企業の一言説明

日本色材工業研究所は、化粧品や医薬部外品のOEM(受託製造)を展開する、口紅や高機能品に強みを持つスタンダード市場上場の企業です。

総合判定

構造改革努力中の割安な成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • PER 7.19倍、PBR 0.57倍と業界平均を大幅に下回る水準で、バリュエーション面での割安感が強い。
  • 売上高は成長傾向にあるものの、直近の第3四半期累計では営業利益が前年同期比で△96.5%と大幅に悪化しており、収益性改善が急務です。
  • 自己資本比率22.5%、流動比率0.93と財務健全性に課題があり、仏国子会社の赤字解消を含む事業構造改革の動向が今後の重要な焦点となります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 不透明
収益性 C 低調
財務健全性 C 懸念あり
バリュエーション S 超割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,108.0円
PER 7.19倍 業界平均15.9倍
PBR 0.57倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.71%
ROE 5.89%

1. 企業概要

日本色材工業研究所は、化粧品および医薬部外品のOEM(受託製造)事業を国内外で展開しています。企画提案から処方開発、製造、品質管理まで一貫して手掛け、特に口紅や高機能品に強みを持っています。傘下のフランス子会社を通じて、欧州市場へも製品を供給しています。

2. 業界ポジション

化粧品OEM業界において、同社は高機能・高品質な製品開発力と多品種少量生産への対応力で顧客ブランドのニーズに応えています。グローバルな生産体制を有し、特に口紅などの専門分野で独自の技術力を確立していますが、業界全体の競争激化や大手ブランドの生産内製化の動きが課題となる可能性があります。

3. 経営戦略

同社は、中期的な成長戦略として、技術力のさらなる向上とグローバル市場でのプレゼンス拡大を目指しています。特に仏国セグメントの収益改善を重視しており、国内では2026年3月25日にハーバー株式会社の小諸工場資産を約650百万円で取得済みであり、生産能力強化と事業効率向上を通じた国内事業基盤の拡充を進めています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 3/9 B: 普通
収益性 2/3 純利益とROAがプラス
財務健全性 1/3 株式希薄化なし
効率性 0/3 全部に課題あり

F-Scoreの総合スコアは3/9と「普通」の判定です。収益性は純利益とROAがプラスである点で評価されますが、財務健全性は株式希薄化がない一点のみで、流動比率やD/Eレシオに課題。効率性については、営業利益率やROE、四半期売上成長率がいずれも基準を満たしておらず、改善の余地が大きいことが示されています。

【収益性】

営業利益率は直近12ヶ月で-2.73%と赤字に転落しており、収益創出能力に課題を抱えています。株主資本利益率(ROE)は5.89%(ベンチマーク10%)と、株主のお金を用いて効率的に利益を上げているとは言えない水準です。総資産利益率(ROA)も0.22%(ベンチマーク5%)と低く、総資産を有効活用できていない状況です。

【財務健全性】

自己資本比率は22.5%と、一般的な適正水準とされる30%以上を下回っており、財務基盤の強化が求められます。流動比率は0.93(ベンチマーク1.5以上)と、短期的な負債の支払い能力に懸念があり、資金繰りへの注意が必要です。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2023.02 363百万円 615百万円 -252百万円 -413百万円 1,228百万円 7.65%
2024.02 813百万円 1,251百万円 -438百万円 -697百万円 1,375百万円 8.05%
2025.02 -544百万円 567百万円 -1,111百万円 95百万円 948百万円 5.61%

2025年2月期は営業キャッシュフローがプラスであるものの、積極的な投資活動によりフリーキャッシュフローは-544百万円とマイナスに転じています。現金等残高も減少傾向にあり、投資とキャッシュ創出のバランスが課題です。

【利益の質】

直近12ヶ月(2026年2月期第3四半期累計)の営業利益は15百万円、純利益は217百万円であり、純利益が営業利益を大きく上回るのは固定資産売却益などの特別利益に支えられた側面が強いことを示しています。2025年2月期の営業CF/純利益比率は2.62倍と過去は健全でしたが、直近は営業活動による利益創出力の回復が求められます。

【四半期進捗】

2026年2月期第3四半期累計の売上高進捗率は通期予想の70.1%に対し、営業利益進捗率は6.4%と極めて低水準です。純利益進捗率は67.7%ですが、これは特別利益に大きく依存しており、本業の利益改善が遅れていることが明らかであり、通期目標達成には大幅な挽回が必要です。

【バリュエーション】

同社のPER(会社予想)は7.19倍、PBR(実績)は0.57倍であり、それぞれ業界平均PER 15.9倍、業界平均PBR 0.7倍と比較して大幅に割安な水準にあります。特にPBRが1倍を下回ることは、株価が企業の純資産価値を下回っている状態を示し、市場からは企業価値が十分に評価されていない可能性があると判断できます。ただし、収益性の低さからバリュートラップの可能性も考慮が必要です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -16.77 / シグナルライン: -27.35 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 48.5% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +1.84% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +4.81% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -3.46% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +0.43% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDは中立、RSIは48.5%と売られすぎ・買われすぎのサインは出ていません。株価は5日移動平均線と25日移動平均線を上回っていますが、75日移動平均線を下回っており、短期的な上昇モメンタムと中期的な下落トレンドの拮抗が見られます。

【テクニカル】

現在の株価1,108.0円は、52週高値1,265.0円に対してレンジ内位置が57.2%、52週安値898.0円からは上昇した水準にあります。長期的な抵抗線である200日移動平均線1,104.44円付近に位置しており、このラインを明確に上抜けるかが今後の注目点です。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +5.42% -3.94% +9.36%pt
3ヶ月 -3.32% +6.14% -9.45%pt
6ヶ月 -3.57% +18.62% -22.19%pt
1年 -3.23% +40.50% -43.73%pt

直近1ヶ月では日経平均を9.36%ポイント上回るパフォーマンスを見せましたが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期的な期間では日経平均を大きく下回る結果となっており、市場全体の成長ペースには追随できていません。

【注意事項】

⚠️ 信用買残が35,000株である一方、信用売残は0株で信用倍率が0.00倍と算出されており、買い残に偏りがあるため、将来的な売り圧力にご注意ください。PBRが0.57倍と低水準にもかかわらず、本業の営業利益が赤字に陥っている点は、バリュートラップに陥る可能性も示唆しています。

【定量リスク】

同社のベータ値は0.33と市場全体に対する株価感応度が低く、市場の変動に対しては比較的安定しやすいと考えられます。しかし、年間ボラティリティは42.23%と高く、価格変動性自体は大きい銘柄です。仮に100万円投資した場合、年間で±42.23万円程度の変動が想定され、過去の最大ドローダウンは-31.20%でした。

【事業リスク】

  • 為替変動やグローバル景気減速、特に欧州市場の低迷は、仏国セグメントを含む海外事業の収益を悪化させるリスクがあります。
  • OEM事業は、主要顧客である化粧品ブランド企業の製品開発戦略や需要変動に強く依存するため、売上高や利益の安定性に影響を与える可能性があります。
  • 原材料価格の高騰、人件費の上昇、競合製品との価格競争激化などが、同社の利益率を圧迫する可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残が35,000株に対して信用売残が0株であるため、信用倍率は0.00倍であり、市場の注目度として買いポジションが積み上がっている状況と見られます。これは、短期的な上値の重しとなる可能性があります。

主要株主構成

  • トワ・スール: 23.77%
  • 奥村浩士: 12.00%
  • ちふれホールディングス: 6.95%
  • 三菱鉛筆: 6.00%
  • 井田ラボラトリーズ: 4.86%
  • 奥村華代: 4.29%
  • ブレストシーブ: 3.19%

8. 株主還元

同社の配当利回り(会社予想)は株価1,108.0円に対し2.71%です。通期予想の一株利益156.9円、年間配当30円で計算した配当性向は19.12%であり、健全な水準にあります。過去には無配の期間もありましたが、配当が再開され、現在の利益水準から見ても持続可能性は高いと考えられます。自社株買いの実施は確認されていません。

SWOT分析

強み

  • 口紅や高機能品に特化した独自の技術力と、長年のOEM事業で培われた顧客からの信頼。
  • フランス子会社を通じたグローバルな生産・販売体制と多様な顧客基盤。

弱み

  • 仏国セグメントの赤字継続など、グローバル事業における収益性の不安定さ。
  • 低い自己資本比率と流動比率が示す、財務健全性への課題と資金繰りのリスク。

機会

  • 高機能化粧品やパーソナライズされた美容製品に対する消費者需要の継続的な拡大。
  • 取得した新工場など、国内生産体制強化による効率化と事業基盤の拡大。

脅威

  • 原材料費高騰、人件費上昇、為替変動に伴うコスト増と利益率の圧迫。
  • 競合他社との激しい競争、および大口顧客の生産戦略変更リスク。

この銘柄が向いている投資家

  • 現状の割安なバリュエーションを魅力と捉え、事業改善による株価の反発を期待する長期投資家。
  • 安定した配当を享受しつつ、企業の構造改革 efforts(努力)の成果を待てる、リスク許容度のある投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 通期営業利益予想に対する第3四半期時点での進捗率が極めて低いため、今後の本格的な収益改善が実現するかどうかを慎重に見極める必要があります。
  • 自己資本比率および流動比率の低さは財務体力に懸念を残すため、今後の財務改善の進捗に注目が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益進捗率: 2026年2月期通期予想に対する営業利益の進捗率が、第4四半期で70%以上に改善すること。
  • 仏国セグメントの営業損益: 経営戦略の成果として、仏国セグメントの営業損失が黒字化すること。
  • 自己資本比率: 中長期的に財務健全性を高めるため、30%以上への回復。
  • 流動比率: 短期的な支払い能力を確保するため、1.0以上への改善。

10. 企業スコア

  • 成長性: B (過去数期は売上高が堅調に伸長しているものの、直近四半期で売上高が前年比△13.5%と減少し、営業利益が大幅に悪化しているため、今後の持続的な成長には不透明感があります。)
  • 収益性: C (ROEは5.89%とベンチマークの10%を下回り、直近12ヶ月の営業利益率は-2.73%と赤字であり、企業全体としての収益創出力は低調です。)
  • 財務健全性: C (自己資本比率は22.5%、流動比率は0.93と、財務基盤の安定性を示す主要な指標がいずれも推奨水準を下回っており、財務体質に懸念があります。)
  • バリュエーション: S (PERは7.19倍、PBRは0.57倍であり、それぞれ業界平均であるPER 15.9倍、PBR 0.7倍を大幅に下回る水準で、市場から見て極めて割安に評価されていると言えます。)

企業情報

銘柄コード 4920
企業名 日本色材工業研究所
URL http://www.shikizai.com/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,108円
EPS(1株利益) 154.16円
年間配当 2.71円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 8.3倍 1,275円 3.1%
標準 0.0% 7.2倍 1,108円 0.3%
悲観 1.0% 6.1倍 990円 -1.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,108円

目標年率 理論株価 判定
15% 558円 △ 99%割高
10% 697円 △ 59%割高
5% 879円 △ 26%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ハーバー研究所 4925 1,730 68 11.73 0.71 6.4 2.31
アイビー化粧品 4918 340 21 6.81 1.47 12.9 4.41

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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