企業の一言説明

ウォンテッドリーは、ビジネスSNS「Wantedly」を運営し、求人情報サービスや名刺管理アプリなどを提供することで、企業と個人の出会いを創出するグロース市場上場の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高収益・高財務体質と安定したキャッシュフロー: ROE、営業利益率が非常に高く、自己資本比率や流動比率も優良。Piotroski F-Scoreも高得点で、潤沢なキャッシュフローを安定的に生み出しています。
  • 成長事業への先行投資と将来性: 主力事業に加え、福利厚生サービス「Perk」や採用管理システム「Hire」への積極的な先行投資を行っており、生成AIの活用も進めることで中長期的なストック収益拡大を目指しています。
  • 短期的な業績鈍化とバリュエーションの乖離: 直近の四半期では売上高・利益ともに減少し、通期でも大幅な営業利益減益を予想しています。しかし、PERは業界平均と比較して極めて割安な水準にあり、企業価値と株価バリュエーションに大きな乖離が見られます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 伸び悩み
収益性 S 優良
財務健全性 S 優良
バリュエーション S 極めて割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,101.0円
PER 6.79倍 業界平均66.2倍 (約90%割安)
PBR 2.13倍 業界平均3.5倍 (約39%割安)
配当利回り 1.82%
ROE 24.36%

1. 企業概要

ウォンテッドリー(Wantedly, Inc.)は、2010年設立のビジネスSNS「Wantedly」を企画・開発・運営する企業です。主力の「Wantedly Visit」は、企業が求める人材と個人が求める仕事・環境との「共感」を重視した求人情報サービスで、多くの企業・個人に利用されています。その他、名刺管理アプリ「Wantedly People」や採用管理システム「Wantedly Hire」、福利厚生サービス「Perk」も展開し、ビジネス領域における人と企業のエンゲージメント向上を支援しています。「つながり」をベースとした採用・交流プラットフォームは、従来の採用手法とは異なる独自のビジネスモデルと技術的独自性を有しています。

2. 業界ポジション

ウォンテッドリーは、国内のビジネスSNSおよび採用プラットフォーム市場において独自のポジションを築いています。特定の職種や形態に限らず、企業の文化や働き方に共感する人材とのマッチングを強みとしており、単なる求人情報掲載サイトとは一線を画しています。情報・通信業に分類され、特にSaaS型のサービス提供は成長性の高い分野です。
財務指標を見ると、PERは6.79倍であり、業界平均の66.2倍と比較して極めて割安な水準にあります。PBRも2.13倍と業界平均の3.5倍を下回っており、純資産に対する株価も割安と評価できます。これは市場が同社の成長性や収益性を十分に評価しきれていない可能性を示唆しています。

3. 経営戦略

ウォンテッドリーは、中長期的な成長戦略として、主力である「Wantedly Visit」事業のさらなる強化に加え、新規事業である「Perk」(福利厚生サービス)や「Hire」(採用管理システム)への積極的な先行投資を継続しています。特にVisit事業では、マーケティング手法の拡張と営業体制の最適化を通じて、有料企業数とアクティブ率の向上を目指しています。
また、生成AI技術の導入によるプロダクト強化も加速させており、SaaSとしての機能差別化を図ることで、ストック収益の拡大を目指しています。2026年8月期は、上記先行投資の影響で営業利益の減益(前年比△39%)を通期予想としていますが、売上高は微増(前年比+1%)を見込んでおり、純利益は増加(前年比+42%)を計画しています。これは、将来に向けた成長エンジン構築への転換期と位置付けられます。今後のイベントとして、2026年8月28日が配当権利落ち日となっています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスで安定した収益力を示します。
財務健全性 2/3 流動比率は高く、株式希薄化もない点が評価されますが、D/Eレシオのデータがないため一部評価が限定的です。
効率性 3/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも良好な水準にあり、効率的な経営が行われています。

ウォンテッドリーのPiotroski F-Scoreは8/9点と非常に高得点で、これは財務体質の優良性を示しています。特に収益性と効率性において満点を獲得しており、財務面での安定性と収益生成能力が高いことが裏付けられています。

【収益性】

ウォンテッドリーの収益性は非常に優れています。過去12か月の営業利益率29.66%と高い水準を維持しており、本業で安定して利益を上げていることがわかります。また、株主資本利益率を示すROE(Return on Equity)も過去12か月で24.36%と、一般的な目安とされる10%を大幅に上回る優良な水準です。総資産利益率を示すROA(Return on Assets)も16.55%と高く、資産を効率的に活用して利益を生み出しています。

【財務健全性】

財務健全性も極めて良好です。自己資本比率は68.4%と高く、負債依存度が低い安定した経営基盤を持っています。流動比率は2.97倍(332%)と、短期的な支払い能力が十分に高いことを示しており、資金繰りに懸念はありません。潤沢な手元資金(62億4,000万円)も財務的な安定性を裏付けています。

【キャッシュフロー】

キャッシュフローは非常に安定しており、事業から効率的に現金を創出しています。過去12か月の営業キャッシュフロー20億6,000万円と潤沢で、フリーキャッシュフロー(事業活動と投資活動で生み出された現金)も20億円と、成長投資を賄いつつ手元に現金を残せる優良な状況です。

【利益の質】

利益の質も非常に高いと評価できます。過去12か月の営業CF/純利益比率1.91であり、純利益を大幅に上回る営業キャッシュフローを生み出しています。これは、会計上の利益が実際現金を伴っていることを示し、利益の信頼性が高い優良な財務状態です。

【四半期進捗】

2026年8月期第1四半期(9-11月期)決算では、通期予想に対する進捗状況が以下のように発表されています。

  • 売上高(営業収益):11億8,411万円(前年同期比△3.4%)
  • 営業利益:3億3,591万円(前年同期比△23.2%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:2億1,131万円(前年同期比△24.9%)

第1四半期の通期予想に対する進捗率は、売上高が23.8%、営業利益が33.6%、純利益が13.7%です。営業利益の進捗は計画に対し先行していますが、売上高は前年同期比で減少し、特に純利益の進捗率が低いのは、通期で計画されている特別利益等の計上によるものと考えられます。直近の業績は先行投資の影響で減益基調にあるものの、通期計画は維持されています。

【バリュエーション】

ウォンテッドリーのバリュエーションは、業界平均と比較して極めて割安と判断できます。

  • PER(株価収益率)は、会社予想ベースで6.79倍です。これは「情報・通信業」の業界平均PER(66.2倍)と比べて約10分の1の水準であり、非常に強い割安感があります。株価が1株あたり利益の何年分かという指標において、極めて投資回収期間が短いと見なせる水準です。
  • PBR(株価純資産倍率)は、実績ベースで2.13倍です。業界平均PBR(3.5倍)を下回っており、企業の解散価値に対する株価も割安であると言えます。

これらの指標は、現在の株価が企業の持つ収益力や資産価値に対して十分に評価されていない可能性を示唆しています。ただし、今期の営業利益が大幅減益予想である点は考慮が必要です。割安感は強いものの、業績の先行投資フェーズが続く間は、市場はやや慎重な見方をする可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値:-4.34 / シグナルライン:-5.63 MACD値がシグナルラインを上回っていますが、その差は小さく、明確なトレンドは示唆されていません。
RSI 中立 45.1% RSIは50%前後で推移しており、買われすぎでも売られすぎでもない中立ゾーンに位置しています。

【テクニカル】

現在の株価1,101.0円は、52週高値の1,437円からは約23%下落した水準、52週安値の925円からは約19%上昇した水準であり、レンジ内ではやや安値圏に位置しています(52週レンジ内位置は34.4%)。
移動平均線を見ると、現在の株価は

  • 5日移動平均線(1,112.00円)を0.99%下回っています。
  • 25日移動平均線(1,111.68円)を0.96%下回っています。
  • 75日移動平均線(1,144.77円)を3.82%下回っています。
  • 200日移動平均線(1,236.71円)を10.97%下回っています。

短期、中期、長期のすべての移動平均線を下回っており、株価は下降トレンドにあるか、少なくとも上値の重い展開が続いています。

【市場比較】

ウォンテッドリーの過去1年間の相対パフォーマンスは、市場全体と比較して軟調に推移しています。

  • 日経平均比: 1年リターンで日経平均を53.65%ポイント下回っています。
  • TOPIX比: 同様に、1年リターンでTOPIXを大きく下回る結果となっています。

短期(1ヶ月)では日経平均やTOPIXを上回るパフォーマンスを見せていますが、中長期(3ヶ月、6ヶ月、1年)では市場全体の強い上昇トレンドとは逆行する形となっています。これは、個別企業の業績動向や先行投資による利益圧迫が市場の評価に影響している可能性を示唆します。

【定量リスク】

ウォンテッドリーの株価は、市場全体と比較して値動きが小さい傾向にあります。

  • ベータ値0.09であり、これは市場全体(S&P 500の動きに連動すると仮定)の値動きに対して非常に連動性が低いことを示します。市場が大きく変動しても、ウォンテッドリーの株価は相対的に安定している可能性が高いです。
  • 年間ボラティリティは32.59%です。これは比較的高いボラティリティを示しており、株価の変動幅が大きい銘柄であることを意味します。
  • シャープレシオは0.43であり、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない水準です(一般的に1.0以上が良好とされる)。
  • 過去のデータに基づく最大ドローダウンは-30.07%です。これは、仮に100万円を投資した場合、過去には最大で30万円程度の損失が出る可能性があったことを示唆しており、将来も同程度の変動が想定されます。

【事業リスク】

  • マーケティング効率の低下と顧客獲得単価の上昇: 採用競争の激化により、顧客企業獲得のためのマーケティング費用が増加し、効率が低下するリスクがあります。これにより、売上高の伸びが鈍化したり、利益を圧迫したりする可能性があります。
  • 先行投資による収益圧迫: 福利厚生サービス「Perk」や採用管理システム「Hire」への積極的な先行投資は、中長期的な成長に必要な反面、短期的には開発費用や人件費が増加し、利益を圧迫する要因となります。これらの投資が期待通りのリターンを生み出さない場合、業績が悪化するリスクがあります。
  • 採用市場および景気変動の影響: ウォンテッドリーの事業は、企業の採用意欲や景気動向に大きく左右されます。国内景気の鈍化や採用需要の減少があった場合、主力サービスである「Wantedly Visit」の利用企業数や収益に悪影響が及ぶ可能性があります。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が134,600株と厚い一方で、信用売残は0株となっています。このため信用倍率は0.00倍と算出されています。信用買残が多い状況は、将来的に買い方が利益確定のために売りに回る際に、株価の重しとなる可能性があります。
主要株主は、創業者の仲暁子氏68.2%サイバーエージェント7.67%川田尚吾氏5.77%と上位を占めており、特定の株主による保有割合が非常に高いことが特徴です。これは経営の安定性につながる一方で、市場における浮動株比率(Float 117万株)が極めて低く、株価の流動性が低い可能性があります。

8. 株主還元

ウォンテッドリーは、安定的な株主還元を目指しています。会社予想による配当利回り1.82%であり、1株あたり配当金は20円を予定しています。
配当性向17.54%と比較的低い水準にあり、利益の多くを内部留保または成長投資に回す方針を示しています。2022年8月期から配当を開始しており、安定配当を重視する姿勢が見られます。現状、自社株買いの積極的な実施に関する情報はデータにありませんが、高い自己資本とフリーキャッシュフローから、今後の株主還元策の柔軟性は高いと考えられます。

SWOT分析

強み

  • 独自のビジネスSNSモデル: 共感採用を軸としたユニークな採用プラットフォームで高いブランド認知度と顧客基盤を持つ。
  • 高収益・高財務体質: 高い営業利益率、ROE、自己資本比率、潤沢なキャッシュフローを誇り、財務基盤が非常に安定している。

弱み

  • 短期的な成長鈍化: 直近の売上高・利益が減少し、通期でも大幅な営業利益減益を予想している点。
  • 低い株価流動性: 特定株主による保有割合が高く、浮動株が少ないため、信用残高の影響を受けやすい。

機会

  • SaaS市場の拡大: ビジネスSaaS市場全体の成長トレンドに乗ることができ、中長期的な収益拡大の余地がある。
  • 生成AI技術の活用: プロダクトへの生成AI機能追加により、サービス競争力を高め、新たな価値創造が可能。

脅威

  • 採用市場の変動: 景気動向や企業の人材投資意欲の変化により、採用プラットフォームの需要が直接影響を受ける。
  • 競合激化とマーケティング効率の低下: 同業他社との競争激化やオンライン広告費の高騰により、顧客獲得コストが増加し収益性を圧迫するリスク。

この銘柄が向いている投資家

  • 成長性よりも安定した財務基盤と高収益性を重視する長期投資家: 財務健全性と収益性の高さが魅力的です。
  • 割安なバリュエーションで、中長期的な成長投資が実を結ぶことを期待する投資家: 現在の株価が企業価値に対して割安であり、将来の成長を見据えた投資を検討する際に適しています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 短期的な業績変動と先行投資フェーズ: 直近の業績は先行投資の影響で減速しており、短期的な株価にはネガティブに作用する可能性があります。
  • 流動性の低さ: 浮動株が少ないため、売買が集中した際の株価変動が大きくなる可能性があり、売買が成立しにくい場面も発生し得ます。

今後ウォッチすべき指標

  • Wantedly Visitの有料企業数およびアクティブ率の推移: 主力事業の基盤となる重要指標。
  • PerkおよびHire事業の成長率と収益寄与度: 新規事業がストック収益としてどれだけ貢献していくか。
  • 研究開発費の推移と生成AI関連機能の進捗: 競争力強化に向けた投資の状況。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    直近四半期の売上高は前年同期比△3.4%、営業利益は△23.2%と減益基調にあります。通期予想も売上高+1%、営業利益△39%と成長が鈍化しており、先行投資が影響しているとはいえ、現状の数値からは伸び悩みが確認されます。
  • 収益性: S
    過去12か月のROEは24.36%、営業利益率は29.66%と、S評価基準を大幅にクリアする非常に高い水準です。利益の質を示す営業CF/純利益比率も1.91と優良で、本業で高い収益力を安定的に生み出しています。
  • 財務健全性: S
    自己資本比率は68.4%、流動比率は2.97倍と、ともにS評価の基準を大きく上回る極めて健全な財務状況です。Piotroski F-Scoreも8/9点と高得点で、安定した経営基盤が確立されています。
  • バリュエーション: S
    PER6.79倍は業界平均PER66.2倍と比較して約90%割安であり、PBR2.13倍も業界平均PBR3.5倍より低く、理論上は極めて割安な水準にあります。短期的な業績鈍化はあるものの、株価が企業価値を十分に反映していないと評価できます。

企業情報

銘柄コード 3991
企業名 ウォンテッドリー
URL https://wantedlyinc.com/ja
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,101円
EPS(1株利益) 162.08円
年間配当 1.82円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 3.5% 7.8倍 1,505円 6.6%
標準 2.7% 6.8倍 1,258円 2.9%
悲観 1.6% 5.8倍 1,014円 -1.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,101円

目標年率 理論株価 判定
15% 630円 △ 75%割高
10% 787円 △ 40%割高
5% 994円 △ 11%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
じげん 3679 408 448 11.17 1.89 20.1 2.69
アトラエ 6194 648 149 19.00 3.91 17.4 5.09

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。