企業の一言説明

京写は、プリント配線基板の製造・販売を主力事業とする、片面板で世界首位の地位を確立している電機部品メーカーです。グローバルに事業を展開し、顧客の多様なニーズに対応しています。

総合判定

減速期の底打ちを模索するPBR割安企業

現状、京写はプリント配線基板市場において片面板で世界首位の技術力とグローバルな生産体制を確立していますが、直近の業績は減収減益で推移しており、2026年3月期は最終赤字への下方修正を発表しています。市場からはネガティブなセンチメントが強まっており、株価も中期的に下落トレンドにあります。
しかし、その一方でPBRは0.46倍と業界平均を大きく下回る水準で推移しており、企業価値から見て割安感が非常に強い状況です。財務健全性は高く評価されていますが、収益性と成長性に課題を抱えています。経営陣は自社株買いを発表し、株主への還元姿勢は見せていますが、根本的な収益改善と市場成長への適応が喫緊の課題となっています。現在の株価水準は、これらの課題と割安感を強く反映していると言えるでしょう。

投資判断のための3つのキーポイント

  • PBRが極めて割安水準: 0.46倍と業界平均を大きく下回り、解散価値を下回る株価で取引されており、バリュエーション上の大きな魅力があります。
  • 財務健全性は良好: Piotroski F-Scoreで5/9点(A判定)を記録し、流動比率やD/Eレシオが堅固であることから、短期的な資金繰りや長期的な債務リスクは低いと評価できます。
  • 業績の減速と最終赤字見込み: 直近の決算は減収減益で着地し、2026年3月期の通期予想では最終赤字への下方修正が行われました。事業環境の変化と収益性改善が急務となっています。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 業績減速中
収益性 C 改善余地大
財務健全性 A 良好
バリュエーション S 極めて割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 293.0円
PER —倍 業界平均12.9倍
PBR 0.46倍 業界平均0.8倍
配当利回り 1.71%
ROE 6.80%

1. 企業概要

京写は、プリント配線基板(PWB)の製造・販売を主軸とする、1959年設立の電機部品メーカーです。片面板分野で世界首位の市場ポジションを確立しており、特にノンシリコンタイプPWBの量産化を推進しています。主力は片面・両面・多層基板に加え、実装用キャリア治具やメタルマスクなどの関連製品も手掛け、設計から製造まで一貫したソリューションを提供しています。グローバルに事業を展開し、日本、中国、インドネシア、メキシコ、ベトナムにも生産拠点を持ち、多様な顧客ニーズに対応する技術的独自性とサプライチェーンを強みとしています。

2. 業界ポジション

京写は、プリント配線基板業界において、特に片面板分野で世界首位の地位を確立しています。その技術力と長年の実績により、高品質な製品を提供し続けています。同社は、基板だけでなく、実装工程で使用されるキャリア治具「MagiCarrier」や「メタルマスク」など、周辺製品にも事業領域を広げることで、顧客への総合的な価値提供を図っています。グローバルな生産体制を持つことも強みですが、一方で、電機部品業界の景気変動や技術革新のスピードに左右される側面も持ち合わせています。主要競合としては、より多層・高機能基板に特化した大手メーカーや、特定地域で強みを持つ地域企業が挙げられ、コスト競争力と技術革新の両面での差別化が重要となります。

3. 経営戦略

京写はプリント配線基板のコア事業を基盤としつつ、ノンシリコンタイプ製品の量産化など、環境配慮型および高付加価値製品の開発に注力する戦略をとっています。また、MagiCarrierなどの周辺治具製品の拡販を通じて、顧客の生産性向上に貢献し、事業領域の拡大を図っています。直近では、2026年3月期第3四半期決算において、通期予想の修正は行われなかったものの、売上高24,000百万円、営業利益700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益△60百万円(赤字)を見込んでいます。これは、中国市場の減速や為替変動などが影響している可能性を示唆しており、収益性の改善が今後の重点課題となるでしょう。なお、過去のイベントとして、2026年3月30日は配当の権利落ち日でした。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 2/3 直近の収益は安定
財務健全性 3/3 極めて堅固な基盤
効率性 0/3 改善の必要あり

解説:

  • 収益性: 直近12ヶ月の純利益およびROAが共にプラスであることから、基本的な収益獲得能力は維持していると判断されます。
  • 財務健全性: 流動比率が1.55倍と高く、D/Eレシオも1.0未満、かつ株式の希薄化も発生していないため、非常に堅固な財務基盤を構築しています。
  • 効率性: 営業利益率、ROE(直近12ヶ月)、四半期売上成長率のいずれもが基準を満たしておらず、資産活用効率や事業成長性において改善が求められる状況です。

【収益性】

営業利益率は直近12か月で3.51%、ROE(実績)は6.80%、ROA(過去12か月)は2.14%です。これらの指標は、一般的な目安とされるROE 10%やROA 5%、高収益企業が目指す営業利益率10%と比較して低く、収益性の改善が求められる水準にあります。

【財務健全性】

自己資本比率(実績)は39.7%、流動比率(直近四半期)は1.55倍です。自己資本比率は安定しているものの更なる向上が望ましく、流動比率は短期的な支払能力が十分に確保されており、財務の健全性は良好な部類に入ります。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2023.03 178百万円 1,502百万円 △1,324百万円 1,470百万円 5,091百万円 21.32%
2024.03 1,608百万円 2,377百万円 △769百万円 △2,236百万円 4,740百万円 20.31%
2025.03 930百万円 1,666百万円 △736百万円 △761百万円 5,273百万円 21.30%

営業キャッシュフローは堅調にプラスを維持しており、本業で安定して現金を稼ぎ出す能力があることを示しています。フリーキャッシュフローもプラスで推移し、事業活動で得た資金を投資に回す余力があることがうかがえます。

【利益の質】

2025年3月期実績の営業キャッシュフロー/純利益比率は約2.71倍(営業CF 1,666百万円 ÷ 純利益 614百万円)と1.0を大きく上回っており、利益の質は健全であると言えます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の売上高は18,526百万円(通期予想24,000百万円に対し77.2%)、営業利益は556百万円(通期予想700百万円に対し79.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は177百万円(通期予想220百万円に対し80.5%)で着地しています。通期予想に変更はなく、第3四半期終了時点で概ね順調な進捗を見せているものの、会社予想が最終赤字を織り込んでいる点には注意が必要です。

【バリュエーション】

PER(会社予想)はマイナスEPSのため計算できませんが、PBR(実績)は0.46倍であり、業界平均の0.8倍と比較して大幅に割安な水準にあります。これは、企業の資産価値に対して株価が低く評価されている状態を示唆しており、市場が将来の成長や収益性に不透明感を持っている、あるいは構造的な割安状態にある可能性を示しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -0.83 / シグナルライン: -1.19 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 48.0% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.34% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -0.30% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -1.44% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -13.43% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDはシグナルラインを上回っていますが、その差は小さく、明確なトレンド転換シグナルとは言えません。RSIは48.0%と中立域にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状態を示しています。

【テクニカル】

現在の株価293.0円は、52週高値415.00円から大きく下落した位置にあり、52週レンジの下限(安値284.00円)に近い水準です。移動平均線を見ると、5日移動平均線(294.00円)、25日移動平均線(294.20円)、75日移動平均線(297.43円)、200日移動平均線(338.88円)の全てを下回っており、短期から長期に至るまで下降トレンドが継続していることを示唆しています。特に200日移動平均線からの乖離率が-13.43%であることから、長期的な下落圧力が強い状況です。

【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +0.34% +3.45% -3.11%pt
3ヶ月 -2.01% +9.55% -11.56%pt
6ヶ月 -20.81% +26.68% -47.49%pt
1年 -24.87% +59.82% -84.69%pt

当銘柄の株価は全ての期間において日経平均をアンダーパフォームしており、特に長期になるほどその差は拡大しています。これは、市場全体の上昇トレンドに乗れておらず、投資家の間で魅力が薄れていることを示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用買残が190,200株ある一方で信用売残が0株のため、信用倍率が計算不可能となっています。将来的にはこの信用買残が売り圧力となる可能性に注意が必要です。また、PBRが0.46倍と低い一方で、今期は最終赤字見込みであるため、バリュートラップの可能性にも留意が必要です。

【定量リスク】

年間ボラティリティは35.86%、最大ドローダウンは-35.04%です。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±35.86万円程度の株価変動が想定されると共に、過去には最大で35.04万円の損失を経験する可能性があったことを意味します。ベータ値は0.37と1.0を下回っており、市場全体の動きに対する相対的な株価変動は小さい傾向にあります。シャープレシオは0.60であり、リスクに見合ったリターンが十分とは言えない水準です。年間平均リターンは22.01%と過去の実績から示されていますが、直近のパフォーマンスは低調です。

【事業リスク】

  • 電機部品市場の景気変動: 半導体や電子機器の需要変動に大きく左右されるため、市場の減速期には業績が悪化するリスクがあります。
  • 為替変動リスク: グローバルに事業展開しているため、為替レートの変動が連結業績に影響を及ぼす可能性があります。特に円安は一時的に追い風となる一方で、輸入コスト増の要因にもなり得ます。
  • 技術革新と競争激化: プリント配線基板業界は技術革新が速く、競合も多いため、常に新しい技術開発とコスト競争力の維持が求められます。

7. 市場センチメント

信用買残が190,200株に対し信用売残が0株であり、信用倍率が計算不能となっています。これは、将来的な買い戻しが期待できない一方で、潜在的な売り圧力が存在することを示唆し、需給面ではやや不安要素を抱えています。
ニュース動向分析の総合センチメントはネガティブであり、業績の減速や最終赤字見込みのニュースが投資不安を増大させているようです。一方で、自社株買いの発表はポジティブな要因として認識されていますが、全体的なセンチメントを反転させるには至っていません。

主要株主構成

  • 児嶋コーポレーション: 14.00%
  • 児嶋雄二: 6.53%
  • 児嶋淳平: 3.59%
  • エヌビーシー: 3.58%
  • 児嶋一登: 3.25%

8. 株主還元

2026年3月期(予想)の年間配当金は5.00円であり、現在の株価に基づく配当利回りは1.71%です。配当性向は「配当情報」で26.0%と示されていますが、EPS(会社予想)は△4.12円とマイナスです。

【配当持続可能性】

⚠️ 会社予想EPSがマイナスであるにもかかわらず配当を実施することから、利益を超える配当を実施中と判断されます。現水準の配当維持は困難となる可能性があり、大幅な減配リスクに特に注意が必要です。
直近のニュースでは自社株買いの実施が発表されており、株主還元への意欲は示されています。しかし、利益成長を伴わない自社株買いや配当は、企業の財務体力を圧迫する可能性も秘めています。

SWOT分析

強み

  • 片面板プリント配線基板分野で世界トップの市場シェアと実績を有しています。
  • グローバルな生産・販売拠点を持ち、多様な顧客ニーズに対応する能力があります。

弱み

  • 直近の業績は減収減益で推移し、今期の最終利益は赤字に転落する見込みです。
  • ROEと営業利益率が低く、収益性と資本効率に課題があります。

機会

  • ノンシリコンタイプPWBなど、環境配慮型・高付加価値製品への市場ニーズの高まりに対応できます。
  • PBRが極めて低く、企業価値向上の取り組みが株価に大きく反映される可能性があります。

脅威

  • 半導体・電子部品市場の景気変動や地政学的リスクが事業環境に大きな影響を与えます。
  • 競合との技術開発競争および価格競争が激化する可能性があります。

この銘柄が向いている投資家

  • 極めて割安なPBRに魅力を感じ、将来的な企業価値改善や再評価を期待するバリュー投資家。
  • 地道な事業構造改革や製品戦略転換による業績回復を長期的な視点で待てる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 今期の最終赤字転落見込みや減収減益トレンドが続く限り、株価の本格的な回復は難しい可能性があります。
  • 配当利回りは示されているものの、赤字企業による配当の持続可能性には極めて大きなリスクが伴います。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率:現在の3.51%から、少なくとも業界平均レベルの5%以上への回復。
  • 四半期売上高成長率: 直近の-9.30%から0%以上への改善、持続的な成長トレンドへの転換。
  • PBR: 現在の0.46倍から、日本市場における低PBR対策の進展に伴い0.8倍以上への上昇。

10. 企業スコア

  • 成長性: D (業績減速中)
    過去12ヶ月の四半期売上高成長率が-9.30%とマイナスであり、直近の業績も減収減益傾向にあることから、成長性には懸念があります。
  • 収益性: C (改善余地大)
    直近のROEが6.80%、営業利益率が3.51%と、一般的な目安や高収益企業の基準を下回っており、事業の収益効率に大きな改善余地があります。
  • 財務健全性: A (良好)
    自己資本比率は39.7%と堅実であり、流動比率も1.55倍と短期的な資金繰りに問題はありません。Piotroski F-Scoreは5/9点と評価され、財務基盤は非常に安定しています。
  • 株価バリュエーション: S (極めて割安)
    PBRが0.46倍と業界平均の0.8倍を大幅に下回っており、企業の保有資産価値から見て極めて割安な水準にあります。

企業情報

銘柄コード 6837
企業名 京写
URL http://www.kyosha.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 293円
EPS(1株利益) 31.12円
年間配当 1.71円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 14.8倍 462円 9.9%
標準 0.0% 12.9倍 401円 7.0%
悲観 1.0% 11.0倍 359円 4.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 293円

目標年率 理論株価 判定
15% 204円 △ 44%割高
10% 255円 △ 15%割高
5% 321円 ○ 9%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
日本シイエムケイ 6958 592 422 11.10 0.54 4.8 3.37
シライ電子工業 6658 706 106 7.11 1.02 15.1 4.95
太洋テクノレックス 6663 333 20 26.85 0.74 2.8 0.90

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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