企業の一言説明
ASTIは、車載電装品、民生産業機器、ワイヤハーネスを主力事業として展開する、幅広い分野に部品を供給する電気機器メーカーです。
総合判定
割安に放置された構造改革途上の企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて低いPBR・PERに示される強い割安感があり、資産価値からの評価が高い。
- 財務健全性は良好で安定しているものの、収益性と成長性に課題があり、特定の事業セグメントで減益傾向が見られる。
- 為替変動、原材料価格高騰、EV市場の価格競争など、事業を取り巻く外部環境リスクへの対応が今後の収益改善の鍵となる。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 停滞 |
| 収益性 | D | 低い |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | S | 極めて割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,367.0円 | – |
| PER | 10.57倍 | 業界平均12.9倍 (約82%の水準) |
| PBR | 0.30倍 | 業界平均0.8倍 (約38%の水準) |
| 配当利回り | 4.68% | – |
| ROE | 1.75% | – |
1. 企業概要
ASTIは、車載電装品(エアコンパネル、センサー、EV向け制御機器等)、民生産業機器(家電・産業ロボット向け制御基板)、ワイヤハーネス(車両、医療機器向け)を製造・販売する電気機器メーカーです。多様な部品を供給する多角的な収益モデルを有し、特に電動車向け製品や医療機器といった成長分野への展開も図っています。特定の領域に特化せず、幅広い技術と製品を通じて参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
同社は電気機器業界において、特定のニッチ市場で独自の技術と製品を提供しています。大規模な市場シェアを持つグローバル企業というよりは、特定の顧客ニーズに応える形で事業を確立しているサプライヤーと位置付けられます。自動車、家電、産業機器といった多様な分野で事業を展開することで、リスク分散を図りつつ、安定的な需要を確保しています。競合に対する強みは、多岐にわたる製品ラインナップと長年の実績に基づく顧客基盤と考えられます。
3. 経営戦略
ASTIは、次期中期経営計画に向けた具体的な方針を検討中であり、今後の成長戦略の明確化が待たれます。直近の決算説明資料では、為替変動(円高から円安への変化)が業績にポジティブな影響を与えていると分析されていますが、ワイヤーハーネスの受注減少、中国EV市場の価格競争激化、銅等の材料原価高騰、人件費上昇といった課題に直面しています。配当方針として連結営業利益の20%を基準としており、株主還元への意識は高いです。今後のイベントとして、2025年3月28日に権利確定日を迎える配当があります。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAが正であり、基礎的な収益力は確保されています。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が基準以上、D/Eレシオも低く、株式希薄化もないため、財務は安定しています。 |
| 効率性 | 0/3 | 営業利益率とROEが低く、四半期売上成長率もマイナスであるため、資本効率や成長性に課題があります。 |
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 2.32%
- 業界平均と比較して低水準であり、収益性には改善の余地があります。
- ROE(過去12か月): 1.75%
- 株主資本に対する利益創出能力が低く、ベンチマークである10%を大幅に下回っています。
- ROA(過去12か月): 1.65%
- 総資産に対する利益創出能力も低く、ベンチマークである5%を下回っています。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 53.3%
- 50%を超えており、財務基盤は比較的安定していると評価できます。
- 流動比率(直近四半期): 2.49倍
- 200%(2倍)を大きく上回っており、短期的な支払い能力は非常に高い水準にあります。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | フリーCF |
|---|---|---|---|
| 2023.03 | 4,911百万円 | -4,980百万円 | -69百万円 |
| 2024.03 | 3,223百万円 | -1,959百万円 | 1,264百万円 |
| 2025.03 | 5,600百万円 | -1,455百万円 | 4,145百万円 |
2025年3月期は営業キャッシュフローが大きく改善し、フリーキャッシュフローも黒字転換して大幅に増加しており、事業活動による資金創出能力は良好です。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 8.97倍
- 利益に対するキャッシュ生成能力が非常に高く、利益の質は極めて健全と言えます。
【四半期進捗】
- 2026年3月期 第3四半期累計:
- 売上高 46,263百万円(通期予想に対する進捗率: 77.1%)
- 営業利益 944百万円(通期予想に対する進捗率: 94.4%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益 815百万円(通期予想に対する進捗率: 116.4%)
第3四半期時点で営業利益は通期予想に近く、純利益は既に通期予想を上回っており、通期での上方修正の期待が持てる状況です。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 10.57倍
- 業界平均の12.9倍と比較して低く、利益面から見て割安な水準にあります。
- PBR(実績): 0.30倍
- 業界平均の0.8倍と比較して非常に低く、純資産に対して株価が極めて割安に評価されている状態です。PBR1倍割れは、企業価値が解散価値を下回っている可能性を示唆します。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -60.09 / シグナルライン: -56.39 / ヒストグラム: -3.7 | 短期トレンドは明確な方向性を示していません |
| RSI | 中立 | 42.7% | 買われすぎでも売られすぎでもない中立な状態です |
| 5日線乖離率 | – | +1.19% | 直近の株価は短期的な移動平均線をわずかに上回っています |
| 25日線乖離率 | – | -3.41% | 短期トレンドからやや下方向に乖離しています |
| 75日線乖離率 | – | -6.86% | 中期トレンドから下方向に乖離しています |
| 200日線乖離率 | – | +6.67% | 長期トレンドからは上方向に乖離しています |
【テクニカル】
現在の株価2,367.0円は、52週高値2,799.00円から約15%低い位置にあり、52週安値1,588.00円からは大きく上昇したレンジ内の64.3%に位置しています。株価は5日移動平均線を上回っていますが、25日線および75日線といった中期移動平均線は下回っており、短期的には調整局面にある可能性があります。ただし、200日移動平均線を上回っていることは、長期的な上昇トレンドが維持されていることを示唆しています。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -7.21% | -3.37% | -3.84%pt |
| 3ヶ月 | -3.47% | +5.71% | -9.18%pt |
| 6ヶ月 | +12.45% | +17.77% | -5.32%pt |
| 1年 | +9.08% | +41.38% | -32.30%pt |
全期間において日経平均を下回るパフォーマンスとなっており、市場全体に対して見劣りする動きが続いています。
【注意事項】
特段の信用売り圧力やバリュートラップの可能性を示す特記事項はありません。
【定量リスク】
- ベータ値(5年月次): 0.78
- 市場全体の変動に対し、株価の変動が相対的に小さいことを示します。市場(日経平均など)が1%変動した際に、ASTIの株価は約0.78%変動する傾向にあります。
- 年間ボラティリティ: 37.06%
- 年間ボラティリティが高い水準にあり、株価の変動幅が大きい銘柄です。仮に100万円投資した場合、年間で±37.06万円程度の変動が想定され、投資には相応のリスクが伴います。
- 最大ドローダウン: -42.73%
- 過去に経験した最も大きな下落率は約42.73%であり、今後も同程度の株価下落リスクは存在し得ます。
- シャープレシオ: 0.51
- リスクに見合うリターンが十分ではない可能性を示唆しており、1.0以上が良好な目安です。
【事業リスク】
- 為替変動リスク: 電装品などの製造・販売は海外取引も多いため、為替レートの変動が収益に大きく影響を与える可能性があります。
- 原材料価格高騰リスク: 銅などの原材料価格の上昇は、製品原価を押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。
- EV市場の価格競争: 中国EV市場における激しい価格競争は、車載電装品セグメントの収益性を低下させる要因となっています。
信用取引状況
- 信用買残: 180,200株
- 信用売残: 0株
- 信用倍率: 0.00倍
信用売残がないため信用倍率は0倍となっており、信用買いによる将来の買い圧力は存在しますが、売り圧力は現在ありません。
主要株主構成
- 自社(自己株口): 8.52%
- 自社従業員持株会: 7.40%
- 自社共栄会: 7.37%
上位株主は自社及び関連団体が占めており、安定した株主構成です。
8. 株主還元
- 配当利回り(実績): 4.68%
- 比較的高水準であり、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。
- 配当性向(過去12か月実績): 38.03%
- 配当性向は健全な水準(30-50%の範囲内)にあり、現在の利益水準であれば配当の持続可能性は高いと考えられます。
- 自社株買いの状況: 直近の自社株買いに関する具体的な情報はありません。
SWOT分析
強み
- 多様な産業分野(車載、民生、産業機器、医療)への製品供給による事業リスク分散。
- 財務健全性が高く、安定した財務基盤を保持している。
弱み
- 収益性が低く、特にROEや営業利益率が業界平均を下回る。
- 四半期売上高成長率がマイナスであり、事業の成長力が停滞している。
機会
- 電動車向け製品や医療機器分野への展開による将来的な成長潜在力。
- PBR1倍割れ解消を目指す市場の動きや株主還元強化への期待。
脅威
- 為替変動、原材料価格高騰、地政学的リスクなどの外部環境要因。
- 自動車市場、特に中国EV市場における激しい価格競争。
この銘柄が向いている投資家
- 割安株投資家: PBR0.30倍という極めて低いバリュエーションに魅力を感じる方。
- 安定配当を求める中長期投資家: 高い配当利回りと健全な配当性向から、インカムゲインを重視する方。
- 構造改革・事業再編に期待する投資家: 財務健全性を背景に、今後の経営戦略や収益改善策に期待して投資できる方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 利益率が低く、成長が停滞している現状をしっかり認識する必要があります。
- 主要セグメントで減益傾向が見られており、今後の収益改善策とその進捗を注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率8%以上への回復: 収益性改善の兆候として、具体的な数値目標の達成状況をモニタリングする。
- 四半期売上高成長率のプラス転換: 事業の成長性が回復しているかを判断するための重要な指標とする。
- 次期中期経営計画の内容と進捗: 経営陣から示される具体的な成長戦略や施策とその実行状況を確認する。
成長性
D: 直近四半期の売上高成長率が-15.80%と大幅なマイナスであり、成長性は停滞していると評価されます。
収益性
D: ROEが1.75%、営業利益率が2.32%と、いずれもベンチマークを大きく下回り、収益力は低いと評価されます。
財務健全性
A: 自己資本比率が53.3%、流動比率が2.49倍といずれも高く、F-Scoreも5/9点 (良好) であるため、財務健全性は良好と評価されます。
株価バリュエーション
S: PERが10.57倍で業界平均(12.9倍)の約82%、PBRが0.30倍で業界平均(0.8倍)の約38%と、両指標とも業界平均を大幅に下回っており、市場から極めて割安に評価されていると判断されます。
企業情報
| 銘柄コード | 6899 |
| 企業名 | ASTI |
| URL | http://www.asti.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,367円 |
| EPS(1株利益) | 223.95円 |
| 年間配当 | 110.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 12.2倍 | 2,722円 | 6.7% |
| 標準 | 0.0% | 10.6倍 | 2,367円 | 4.3% |
| 悲観 | 1.0% | 9.0倍 | 2,115円 | 2.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,367円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,450円 | △ 63%割高 |
| 10% | 1,811円 | △ 31%割高 |
| 5% | 2,286円 | △ 4%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 澤藤電機 | 6901 | 1,293 | 55 | 111.46 | 0.44 | 0.3 | 1.23 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。