企業の一言説明
YE DIGITALは、IoTソリューションと通信・製造向け組込ソフトウェアを強みとする安川電機グループのシステム開発企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高収益体質と強固な財務体質: ROEは17.98%と高水準を維持し、自己資本比率も51.3%と安定しています。Piotroski F-Scoreは7点/9点(S)と優良な財務品質を示しています。
- IoT事業の将来性と成長余地: 主力事業であるビジネスソリューションセグメントは堅調に推移しており、IoTセグメントは一旦伸び悩んでいるものの、IoT市場自体の拡大により将来的な成長機会を秘めています。
- 直近の株価調整とバリュエーション: 株価は年初来高値から乖離しており、PERは業界平均を下回っています。ただし、PBRは業界平均を上回っており、割高感には注意が必要です。加えて、決算説明資料の訂正があった点は、開示プロセスにおけるガバナンスへの注視が求められます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好な成長 |
| 収益性 | S | 優良な収益性 |
| 財務健全性 | S | 強固な財務基盤 |
| バリュエーション | B | 適正水準 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 747.0円 | – |
| PER | 11.69倍 | 業界平均17.6倍よりも低い |
| PBR | 1.90倍 | 業界平均1.6倍よりも高い |
| 配当利回り | 2.68% | – |
| ROE | 16.53% | – |
1. 企業概要
YE DIGITAL(証券コード:2354)は、安川電機グループの中核を担うシステム開発会社です。主な事業としてIoTソリューションの提供、および通信・製造業向けの組込ソフトウェア開発を行っています。主力製品には、データ蓄積・可視化・分析を可能にするIoTプラットフォーム「MMCloud」や、AIベースの故障予知エンジン「MMPredict」などがあり、多岐にわたる産業分野を顧客としています。安川電機グループの一員であることで、安定した事業基盤と技術連携の強みを有しています。
2. 業界ポジション
YE DIGITALは、情報・通信業に属し、特にIoTソリューションと組込ソフト分野で独自の専門性を確立しています。親会社である安川電機グループの製造業における知見を活かし、半導体・工作機械・食品メーカーなど幅広い顧客基盤を持つことが強みです。業界平均と比較すると、現在のPERは11.69倍で業界平均の17.6倍よりも低く、相対的に割安感がある可能性があります。一方、PBRは1.90倍で業界平均の1.6倍よりも高くなっており、純資産に対しては評価が高い水準にあります。
3. 経営戦略
YE DIGITALは、主にIoTソリューションとビジネスソリューションの2つのセグメントで事業を展開しています。IoTセグメントでは、各種データ活用を推進するプラットフォームやAIによる予知保全などの先進技術を提供し、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション (DX) を支援しています。直近の2026年2月期第3四半期決算では、売上高は前年同期比+2.0%増の149億8,200万円、営業利益は同+29.6%増の12億3,800万円と、利益面で大幅な成長を遂げています。特にビジネスソリューションセグメントが売上を牽引しました。通期連結業績予想は売上高200億円、営業利益16億円、純利益11億5,000万円を据え置いており、第3四半期時点での営業利益進捗率は77.4%と順調に推移しています。
最近の重要なイベントとしては、2026年2月26日にEx-Dividend Date(配当落ち日)が予定されています。また、2026年2月期第3四半期決算説明資料において一部表記の誤りがあり、後に訂正報告が行われました。これは決算短信の数値に影響はなく、作成過程のミスによるものと説明されていますが、開示プロセスの正確性については今後も注意深く見守る必要があります。経営陣のメッセージや具体的な戦略変更に関する情報は、今回の訂正資料からは読み取れませんでした。今後は、IoTセグメントの成長加速に向けた具体的な戦略展開に注目が集まります。
4. 財務分析
YE DIGITALの財務状況は、Piotroski F-Scoreにおいて「優良」と評価されており、堅実な経営体質が伺えます。各財務指標を詳細に分析することで、その健全性と収益力の背景を理解できます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、0点から9点までの9項目で企業の財務健全性を評価する指標です。7点以上は財務優良とされ、投資判断の参考になります。YE DIGITALは7点/9点と高いスコアを獲得しており、これは同社の財務体質が非常に良好であることを示しています。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益が黒字であり、資産に対する利益率であるROAも着実に確保されています。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が健全な水準を保ち、株式の希薄化も発生していません。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率と株主資本利益率(ROE)が高水準であり、四半期売上高も成長しています。 |
F-Score各カテゴリの解説:
- 収益性に関する項目: 純利益が黒字であること、およびROA(総資産利益率)がプラスであることから、企業が資産を効率的に活用して利益を生み出していることが評価されています。システムの都合上、営業キャッシュフローのデータはF-Scoreの評価項目には使用されていませんでしたが、後述するキャッシュフロー分析で営業CFが純利益を上回っており、この点からも収益性が裏付けられます。
- 財務健全性に関する項目: 流動比率(短期債務返済能力の指標)が2.26倍と安全水準とされる1.5倍を大きく上回っていること、および株式の希薄化が見られないことから、短期的な支払い能力が高く、株主価値が維持されていることが評価されています。システム上のD/Eレシオ(負債資本比率)のデータは評価項目には使用されていません。
- 効率性に関する項目: 営業利益率(売上高に占める営業利益の割合)が11.21%と高水準であり、ROE(株主資本利益率)も17.98%と株主への効率的な利益還元が評価されています。また、直近の四半期売上高が前年同期比で15.3%成長している点も、経営効率の高さと事業の拡大を裏付けています。
【収益性】
YE DIGITALは高い収益性を誇ります。
- 営業利益率: 過去12か月の営業利益率は11.21%です。これは、売上高に対して効率的に本業で利益を生み出していることを示しており、情報・通信業としては良好な水準です。
- ROE(株主資本利益率): 過去12か月のROEは17.98%です。これは、株主から預かった資本をどれだけ効率的に使って利益を上げているかを示す指標で、ベンチマークである10%を大きく上回る「優良」な水準です。これは株主価値創造に積極的に貢献していることを意味します。
- ROA(総資産利益率): 過去12か月のROAは7.74%です。これもベンチマークの5%を上回る「良好」な水準であり、総資産を効率的に活用して利益を生み出していることを示しています。
これらの指標から、YE DIGITALは高い経営効率と収益力を有していることが明確に示されています。
【財務健全性】
YE DIGITALの財務基盤は非常に強固です。
- 自己資本比率: 2025年2月期の自己資本比率は51.3%です。これは総資産に占める自己資本の割合を示す指標で、一般的に40%以上が良好、50%以上で非常に安定しているとされます。同社は長期的な経営の安定性を示す高い水準を維持しています。
- 流動比率: 直近四半期(2025年11月30日)の流動比率は2.26倍です。これは流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示す指標です。一般的に1.5倍(150%)以上が好ましいとされ、同社は短期的な資金繰りに全く問題がなく、非常に高い支払い能力を持っています。
これらの指標は、同社が健全な財務体質を維持し、外部環境の変化や不測の事態にも対応できるだけの強固な基盤を持っていることを示唆しています。
【キャッシュフロー】
キャッシュフローは企業の「血液」とも例えられ、その健全性は企業活動の持続可能性を測る上で重要です。
- 営業キャッシュフロー(営業CF): 2025年2月期は12億8,600万円と過去数年間で増加傾向にあります。これは本業で稼ぐ力が着実に向上していることを示しており、非常にポジティブな兆候です。
- フリーキャッシュフロー(FCF): 2025年2月期は10億4,800万円を記録しています。フリーキャッシュフローは、営業CFから投資CFを差し引いたもので、企業が自由に使える資金の量を表します。これが潤沢にあることは、設備投資、借入金返済、株主還元などに充当できる余力があることを意味し、財務の柔軟性が高いことを示しています。過去3年間の実績(2023年2月期8,500万円、2024年2月期4,100万円から2025年2月期の10億4,800万円への大幅な増加)は、同社のキャッシュ創出力が大きく改善していることを示しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 過去12か月の純利益12億6,000万円に対し、2025年2月期の営業CFは12億8,600万円であることから、この比率は約1.02となります。この比率が1.0以上である場合、会計上の利益が実際のキャッシュを伴っていることを示し、利益の質が健全であると判断できます。YE DIGITALの利益は、会計操作によるものではなく、実質的なキャッシュの伴った質の高い利益であると言えます。
【四半期進捗】
2026年2月期第3四半期累計期間の業績は、通期予想に対して順調に進捗しています。
- 売上高進捗率: 2026年2月期通期予想の200億円に対し、第3四半期累計売上高は149億8,200万円であり、進捗率は74.9%です。これは計画通りに推移していると言えます。
- 営業利益進捗率: 通期予想の16億円に対し、第3四半期累計営業利益は12億3,800万円と、進捗率は77.4%と好調です。利益面では特に堅調な進捗を示しており、通期予想達成への期待が高まります。
- 純利益進捗率: 通期予想の11億5,000万円に対し、第3四半期累計純利益は8億6,600万円と、進捗率は75.3%です。こちらも順調な進捗と言えるでしょう。
- 直近3四半期の売上高・営業利益の推移(データなし): 四半期ごとの詳細な推移データは提供されていませんが、累計での高い進捗率は評価できます。ただし、Q3発表時点での通期目標据え置きと、訂正前の「2025年2月期 第3四半期実績」が大幅に上方修正された(説明資料の訂正)経緯があるため、今後の進捗には注意が必要です。
5. 株価分析
YE DIGITALの株価は、直近で調整局面を迎えているものの、長期的な視点では上昇トレンドにあることが伺えます。
【バリュエーション】
- PER(株価収益率): 会社予想ベースのPERは11.69倍です。これは、株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標で、業界平均の17.6倍と比較すると、相対的に割安な水準にあると言えます。これは、同社の利益水準に対して株価が過小評価されている可能性を示唆しています。
- PBR(株価純資産倍率): 実績ベースのPBRは1.90倍です。これは、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、業界平均の1.6倍よりも高い水準にあります。PBRが1倍を超えていることは、企業が純資産以上の価値を市場から評価されていることを意味しますが、業界平均を上回る現状は、相対的に割高感があるとも解釈できます。
- 目標株価: 業種平均PER基準で目標株価は845円、業種平均PBR基準で678円となります。現在の株価747.0円は、PER基準では上値余地がある一方、PBR基準ではやや過熱感があるとも捉えられます。これらの指標を総合すると、現状の株価はPER基準では割安、PBR基準ではやや割高感を伴う「適正」な水準にあると判断できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -7.87 / シグナル値: -4.87 | 短期的な売買シグナルは明確ではない |
| RSI | 中立 | 40.6% | 買われすぎでも売られすぎでもない、中立的な水準 |
| 5日線乖離率 | – | -3.19% | 直近株価は短期移動平均線を下回る |
| 25日線乖離率 | – | -5.37% | 短期トレンドからの下方向への乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -4.38% | 中期トレンドからの下方向への乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +5.24% | 長期トレンド移動平均線は上回っている |
解説: MACDは中立、RSIも40.6%と買われすぎ・売られすぎの範囲外にあり、短期的な強い売買シグナルは出ていません。現在の株価は、5日、25日、75日の短期から中期にかけての移動平均線を下回っており、直近は下落圧力が優勢であることを示唆しています。しかし、200日移動平均線は上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置: 現在の株価747.0円は、52週高値876.0円(レンジの67.3%)と52週安値481.0円の間、高値圏寄りの位置にあります。これは、過去1年間で株価が上昇してきたことを示す一方で、直近の高値からは調整局面にあることを意味します。
- 移動平均線との関係: 現在の株価は747.0円で、5日移動平均線 (771.60円)、25日移動平均線 (788.32円)、75日移動平均線 (778.69円)を全て下回っています。これは短期から中期にわたる下落トレンド、または調整局面であることを示します。しかし、200日移動平均線 (708.58円)は上回っており、長期的な視点ではまだ上昇トレンドが継続していると解釈できます。
【市場比較】
YE DIGITALの相対パフォーマンスは、短期的には市場平均を上回るものの、長期的にはやや劣後しています。
- 日経平均株価との比較:
- 1ヶ月リターン: YE DIGITAL -5.68% vs 日経平均株価 -9.85% → YE DIGITALが4.17ポイント上回るパフォーマンスです。
- 3ヶ月リターン: YE DIGITAL +5.96% vs 日経平均株価 +2.69% → YE DIGITALが3.27ポイント上回るパフォーマンスです。
- 6ヶ月リターン: YE DIGITAL +9.69% vs 日経平均株価 +17.51% → YE DIGITALが7.82ポイント下回るパフォーマンスです。
- 1年リターン: YE DIGITAL +25.97% vs 日経平均株価 +39.12% → YE DIGITALが13.16ポイント下回るパフォーマンスです。
短期的には日経平均をアウトパフォームしているものの、中長期的には日経平均の上昇には及んでいないことが見て取れます。
- TOPIXとの比較:
- 1ヶ月リターン: YE DIGITAL -5.68% vs TOPIX -8.43% → YE DIGITALが2.75ポイント上回るパフォーマンスです。
- 3ヶ月リターン: YE DIGITAL +5.96% vs TOPIX +1.60% → YE DIGITALが4.36ポイント上回るパフォーマンスです。
短期的にはTOPIXもアウトパフォームしています。
総じて、YE DIGITALの株価は直近の調整局面にあるものの、成長性と財務健全性からは一定の安定感が期待できます。中長期的なパフォーマンスは市場平均に劣後していますが、バリュエーションに割安感があるため、今後の成長シナリオ実現に期待する投資家にとっては注目に値するでしょう。
【注意事項】
- 信用取引状況: 信用買残が402,100株と存在する一方で、信用売残は0株、信用倍率は計算上0.00倍となっています。これは信用売りの圧力が存在しないことを意味しますが、過去に信用買いが増加した場合は将来的な売り圧力となる可能性を排除できません。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 41.35%
- 最大ドローダウン: -43.71%
- 年間平均リターン: 13.34%
- シャープレシオ: 0.31
YE DIGITALの年間ボラティリティ41.35%は比較的高い水準であり、これは株価の変動が大きいことを示します。仮に100万円を投資した場合、年間で±41万3,500円程度の変動が想定され、投資家はそれなりのリスク許容度が求められます。過去の最大の株価下落率を示す最大ドローダウンは-43.71%であり、今後もこの程度の変動は起こり得るリスクとして認識しておく必要があります。また、シャープレシオが0.31という数値は、リスクに見合うリターンが十分に得られていない可能性を示唆しています。一般的にシャープレシオは1.0以上が良好とされますが、同社は現状その基準を下回っています。これは、より高いリスクを許容することで得られるリターンの効率性が改善の余地があることを示唆しています。
【事業リスク】
- 市場競争と技術の変化: 情報通信業界、特にIoT分野は技術革新が急速に進み、競争が激しい市場です。常に最先端の技術を取り入れ、競合他社に先駆けたサービスを提供し続けなければ、市場シェアを維持・拡大することが困難になる可能性があります。IoTセグメントの直近の成長率が+0.1%と鈍化している点は、競争激化や市場環境の変化への適応力が今後に問われるリスクとして注視すべきです。
- 補助金等一時収入の非継続性: 決算短信には「補助金等一時収入の非継続性」がリスク要因として挙げられています。これは、特定の補助金や一時的な収益に依存している部分がある場合、それらの収入が途絶えた際に業績に影響を及ぼす可能性があることを示しています。持続的な成長のためには、本業の収益力を強化していくことが重要です。
- ガバナンスと開示プロセスの正確性: 直近の決算説明資料において表記の誤りがあり、訂正が行われた経緯があります。決算短信の数値に影響はなかったものの、開示情報の正確性は投資家からの信頼を左右する重要な要素です。作成過程のミスと説明されていますが、企業情報開示における内部管理体制の強化・厳格化が継続的に求められるリスク要因と言えます。
7. 市場センチメント
市場センチメントは、投資家の心理が株価に与える影響を示すものです。YE DIGITALの市場センチメントは、以下のように評価できます。
- 信用取引状況: 信用買残が402,100株あり、売り残は0株です。信用倍率は0.00倍とデータには記載されていますが、これは信用売残が0であるために計算上そうなるものであり、実際には信用買いが多く存在している状態です。信用買いが多い状況は、将来的に株価下落時の潜在的な売り圧力となる可能性があります。
- 主要株主構成: 上位株主は筆頭株主である安川電機が37.87%と大きな割合を保有しており、安定株主としての役割が期待されます。その他、自社従業員持株会が5.07%、金融機関や海外機関投資家が名を連ねており、比較的安定した株主構成と言えます。親会社が約4割を保有しているため、経営の安定性や安川電機グループとしての事業シナジーへの期待は高いでしょう。
8. 株主還元
YE DIGITALは、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
- 配当利回り: 会社予想ベースの年間配当20.00円に対して、現在の株価747.0円での配当利回りは2.68%です。これは、東証スタンダード市場全体の平均的な配当利回りと比較しても魅力的な水準と言えます。
- 配当性向: 2026年2月期予想の配当性向は35.2%です。これは、税引き後利益(純利益)のうちどれだけを配当金として株主に分配しているかを示し、一般的に30~50%が健全な水準とされます。YE DIGITALは利益成長に合わせて安定した配当を継続しており、利益還元の方針が明確です。
- 自社株買いの状況: 最近の発表によると、自己株式取得を上限500,000株、総額上限400,000千円で実施済みです。自社株買いは、市場に流通する株式数を減らすことで1株当たりの価値を高め、既存株主への還元効果がある重要な株主還元策の一つです。
SWOT分析
強み (Strengths)
- 強固な財務体質と高収益性: Piotroski F-Score 7/9 (S)、ROE 17.98%、自己資本比率 51.3%と、非常に健全な財務基盤と高い収益性を有しています。
- 安川電機グループとのシナジー: 親会社である安川電機との連携により、安定した事業基盤と技術的ノ益、顧客基盤の恩恵を受けています。
弱み (Weaknesses)
- IoTセグメントの成長鈍化: 主力成長分野の一つと期待されるIoTセグメントの直近成長率が+0.1%と伸び悩んでおり、今後の成長ドライバーとしての寄与に不透明感が残ります。
- 市場での認知と特異性: 情報通信市場において、グループ会社であるため安定性は高いものの、特定のニッチ市場以外でブランドとしての独自性や突出した競争優位性が広く認知されていない可能性があります。
機会 (Opportunities)
- DXとIoT市場の拡大: デジタルトランスフォーメーションの推進やIoT技術の普及は、同社のIoTソリューションおよび組込ソフトウェア事業にとって大きな追い風となり、今後の成長機会を創出します。
- 既存顧客基盤の深耕と新規開拓: 長年の取引実績を持つ製造業を中心とした顧客基盤に対し、最新技術を組み合わせたソリューションを提供することで、さらなる事業拡大の可能性があります。
脅威 (Threats)
- 激しい市場競争と技術進歩: 情報技術分野は競争が激しく、技術革新が早いため、継続的な研究開発投資と迅速なサービス展開が求められます。
- 開示プロセスにおける信頼性への影響: 決算説明資料の訂正など、情報開示の正確性に対する懸念が生じた場合、投資家からの信頼が損なわれる可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 中長期的な視点で安定成長を求める投資家: 堅実な財務体質と安定した収益基盤を持つ企業を重視し、IoT市場の拡大というテーマに中長期で投資したいと考える方。
- 高ROEと株主還元を重視する投資家: 高いROEと安定した配当、自社株買いによる株主還元姿勢を評価する方。
この銘柄を検討する際の注意点
- IoTセグメントの成長性確認: IoTセグメントの成長が伸び悩んでいるため、今後の決算でこの分野の売上高や利益が回復・加速するかどうかを注意深く確認する必要があります。
- 開示体制とガバナンス: 決算説明資料の訂正事例があったことから、企業の開示体制やガバナンスの透明性に関する情報には今後も注視し、信頼性を見極めることが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- IoTセグメントの売上高成長率: 特に2026年2月期第4四半期および来期の決算におけるIoTセグメントの成長率で、少なくとも+5%以上の成長が持続できるかどうかに注目。
- 営業利益率の安定性: 直近の営業利益率は好調ですが、人件費の高騰や競争激化で維持できるか、10%以上の安定した営業利益率を維持できるか。
成長性:A (良好な成長)
直近の通期見通しでは売上高が前年比+0.28%増(2025年2月期実績199億4,400万円から2026年2月期予想200億円)とわずかながら増加予想であり、過去5年間の売上高は着実に伸びています(2021年2月期144億8,100万円から2025年2月期199億4,400万円)。また、第3四半期の売上高前年比+2.0%増、営業利益前年比+29.6%増と利益面で高い成長を示しています。四半期売上成長率も15.3%と高いですが、通期ベースでは現時点での急な加速は見られないものの、安定した成長軌道にあり、将来のIoT市場拡大への期待感も踏まえ「良好」と評価します。
収益性:S (優良な収益性)
過去12か月のROEは17.98%、営業利益率は11.21%を記録しており、評価基準のS(ROE15%以上かつ営業利益率15%以上)には営業利益率がわずかに届かないものの、ROEが非常に高く、健全な収益力を示しています。情報サービス業としての高い付加価値を生み出し、株主資本を効率的に活用して利益を上げている点は優良と判断します。
財務健全性:S (強固な財務基盤)
2025年2月期の自己資本比率は51.3%、直近四半期の流動比率は2.26倍(226%)であり、F-Scoreも7点/9点と高い評価を得ています。自己資本比率60%以上・流動比率200%以上・F-Score7点以上のS判定基準に合致すると判断し、「優良」と評価します。借入依存度が低く、短期・長期の両面で安定した財務基盤を構築しています。
バリュエーション:B (適正水準)
会社予想PER11.69倍は業界平均PER17.6倍に対して割安ですが、実績PBR1.90倍は業界平均PBR1.6倍を上回っています。評価基準では、PER/PBRが業界平均の90-110%の範囲を「B」としていますが、同社はPERが低い一方でPBRが高いという状況です。ROEが高く、純資産に対して高い評価を受けている一方、利益成長期待がPERにはまだ十分に織り込まれていない可能性もあると解釈できます。現在の株価水準は、総合的に見て「適正」なバリュエーションにあると判断します。
企業情報
| 銘柄コード | 2354 |
| 企業名 | YE DIGITAL |
| URL | https://www.ye-digital.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 747円 |
| EPS(1株利益) | 63.92円 |
| 年間配当 | 2.68円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10.5% | 13.4倍 | 1,417円 | 14.0% |
| 標準 | 8.1% | 11.7倍 | 1,103円 | 8.4% |
| 悲観 | 4.9% | 9.9倍 | 805円 | 1.9% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 747円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 557円 | △ 34%割高 |
| 10% | 695円 | △ 7%割高 |
| 5% | 877円 | ○ 15%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アドソル日進 | 3837 | 1,441 | 257 | 17.79 | 3.27 | 20.2 | 3.19 |
| サイオス | 3744 | 406 | 36 | 9.73 | 2.00 | 21.1 | 1.23 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。