企業の一言説明
ビーロットは、中古ビルやマンションの再生・売却、ホテル開発などを手掛ける不動産投資・開発事業を主軸とする高成長性の企業です。富裕層向けに特化したコンサルティングも展開し、安定的な収益源を確保しています。
総合判定
高成長も財務に課題を抱える割安銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- 継続的な高成長と高い収益性:不動産投資開発事業が牽引し、売上高・営業利益ともに年々増加。過去12ヶ月の売上高は前年比+148.00%、ROEは23.47%と高い水準を維持しています。
- 業績成長と比較した割安なバリュエーション:PERは業界平均の約半分となる5.59倍と、現在の高い成長性や収益力を鑑みると割安感があります。
- 財務健全性とキャッシュフローの課題:販売用不動産の増加に伴い、自己資本比率が19.7%に低下し、有利子負債が増加しています。営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともにマイナスとなっており、資金繰りへの注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に優良 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | C | やや不安 |
| バリュエーション | A | 良好・割安 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,500.0円 | – |
| PER | 5.59倍 | 業界平均11.3倍 |
| PBR | 1.40倍 | 業界平均0.9倍 |
| 配当利回り | — | – |
| ROE | 23.47% | – |
1. 企業概要
ビーロットは、不動産投資開発、不動産コンサルティング、不動産マネジメントの3つの事業を柱とする不動産会社です。中古ビルやマンションを再生し売却する「不動産投資開発事業」が主力で、富裕層を主な顧客としています。ホテル開発も手掛け、市場調査から建設、管理、賃貸まで一貫して行い、高度な不動産金融ノウハウが強みです。
2. 業界ポジション
不動産業界において、ビーロットは富裕層や投資家向けに特化した不動産再生・開発を展開する中堅プレーヤーです。独自の金融ノウハウと目利き力を活かし、高収益物件を手掛けることで差別化を図っています。大手総合不動産会社とは異なるニッチ市場で強みを発揮し、高い成長性を実現しています。
3. 経営戦略
ビーロットは「中期経営計画2027」の初年度目標を着実に達成し、M&Aと企業投資を加速することで事業ポートフォリオの拡大を目指しています。特に富裕層向け不動産領域の拡大(長期保有の賃貸用不動産増加)と企業投資・M&Aの積極化(優先株取得、事業会社出資、再生エネルギー等)に注力しています。また、人的資本・デジタル投資による生産性向上も戦略の要点です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAは優良な水準を維持していますが、営業キャッシュフローがマイナスである点が収益の質に課題を示しています。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率は高いですが、負債資本倍率(D/Eレシオ)が高く、負債負担が懸念されます。ただし、株式の希薄化は発生していません。 |
| 効率性 | 2/3 | ROEと四半期売上成長率は良好ですが、営業利益率がわずかに目標を下回っています。 |
F-Scoreは6点とA(良好)判定ですが、営業キャッシュフローのマイナスやD/Eレシオの高さに改善の余地があり、将来的な財務リスク要因として注視が必要です。全体の財務健全性は比較的良好ですが、事業拡大に伴う負債増加が一部の項目で懸念材料となっています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月): 9.90% (2025年12月期は20.1%)。不動産投資開発事業が好調に推移し、高い水準を維持しており、収益力の高さを示しています。
- ROE(実績): 23.47%。株主資本を効率的に活用し、高い利益を生み出している優良な水準です(ベンチマーク10%)。
- ROA(過去12ヶ月): 5.98%。総資産から効率よく利益を生み出しており、企業全体の収益性も良好です(ベンチマーク5%)。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 19.7%。前期の31.0%から大幅に低下しており、業界の特性もありますが、財務の安定性にやや懸念があります。
- 流動比率(直近四半期): 2.99。短期的な支払い能力を示す指標は高く、直近の資金繰りには問題がない良好な状態です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2023.12 | 5,014百万円 | -78百万円 | -4,684百万円 | 10,342百万円 |
| 2024.12 | 6,149百万円 | 18百万円 | -4,274百万円 | 12,245百万円 |
| 2025.12 | -9,451百万円 | -6,352百万円 | 18,227百万円 | 14,680百万円 |
2025年12月期は、販売用不動産の増加に伴い、営業キャッシュフローが-9,451百万円と大幅なマイナスに転じました。投資活動も活発化し投資キャッシュフローも-6,352百万円とマイナスですが、借入等による財務キャッシュフローが+18,227百万円と大幅増となっています。これは事業拡大のための投資資金を主に借入で賄っていることを示しており、資金調達は順調に進んでいるものの、営業活動によるキャッシュ創出力には懸念が生じています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: -2.14。この比率が1.0未満、特にマイナスとなっていることは、本業で稼いだキャッシュが純利益を下回っていることを示し、利益の質にやや懸念がある状態です。
【四半期進捗】
通期計画(営業利益84億円、純利益50億円)に対し、2025年12月期実績(営業利益75億7,900万円、純利益44億2,000万円)は既に高い水準を達成しています。2026年12月期は過去最高業績が予想されており、順調な進捗が期待されます。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 5.59倍。不動産業種平均の11.3倍と比較して大幅に割安な水準にあります。高い成長性や収益力に対して市場からの評価が相対的に低い状態です。
- PBR(実績): 1.40倍。不動産業種平均の0.9倍と比較すると割高に見えますが、ROEが23.47%と非常に高いことを考慮すると、資産効率の良さが評価されているとも解釈できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -9.24 / シグナルライン: -20.43 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 52.3% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.50% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +1.57% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -1.09% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -5.04% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDとRSIは中立圏にあり、明確なトレンドシグナルは出ていません。乖離率を見ると、短期・中期線との差異は小さいものの、200日移動平均線に対しては株価がやや下回っており、長期的な上昇トレンドに一時的な調整が入っている可能性があります。
【テクニカル】
現在の株価は1,500.0円です。52週高値1,917.00円、52週安値1,048.00円のレンジの中央付近に位置しています。株価は5日移動平均線(1,492.60円)と25日移動平均線(1,476.76円)を上回っているものの、75日移動平均線(1,517.08円)および200日移動平均線(1,578.87円)を下回っており、中長期的な下落トレンドへの転換リスクをはらんでいます。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -3.47% | +3.45% | -6.93%pt |
| 3ヶ月 | -0.27% | +9.55% | -9.82%pt |
| 6ヶ月 | -17.08% | +26.68% | -43.76%pt |
| 1年 | +4.46% | +59.82% | -55.36%pt |
ビーロットの株価は、全ての期間において日経平均を大幅に下回るパフォーマンスとなっています。特に過去6ヶ月および1年間では、日経平均の上昇トレンドから大きく取り残されており、市場全体の好調な地合いと比較して相対的に軟調な推移が続いています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が145.22倍と高水準です。これは将来の売り圧力に繋がる可能性があり、株価の重石となる可能性があります。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 42.12%。仮に100万円投資した場合、年間で±42.12万円程度の変動が想定されます。
- 最大ドローダウン: -62.70%。過去のデータでは最大でこの程度の下落を経験しており、今後も同様のリスクが存在します。
- シャープレシオ: -0.27。リスクに見合うリターンが得られていないことを示唆しており、リスク効率は低い状態です。
【事業リスク】
- 金利動向と不動産市場の変動リスク: 有利子負債の増加に伴い、金利上昇は金利負担増大に直結します。また、不動産市況の悪化は販売価格や売却回転率に影響を与え、業績を圧迫する可能性があります。
- 販売用在庫増加と資金繰りリスク: 販売用不動産(在庫)が大幅に増加しており、これが販売の長期化や滞留につながると、資金繰りが悪化し流動性リスクが高まる可能性があります。
- 自己資本比率の低下と調達環境: 自己資本比率が低下傾向にあり、今後、新たな資金調達や借入条件に影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残が856,800株、信用売残が5,900株で、信用倍率は145.22倍と非常に高い水準です。これは株価下落局面での踏み上げ期待がある一方で、将来的にこれらの買残が決済される際の売り圧力が懸念されます。
- 主要株主構成(上位3社):
- 望月雅博:11.01% (2,204,800株)
- 合同会社エムアンドエム:8.18% (1,638,000株)
- 自社(自己株口):6.97% (1,396,800株)
8. 株主還元
- 配当利回り: 2025年12月期は年間73.00円の配当を実施しており、現在の株価1,500.0円で計算すると約4.87%となります。企業財務指標のデータでは「Forward Annual Dividend Yield 4: 9.73%」とあり、仮に年間146円の配当が継続すればこの利回りになりますが、2026年12月期の配当予想は「未定」とされています。
- 配当性向: 2025年12月期は30.9%、2024年12月期は29.8%と、利益の約3割を配当に回す方針を継続しており、一般的な企業と比較して健全な水準です。
- 自社株買いの状況: 最近のポジティブニュースとして「自己株式取得およびToSTNeT-3による買付決議」が挙げられており、株主還元への意欲は高いと考えられます。
【配当持続可能性】
配当性向は30.9%と健全な水準にあり、現在の利益水準であれば配当の安定性は高いと考えられます。
SWOT分析
強み
- 不動産再生・開発事業における高いノウハウと目利き力により、非常に高い収益性と成長性を実現しています。
- 富裕層向けというニッチ市場での強固な顧客基盤と、多様なビジネスモデル展開があります。
弱み
- 事業拡大に伴う有利子負債の増加と自己資本比率の低下により、財務健全性が脆弱化しています。
- 積極的な事業投資により営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローがマイナスとなっており、資金繰りの懸念があります。
機会
- M&Aや企業投資の積極化により、新たな収益源や事業ポートフォリオの多角化が期待されます。
- 不動産市場の活況が継続すれば、販売用不動産の高値売却や回転率向上が見込めます。
脅威
- 金利上昇や不動産市況の悪化は、借入金利負担の増大や販売用不動産の価値下落に直結します。
- 信用倍率の高さは、将来的な売り圧力を高め、株価の上値を抑える要因となる可能性があります。
この銘柄が向いている投資家
- 成長株を求める投資家: 高い売上高成長率と利益成長が継続しており、将来の企業規模拡大に期待する投資家に向いています。
- バリュー投資家: 業界平均を大きく下回るPERに割安感を感じ、株価上昇余地を求める投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- 財務リスクの確認: 自己資本比率の低さ、有利子負債の増加、マイナスのキャッシュフローは、業績が計画を下回った場合に財務状況を急激に悪化させるリスクがあるため、常に最新の財務状況を確認する必要があります。
- 金利動向の注視: 不動産事業は金利変動の影響を受けやすいため、国内外の金利動向が業績に与える影響を継続的に評価することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 自己資本比率: 少なくとも25%以上への回復。財務の安定性向上を示すため。
- 営業キャッシュフロー: 黒字転換。本業で継続的にキャッシュを創出できているかを確認するため。
- 信用倍率: 50倍以下への改善。市場の需給バランスが改善し、将来的な売り圧力が減少しているか確認するため。
- 販売用不動産回転期間: 短縮傾向。在庫が効率的に売却されているかを確認するため。
10. 企業スコア
- 成長性: S
2025年12月期の売上高は前年比+148.00%と極めて高い成長を実現しており、2026年12月期の業績予想も2桁成長が見込まれるため、非常に優良と評価できます。 - 収益性: A
ROEが23.47%と非常に高く、株主資本を効率的に活用して収益を上げていますが、営業利益率が9.90%とS評価の基準にわずかに届かないため、Aに評価しました。 - 財務健全性: C
自己資本比率が19.7%に低下しており、有利子負債が増加している点は懸念材料です。一方で流動比率は高いですが、総合的に見てやや不安な水準と判断しました。 - バリュエーション: A
PERが業界平均の約半分である5.59倍と著しく割安であり、足元の高成長を考慮すると買い妙味があります。PBRは業界平均よりやや高いものの、高ROEで正当化可能な範囲内です。
企業情報
| 銘柄コード | 3452 |
| 企業名 | ビーロット |
| URL | http://www.b-lot.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,500円 |
| EPS(1株利益) | 268.30円 |
| 年間配当 | 146.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.2% | 6.4倍 | 2,938円 | 21.4% |
| 標準 | 8.6% | 5.6倍 | 2,271円 | 16.5% |
| 悲観 | 5.2% | 4.8倍 | 1,642円 | 10.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,500円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,598円 | ○ 6%割安 |
| 10% | 1,995円 | ○ 25%割安 |
| 5% | 2,518円 | ○ 40%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ロードスターキャピタル | 3482 | 3,115 | 667 | 7.26 | 1.61 | 28.3 | 3.14 |
| ADワークスグループ | 2982 | 422 | 213 | 6.88 | 1.00 | 15.0 | 4.73 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。