオニア的存在として独自のポジションを築いています。競合に対しては、生産者との深い関係性や食を通じたコミュニケーション重視の点で強みを持つ一方、ブランド認知度やプラットフォーム規模では大手ECサイトに及びません。バリュエーション指標を見ると、PERは業界平均66.2倍に対し62.15倍と比較的近い水準ですが、PBRは業界平均3.5倍に対し5.39倍と割高感があります。

3. 経営戦略

雨風太陽は2025年12月期に上場来初の経常黒字化(経常利益20百万円)を達成し、2026年12月期には売上高1,094百万円(前年比+6.4%)、営業利益25百万円、経常利益28百万円、当期純利益30百万円の通期黒字化を予想しています。経営体制も代表2名体制に変更し、社会性担当と経済性担当を分担することで、事業成長と社会貢献の両立を図る方針です。事業戦略としては、食品事業ではSEO強化による広告費削減と販管費率の改善(前期64%から当期51%へ)を推進。旅行事業では「おやこ地方留学」を拡大し、2025年4月にはSTAY JAPANを譲受しましたが、これに伴い29百万円ののれん減損を計上しました。法人向け事業は自治体からの案件増加により売上高が301百万円(前年比+12.8%)と堅調に増加しており、これが全体の収益改善に大きく寄与しています。

4. 財務分析

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 0/3 純利益・営業CF・ROAがマイナス
財務健全性 3/3 流動比率・D/Eレシオ・株式希薄化の面で優良
効率性 2/3 営業利益率・四半期売上成長率は良好も、ROEがマイナス

Piotroski F-Score5/9と「良好」と判定されました。しかし、収益性スコアが0/3である点は注意が必要です。これは純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもマイナスであることに起因します。企業の基盤となる稼ぐ力には引き続き改善が求められます。一方、財務健全性は3/3と満点であり、流動比率やD/Eレシオ、株式希薄化の面では安定していることを示します。効率性スコアは2/3で、営業利益率や四半期売上成長率は評価されましたが、ROEがマイナスであることが唯一の課題として指摘されています。

【収益性】

雨風太陽の収益性は現在改善途上にあります。過去12か月の営業利益率は20.00%と高い水準ですが、これは売上原価率の改善によるものです。一方で、ROE(実績)は-1.16%、ROA(過去12か月)は-0.49%と依然としてマイナスであり、一般的な目安とされるROE 10%、ROA 5%には遠く及びません。ただし、2025年12月期に連結では経常黒字を達成し、2026年12月期には通期での純利益黒字を見込むなど、収益性が大幅に改善する見込みです。

【財務健全性】

財務健全性は比較的良好です。自己資本比率(実績)は34.3%と、事業特性を考慮すれば一定の安定性を示しています。また、流動比率(直近四半期)は1.89倍(189%)であり、短期的な支払い能力に問題はないと評価できます。総負債を自己資本で割ったTotal Debt/Equity(直近四半期)は72.46%と、債務の負担も過度に重い水準ではありません。

【キャッシュフロー】

過去12か月の営業キャッシュフローは-4百万円、フリーキャッシュフローは-48.88百万円と、依然としてマイナスです。これは事業活動で現金を生み出す力が不足していることを示しており、資金調達への依存や手元流動性の確保が引き続き重要です。2025年12月期の営業CFは△4,449千円と前年(△250,018千円)から大幅に改善しているものの、依然としてマイナスであるため、今後の黒字定着と合わせてキャッシュフローの改善が課題となります。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は、過去12か月で純利益が-4百万円、営業CFが-4百万円であり、計算上は判断が困難です。しかし、そもそも純利益と営業CFの両方がマイナスであるため、「要注意(赤字かつキャッシュフロー悪化)」と評価されます。今後、純利益が黒字化し、営業CFがプラスに転じることが利益の質の改善に繋がります。

【四半期進捗】

直近の決算短信によれば、2025年12月期は売上高1,027,929千円(前年比+0.6%)に対し、営業利益△7,221千円、経常利益20,518千円、当期純利益△4,146千円でした。特に営業利益と経常利益は大幅に改善しています。2026年通期予想対比では、まだ期初段階であるため進捗率は示されていません。年度ベースで見ると、売上高は着実に増加傾向にある一方、利益面は2025年12月期に経常黒字転換を果たし、2026年12月期には営業利益・経常利益・当期純利益の全てで黒字を見込んでいます。

5. 株価分析

【バリュエーション】

株価は770.0円であり、PER(会社予想)は62.15倍です。業界平均PERが66.2倍と比較すると、PERは業界平均に近い水準にあります。PBR(実績)は5.39倍ですが、業界平均PBRが3.5倍であるため、純資産価値から見るとやや割高な水準と判断されます。PERが類似する一方でPBRが高いのは、将来の成長期待が株価に織り込まれている可能性を示唆します。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -28.87 / シグナル値: -27.32 短期トレンド方向を示す
RSI 売られすぎ 28.0% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.82% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -7.05% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -13.46% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -25.88% 長期トレンドからの乖離

RSIが28.0%と「売られすぎ」の状態を示唆しており、短期的な反発の可能性も考えられる水準です。MACDは中立となっており、明確なトレンド転換シグナルは出ていません。

【テクニカル】

現在の株価770.0円は、52週高値1,996円に対して0.6%の位置(安値からの上昇率)にあり、52週安値762円に近い水準で推移しています。これは年間を通じて最安値圏にあることを意味します。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日MA)を大きく下回っており、株価は明確な下降トレンドにあると言えます。特に200日移動平均線に対して25.88%も下回っていることは、長期的な下落圧力が強いことを示しています。

【市場比較】

雨風太陽の株価は、日経平均やTOPIXといった市場全体と比較して大幅に劣後しています。

  • 1ヶ月リターン: 株式-12.00% vs 日経-5.65%6.35%ポイント下回る
  • 3ヶ月リターン: 株式-18.43% vs 日経+4.99%23.42%ポイント下回る
  • 6ヶ月リターン: 株式-35.56% vs 日経+22.81%58.38%ポイント下回る
  • 1年リターン: 株式-44.12% vs 日経+44.69%88.81%ポイント下回る

全ての期間で市場平均を大きく下回っており、相対的なパフォーマンスは低調です。

6. リスク評価

【定量リスク】

雨風太陽の年間ボラティリティは76.77%と非常に高く、株価の変動幅が大きいことを示します。最大ドローダウンは-71.37%であり、過去に株価が大幅に下落した経験があります。仮に100万円を投資した場合、年間で±70万円程度の変動が想定される計算となります(ボラティリティを年間変動幅と仮定した場合)。ベータ値は-0.51と市場全体とは逆相関の動きを示していますが、これは小型株特有の値動きの荒さや特定の要因による影響が強く表れている可能性も考えられます。

【事業リスク】

  • 政策変更および補助金への依存: 自治体向け事業の売上が好調な一方で、地方自治体の予算動向や政策変更が業績に影響を与える可能性があります。また、ALPS処理水関連補助金収入のように、一時的な補助金収入に依存する部分もあり、その剥落リスクが存在します。
  • 旅行需要の景気変動と事業統合リスク: 旅行事業は経済状況や地政学的リスクに左右されやすく、景気変動による需要の変化を受けやすいです。STAY JAPANの譲受に伴うのれん減損計上も確認され、今後の事業統合によるシナジー創出やリスク管理が課題となります。
  • 競争激化と収益化の遅延: 産直EC市場は競争が激化しており、新規参入や他社の追随により優位性が脅かされる可能性があります。また、社会貢献性を重視する事業モデルであるため、短期間での大規模な収益化は難しい側面があり、投資回収に時間を要するリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残は83,600株である一方、信用売残は0株であり、信用倍率は0.00倍です。信用売残がないため計算上の信用倍率はゼロとなりますが、信用買残がある点は将来的な売り圧力になり得るため注意が必要です。ただし、現在の出来高5,900株と比較すると、信用買残は短期的には重い需給要因となる可能性があります。
主要株主構成を見ると、上位株主は以下の通りです。

  • PNBインスパイア・エシカル・ファンド1投資事業有限責任組合: 13.09%
  • 小橋正次郎: 12.13%
  • 高橋博之 (代表者): 8.11%

ファンドや創業者が上位株主として名を連ねており、安定株主が多く存在すると考えられます。

8. 株主還元

雨風太陽は、2025年12月期および2026年12月期予想において、年間配当は0.00円と無配です。配当利回り、配当性向ともに0.00%であり、現状では株主還元は行われていません。自社株買いの実施も該当なしと公表されています。これは、事業の成長フェーズにあり、得られた利益(または資金)を再投資に回し、事業拡大を優先する経営方針を反映していると考えられます。株主還元方針については、具体的な記載がありません。

SWOT分析

強み

  • 生産者と消費者をつなぐユニークなCtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を運営。
  • 食と地域創生に貢献する社会的意義の高い事業モデル。
  • 法人・自治体向け支援サービスが堅調に成長し、収益改善に貢献。

弱み

  • 過去の赤字体質と、現在も完全な収益安定には至っていない点。
  • 高い株価ボラティリティと、市場平均を大きく下回る株価パフォーマンス。
  • 助成金収入や特別損失など、一時的な要因による業績変動リスク。

機会

  • 消費者の食の安全性、トレーサビリティ、地域連携への関心の高まり。
  • 地方創生やDX推進を掲げる政府・自治体との連携強化。
  • 旅行事業とのシナジー創出による新たな市場開拓。

脅威

  • 同業他社との競争激化、大手ECサイトの参入による市場環境の変化。
  • 自然災害や原材料価格の変動、為替変動などによるコスト増。
  • 景気後退や消費マインドの冷え込みによる個人消費の落ち込み。

この銘柄が向いている投資家

  • 成長期待先行型投資家: 過去の赤字から黒字転換へのフェーズにあり、今後の事業成長と収益の確立に期待を寄せる投資家。
  • テーマ投資家: SDGs、地方創生、食のイノベーションといった社会貢献性の高いテーマに関心を持つ投資家。
  • 長期目線で回復を待つ投資家: 短期的な株価変動リスクを受け入れ、腰を据えて企業の価値創造を待つことができる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益の安定性と成長戦略の確実性: 2026年通期での黒字予想はポジティブですが、これが持続可能であるか、そして成長戦略が計画通りに進むかを慎重に見極める必要があります。特にキャッシュフローの改善が重要です。
  • 高いバリュエーションと市場の評価の乖離: PBRが業界平均を大きく上回る中で、株価は年初来安値圏にあり、市場の評価は厳しい状況です。高成長が実現しない場合、現在のバリュエーションは正当化されにくい可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益・経常利益の黒字定着: 2026年12月期以降も黒字を維持し、利益の質が改善されるか。
  • 個人向け・法人向けサービスの成長率: 各セグメントの売上高成長率と利益貢献度が計画通りに進むか。
  • フリーキャッシュフローの改善: 継続的な赤字体質から脱却し、事業活動で資金を生み出せるようになるか。目標値としては、年間でプラス転換し、50百万円以上の安定的なフリーキャッシュフロー創出を目指す点。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    直近の四半期売上高成長率(前年比)は2.60%、2026年通期予想の売上高成長率も+6.4%と、過去数年の高い成長からやや鈍化傾向にあります。これは一般的な成長株の基準(S:15%以上、A:10-15%)と比較すると見劣りするため、C評価としました。
  • 収益性: C
    ROE(実績)は-1.16%とマイナスであり、収益性基準(D:ROE5%未満)から見ると厳しいですが、過去12か月の営業利益率は20.00%と高く、2025年12月期に経常黒字化、2026年12月期には純利益黒字を見込むなど改善傾向にあります。ただし、現状のROEがマイナスである点を考慮し、C評価としました。
  • 財務健全性: A
    自己資本比率は34.3%、流動比率は189%と、それぞれ基準(A:自己資本比率40-60%・流動比率150%以上)に近い良好な水準です。Piotroski F-Scoreも5/9の「良好」判定であり、財務基盤は比較的安定していると評価できます。投資先の事業特性や成長ステージを考慮すると、この水準は十分に健全と言えるため、A評価としました。
  • バリュエーション: C
    PER(会社予想)62.15倍は業界平均66.2倍の約94%であり、PER基準ではB評価に該当します。しかし、PBR(実績)5.39倍は業界平均3.5倍の約154%と大きく上回っており、割高感が強いです。特に赤字が継続していた期間がある中でPBRが高い水準にあるため、総合的にC評価としました。

企業情報

銘柄コード 5616
企業名 雨風太陽
URL https://ame-kaze-taiyo.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 770円
EPS(1株利益) 12.39円
年間配当 0.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 15.6% 46.0倍 1,177円 8.8%
標準 12.0% 40.0倍 873円 2.6%
悲観 7.2% 34.0倍 596円 -5.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 770円

目標年率 理論株価 判定
15% 434円 △ 77%割高
10% 542円 △ 42%割高
5% 684円 △ 13%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
オイシックス・ラ・大地 3182 1,330 504 12.61 1.70 13.1 1.20
フーディソン 7114 871 40 33.62 1.67 5.2 0.00

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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