企業の一言説明
ゴールドウイン(Goldwin Inc.)は、The North Faceをはじめとする多数の有名アウトドア・スポーツブランドを展開し、スポーツウェア・用品の製造販売を手掛けるリーディングカンパニーです。
総合判定
健全な財務基盤とブランド力に支えられた成長企業。ただし、市場パフォーマンスは低迷中。
投資判断のための3つのキーポイント
- 「ザ・ノース・フェイス」など強力なブランドポートフォリオを有し、高い収益性と市場での独自性を確立しています。
- 自己資本比率70%超、高い流動比率、F-Score8/9点という極めて強固な財務健全性を維持しており、安定した企業経営が伺えます。
- PERは業界平均と比較して割安水準ですが、PBRは大幅に割高であり、過去1年間で日経平均を大きく下回る株価パフォーマンスが続いています。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 堅実な成長 |
| 収益性 | S | 非常に優良 |
| 財務健全性 | S | 極めて強固 |
| バリュエーション | C | やや割高感 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,213.5円 | – |
| PER | 11.96倍 | 業界平均21.7倍 |
| PBR | 2.56倍 | 業界平均1.0倍 |
| 配当利回り | 2.62% | – |
| ROE | 23.24% | – |
1. 企業概要
ゴールドウインは、スポーツウェア・用品の企画、開発、卸売、小売を行う企業です。主力は「ザ・ノース・フェイス」や「ヘリーハンセン」などのアウトドア・スポーツブランド群で、プレミアムな機能性とデザインを追求し、高価格帯製品で収益を上げています。技術的独自性に基づいた高機能素材の採用と、ブランド価値の構築が参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
国内スポーツ・アウトドアウェア市場において、多数の有力ブランドを擁するリーディングカンパニーの一つです。高価格帯・高付加価値製品に特化することで、価格競争に巻き込まれにくく、独自の市場を確立しています。競合に対する強みは、長年培ったブランド力と商品開発力にあり、特にアウトドア分野では確固たる地位を築いています。
3. 経営戦略
明確な中期経営計画は開示されていませんが、決算短信からは高収益性を維持しつつ、事業拡大を目指す姿勢が伺えます。創業75周年記念配当の実施や株式分割(2025年10月1日付で1株→3株)を通じて、株主還元と流動性向上を図る戦略も見受けられます。直近では2026年5月13日に期末決算の発表が控えています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がプラス、ROAがプラスのため良好。営業キャッシュフローのデータはスコア算出対象外として扱われています。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が基準値を上回り、負債比率も低く、期中における株式の希薄化もないため優良。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率とROEともに高水準を維持し、直近の売上高も成長しているため優良です。 |
ゴールドウインのPiotroski F-Scoreは8/9点と非常に高く、収益性、財務健全性、効率性のいずれの側面から見ても、極めて優良な財務体質であることが示されています。
【収益性】
営業利益率は過去12か月で26.79%と非常に高く、業界内でも際立った収益力を誇ります。ROE(実績)は23.24%、ROA(過去12か月)は9.31%といずれも一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に上回っており、効率的な株主資本および総資産活用による収益獲得を実現しています。
【財務健全性】
自己資本比率(実績)は73.2%と極めて高く、財務基盤は非常に強固です。流動比率(直近四半期)は2.49倍であり、短期的な支払い能力にも全く問題がない優良な水準を維持しています。
【キャッシュフロー】
ゴールドウインのキャッシュフローは、安定した事業活動から潤沢なキャッシュを生み出しています。
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | フリーCF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 202.22億円 | -33.81億円 | 168.41億円 | 342.07億円 |
| 2024.03 | 185.51億円 | -14.88億円 | 170.63億円 | 420.11億円 |
| 2025.03 | 244.37億円 | 2.08億円 | 246.45億円 | 519.85億円 |
過去3年間で営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともに安定して高水準を維持し、特に2025年3月期には大きく増加しており、企業の高い収益性がキャッシュ創出力に直結していることが伺えます。
【利益の質】
過去12か月における営業CF/純利益比率は約1.01倍と1.0を上回っており、純利益が実質的なキャッシュフローを伴っていることを示唆しており、利益の質は健全です。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期累計の通期予想に対する進捗率は、売上高70.8%、営業利益72.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益60.0%です。売上高と営業利益は順調に進捗しているものの、純利益の進捗がやや遅れている点は注視が必要です。直近四半期の営業利益は18,717百万円と前年同期比+10.5%の増益を達成しており、堅調に推移しています。
【バリュエーション】
ゴールドウインのPER(会社予想)は11.96倍と、業界平均の21.7倍と比較して割安な水準にあります。一方で、PBR(実績)は2.56倍であり、業界平均の1.0倍を大幅に上回っており、純資産に対しては割高な評価を受けていると言えます。このPBRの高さは、ゴールドウインの強力なブランド力と高い収益性への市場の期待を反映していると考えられます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -56.71 / シグナルライン: -53.12 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 39.2% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.36% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -4.03% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -10.87% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -14.13% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDシグナルとRSIはいずれも中立を示しており、明確なトレンド転換の兆候は見られません。
【テクニカル】
現在の株価2,213.5円は、52週高値3,198.00円から大きく下落しており、52週レンジの2,145.00円から3,198.00円の下限に近い2.2%の位置にあります。また、5日移動平均線2,221.50円、25日移動平均線2,317.70円、75日移動平均線2,492.57円、200日移動平均線2,583.23円の全ての移動平均線を下回っており、短期から長期にかけて下降トレンドにあることが示唆されます。
【市場比較】
ゴールドウインの株価は、ここ1年間、日経平均に対して大きく劣後しています。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -3.61% | -3.37% | -0.24%pt |
| 3ヶ月 | -13.79% | +5.71% | -19.50%pt |
| 6ヶ月 | -11.61% | +17.77% | -29.38%pt |
| 1年 | -10.72% | +41.38% | -52.10%pt |
直近1ヶ月は日経平均とほぼ同水準ですが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間では日経平均が大きく上昇しているのに対し、ゴールドウインの株価は下落傾向にあり、市場全体の勢いから取り残されている状況です。
【定量リスク】
ゴールドウインのベータ値は0.47と1.0を下回っており、市場全体の動きに対する連動性が低い、比較的ディフェンシブな性質を持つ銘柄と言えます。年間ボラティリティは138.51%と過去の実績では非常に高水準であり、株価の年間変動幅は大きいと考えられます。仮に100万円投資した場合、過去の最大ドローダウン実績は-25.37万円であり、この程度の下落は今後も起こり得る可能性があることを示唆しています。
【事業リスク】
- 為替変動リスク: 海外ブランドのライセンス料や原材料の仕入れにおいて、為替レートの変動が利益に影響を及ぼす可能性があります。
- 競争激化: スポーツ・アウトドア市場は国内外の新規参入や既存企業の競争が激しく、ブランド力や製品開発力の維持が課題となります。
- 消費トレンドの変化: ファッションやライフスタイルのトレンドが急速に変化する中で、消費者の多様なニーズを捉え続けられない場合、売上成長が鈍化する可能性があります。
7. 市場センチメント
信用倍率は1.11倍と1.0倍をわずかに上回る水準であり、需給バランスの面で特段の売り圧力や買い過熱感は確認されません。
主要株主構成は以下の通りです。
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)(10.09%)
- 三井物産(9.20%)
- コリア・セキュリティーズ・デポジトリー・サムスン(7.12%)
8. 株主還元
配当利回り(会社予想)は2.62%であり、配当性向は29.9%です。配当性向は健全な水準(30-50%が一般的)にあるため、現状の利益水準であれば配当の持続可能性は高いと考えられます。自社株買いに関する直近のデータは確認できません。
SWOT分析
強み
- 「ザ・ノース・フェイス」など高収益な強力ブランドを多数保有し、高い市場競争力とブランドロイヤルティを享受しています。
- 自己資本比率73.2%など極めて強固な財務体質と潤沢なキャッシュフローにより、安定した事業運営が可能です。
弱み
- PBRが業界平均と比較して大幅に割高であり、株価には過度な期待が織り込まれている可能性があります。
- 過去1年間で日経平均と比較して株価パフォーマンスが大幅に劣後しており、市場からの成長期待が相対的に低下しています。
機会
- アウトドア活動や健康志向の高まり、サステナビリティへの関心増大は、同社の高機能・高品質製品にとって追い風となる可能性があります。
- インバウンド需要の回復や、アジア市場でのブランド展開強化により、新たな成長機会を獲得できる可能性があります。
脅威
- 為替変動や原材料価格の高騰がサプライチェーンおよび製品コストに悪影響を及ぼす可能性があります。
- 国内外での競合激化や消費者の嗜好の多様化に対応できなければ、市場シェアと収益性の維持が困難になる可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 強固な財務基盤と安定したキャッシュフローに支えられた企業に、中長期で安心して投資したい投資家。
- 「ザ・ノース・フェイス」などのブランド価値を評価し、事業成長による株価上昇を期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 株価純資産倍率(PBR)が業界平均を大きく上回っており、純資産価値から見ると割高感があるため、投資には慎重な検討が必要です。
- 過去1年間の株価パフォーマンスが市場全体に大きく劣後しているため、今後の回復に向けた具体的なカタリストや戦略が明確であるかを精査する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の推移: 高収益性維持の可否を判断するため、過去12か月の営業利益率26.79%を維持できるか、または25%を下回らないか。
- ブランド別・製品カテゴリ別売上高の成長率: 新規ブランドや主力ブランドの成長状況を確認し、特定のブランドに依存しすぎていないか、新たな成長ドライバーが生まれているか。
- 在庫水準の推移: 第3四半期で商品・製品在庫が前年比+16.6%と増加傾向にあるため、今後の在庫消化状況と、それが利益率に与える影響に注意する(例: 在庫増加率が売上高成長率を大きく上回る状態が続く場合は警戒)。
成長性
スコア: B
過去12か月の売上高成長率が約6.0%と、堅調な成長を続けているものの、S評価基準の15%以上には届かない水準です。
収益性
スコア: S
ROE23.24%および営業利益率26.79%と、いずれもS評価基準の15%を大きく上回っており、極めて高い収益力を有しています。
財務健全性
スコア: S
自己資本比率73.2%、流動比率2.49倍、Piotroski F-Score8/9点と、全ての項目でS評価基準を満たしており、財務基盤は盤石です。
バリュエーション
スコア: C
PERは業界平均より割安ですが、PBRが業界平均の2.5倍以上と大幅に割高であり、純資産価値に対しては市場から高い評価を受けすぎている可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8111 |
| 企業名 | ゴールドウイン |
| URL | https://about.goldwin.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,214円 |
| EPS(1株利益) | 185.14円 |
| 年間配当 | 2.62円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.1% | 13.8倍 | 3,120円 | 7.2% |
| 標準 | 3.2% | 12.0倍 | 2,591円 | 3.3% |
| 悲観 | 1.9% | 10.2倍 | 2,069円 | -1.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,214円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,295円 | △ 71%割高 |
| 10% | 1,618円 | △ 37%割高 |
| 5% | 2,041円 | △ 8%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アシックス | 7936 | 4,218 | 30,980 | 28.15 | 11.00 | 40.5 | 0.90 |
| ヨネックス | 7906 | 3,020 | 2,804 | 23.76 | 3.37 | 17.0 | 0.79 |
| ゼット | 8135 | 450 | 90 | 10.27 | 0.59 | 6.0 | 4.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。