企業の一言説明
生化学工業は、糖鎖関連技術を基盤に、主に関節疾患領域の医薬品・医療機器を展開するニッチな専門性を持つ企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 非常に堅固な財務基盤: 自己資本比率87.3%、流動比率5.84倍と、極めて高い財務健全性を誇ります。研究開発型企業として安定した基盤は強みです。
- 米国の承認再申請による成長期待: 注力開発品である変形性腰椎症治療剤「SI-6603」の米国承認取得に向けた再申請は、将来の売上ドライバーとなり得る重要なポジティブ材料です。
- 直近の収益性と成長性の課題: 過去12ヶ月および直近四半期は赤字を計上しており、売上高も減少傾向にあります。将来の成長への期待と現状の収益性の低さとのギャップを見極める必要があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 停滞・減少 |
| 収益性 | D | 赤字継続 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良 |
| バリュエーション | D | 割高感強い |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 735.0円 | – |
| PER | 44.57倍 | 業界平均27.8倍 |
| PBR | 0.55倍 | 業界平均1.4倍 |
| 配当利回り | 4.08% | – |
| ROE | -1.03% | – |
1. 企業概要
生化学工業は1947年設立の医薬品メーカーです。糖鎖科学を独自の技術基盤とし、主に関節機能改善剤や眼科手術補助剤などの医薬品および医療機器の開発、製造、販売を手掛けています。主力は変形性関節症治療に用いられるヒアルロン酸製剤で、「ARTZ」などのブランドが有名です。また、エンドトキシン検出試薬 (LAL事業) もグローバルに展開しており、安定収益源となっています。研究開発に大きな経営資源を投下し、特に腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」やドライアイ治療薬など、新規パイプラインの創出に注力しています。ヒアルロン酸製剤の一部は、科研製薬や参天製薬に委託販売することで、効率的な販路を確保しています。
2. 業界ポジション
生化学工業は医薬品業界において、糖鎖関連技術という特定のニッチ分野で高い専門性を持つ企業です。特にヒアルロン酸製剤市場では、競合他社も多数存在しますが、長年の実績と高い品質で一定の市場ポジションを確立しています。国内では科研製薬、参天製薬といった大手企業との提携によって販売網を強化しており、特定の領域においてプレゼンスを維持しています。国際的にも製品を展開していますが、グローバル大手製薬会社と比較すると規模は小さいです。
財務指標では、PERが44.57倍と業界平均の27.8倍を大きく上回る一方、PBRは0.55倍と業界平均の1.4倍を大きく下回っています。これは、足元の収益性が低く(PERが高い)、企業が持つ純資産に対して株価が低く評価されている(PBRが低い)という、バリュートラップの可能性も含んだ状況を示唆しています。高い自己資本比率もPBRの低さの一因と考えられます。
3. 経営戦略
生化学工業の中期経営計画の要点は、独自の糖鎖技術を活かした新規開発パイプラインの着実な進捗とその早期承認・上市を通じて、持続的な成長を実現することにあります。特に、変形性関節症・腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」は、米国市場での承認取得が最重要課題の一つであり、その動向が今後の業績を大きく左右します。最近の適時開示として、本レポート時点では「SI-6603の米国承認取得に向け再申請」という注目すべきニュースが挙がっており、これは同社の今後の成長戦略を具体的に示すものです。米国市場での承認は、事業規模の拡大と収益性の改善に大きく貢献する可能性があります。LAL事業(エンドトキシン検出試薬)は安定的な収益源として、研究開発投資を支える基盤事業としての役割を担っています。
2026年3月期の第3四半期決算短信によると、売上高は前年同期比で減少し、営業利益は赤字となっていますが、これは研究開発費の増加や為替影響などが複合的に作用した結果と推測されます。
今後のイベント: 2026年3月30日には、期末配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
4. 財務分析
生化学工業の財務状況を総合的に分析します。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
システムが算出したPiotroski F-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 3/9 | B: 普通 |
| 収益性 | 0/3 | 純利益、ROAの低迷 |
| 財務健全性 | 3/3 | 極めて高い |
| 効率性 | 0/3 | 営業利益率、ROEの低迷 |
- 総合スコア 3/9 (B: 普通): 全体としては「普通」と評価されます。これは、非常に堅固な財務健全性を持つ一方で、直近の収益性と効率性が低迷していることを示しています。
- 収益性スコア 0/3: 過去12ヶ月の純利益がマイナスであり、ROAも-1.78%とマイナスであるため、収益性に関する全ての項目で基準を満たしていません。これは、先行投資としての研究開発費が大きく、かつ直近の売上低迷が収益を圧迫している状況を反映していると考えられます。
- 財務健全性スコア 3/3: 流動比率が5.84倍と高く(基準1.5倍以上)、D/Eレシオ(負債資本倍率)は0.50%と非常に低く(基準1.0未満)、また株式希薄化もないことから、財務健全性は極めて優れています。これは、同社が多額の内部留保と現預金を有していることを示し、長期的な事業継続能力の高さを示唆しています。
- 効率性スコア 0/3: 営業利益率が-0.88%、ROEが-1.03%といずれも基準値(10%)を大きく下回る結果となっています。特に赤字計上によりROEがマイナスとなっているため、株主資本を効率的に活用して利益を生み出せていない状況です。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月): -0.88%
- 直近12ヶ月では本業で損失を出しており、収益性は低い水準にあります。医薬品業界は一般的に研究開発投資が大きく、新薬上市までの期間が長いため、開発コストが先行しやすい特性がありますが、過去の推移を見ても2024年3月期は1.2%、2025年3月期は3.39%と近年は低迷傾向にあり、今後の改善が課題です。
- ROE(実績): -1.03%
- ROEは株主資本を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。過去12ヶ月で赤字を計上しているため、ROEもマイナスとなっています。一般的な目安である10%を大きく下回っており、資本効率の改善が強く求められます。
- ROA(実績): -1.78%
- ROAは企業が総資産をどれだけ効率的に使って利益を上げているかを示す指標です。こちらも赤字のためマイナスです。ベンチマークである5%を大きく下回っており、経営資産の有効活用が課題となっています。
【財務健全性】
生化学工業は非常に高い財務健全性を保っています。
- 自己資本比率(実績): 87.3%
- 自己資本比率は企業の安定性を示す重要な指標で、87.3%は極めて高い水準です。借入に依存せず、自前の資金で経営を行っているため、外部環境の変化や不測の事態にも強い体質と言えます。医薬品開発は長期にわたるため、このような堅牢な財務基盤は安心材料です。
- 流動比率(直近四半期): 5.84倍
- 流動比率は短期的な支払い能力を示す指標です。5.84倍は一般的な目安とされる2倍以上を大幅に超えており、短期的な資金繰りに全く問題がないことを示唆しています。手元の現金及び預金、有価証券が潤沢であることが要因です。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(2025年3月期): 4,429百万円
- 本業で安定してキャッシュを生み出せており、キャッシュフローの質は良好です。過去を見ても2023年3月期1,574百万円、2024年3月期513百万円と変動はあるものの、プラスを維持しています。
- フリーキャッシュフロー(2025年3月期): 889百万円
- 営業キャッシュフローから設備投資などの投資キャッシュフローを差し引いたものがフリーキャッシュフローです。2025年3月期はプラス889百万円となっており、企業の事業活動で生み出した資金を内部で自由に使える状態にあります。2024年3月期が-6,696百万円と大幅なマイナスだったことから回復傾向にありますが、安定的な黒字化が望まれます。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(2025年3月期実績): 364.8% (4,429百万円 / 1,214百万円)
- この比率は、企業の計上している純利益が実際にキャッシュを伴っているかを示す指標です。一般的に1.0以上であれば利益の質が健全とされます。2025年3月期は3.6倍と非常に高い数値を示しており、利益がしっかりキャッシュフローに結びついている健全な会計状況を示しています。ただし、過去12ヶ月の純利益は赤字であるため、直近の指標としては注意が必要です。
【四半期進捗】
2026年3月期の第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗状況は以下の通りです。
- 売上高進捗率: 74.0%(26,934百万円 / 36,400百万円)
- 3Qまでの売上高は26,934百万円で、通期予想36,400百万円に対して約74.0%の進捗です。医薬品業界では下期に売上が集中するケースもあるため、一概に遅れているとは言えませんが、前年同期比では-11.5%の減少となっており、通期での目標達成には最終四半期での巻き返しが必要です。
- 営業利益進捗率: 57.8%(-636百万円 / -1,100百万円)
- 営業利益は第3四半期時点で-636百万円の赤字であり、通期予想の-1,100百万円に対しては、赤字幅が予想より小さいという形で約57.8%の進捗となっています。赤字額が予想内で収まるか、あるいは黒字化できるかが注目されます。
- 純利益進捗率: 124.3%(1,119百万円 / 900百万円)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益は1,119百万円で、通期予想の900百万円をすでに上回っています。これは、特別利益として計上された投資有価証券売却益1,261百万円と為替差益275百万円が大きく寄与したためです。本業の営業利益は赤字である中で、非経常的な要因で純利益が押し上げられている点には注意が必要です。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 44.57倍
- PER(株価収益率)は、株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標で、「株価の割安性」を判断する際に用いられます。生化学工業のPER44.57倍は、医薬品業界平均の27.8倍と比較して非常に割高な水準にあります。これは、会社予想ベースのEPSが低い水準にあること、および将来の成長(例えばSI-6603の承認など)に対する期待感が株価に織り込まれている可能性を示唆しています。ただし、過去12ヶ月は赤字であるため、先行きの不透明感から現在のPER水準をどう評価するかは投資家の判断が分かれるところです。
- PBR(実績): 0.55倍
- PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、企業の「解散価値」や「資産価値」に対して株価が割安かどうかを判断する際に用いられます。生化学工業のPBR0.55倍は、業界平均の1.4倍を大きく下回っており、純資産と比較して株価が割安であると評価できます。一般的にPBR1倍未満は企業の解散価値を下回る状態とされ、純資産に対し株価が低い状態を示唆します。高い自己資本比率にも関わらずこの水準であることは、市場が企業価値の向上に厳しい視線を向けているか、あるいはPBRを評価しないタイプの成長期待型銘柄である可能性も示唆しています。
【テクニカルシグナル】
システムが算出したテクニカルシグナル状況は以下の通りです。
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 4.43 / シグナルライン: 5.48 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 50.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.97% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -0.99% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +2.89% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +8.47% | 長期トレンドからの乖離 |
- MACD: MACD値4.43に対し、シグナルライン5.48と、MACD値がシグナルラインを下回っており、ヒストグラムは-1.05です。これは短期的な上昇モメンタムが弱まり、デッドクロスに近い中立、やや弱気のシグナルを示しています。
- RSI: 現在のRSIは50.1%と、買われすぎ(70%以上)でも売られすぎ(30%以下)でもない中立的な水準にあります。株価がレンジ内で推移していることを示唆します。
【テクニカル】
現在の株価735.0円は、52週高値805円からやや下方に位置し、52週安値603円からはかなりの上方に位置しており、52週レンジの67.0%地点にあります。
移動平均線を見ると、現在の株価は5日移動平均線(742.20円)と25日移動平均線(742.36円)をわずかに下回っており、短期的にはやや下降トレンドにあることを示唆しています。しかし、75日移動平均線(714.39円)と200日移動平均線(677.43円)は上回っており、中期・長期的なトレンドは依然として上昇基調にあることがわかります。特に200日移動平均線からの乖離率が+8.47%とプラスであり、長期的な上昇トレンドが続いていることを示しています。短期的な調整局面、あるいはレンジ相場にあると解釈できます。
【市場比較】
生化学工業の株価パフォーマンスを市場全体と比較すると以下の通りです。
- 日経平均比:
- 1ヶ月パフォーマンスでは、株価が-3.16%に対し日経平均は-8.89%と、生化学工業は日経平均を5.73%ポイント上回っています。市場全体の調整局面で相対的に底堅さを見せた形です。
- 3ヶ月では、株価+6.37%に対し日経平均+7.81%と1.44%ポイント下回りました。
- 6ヶ月では、株価+9.05%に対し日経平均+19.16%と10.11%ポイント下回り、中期的には市場平均に劣後しています。
- 1年では、株価-7.43%に対し日経平均+44.04%と、51.48%ポイントも下回っており、長期的に見て日経平均の上昇トレンドに乗れていないことが明確です。
- TOPIX比:
- 1ヶ月パフォーマンスでは、株価-3.16%に対しTOPIXは-5.04%と、TOPIXを1.87%ポイント上回っています。
- 3ヶ月では、株価+6.37%に対しTOPIX+7.86%と1.49%ポイント下回りました。
これらのデータから、生化学工業の株価は短期的には市場に耐性がある局面も見られますが、中長期的に見ると市場全体の強い上昇トレンドには乗り切れていない状況がうかがえます。これは、直近の収益性の低迷や将来の成長ドライバーの不確実性が影響している可能性があります。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が5.91倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。
現在、貸借倍率が5倍を超えており、投資家の信用買い残が多く積み上がっている状態です。これは、将来的にこれらの買い残が決済される際に売り圧力となり、株価の重しとなる可能性があります。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.21
- ベータ値は市場全体の動きに対する個別銘柄の感応度を示す指標です。0.21という低いベータ値は、市場全体(例: 日経平均やTOPIX)が1%変動した際に、理論上、生化学工業の株価がその0.21%しか変動しないことを意味します。つまり、市場全体の変動に比較的左右されにくい、低ボラティリティな銘柄であると言えます。
- 年間ボラティリティ: 24.94%
- 株価の変動の激しさを示す指標です。年率で約25%の変動が過去に見られたことを意味します。仮に100万円を投資した場合、年間で±24.9万円程度の変動が起こる可能性があることを示しており、投資する際にはこの程度の株価変動は許容する必要があるでしょう。
- シャープレシオ(5Y Monthly): 0.23
- シャープレシオは、リスク1単位あたりどれだけのリターンが得られたかを示す指標です。0.23という数値は、市場平均と比較してリスクに見合ったリターンが十分に得られていないことを示唆しています。一般的に1.0以上が良好な投資先とされます。
- 最大ドローダウン: -22.77%
- 過去のある期間において、株価が最高値から最も大きく下落した割合を示します。これは、投資のタイミングによっては最大で22.77%の含み損を抱える可能性があったことを意味し、将来も同様の下落が起こりうることを念頭に置く必要があります。
【事業リスク】
- 開発パイプラインの成否: 生化学工業の成長は、現在進行中の医薬品開発、特に「SI-6603」の米国承認の成否に大きく依存しています。医薬品開発は、臨床試験の失敗や承認遅延、規制当局の審査厳格化など、多大なリスクを伴います。承認が得られない場合や上市が遅れる場合、多額の研究開発投資が無駄になり、業績に深刻な影響を与える可能性があります。
- 為替変動リスク: LAL事業や海外医薬品の売上比率が高いため、為替変動の影響を受けやすい事業構造です。円高に推移した場合、海外での売上を円換算すると減少し、収益を圧迫する可能性があります。
- 競争激化と薬価改定: 医薬品市場は競合が激しく、特にジェネリック医薬品の普及や他社からの新薬登場は、主力製品の売上減少に繋がる可能性があります。また、国の医療費抑制策による薬価改定は、定期的に行われるため、国内売上や収益性を圧迫する恒常的なリスクとなります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残は578,000株と比較的多く、信用倍率は5.91倍と高水準です。これは、将来的な信用買いの反対売買(売り)が株価の上値を抑える要因となる可能性を示唆しており、売買需給の「重さ」として意識されることがあります。直近で信用買残が減少傾向にある点は、多少の改善兆候とも見れますが、依然として水準は高いです。
- 主要株主構成:
- 開生社 (17.09%)
- 新業(株) (13.8%)
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) (10.42%)
主要上位株主には創業家関連や日本の機関投資家が多く名を連ねています。特に開生社や新業は創業家系の資産管理会社である可能性があり、安定株主として長期的な視点での経営を支えていると考えられます。浮動株比率はデータからは明確ではありませんが、機関投資家の保有比率が16.61%であることから、一定の市場流通性を持つものの、安定した株主構成であると言えます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 4.08%
- 現在の株価735.0円に対し、年間配当予想30.00円から計算される配当利回りは4.08%と、非常に魅力的な水準にあります。現在のような低金利環境下においては、高配当銘柄として注目されやすいでしょう。
- 配当性向(会社予想): 134.83%
- 配当性向は、企業の当期純利益のうちどれだけを配当として株主に還元しているかを示す指標です。134.83%という配当性向は、発表されている会社予想EPSが16.49円と低いことから、企業の利益を上回る配当を支払う計画であることを意味します。これは、実質的に「タコ足配当」に近く、利益を本業から生み出せていない状況で、過去の蓄積された利益剰余金や資産売却益などで配当を維持している可能性が高いです。将来的な利益の回復が見込めない場合、減配のリスクがある点は十分に注意が必要です。
- 自社株買いの状況: 提供されたデータからは、直近の自社株買いの状況に関する具体的な情報はありません。ただし、自己株式(自社(自己株口))の保有割合が3.89%あるため、過去に実施された実績はあると考えられます。
SWOT分析
強み
- 高度な糖鎖技術とニッチ領域での専門性: 関節機能改善剤や眼科手術補助剤など、特定の領域で差別化された製品を提供。
- 極めて健全な財務基盤: 自己資本比率87.3%、流動比率5.84倍と、研究開発型企業に必要な安定した資金力を持つ。
弱み
- 直近の収益性の低迷と赤字計上: 過去12ヶ月および通期予想で営業利益が赤字であり、事業活動から十分な利益を生み出せていない。
- 成長ドライバーの不確実性: 主要開発品「SI-6603」の承認状況が業績見通しに大きく影響し、未承認の間は成長が停滞。
機会
- 「SI-6603」の米国承認による市場拡大: 世界最大の医薬品市場である米国での承認取得は、売上高と利益の大幅な押し上げの可能性を秘める。
- 高齢化社会における関節疾患治療ニーズの増加: 主要製品がターゲットとする関節疾患領域は、高齢化の進展に伴い需要が拡大する。
脅威
- 新薬開発の失敗・遅延リスク: 医薬品開発は成功確率が低く、多大な研究開発費が投じられるため、失敗した際の損失が大きい。
- 為替変動、薬価制度改革、競合製品の登場: 海外売上の影響や政府の医療費抑制策、他社の低価格製品や新薬との競争激化が収益を圧迫する可能性。
この銘柄が向いている投資家
- 高配当利回りを重視する長期投資家: 高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向の高さを理解し、将来的な減配リスクを許容できる投資家。
- バイオベンチャー的な成長期待を追う投資家: 開発パイプライン、特に「SI-6603」の進捗を評価し、その成功による株価上昇を期待する投資家。財務基盤の安定性は、バイオベンチャー特有のリスクを軽減する要素となり得ます。
- ファンダメンタルズよりもテクニカル分析を重視する投資家: 短期的な株価の変動やトレンドを捉えて売買するスタイル。
この銘柄を検討する際の注意点
- 高すぎる配当性向の持続可能性: 利益を上回る配当は通常持続可能ではありません。今後の利益動向や特別な収益源(資産売却など)がなければ、減配のリスクが現実化する可能性があります。
- 研究開発の進捗と不確実性: 新薬開発は不確実性が高く、期待が大きい分、進捗に遅延や失敗があった場合の株価への影響も大きいです。最新の開発状況を常に確認する必要があります。
- 本業の収益力改善が不可欠: 極めて高い財務基盤を持つ一方で、本業の営業利益が赤字である点は根本的な課題です。ROAやROEがプラスに転じ、安定した収益を生み出せるようになるかどうかが、長期的な企業価値向上には不可欠です。
今後ウォッチすべき指標
- 「SI-6603」の米国承認に関するニュース: 承認取得の有無と時期が最も重要な今後のイベントです。ポジティブな発表があれば株価へのインパクトは大きいでしょう。
- 四半期ごとの営業利益と純利益の推移: 本業の収益力回復状況を測る上で重要です。特に、特別利益に依存しない形での収益改善が見られるかどうかに注目です。
- 研究開発費の売上高に占める割合: 研究開発型企業として、適切な投資が継続されているかを監視するとともに、その投資が将来の売上に結びつくかを評価する必要があります。第3四半期で売上高比17.3%と高い水準です。
10. 企業スコア
生化学工業の各項目における評価と根拠は以下の通りです。
- 成長性: D (停滞・減少)
- 根拠: 過去12ヶ月の純利益が-488百万円と赤字であり、また直近の四半期売上高成長率も前年比-11.8%と減少傾向にあります。2026年3月期の通期会社予想売上高も前年比で減少見込みであり、現時点では成長性に関する明確なポジティブ要因が見られません。
- 収益性: D (赤字継続)
- 根拠: 過去12ヶ月のROEが-1.03%、営業利益率が-0.88%と、いずれもマイナスで赤字を計上しています。目安となるROE10%以上、営業利益率10%以上を大きく下回っているため、収益性に関しては懸念があります。
- 財務健全性: S (極めて優良)
- 根拠: 自己資本比率は87.3%と、S評価基準である60%以上を大幅にクリアしています。流動比率も5.84倍とS評価基準の200%以上(2倍)を大きく超え、Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアでも3/3点を獲得しており、極めて安定した財務基盤を有しています。
- バリュエーション: D (割高感強い)
- 根拠: PERは44.57倍と業界平均27.8倍の1.3倍以上(約1.6倍)であり、大幅に割高と判断されます。PBRは0.55倍と業界平均を大きく下回り割安ですが、直近の業績が赤字であることや、将来の成長への期待がPERに織り込まれていることを考慮すると、PBRの割安感のみでS評価とすることはできません。PERの割高感と事業リスクを総合すると、現状の株価はリスクに対して十分な安全域がなく、D評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 4548 |
| 企業名 | 生化学工業 |
| URL | http://www.seikagaku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 735円 |
| EPS(1株利益) | 16.49円 |
| 年間配当 | 4.08円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 45.5倍 | 750円 | 0.9% |
| 標準 | 0.0% | 39.5倍 | 652円 | -1.8% |
| 悲観 | 1.0% | 33.6倍 | 582円 | -3.9% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 735円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 334円 | △ 120%割高 |
| 10% | 418円 | △ 76%割高 |
| 5% | 527円 | △ 40%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ゼリア新薬工業 | 4559 | 2,203 | 1,104 | 12.98 | 1.01 | 9.4 | 2.17 |
| JCRファーマ | 4552 | 576 | 746 | 46.82 | 1.51 | 3.4 | 3.47 |
| あすか製薬ホールディングス | 4886 | 2,335 | 671 | 13.43 | 0.96 | 7.6 | 2.35 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.32)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。