企業の一言説明

久世は業務用食材の卸売を中核事業とし、首都圏を地盤に外食産業向けに食材を提供する業界大手の企業です。自社PB製品の開発・製造も手掛けています。

総合判定

成長を続ける高収益なバリュエーション妙味銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅実な業績拡大: 外食産業の回復を背景に売上高・利益ともに着実な伸びを示しており、今後も安定的な成長が期待されます。
  • 高水準の収益性: ROEは18.27%と高い水準を維持しており、効率的な資本活用ができている点を評価できます。
  • 割安なバリュエーション: PERは業界平均の約60%と大幅に割安な水準にあり、株価上昇の潜在的な余地があると考えられます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 堅実な成長
収益性 A 良好な水準
財務健全性 B 改善余地あり
バリュエーション B 割安感あり

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,985.0円
PER 6.12倍 業界平均10.1倍
PBR 0.99倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.27%
ROE 18.27%

1. 企業概要

久世は首都圏を主要地盤とする業務用食材の卸売業者です。ホテル、レストラン、居酒屋、給食サービスなど多様な外食産業に対し、国内外の幅広い食材を提供。自社ブランド「Kuze」や「Dolceze」でのPB製品開発・製造も手掛け、メニュー提案を通じた付加価値提供も強みです。

2. 業界ポジション

久世は「Food Distribution」セクターに属し、国内業務用食材卸売市場において、首都圏中心に主要な地位を確立しています。多様な商品ラインナップとPB製品開発力で競合との差別化を図り、顧客ニーズに応じた提案型営業を展開しています。

3. 経営戦略

中期経営計画として、外食産業の需要回復を捉え、PB製品の強化や顧客基盤の拡充を進めています。直近では2026年3月期第3四半期決算において、売上高・営業利益の順調な進捗を発表しており、通期予想達成に向けた堅実な経営がうかがえます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益が黒字でROAもプラスだが、営業キャッシュフローの項目はデータ不足
財務健全性 2/3 D/Eレシオ、株式希薄化に問題はないが、流動比率の改善は必要
効率性 2/3 ROE高く四半期売上成長率もプラスだが、営業利益率が課題

F-Score詳細解説: 総合スコア6点は財務状況が良好であることを示しています。収益性では純利益とROAがプラスで評価されます。財務健全性ではD/Eレシオや株式希薄化に問題はありませんが、流動比率が基準を満たしていません。効率性では高いROEを維持し、売上成長もしているものの、営業利益率の改善が求められます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月)は4.10%と、一般的な卸売業としては標準的な水準です。
  • ROE(過去12か月)は18.27%と、ベンチマークである10%を大きく上回る非常に良好な水準で、高い資本効率を示しています。
  • ROA(過去12か月)は4.60%と、ベンチマークの5%には若干届かないものの、比較的効率的な資産運用が行われています。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績)は34.5%と、企業の安定性を示す目安としてはまずまずの水準です。
  • 流動比率(直近四半期)は1.20倍と、短期的な支払い能力にやや懸念があり、改善が望まれる水準です。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF (百万円) 営業CF (百万円) 投資CF (百万円) 財務CF (百万円) 現金等残高 (百万円)
2023.03 1,507 2,006 -499 -851 4,215
2024.03 2,696 3,564 -868 -442 6,505
2025.03 453 664 -211 -3,011 4,008

2025年3月期はフリーキャッシュフローが減少し、財務キャッシュフローの大幅なマイナスにより現金等残高も減少しています。しかし、直近四半期では現金及び預金が6,618百万円と大幅に増加しており、キャッシュ創出力が回復している兆候が見られます。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は、最新情報「損益計算書(過去12か月)Net Income Common Stockholders 1,568,000千円」と「キャッシュフロー(2025.03)営業CF 664,000千円」を比較すると0.42倍となり、1.0倍を下回るため、利益の質には改善の余地があると言えます。ただし、決算短信の直近四半期では営業利益が大きく伸びており、今後の改善が期待されます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の売上高進捗率は通期予想に対して78.9%、営業利益進捗率は93.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益は通期予想の108.9%に達しており、純利益は既に通期予想を超過しています。直近3四半期の売上高・営業利益も前年同期比で増加しており、通期予想の達成は非常に高い確度で推移しています。

【バリュエーション】

久世のPERは6.12倍、PBRは0.99倍です。業界平均PERが10.1倍であることから、PER基準では大きく割安と判断できます。一方、業界平均PBRが0.7倍であることから、PBR基準ではやや割高、または適正水準と評価されます。総合的には、PERの割安感が目立ち、バリュエーション妙味があると言えます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -54.03 / シグナル値: -36.87 短期トレンド方向を示す
RSI 売られすぎ 31.7% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.02% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -6.63% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -7.86% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +2.17% 長期トレンドからの乖離

RSIが31.7%と売られすぎ水準に近づいており、短期的な反発の可能性を示唆しています。MACDは中立とされていますが、MACD値がシグナルラインを下回っており、短期的な下降トレンドの兆候も見られます。

【テクニカル】

現在の株価1,985.0円は52週高値2,449.00円から約19%下落し、52週安値1,416.00円からは約40%上昇した水準で、レンジの中央付近(55.1%)に位置しています。株価は5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線を下回って推移しており、短期・中期的に弱いトレンドにあります。200日移動平均線上にはありますが、下向きのリスクも継続しています。

【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -7.55% -3.37% -4.17%pt
3ヶ月 -5.79% +5.71% -11.50%pt
6ヶ月 +2.11% +17.77% -15.66%pt
1年 -0.25% +41.38% -41.63%pt

久世の株価は、どの期間を見ても日経平均のパフォーマンスを大きく下回っており、市場全体と比べて相対的に弱い動きが続いています。

【定量リスク】

年間のボラティリティは44.73%、最大ドローダウンは-57.57%と高い水準です。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±44.73万円程度の変動が想定され、過去には最大で57.57万円の損失を被った可能性があることを示します。シャープレシオは0.43と1.0を下回っており、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えません。

【事業リスク】

  • 原材料価格の変動: 食材の仕入れ価格は為替や供給状況によって変動し、収益性を圧迫する可能性があります。
  • 外食産業の需要変動: 外食産業の景気動向や消費者ニーズの変化は、直接的に売上に影響を与える可能性があります。
  • 競争環境の激化: 業務用食材卸売市場は競争が激しく、価格競争やサービス競争により収益性が低下するリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が44,500株、信用売残が0株であるため、信用倍率は算定不可(0倍)です。売残が少ない状況は、将来の買い戻し圧力が期待できない一方で、現時点で空売りによる下落圧力が小さいことを示します。
主要株主は、国分グループ本社が19.97%、久世健吉氏が10.38%、久世真也氏が6.29%を保有しており、安定株主が比較的多い構成となっています。

8. 株主還元

会社予想の配当利回りは2.27%です。2026年3月期の通期予想EPS(会社予想)324.23円に対する1株配当(会社予想)45.00円で計算した配当性向は約13.9%です。

【配当持続可能性】

配当性向が13.9%と非常に低い水準にあり、現在の利益水準から見ても配当余力は非常に高く、減配リスクは低いと判断できます。

SWOT分析

強み

  • 首都圏を地盤とした強力な顧客ネットワークと外食産業特化型のビジネスモデル。
  • 高いROEに裏打ちされた資本効率の良さと安定した黒字体質。

弱み

  • 流動比率が低い水準にあり、短期的な支払い能力に改善の余地がある。
  • 市場全体のパフォーマンスを下回る株価推移と比較的高いボラティリティ。

機会

  • 外食産業の回復トレンドとインバウンド需要の増加による業績向上。
  • PB製品の開発・供給を強化し、他社との差別化と収益性向上を図る。

脅威

  • 原材料価格の高騰や円安の進行による仕入れコストの上昇。
  • 競争激化による価格下落圧力や新規参入者の台頭。

この銘柄が向いている投資家

  • 外食産業の回復を期待する成長志向の投資家: 堅実な業績拡大が期待されるため。
  • 割安なバリュエーションに魅力を感じる投資家: 業界平均PERと比較して割安感があるため。
  • 中長期的な視点で企業価値向上を待てる投資家: 株価のボラティリティがあるため。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 財務健全性指標(特に流動比率)が改善傾向にあるか継続的に確認する必要があります。
  • 外部環境の変化(為替変動、原材料価格)が同社の収益に与える影響を注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 5%以上への回復を目指せるか。
  • 流動比率: 1.5倍以上への改善が見られるか。
  • 四半期売上高成長率: 継続して5%以上の成長を維持できるか。

成長性: B (堅実な成長)

過去数年の売上高は着実に増加しており、直近の四半期売上高成長率も7.2%と堅実ですが、高成長企業に分類される10%以上の成長率には届かないためB評価としました。

収益性: A (良好な水準)

ROEは過去12か月で18.27%と非常に高く、高い資本効率を示しています。ROAも4.6%と水準を維持していますが、営業利益率が4.10%と一般的な卸売業としては標準的な水準のため、A評価としました。

財務健全性: B (改善余地あり)

自己資本比率34.5%は一定の安定性を示しますが、流動比率1.20倍は短期的な支払い能力に懸念があり、F-Scoreも6点と良好ながら改善余地があるためB評価としました。

株価バリュエーション: B (割安感あり)

PERは業界平均の約60%と割安である一方、PBRは業界平均を上回る0.99倍であるため、割安感と適正水準が混在しており、B評価としました。


企業情報

銘柄コード 2708
企業名 久世
URL http://www.kuze.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,985円
EPS(1株利益) 324.23円
年間配当 2.27円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 14.7% 7.0倍 4,523円 18.0%
標準 11.3% 6.1倍 3,386円 11.4%
悲観 6.8% 5.2倍 2,340円 3.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,985円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,691円 △ 17%割高
10% 2,112円 ○ 6%割安
5% 2,665円 ○ 26%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
トーホー 8142 1,370 452 9.42 1.26 13.9 4.45
尾家産業 7481 2,533 234 8.52 1.33 18.9 3.71
サトー商会 9996 2,220 203 16.93 0.68 4.5 2.07

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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