企業の一言説明
勤次郎は、働き方改革や健康経営を支援するクラウド型HRM(Human Resource Management)ソリューションを展開する、成長著しい情報・通信業の企業です。
総合判定
高成長だが割安なクラウドHRM推進企業
投資判断のための3つのキーポイント
- クラウドHRM事業の高い成長性と収益性: 働き方改革支援のニーズを捉え、主力HRM事業は売上・利益ともに大幅成長。リカーリングレベニュー比率も70%を超え、安定した収益基盤を確立しています。
- 圧倒的な財務健全性: Piotroski F-Scoreは満点の「9/9」、自己資本比率74.6%、流動比率395%と極めて健全な財務体質を誇り、高成長を支える強固な基盤があります。
- 積極的な成長投資に伴うキャッシュフローの変動: クラウド基盤強化や新機能開発に向けたソフトウェア資産取得など、先行投資が大きく、直近年度のフリーキャッシュフローはマイナスに転じています。これが今後の収益につながるかが重要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好な成長 |
| 収益性 | S | 優良 |
| 財務健全性 | S | 優良 |
| バリュエーション | S | 割安 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 695.0円 | – |
| PER | 13.03倍 | 業界平均66.2倍 |
| PBR | 1.34倍 | 業界平均3.5倍 |
| 配当利回り | 1.44% | – |
| ROE | 10.33% | – |
1. 企業概要
勤次郎は、働き方改革や健康経営を支援するHRM(Human Resource Management)ソリューションを主力事業とする情報・通信企業です。就労管理、人事、給与、ヘルスケア、労務コスト管理システムなどをクラウド形式で一貫提供し、システム導入・コンサルティングから運用支援までを手がけています。自社開発によるシステムは高い技術的独自性を持ち、法改正への迅速な対応力や多様な業種・業態への柔軟なカスタマイズ性が強みです。
2. 業界ポジション
勤次郎は、国内のクラウドHRMソリューション市場において、働き方改革や健康経営を支援する独自のポジションを確立しています。従業員数307人の規模ながら、大手企業から中小企業まで幅広い顧客基盤を持ち、ニッチながらも高成長の市場で存在感を発揮しています。特に、複合的な就労環境に対応できる柔軟なシステムと、きめ細やかなサポート体制が競合に対する優位性となっています。ただし、クラウドHRM市場全体ではプレイヤーも多く、継続的な製品力強化と新規顧客獲得が競争優位の維持に不可欠です。
3. 経営戦略
勤次郎は、クラウドHRM(Universal勤次郎)への移行・拡大を最優先戦略とし、2027年度以降に100万クラウドライセンスの達成を目標に掲げています。具体的な施策として、ARPU(顧客単価)向上に繋がる製品力強化と、認定パートナーを活用した販売モデルの拡張によるARR(年間経常収益)拡大を2軸としています。これらを支えるため、クラウド基盤とISMS等のセキュリティ強化にも積極的に投資しています。今後のイベントとして、2026年12月29日には配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 9/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 優良(高水準の利益とキャッシュフロー généré) |
| 財務健全性 | 3/3 | 極めて良好(財務レバレッジ低く、流動性も高い) |
| 効率性 | 3/3 | 優良(資産と自己資本を効率的に活用し売上も成長) |
Piotroski F-Scoreは満点の9/9点を獲得しており、勤次郎の財務品質が極めて優良であることを示しています。
収益性は純利益、営業キャッシュフロー、ROAのすべてがプラスであり、安定した利益創出能力を評価されています。
財務健全性においては、流動比率が高く、D/Eレシオ(負債比率)も低く、また株式の希薄化も発生していないことから、健全な資金繰りと資本構造が保たれていると評価できます。
効率性では、営業利益率、ROEが共に高く、四半期売上成長率もプラスであるため、経営資源の効率的な活用と事業の成長が確認できます。
【収益性】
営業利益率は過去12ヶ月で25.09%と非常に高く、同業他社と比較しても優位性のある収益力を示しています。
ROE(自己資本利益率)は過去12ヶ月で10.33%と、一般的な目安とされる10%を上回り、株主資本を効率的に活用して利益を生み出している良好な状態です。
ROA(総資産利益率)も過去12ヶ月で7.16%と、ベンチマークである5%を上回っており、総資産に対する良好な利益獲得能力を示しています。
【財務健全性】
自己資本比率は過去12ヶ月の連結実績で74.6%と非常に高く、外部負債への依存度が低い強固な財務基盤を築いています。
流動比率は直近四半期で3.95倍(395%)と極めて高く、短期的な支払い能力に全く問題がない優良な状態です。
【キャッシュフロー】
| 項目 | 金額(百万円) |
|---|---|
| 営業CF | +2,201 |
| 投資CF | △3,005 |
| 財務CF | △430 |
| フリーCF | △803 |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 2,995 |
フリーキャッシュフローは直近年度で△803百万円とマイナスに転じていますが、これは主にクラウド基盤増強のための無形固定資産取得(930百万円)および定期預金預入(4,000百万円)といった積極的な成長投資と資金運用によるもので、本業の営業キャッシュフローは+2,201百万円と好調で、高い収益性を裏付けています。現金及び現金同等物期末残高は2,995百万円となっています。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は2.18倍と、純利益をキャッシュフローが大幅に上回っており、極めて質の高い利益構造を示しています。これは決算上の利益が確実に手元の現金として確保されていることを意味します。
【四半期進捗】
2026年12月期の通期予想に対する2025年12月期の実績進捗率は、売上高で89.5%、営業利益で95.0%であり、概ね順調なペースで推移していると言えます。直近の業績推移を見ると、売上高、営業利益、経常利益、純利益のいずれも過去数年にわたり着実な成長を継続しており、特に2025年12月期は営業利益が前年比+108.4%と大幅な増益を達成しています。
【バリュエーション】
PER(会社予想)は13.03倍、PBR(実績)は1.34倍です。業界平均PERが66.2倍、PBRが3.5倍であることと比較すると、勤次郎の株価はPER、PBRともに業界平均を大幅に下回っており、現在の株価は相対的に割安と判断できます。特にPERは業界平均の約20%の水準にあり、強い割安感があります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -30.09 / シグナルライン: -44.41 / ヒストグラム: 14.32 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 48.8% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +3.55% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +2.40% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -25.65% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -35.02% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDシグナルは中立ですが、MACD値がシグナルラインを上回っており、短期的な回復傾向が見られます。RSIは48.8%と中間水準にあり、買われすぎ・売られすぎの過熱感はありません。5日線と25日線に対しては株価がプラス乖離しており、直近のモメンタムはやや上向きです。しかし、75日線および200日線に対しては大幅に下回っており、中期・長期的な下降トレンドが継続していることを示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価695.0円は、年初来安値612円に近い水準に位置しています(52週レンジ内位置は17.5%)。5日移動平均線(671.20円)と25日移動平均線(678.72円)は上回っていますが、75日移動平均線(934.16円)と200日移動平均線(1,067.84円)を大きく下回っており、短期的な反発は見られるものの、中長期的な株価トレンドは依然として弱い状態にあります。特に、200日移動平均線からの乖離率は-34.92%と大きく、過去1年間の下落圧力が強かったことがわかります。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -3.47% | -3.94% | +0.47%pt |
| 3ヶ月 | -42.61% | +6.14% | -48.75%pt |
| 6ヶ月 | -48.52% | +18.62% | -67.14%pt |
| 1年 | +22.57% | +40.50% | -17.93%pt |
直近1ヶ月では日経平均をわずかに上回っていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期的な期間では日経平均を大きく下回るパフォーマンスとなっています。特に3ヶ月、6ヶ月でのパフォーマンスの差は著しく、市場全体の活況から乖離している状況がうかがえます。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率8.63倍、将来の売り圧力に注意が必要です。
【定量リスク】
ベータ値は0.46と市場全体の変動に対し比較的安定しているものの、年間ボラティリティは54.66%と非常に高く、株価の変動が大きい銘柄です。仮に100万円投資した場合、年間で±54.66万円程度の変動が想定され、投資には相応のリスク許容度が必要です。過去の最大ドローダウンは-82.03%であり、極端な下落リスクも潜在しています。
【事業リスク】
- 成長投資の収益化リスク: クラウド設備・ソフトウェア資産の償却開始によるコスト増、クラウド利用費・人件費の増加が先行し、短期的に利益成長を抑制する可能性があります。これらの投資が計画通り収益に結びつくか注視が必要です。
- 市場競争とARPUの伸び悩み: クラウドHRM市場の競争激化や価格競争により、ARPU(顧客単価)が伸び悩むリスクがあります。また、大口顧客の導入遅延や運用トラブルも業績に影響を与える可能性があります。
- マクロ環境の変化とIT投資動向: 景況感の悪化や人手不足による顧客企業のIT投資抑制、技術投資の採算性など、マクロ経済や業界動向の変化が事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が464,100株、信用売残が53,800株であり、信用倍率は8.63倍とかなりの高水準にあります。これは、将来的に信用買い残の決済(売り)が市場にまとまった売り圧力となる可能性があるため、注意が必要です。
主要株主構成(上位3社):
- エヌイーシステムサービス(株) (34.4%)
- 加村稔 (9.23%)
- 自社持株会 (7.57%)
8. 株主還元
配当利回りは会社予想で1.44%、1株配当は年間10.00円を予定しています。
配当性向は2025年12月期実績で19.41%であり、利益に対する配当の割合は比較的低い水準にあります。
配当性向が30-50%の範囲内であるため、現在のところ配当持続可能性に懸念はなく、健全な水準と言えます。自社株買いの発表は現在データにはありません。
SWOT分析
強み
- 高い成長性と収益性を持つクラウドHRMソリューションが、働き方改革ニーズを捉え市場で強みを発揮しています。
- Piotroski F-Score満点に表れる、極めて強固で健全な財務体質を誇ります。
弱み
- 積極的な先行投資により、直近ではフリーキャッシュフローがマイナスに転じており、短期的には収益成長を抑制する可能性があります。
- 株価は中長期的に市場平均を大きく下回っており、市場からの評価がまだ十分に追いついていない状況です。
機会
- 企業のDX推進や働き方改革の継続的なニーズを背景に、クラウドHRM市場は今後も高い成長が見込まれます。
- 認定パートナーとの連携強化により、既存事業のスケールアップと新規顧客獲得の加速が期待されます。
脅威
- クラウドHRM市場における競合激化や価格競争により、ARPU(顧客単価)が伸び悩むリスクがあります。
- 先行投資の成果が期待通りに現れない場合、収益性が圧迫され、株主還元にも影響を及ぼす可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 中長期的な成長を重視する投資家: 働き方改革を背景としたHRM市場の成長と、クラウドシフトによる収益基盤の強化に期待する投資家
- バリュエーションを重視する投資家: 業界平均と比較して割安なバリュエーションで、高い成長性と健全な財務を持つ企業を探している投資家
この銘柄を検討する際の注意点
- クラウド基盤強化やR&D投資が先行し、フリーキャッシュフローが一時的にマイナスとなる期間が続く可能性があるため、企業の投資計画とその成果を慎重に判断する必要があります。
- 信用倍率が高水準であり、将来的な信用買いの解消売りが株価に短期的な下落圧力を与える可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
- クラウド契約ライセンス数の進捗: 2027年度以降の100万ライセンス達成に向けた進捗状況(特に四半期毎の成長率)
- 営業利益率の推移: 積極的な投資に伴うコスト増加が見込まれる中で、高水準の営業利益率(現在の25.09%)を維持できるか、または改善傾向が見られるか
成長性
A: 良好な成長。過去12ヶ月の売上高成長率は9.60%と堅調であり、2026年12月期の売上高予想も+11.7%と今後も10%以上の成長が見込まれるためです。特に営業利益は直近で前年比108.4%と大幅な伸びを示しています。
収益性
S: 優良。ROE(自己資本利益率)が10.33%と安定して10%を超える水準を達成し、営業利益率は過去12ヶ月で25.09%と非常に高く、極めて効率的な収益獲得能力を有しているためです。
財務健全性
S: 優良。自己資本比率が74.6%、流動比率が395%と極めて高く、Piotroski F-Scoreも満点の9点であることから、盤石な財務基盤を築いていると評価できます。
バリュエーション
S: 割安。PER(会社予想)が13.03倍、PBR(実績)が1.34倍と、業界平均PER66.2倍、PBR3.5倍と比較して大幅に割安な水準にあり、強い割安感があるためです。
企業情報
| 銘柄コード | 4013 |
| 企業名 | 勤次郎 |
| URL | https://www.kinjiro-e.com/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 695円 |
| EPS(1株利益) | 53.32円 |
| 年間配当 | 1.44円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.7% | 15.0倍 | 1,967円 | 23.3% |
| 標準 | 15.2% | 13.0倍 | 1,409円 | 15.4% |
| 悲観 | 9.1% | 11.1倍 | 913円 | 5.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 695円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 706円 | ○ 2%割安 |
| 10% | 882円 | ○ 21%割安 |
| 5% | 1,113円 | ○ 38%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アマノ | 6436 | 3,924 | 2,790 | 16.12 | 2.11 | 12.7 | 4.58 |
| サイボウズ | 4776 | 2,113 | 1,114 | 14.98 | 5.48 | 41.7 | 2.36 |
| ミロク情報サービス | 9928 | 1,828 | 590 | 11.35 | 1.72 | 17.7 | 3.28 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。