企業の一言説明
平和堂は滋賀県を地盤に食料品、衣料品、住居関連品等の小売事業を展開する地域密着型の総合スーパー企業です。
総合判定
低PBRの安定株、収益性改善と成長戦略の進捗が鍵
投資判断のための3つのキーポイント
- 業界平均を大きく下回る割安なバリュエーション(PER、PBR): 財務健全性と安定した配当を背景に、現在の株価は純資産価値や収益力に対して相対的に低い水準にあります。
- 高水準の自己資本比率と安定した配当政策: 強固な財務基盤に加え、健全な配当性向で無理なく株主還元を継続している点は、長期投資家にとって魅力です。
- 低い収益性と鈍化する成長性、そして流動性への課題: 業界平均と比較して収益率が低く、足元の業績も横ばい傾向。また、流動比率の低さは短期的な支払い能力に懸念を示しており、これらを改善する成長戦略の進捗が求められます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 伸び悩み |
| 収益性 | C | 課題あり |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | S | 非常に割安 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,907.0円 | – |
| PER | 14.67倍 | 業界平均21.3倍 |
| PBR | 0.73倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 2.27% | – |
| ROE | 4.88% | – |
1. 企業概要
平和堂は、滋賀県を地盤に近畿・北陸・東海地区で食品、衣料品、住居関連品を扱う総合スーパーマーケットを展開しています。大型店を主力とし、地域に密着したドミナント戦略で店舗網を拡大。また中国での百貨店事業や小売周辺事業も手掛け、多角的な収益モデルを構築しています。
2. 業界ポジション
国内小売業界において、平和堂は滋賀県を中心にドミナント戦略を推進する地域密着型の中堅スーパーです。大手総合スーパーのような全国規模の展開はないものの、食品スーパーとしての競争力と大型店の集客力を背景に、地域内では強固な顧客基盤を築いています。
3. 経営戦略
平和堂は、引き続き地域密着型のドミナント戦略により、既存店の改装や新規出店を通じて競争力強化を図っています。小売周辺事業(商業施設運営・管理、食品製造加工など)の強化に加え、中国での百貨店事業も展開し、収益多角化を進めています。直近では2027年2月期に売上高4,780億円(前年比+4.8%)、営業利益143億円(前年比+7.4%)、当期純利益98億円(前年比+4.1%)への増収増益を見込んでおり、配当は年間66円(中間33円、期末33円)を継続する計画です。また、2026年8月19日には配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
当社のPiotroski F-Scoreは5点で「良好」と評価されます。これは、財務体質が比較的健全であり、安定した経営基盤を持つことを示唆しています。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAがプラスを維持し、安定した収益性を確保しています。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 負債比率は健全ですが、流動比率は短期的な支払い能力に課題を残します。株式希薄化は回避されています。 |
| 効率性 | 1/3 | 四半期の売上高成長率はプラスですが、営業利益率とROEの改善が今後の課題です。 |
【収益性】
過去12ヶ月の営業利益率は1.59%、ROE(実績)は4.88%、ROA(実績)は2.75%です。ROEの一般的な目安である10%、またROAの目安である5%と比較して、収益性には改善の余地があると言えます。
【財務健全性】
自己資本比率(実績)は62.5%と非常に高く、強固な財務基盤を築いています。一方で、流動比率(直近四半期)は0.70と1.0を下回っており、短期的な支払い能力には注意が必要です。
【キャッシュフロー】
当社のキャッシュフローは以下の通りです(単位: 百万円)。
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024.02 | 6,050 | 22,699 | -16,649 | -1,692 | 29,426 |
| 2025.02 | 8,327 | 22,973 | -14,646 | -15,167 | 22,881 |
| 2026.02 | 1,311 | 17,784 | -16,473 | -5,129 | 19,165 |
2026年2月期の営業キャッシュフローは177億8,400万円と潤沢でしたが、投資キャッシュフローの支出が大きく、フリーキャッシュフローは13億1,100万円にとどまりました。現金等残高は減少傾向にあります。
【利益の質】
2026年2月期の営業キャッシュフロー/当期純利益比率は1.89倍(177億8,400万円 / 94億900万円)と1.0を大きく上回っており、利益の質は健全であると言えます。これは、会計上の利益が確実に現金収入を伴っていることを示しています。
【四半期進捗】
直近の決算短信では2026年2月期の業績が発表されており、2027年2月期予想(売上高+4.8%、営業利益+7.4%、当期純利益+4.1%)への増益を計画しています。
【バリュエーション】
平和堂のPER(会社予想)は14.67倍、PBR(実績)は0.73倍です。小売業界の平均PER21.3倍、平均PBR1.8倍と比較すると、同社株は非常に割安と判断できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 2.43 / シグナル値: -10.23 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 47.2% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -1.92% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +0.21% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -1.56% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -0.57% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDは中立シグナルを示しており、短期的なトレンドに明確な方向感は見られません。RSIも47.2%と中立圏にあり、売買の過熱感は低いと言えます。
【テクニカル】
現在の株価2,907.0円は、52週高値3,250.00円に対して約10.5%低い水準、52週安値2,477.00円に対して約17.4%高い水準に位置しています(52週レンジ内位置: 56.4%)。直近の株価は5日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線を下回る一方、25日移動平均線をわずかに上回っており、短期から中期の方向性が定まっていない状況です。
【市場比較】
日経平均株価およびTOPIXとの相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +2.18% | -2.07% | +4.25%pt |
| 3ヶ月 | +1.79% | +4.68% | -2.89%pt |
| 6ヶ月 | -1.12% | +16.10% | -17.23%pt |
| 1年 | +15.40% | +41.25% | -25.85%pt |
| 期間 | 当銘柄 | TOPIX | 差 |
| —— | ——– | ———- | —– |
| 1ヶ月 | +2.18% | +0.32% | +1.86%pt |
| 3ヶ月 | +1.79% | +6.49% | -4.70%pt |
過去1ヶ月では日経平均およびTOPIXを上回るパフォーマンスを見せましたが、3ヶ月以上の期間では両指数を下回る推移となっており、中長期的には市場全体と比較して出遅れている状況です。
【定量リスク】
平和堂のベータ値は-0.01であり、市場全体の動きにほとんど連動せず、むしろ逆の動きをすることがあることを示唆しています。過去5年間の年間ボラティリティは21.24%と中程度で、仮に100万円投資した場合、年間で±21万2,400円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-39.38%と大きく、短期間で株価が大幅に下落するリスクも存在します。
【事業リスク】
主な事業リスクは以下の3点です。
- 競争激化と消費動向の変化: 小売業界は競争が激しく、消費者の嗜好や購買行動の変化、少子高齢化、節約志向の高まりなどが業績に影響を与える可能性があります。
- 原材料価格の高騰と人件費の上昇: 主に食料品を中心とした原材料コストの上昇や、人手不足に伴う人件費の増加は、利益率を圧迫するリスクがあります。
- 海外事業(中国百貨店)の不確実性: 中国での百貨店事業は、現地の経済状況、消費トレンド、政治情勢等の影響を受けやすく、安定的な収益確保には不確実性が伴います。
7. 市場センチメント
信用倍率は1.43倍(信用買残34,000株、信用売残23,700株)と比較的新しい売り圧力が低い水準にあり、今後大きな投げ売りが出にくい状況と言えます。ニュース動向は、直近の決算発表で減益となったことやアナリスト予想を下回ったことで総合的にネガティブな評価が目立ちますが、来期増益予想も同時に報じられており、今後の進捗に注目が集まっています。
主要株主は以下の通り、創業家関係や金融機関、自社関連が上位を占めています。
- 夏原商事(6.79%)
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)(6.64%)
- 自社共栄会(5.91%)
8. 株主還元
平和堂の配当利回りは2.27%、直近の配当性向は34.9%です。配当性向は30-50%の健全な範囲内にあり、利益の範囲内で無理なく配当を継続していると評価できます。現状の利益水準から見ても、持続可能性は高いと考えられます。自社株買いは、直近では自己株式数が2,091,400株(発行済株式の4.06%)と開示されており、株主還元への意識が見られます。
SWOT分析
強み
- 滋賀県を軸とした強固な地域密着型ドミナント戦略により、安定した顧客基盤を保持しています。
- 自己資本比率62.5%と非常に高く、財務健全性が優れています。
弱み
- 営業利益率1.59%、ROE4.88%と収益性が低く、改善が求められます。
- 流動比率0.70と短期的な支払い能力に課題があります。
機会
- 既存店の改装や小売周辺事業の強化により、収益源の多角化を進める余地があります。
- 低PBR銘柄として、市場からの再評価やM&Aによる成長機会の可能性があります。
脅威
- 人口減少や競合他社の進出により、既存市場での競争がさらに激化する可能性があります。
- インフレや消費税増税など、消費者の購買意欲を冷え込ませる外部環境の変化が考えられます。
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤と配当を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と健全な配当性向は、長期的な資産形成を志向する投資家にとって魅力的です。
- 割安株を好むバリュー投資家: 業界平均と比較してPBRが0.73倍と低く、潜在的な価値を見出す投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性の改善が株価上昇の重要なドライバーとなるため、今後の利益率向上策と実績を注視する必要があります。
- 流動性の低さは短期的な懸念材料であるため、キャッシュフローの状況を継続的に確認することが推奨されます。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の推移: 目標値として3%以上の安定的な確保を継続できるか。
- ROEの改善: 目標値として8%以上への回復が見られるか。
- 既存店売上高成長率: ドミナント戦略の有効性を示す2%以上の安定的な成長を維持できるか。
- 中国事業の収益性: 海外事業の貢献度が明確に向上し、不確実性が減少するか。
成長性: C (伸び悩み)
過去3年間の売上高は緩やかに増加しているものの、営業利益は横ばい傾向であり、長期的な成長が鈍化しているため「伸び悩み」と評価しました。2027年2月期は増益予想ですが、継続性が重要です。
収益性: C (課題あり)
ROE4.88%、ROA2.75%、過去12ヶ月の営業利益率1.59%はいずれも業界平均や一般的な目安を下回っており、収益性には改善の余地が大きいため「課題あり」と評価しました。
財務健全性: A (良好)
自己資本比率62.5%と極めて高く、有利子負債も少ないため強固な財務基盤を持っていますが、流動比率0.70が1.0を下回ることから、短期的な支払い能力に若干の懸念があるため「良好」と評価しました。Piotroski F-Scoreも5点と良好な水準です。
バリュエーション: S (非常に割安)
PER14.67倍、PBR0.73倍はいずれも業界平均(PER21.3倍、PBR1.8倍)を大きく下回っており、株価は市場や業界と比較して極めて割安な水準にあるため「非常に割安」と評価しました。
重要な注意事項
企業情報
| 銘柄コード | 8276 |
| 企業名 | 平和堂 |
| URL | http://www.heiwado.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,907円 |
| EPS(1株利益) | 198.16円 |
| 年間配当 | 2.27円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.4% | 16.9倍 | 5,741円 | 14.6% |
| 標準 | 8.8% | 14.7倍 | 4,429円 | 8.9% |
| 悲観 | 5.3% | 12.5倍 | 3,195円 | 2.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,907円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,209円 | △ 32%割高 |
| 10% | 2,759円 | △ 5%割高 |
| 5% | 3,482円 | ○ 17%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| イズミ | 8273 | 1,057 | 2,272 | 14.95 | 0.77 | 5.3 | 2.83 |
| バローホールディングス | 9956 | 3,870 | 2,089 | 13.05 | 1.11 | 9.3 | 1.80 |
| フジ | 8278 | 2,144 | 1,862 | 32.68 | 0.85 | 2.6 | 1.39 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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