企業の一言説明

帝国電機製作所は化学物質用・密閉ポンプを主力製品とするグローバルニッチトップの企業です。

総合判定

財務優良な安定成長企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 独自の技術による化学品・医薬向け密閉ポンプで国内外に高シェアを確立し、高い収益性を維持しています。
  • 自己資本比率77.2%、流動比率4.63倍、Piotroski F-Score 7/9点と極めて高い財務健全性を誇ります。
  • 信用倍率が30倍を超え高止まりしており、将来的な需給悪化による売り圧力には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 A 良好
財務健全性 S 優良
バリュエーション A 良好

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,996.0円
PER 13.45倍 業界平均16.6倍
PBR 1.51倍 業界平均1.4倍
配当利回り 3.67%
ROE 11.80%

※PER、PBRは各種指標データを採用。ソースにより値が異なる(バリュエーションセクション: PER 12.4倍、PBR 1.39倍)

1. 企業概要

帝国電機製作所は1939年設立の歴史ある企業で、特に化学物質用や高機能性流体向けの密閉型ポンプの製造・販売を主力事業としています。主力製品である「キャンドモータポンプ」は、モーターとポンプが一体構造となり、軸封部がないため液漏れを完全に防止できるという技術的な独自性があります。この高い密閉性と安全性は、危険物や毒劇物を扱う化学、医薬、食品工場、原子力発電所などの広範な分野で必要とされ、高い参入障壁を築いています。アフターサービスも提供し、安定的な収益構造を構築しています。

2. 業界ポジション

同社は化学物質用・密閉ポンプの分野で国内外において高い市場シェアを持つリーディングカンパニーです。特に、液漏れを完全に防ぐ「キャンドモータポンプ」は、一般的なメカニカルシールポンプに比べて環境負荷が低く、安全性が高いため、厳しい環境規制下での需要が高まっています。競合は国内外に存在しますが、長年の実績と技術的な優位性、グローバルな販売・サービスネットワークを強みとしています。ただし、ポンプは設備投資に左右されるため、景気変動の影響を受ける可能性があります。

3. 経営戦略

帝国電機製作所は、精密化学、医薬、食品産業といった高付加価値分野でのキャンドモータポンプの供給を強化し、海外市場においても拠点拡大と顧客基盤の深化を図るグローバル戦略を推進しています。直近では、電子部品事業(平福電機製作所)の事業停止を決定し、報告セグメントをポンプ事業の単一セグメントへ変更しました。これにより、主力事業への経営資源集中と収益構造の明確化を図る方針と見られます。2026年4月には社名を「帝国株式会社」へ変更する予定で、企業イメージ刷新と事業領域拡大への意欲を示しています。2026年3月期の通期予想では売上高、営業利益ともに減少を見込んでおり、事業転換期における収益性回復が課題です。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務状況を9つの観点から評価する指標です。7点以上は財務が優良とされます。

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 2/3 純利益がゼロを上回り、ROAもプラスであるため、収益性は良好です。
財務健全性 2/3 流動比率が1.5倍を上回り、株式希薄化もないため、財務健全性は良好です。
効率性 3/3 営業利益率10%超、ROE10%超を達成し、四半期売上成長率もプラスであり、効率性は非常に優れています。

各カテゴリの根拠:

  • 収益性: 純利益がプラスであり、総資産利益率(ROA)がプラスであることから、企業として利益を創出する能力があることを示しています。
  • 財務健全性: 短期的な支払い能力を示す流動比率が基準を上回り、株式の希薄化も発生していないため、財務基盤は安定していると言えます。
  • 効率性: 売上高営業利益率が高く、株主資本利益率(ROE)も効率的な資本活用を示し、四半期の売上高も成長していることから、事業運営の効率性が非常に高いことが分かります。

この高いスコアは、同社が安定した財務基盤と効率的な経営を両立していることを示しており、投資家にとって安心材料です。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 16.34%。売上高に対して効率的に本業の利益を上げられており、高い収益力を有していることを示します。
  • ROE(過去12か月): 14.50%。株主資本を効率的に活用して利益を生み出しており、株主にとって魅力的な水準(ベンチマーク10%)を上回ります。
  • ROA(過去12か月): 8.02%。総資産を効率的に活用して利益を生み出しており、資産活用効率も良好な水準(ベンチマーク5%)を大きく上回ります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 77.2%。総資産に占める自己資本の割合が非常に高く、財務基盤が極めて強固で倒産リスクが低いことを示します。
  • 流動比率(直近四半期): 4.63倍。短期的な負債の支払い能力を示す指標が非常に高く、手元資金にも余裕があるため、資金繰りに懸念はありません。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF(百万円) 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) 現金等残高(百万円)
2023.03 5,134 4,853 281 -3,713 14,903
2024.03 -578 2,395 -2,973 -4,076 10,834
2025.03 5,414 3,944 1,470 -4,706 11,998

2024年3月期に一時的にフリーキャッシュフローがマイナスとなりましたが、2025年3月期には54.14億円と大きく改善し、安定した事業運営により潤沢なキャッシュを生み出している状況です。投資キャッシュフローも安定しており、健全な投資が行われていることが伺えます。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率(2025年3月期): 1.03倍。営業キャッシュフローが純利益を上回っており、会計上の利益が実質的な現金の流入を伴っているため、利益の質は非常に健全であると判断できます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期時点の通期予想に対する進捗率は、売上高が77.4%、営業利益が72.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益が90.2%です。特に純利益は特別利益(投資有価証券売却益等)により高い進捗を達成しており、通期目標の達成に向けて順調に進捗していると言えますが、本業の売上高・営業利益の進捗はやや遅れ気味であり、第4四半期での巻き返しが期待されます。

【バリュエーション】

同社のPER(会社予想)は13.45倍であり、業界平均の16.6倍と比較して割安な水準にあります。一方、PBR(実績)は1.51倍と、業界平均の1.4倍をやや上回っており、純資産価値から見ると適正水準からやや割高とも捉えられます。ただし、高い財務健全性と収益性を考慮すると、PERから見た割安感が投資妙味となっています。
(バリュエーション分析セクションではPER 12.4倍、PBR 1.39倍と表示されており、同社の株価は、アナリストの評価や市場全体の動向によって異なる見方が存在することを示唆しています。)

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -42.87 / シグナルライン: -60.44 / ヒストグラム: 17.57 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 51.4% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +1.97% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +1.15% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -2.73% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -4.73% 長期トレンドからの乖離

RSIが中立域にあり、MACDも判断が難しい状況ですが、MACD値がシグナルラインを上回っていることから、短期的な底打ちや上昇転換の兆しが見られます。

【テクニカル】

現在の株価2,996.0円は、52週高値3,500.00円から約14.4%低い水準、52週安値2,619.00円から約14.4%高い水準に位置しており、52週レンジの中間に近い位置です(レンジ内位置49.1%)。短期移動平均線(5日線、25日線)は株価を下回っており、短期的なモメンタムは強まりつつありますが、中期・長期移動平均線(75日線、200日線)は株価を上回っており、株価は依然として中期・長期的な下落トレンドの中にあります。株価が長期的な抵抗線となっている200日移動平均線を明確に上抜けるかどうかが、今後のトレンド転換の鍵となります。

【市場比較】

日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -3.51% +3.45% -6.96%pt
3ヶ月 -2.73% +9.55% -12.28%pt
6ヶ月 -5.34% +26.68% -32.02%pt
1年 +0.50% +59.82% -59.32%pt

同社の株価パフォーマンスは、全ての期間で日経平均株価を大きく下回っており、市場全体の好調な動きに乗り切れていない状況が示されています。これは、投資家の関心がより成長性の高い銘柄やテーマ株に向かい、同社のような安定成長企業への資金流入が限定的であった可能性を示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が30.83倍と高水準です。これは、株価が上昇した場合に将来的な売り圧力が強まる可能性を示唆しており、需給バランスには注意が必要です。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 30.11%。仮に100万円投資した場合、年間で±30.11万円程度の株価変動が想定されます。
  • 最大ドローダウン: -36.25%。過去に経験した最大の下落幅であり、今後もこの程度の変動は起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • シャープレシオ: -0.14。リスクに対して得られるリターンが少ないことを示しており、投資効率の課題が伺えます。
  • 年間平均リターン: -3.63%。過去1年間の実績では、価格変動による損失が発生していることを示しています。

【事業リスク】

  • 主力事業への集中リスク: 電子部品事業の停止により、ポンプ事業がほぼ単一セグメントとなるため、ポンプ市場のM&Aや環境変化に業績が大きく左右される可能性があります。
  • グローバル展開に伴うリスク: 海外売上比率が高く、為替レートの変動が業績に与える影響や、地政学リスク、各国の規制変更なども事業リスクとなり得ます。
  • 設備投資サイクルの影響: 主力である密閉ポンプの需要は、製造業の設備投資サイクルに左右されやすく、景気変動が業績に影響を与える可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が129,500株と多いうえ、信用倍率が30.83倍と極めて高水準にあります。信用売残が大幅に減少していることもあり、将来的な売り圧力が懸念される需給状況です。これは、株価が一時的に上昇した場合に、利益確定売りや追証による投げ売りが出やすい環境であることを示唆しています。
  • 主要株主構成:
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 10.42%
    • ゴールドマン・サックス(レギュラー)アカウント: 10.13%
    • 三菱電機モビリティ: 7.62%

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.67%。比較的高い水準であり、安定的なインカムゲインを求める投資家にとって魅力的な指標と言えます。
  • 配当性向(会社予想): 44.32%(配当性向・EPS履歴では50.2%)。利益の約半分を配当に回しており、一般的な健全水準(30-50%)に収まっているため、配当の持続可能性は高いと考えられます。
  • 自社株買いの状況: 提供データからは自社株買いの明確な状況は確認できませんでした。

SWOT分析

強み

  • 化学物質用・密閉ポンプにおける独自の技術と高い国内外シェアを確立しています。
  • 極めて高い自己資本比率と流動比率により、強固な財務基盤を有しています。

弱み

  • 直近1年間の市場相対パフォーマンスが日経平均を大きく下回っており、市場からの評価が低い状況です。
  • ポンプ事業への単一セグメント化により、事業ポートフォリオの多角化によるリスク分散が限定的となります。

機会

  • 環境規制の強化や化学・医薬分野での高機能ポンプ需要増により、主力製品のさらなる拡大が見込まれます。
  • グローバルなインフラ投資や工業化の進展により、海外市場での事業拡大余地が存在します。

脅威

  • 為替変動や原材料価格の高騰が収益を圧迫する可能性があります。
  • 主要顧客の設備投資動向や景気循環に業績が左右されるリスクがあります。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定配当を求める長期投資家: 高い財務健全性と安定した配当実績があり、インカムゲインを重視する投資家に向いています。
  • グローバルニッチトップ企業への投資家: 特定分野で高い競争力を持つ企業を評価し、海外市場の成長を取り込みたいと考える投資家に適しています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 信用倍率の高さ: 信用買い残が多い現状は、将来的な売り圧力を生む可能性があり、株価調整のリスクとなり得ます。
  • 市場相対パフォーマンスの低迷: 市場全体の大きな上昇トレンドに乗れていない点が継続しており、投資テーマ性や株価上昇のドライバーを精査する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: 単一セグメント化後の本業収益力維持・向上を測る上で重要であり、15%以上を維持できるか注目です。
  • 海外売上比率及び地域別成長率: グローバル戦略の成否を測る上で重要であり、特に成長が見込まれるアジア市場での売上の伸びに注目します。
  • 信用倍率の改善: 高い信用倍率が解消され、需給バランスが正常化するかどうかを継続的に確認し、10倍以下への改善を目標とします。
  • 受注残高: ポンプ事業の将来的な売上高を予測する先行指標として、受注状況の改善をウォッチします。

成長性: C (やや不安)

2026年3月期の通期会社予想において、売上高27,520百万円、営業利益5,000百万円と、2025年3月期の実績から減収減益を見込んでいる点や、直近の四半期売上成長率が0.30%と低調なため、成長性にはやや懸念があります。

収益性: A (良好)

過去12か月のROEは14.50%、営業利益率は16.34%であり、両指標ともにベンチマーク(ROE 10%、営業利益率 10%)を大きく上回る高い水準を維持しているため、収益性は良好と評価できます。

財務健全性: S (優良)

自己資本比率が77.2%と非常に高く、流動比率も4.63倍と潤沢な手元資金を有しています。Piotroski F-Scoreも7/9点と優良な評価であり、極めて強固な財務基盤を持っていると判断されます。

バリュエーション: A (良好)

会社予想PERは13.45倍と、業界平均の16.6倍よりも割安な水準にあり、企業価値に対して株価が過小評価されている可能性があります。PBRは業界平均をやや上回りますが、高い財務健全性と収益性を考慮すると、総合的に見て株価は良好な水準にあると判断できます。


企業情報

銘柄コード 6333
企業名 帝国電機製作所
URL http://www.teikokudenki.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,996円
EPS(1株利益) 222.73円
年間配当 3.67円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 7.7% 15.5倍 4,981円 10.8%
標準 5.9% 13.4倍 3,988円 6.0%
悲観 3.5% 11.4倍 3,029円 0.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,996円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,993円 △ 50%割高
10% 2,490円 △ 20%割高
5% 3,141円 ○ 5%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
荏原製作所 6361 5,124 23,426 27.05 4.59 17.0 1.28
日機装 6376 2,820 1,950 15.00 1.16 8.2 1.77
酉島製作所 6363 3,320 964 17.21 1.55 10.0 1.86

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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