企業の一言説明
丸尾カルシウムは工業用カルシウム専業メーカーとして、塗料、ゴム、合成樹脂、医薬、食品向けなど幅広い用途に製品を提供する、業界で独自の地位を築く企業です。
総合判定
堅実な財務基盤と極端な低PBRが魅力の成熟企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて堅実な財務体質: 自己資本比率約58%、流動比率2.73倍と安定しており、Piotroski F-Scoreも良好な5点を獲得しています。
- 歴史的低PBRによる割安感: PBRが0.30倍と業界平均を大きく下回る極めて低い水準にあり、純資産価値に比べて株価が大幅に割安であると評価できます。
- 収益性と成長性の課題: 売上高は緩やかな変動にとどまり、低水準の営業利益率とROEが継続しており、短期的な成長期待は限定的です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 停滞傾向 |
| 収益性 | D | 低い水準 |
| 財務健全性 | A | 良好な水準 |
| バリュエーション | A | 割安感強い |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,425.0円 | – |
| PER | 20.25倍 | 業界平均15.9倍 |
| PBR | 0.30倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 2.11% | – |
| ROE | 1.53% | – |
1. 企業概要
丸尾カルシウムは1926年創業の工業用カルシウム専業メーカーで、塗料、ゴム、合成樹脂、医薬、食品添加物など多岐にわたる産業向けに、各種炭酸カルシウムを製造・販売しています。コロイド状炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなどを主力製品とし、湿式シリカ製品の輸入販売も手がけています。天然資源を加工する独自の技術と長年のノウハウが参入障壁となり、ニッチな市場で存在感を示しています。
2. 業界ポジション
同社は、化学製品の中でも特に工業用カルシウム製品に特化した専業メーカーとして、国内市場で確固たる地位を築いています。特定の素材に特化することで専門性を高め、顧客ニーズに合わせたきめ細やかな対応が強みです。競合他社は多角的な事業展開を行う大手化学メーカーが多い中、特定の用途に最適な製品開発で差別化を図っています。特定の顧客基盤を背景に安定した事業基盤を持つ一方で、市場規模の拡大には限界がある点、およびより多様な素材や海外企業の進出による競争激化が潜在的な弱みとなる可能性があります。
3. 経営戦略
丸尾カルシウムは、安定した需要が見込まれる工業用カルシウム市場において、高品質な製品供給と顧客ニーズへの対応を基本戦略としています。過去には中国市場への進出も図り、グローバル展開を模索しましたが、直近の決算短信では、連結子会社であった東莞立丸奈米科技有限公司の清算結了による連結範囲からの除外が報告されており、戦略の見直しが進められている可能性が示唆されます。2026年3月期第3四半期決算では、売上高は減少したものの、営業外収益の増加により純利益は通期予想を上回る進捗を見せており、コスト管理と効率化が今後の経営の鍵となるでしょう。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務状況を示す9つの基準に基づいて計算されるスコアで、高いほど財務健全性が高いと評価されます。
丸尾カルシウムのF-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAがプラスで良好 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化なしで優良 |
| 効率性 | 0/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも目標に届かず |
総合スコアが「A: 良好」であることから、丸尾カルシウムの財務体質は全体的に健全であると評価でき、特に財務健全性の項目では満点を取得しています。これは、企業の安定した経営基盤を示唆していますが、効率性の点で課題があることを浮き彫りにしており、利益率や成長性といった収益力の改善が今後の重要な課題です。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
- 営業利益率: 過去12ヶ月の営業利益率は2.37%で、これは一般的に求められる水準(5%〜10%以上)と比較して低い状態であり、本業での収益力に課題があることを示唆しています。
- ROE: 株主資本利益率は過去12ヶ月で2.21%と、一般的な目安とされる10%を大きく下回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が低いと評価できます。
- ROA: 総資産利益率は過去12ヶ月で0.04%と極めて低く、企業が保有する資産全体を効率的に使って利益を上げられているとは言いがたい状況です。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
- 自己資本比率: 実績は57.8%と高く、企業の財務基盤が非常に安定していることを示しています。これは負債に過度に依存せず、自己資金で事業を継続できる能力が高いことを意味します。
- 流動比率: 直近四半期で2.73倍と、一般的に健全とされる2倍を大きく超えており、短期的な資金繰りに全く問題がない、非常に良好な水準です。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 4億6,400万円 | -7億4,500万円 | 6億600万円 | -2億8,100万円 | 30億2,400万円 |
| 2024.03 | 5億800万円 | -3億4,500万円 | -7億6,200万円 | 1億6,300万円 | 24億5,700万円 |
| 2025.03 | 2億4,600万円 | -11億7,300万円 | 1億1,600万円 | -9億2,700万円 | 16億7,000万円 |
過去数年のキャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローはプラスですが、投資キャッシュフローがマイナスで推移しており、設備投資などが行われていることが示唆されます。特に2025年3月期は、投資活動による支出が大きく増加したため、フリーキャッシュフローはマイナスに転じ、現金等残高も減少傾向にあります。
【利益の質】営業CF/純利益比率
営業キャッシュフローの純利益に対する比率は約1.26倍(営業CF2億4,600万円 ÷ 純利益1億9,500万円)であり、1.0倍を上回る健全な水準です。これは、計上されている利益が、現金支出を伴わない会計上の利益だけでなく、実際に手元に入る現金によって裏付けられていることを示しており、利益の質は良好です。
【四半期進捗】通期予想に対する進捗率
2026年3月期第3四半期累計の決算状況は、売上高が通期予想の約71.4%、営業利益が約55.6%、純利益(親会社株主に帰属)が約118.4%と報告されています。純利益がすでに通期予想を上回る高い進捗率を見せているのは、特別利益の計上や営業外収益の増加によるものであり、特に為替差益の増加などが影響していると考えられます。売上と営業利益は通期予想に対して慎重なペースですが、純利益の上振れはポジティブな要素です。
【バリュエーション】PER/PBR
丸尾カルシウムのPER(会社予想)は20.25倍であり、業界平均の15.9倍と比較するとやや割高です。一方、PBR(実績)は0.30倍と非常に低く、業界平均の0.7倍を大幅に下回っています。これは、企業の純資産価値に対して株価が極めて割安に評価されていることを示しており、低PBR銘柄として注目に値します。PERの割高感は収益性の低さに起因する可能性もありますが、PBRの極端な割安感が全体的なバリュエーションの魅力を高めています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -5.86 / シグナル値: -5.36 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 47.6% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.52% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -0.46% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -0.61% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +2.03% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDはシグナルラインを下回っていますが、その差は小さく、RSIも中立水準の47.6%であり、直近の株価に明確な買われすぎや売られすぎのシグナルは見られません。各移動平均線からの乖離率も小さく、方向性の定まらないもみ合いの動きを示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価1,425.0円は、52週高値1,569.00円と52週安値1,282.00円の中間(49.8%)に位置しており、極端な高値圏や安値圏にはありません。移動平均線を見ると、株価は5日移動平均線に対してほぼ同水準、25日および75日移動平均線をわずかに下回っているものの、200日移動平均線は上回っており、中長期的な底堅さは保たれている状況です。
【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -0.84% | -2.07% | +1.23%pt |
| 3ヶ月 | +2.15% | +4.68% | -2.53%pt |
| 6ヶ月 | +3.26% | +16.10% | -12.84%pt |
| 1年 | +3.64% | +41.25% | -37.62%pt |
過去1ヶ月間では日経平均をアウトパフォームしていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間では、丸尾カルシウムの株価は日経平均のパフォーマンスを大きく下回っています。これは、市場全体の成長トレンドから同社が恩恵を受けきれていないことを示唆しており、相対的な株価のモメンタムは弱い状態です。
【注意事項】
⚠️ 低PBR0.30倍かつ低ROE1.53%であり、バリュートラップ(割安に見えるが、成長が見込めず株価が低迷し続ける状態)の可能性も考慮する必要があります。
【定量リスク】
丸尾カルシウムの年間ボラティリティは18.64%、最大ドローダウンは-14.42%です。仮に100万円投資した場合、年間で±18.64万円程度の株価変動が想定されます。シャープレシオは-0.01であり、リスクに見合うリターンが十分に得られていないことを示唆しています。
【事業リスク】
- 原料価格の変動: 主要な原料である石灰石などの価格変動は、製造コストに直接影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。
- 国内市場の縮小: 少子高齢化などによる国内需要の長期的な縮小は、安定した収益基盤に影響を与える可能性があります。
- 環境規制の強化: 製造プロセスにおける環境規制の強化は、新たな設備投資や運用コスト増加につながる可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が4,100株に対し、信用売残は0株となっており、信用倍率は具体的な数値としては示されませんが、買い方のポジションが一方的に多い状況です。これは、売り圧力が現状ではない一方で、将来的な買い圧力の不足や、買残の整理による株価下落リスクを内包する可能性もあります。
主要株主構成を見ると、中国砿業(10.57%)、自社(自己株口)(9.46%)、丸尾治男氏(代表者個人)(7.09%)が上位を占めています。特定の企業や創業家が上位株主であり、安定した株主構成と言えますが、流動性の低さにも繋がりやすい傾向があります。
8. 株主還元
配当利回り(会社予想)は2.11%であり、1株配当は30.00円が予想されています。配当性向は44.4%と、一般的に健全とされる30%から50%の範囲内にあり、利益に見合った安定的な配当が継続されていると評価できます。自社株買いの直近の状況はデータにありませんが、配当性向を見る限り、現在の配当水準の持続可能性は良好です。
SWOT分析
強み
- 長年の歴史と独自の技術に裏打ちされた工業用カルシウム専業メーカーとしての専門性とブランド力があります。
- 自己資本比率約58%と流動比率2.73倍という極めて堅実な財務基盤を持っています。
弱み
- 営業利益率2.37%とROE2.21%が示すように、収益性と資本効率が低い水準にあります。
- 売上高は横ばい傾向にあり、持続的な成長ドライバーが見えにくい状況です。
機会
- PBR0.30倍という極端な低水準は、M&Aやアクティビストからのアプローチの可能性を秘めています。
- 特定産業の需要回復や新技術・新製品の開発により、高付加価値製品市場で売上を伸ばせる可能性があります。
脅威
- 原材料費やエネルギー価格の変動が、収益性をさらに圧迫するリスクがあります。
- 海外競合の台頭や、代替素材の開発などによる市場競争激化が進む可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 堅実な財務基盤を重視し、安定配当を長期で受け取りたい投資家: 高い自己資本比率と流動比率、安定的な配当性向は、企業の堅牢性を示しています。
- バリュー株投資家・低PBR株に関心のある投資家: PBRが0.30倍と極めて低く、純資産に対しての割安感が非常に強いため、株価是正の可能性を期待する投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 低い収益性と成長性は、株価の本格的な上昇を抑制する要因となり得るため、事業構造改革や成長戦略の進捗を注視する必要があります。
- PBRの極端な低さは魅力ですが、それが「バリュートラップ」とならないか、今後の業績や経営計画を慎重に見極める必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の改善: 安定的な企業成長のため、営業利益率が5%以上に改善するか。
- ROEの向上: 株主資本の効率的な活用を示すROEが5%以上に回復し、株主価値向上への意欲が示されるか。
- 東証によるPBR改善要請への対応: 東証が求めるPBR1倍割れ企業への対応策について、具体的な経営戦略やIR活動が発表されるか。
成長性
D: 業績推移を見ると、売上高は過去数年で横ばい傾向にあり、直近の四半期売上成長率も-4.30%とマイナスであるため、現状では持続的な成長が見られません。
収益性
D: ROEは2.21%、営業利益率は2.37%と、一般的な目安であるROE10%や営業利益率5%を大きく下回っており、収益性および資本効率には強い課題がある状態です。
財務健全性
A: 自己資本比率が57.8%と高く、流動比率も2.73倍と非常に良好な水準であり、Piotroski F-Scoreも5/9点(良好)であることから、財務基盤は強固であると評価できます。
バリュエーション
A: PBRが0.30倍と業界平均を大幅に下回る極めて低い水準にあり、純資産価値から見て非常に割安感があります。一方でPERは業界平均よりやや高いものの、PBRの割安感が全体的なバリュエーションの魅力を高めています。
企業情報
| 銘柄コード | 4102 |
| 企業名 | 丸尾カルシウム |
| URL | https://www.maruo-cal.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,425円 |
| EPS(1株利益) | 70.38円 |
| 年間配当 | 2.11円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.6% | 22.5倍 | 2,741円 | 14.1% |
| 標準 | 8.9% | 19.6倍 | 2,112円 | 8.3% |
| 悲観 | 5.3% | 16.7倍 | 1,520円 | 1.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,425円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,057円 | △ 35%割高 |
| 10% | 1,320円 | △ 8%割高 |
| 5% | 1,665円 | ○ 14%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 神島化学工業 | 4026 | 1,842 | 170 | 10.63 | 1.18 | 12.3 | 2.66 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.34)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。