企業の一言説明

イチケンは商業施設建築・内改装を主力とする中堅建設会社で、不動産事業も展開する全国規模の企業です。

総合判定

高配当かつ堅実な収益力を有する割安銘柄、ただし足元の信用状況に注意

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高水準な株主還元策: 新中期経営計画で配当性向40%程度またはDOE4%程度の方針を明確化しており、高配当を期待できる。
  • 堅調な収益性と財務健全性: ROEは高水準を維持し、自己資本比率や流動比率も良好で、財務基盤は安定している。
  • 過熱感のある信用取引状況: 信用倍率が極めて高く、短期的な売り圧力や株価変動リスクに警戒が必要。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 堅実な伸び
収益性 A 良好な水準
財務健全性 A 強固な基盤
バリュエーション C 評価にばらつき

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,698.0円
PER 7.12倍 業界平均11.3倍
PBR 1.04倍 業界平均0.7倍
配当利回り 4.26%
ROE 13.79%

1. 企業概要

イチケンは、商業施設の建築・内装工事を主力とする中堅建設会社です。全国展開しており、マルハングループに属します。建設事業に加え、不動産の売買・賃貸を手掛ける不動産事業も展開し、収益多角化を図っています。

2. 業界ポジション

建設業の中堅企業として、商業施設建築を得意分野とし、全国規模で事業を展開しています。特定のニッチではなく、幅広い建設活動を手掛けますが、景気変動や資材価格変動の影響を受けやすい業界特性を持ちます。

3. 経営戦略

新中期経営計画において、株主還元策として配当性向40%程度またはDOE(株主資本配当率)4%程度を目標に掲げています。2024年7月には片岡工業との企業結合を実施し、事業基盤の強化と拡大を進めています。

4. 財務分析

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益が黒字かつROAがプラスで良好です。
財務健全性 3/3 流動比率が高く、D/Eレシオが低く、株式希薄化もないため優良です。
効率性 1/3 四半期売上成長率は確認できたものの、営業利益率が基準に届かず改善余地があります。

【収益性】

過去12ヶ月の営業利益率は9.89%と、一般的な目安である10%に迫る水準で、堅調な本業の稼ぐ力を示しています。実績ROEは13.79%と、株主資本を効率的に活用し利益を生み出している良好な水準です。F-Score詳細によればROAは6.95%であり、総資産に対する収益性も良好です。

【財務健全性】

実績自己資本比率は50.4%と、安定した財務体質を示しています。直近四半期の流動比率は2.41倍(241%)であり、短期的な支払い能力に全く問題ありません。F-Scoreによる財務健全性も3点満点と評価されており、財務基盤は非常に強固です。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF (百万円) 営業CF (百万円) 投資CF (百万円) 財務CF (百万円) 現金等残高 (百万円)
2023.03 1,160 1,276 -116 -1,164 11,653
2024.03 2,299 1,882 417 -929 13,023
2025.03 6,791 8,144 -1,353 75 19,889

2025年3月期は営業キャッシュフローが大きく改善し、フリーキャッシュフローも大幅に増加しており、事業で稼ぐ力が強化されています。現金等残高も増加傾向にあり、潤沢な現金を保持しています。

【利益の質】

2025年3月期の営業CF(8,144百万円)は純利益(4,697百万円)を上回っており、営業CF/純利益比率は約1.73倍です。これは利益が現金としてしっかりと手元に残っていることを示唆し、利益の質は健全と言えます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期は、通期予想に対し売上高74.2%、営業利益80.1%、純利益81.2%の進捗率です。特に利益面では好調な進捗を見せており、通期目標達成への期待が高まります。

5. 株価分析

【バリュエーション】

株価収益率(PER)は7.12倍と、業界平均の11.3倍と比較して割安な水準にあります。一方、株価純資産倍率(PBR)は1.04倍と、業界平均の0.7倍を上回っており、純資産に対してはやや割高な評価を受けています。PERから見れば割安感がありますが、PBRは業界平均から見て割高感があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -48.29 / シグナルライン: -50.13 / ヒストグラム: 1.84 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 45.1% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -1.50% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -4.09% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -0.77% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +24.09% 長期トレンドからの乖離

MACDシグナル、RSIともに中立圏にあり、明確なトレンドは確認できません。株価は短期・中期移動平均線を下回る水準にあり、短期的には弱含みを示唆しています。ただし、長期の200日移動平均線からは大きく上方に乖離しており、中長期的な上昇トレンドは維持されています。

【テクニカル】

現在の株価(2,698.0円)は、52週高値(3,305.00円)から約18%下落した位置にあり、52週安値(1,283.00円)からは大きく上昇した水準です。直近では5日移動平均線(2,740.20円)と25日移動平均線(2,850.96円)を下回っており、短期的な調整局面にあると考えられます。

【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -12.11% +3.45% -15.56%pt
3ヶ月 +8.94% +9.55% -0.61%pt
6ヶ月 +52.25% +26.68% +25.57%pt
1年 -5.51% +59.82% -65.33%pt

直近1ヶ月および3ヶ月では日経平均を下回るパフォーマンスですが、6ヶ月では市場を大きくアウトパフォームしています。しかし、1年という長期で見ると日経平均に対し大きく劣後しており、長期的な変動が大きい銘柄と言えます。

6. リスク評価

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が389.89倍と極めて高水準であり、将来の売り圧力が顕在化する可能性に注意が必要です。
📌 年間ボラティリティが68.23%、出来高は直近で25,600株と少なく、売買時に価格変動リスクが高い点にも留意が必要です。

【定量リスク】

ベータ値は0.69であり、市場全体の変動に対して株価が比較的穏やかに推移する傾向を示唆します。しかし、年間ボラティリティが68.23%と高く、仮に100万円投資した場合、年間で±68万円程度の変動が想定されます。過去最大ドローダウンは-60.24%を記録しており、市場の急変時には大きな損失を被るリスクを認識しておく必要があります。シャープレシオは0.10と低く、リスクに見合うリターンが得られにくいことを示唆しています。

【事業リスク】

  • 景気変動と建設需要: 商業施設建築が主力であるため、個人消費や企業活動の動向に左右されやすく、景気後退期には受注減少のリスクがあります。
  • 資材価格変動と人手不足: 建設資材価格の高騰や熟練工の人手不足は、コスト増を招き、利益率を圧迫する可能性があります。
  • 金利上昇リスク: 不動産事業も展開しているため、金利上昇は不動産投資の採算悪化や資金調達コスト増加に繋がる可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残が350,900株、信用売残が900株と、信用倍率は389.89倍と非常に高い水準です。これは株価上昇を期待する買い方が多数を占め、将来的に反対売買による売り圧力が高まるリスクがあることを示しています。

主要株主構成

  • (株)マルハン: 39.86%
  • 一栄会持株会: 3.79%
  • 日本証券金融: 2.17%

8. 株主還元

会社予想の1株配当115円に基づくと、配当利回りは4.26%とT非常に高水準です。配当性向は20.16%と健全な範囲にあり、利益水準に対して無理のない配当と言えます。自社株買いに関する直近の具体的なデータは提供されていません。

【配当持続可能性】

配当性向が20.16%と比較的低く、利益に占める配当額の割合が小さいため、現在の利益水準であれば配当の持続可能性は高いと考えられます。しかし、最新の決算短信では、年間230円(中間65円、期末見込み165円)の配当が言及されていますが、他のデータソースでは115円の予想となっており、この差異については投資家による確認が必要です。もし230円が実現すれば配当性向は高まるものの、新中計の配当目標(配当性向40%程度)からみても、この水準であれば十分に持続可能でしょう。

SWOT分析

強み

  • 商業施設建築・内装工事に強みを持ち、安定した受注基盤がある。
  • 高い自己資本比率と流動比率により、財務基盤が極めて堅固である。

弱み

  • 信用倍率が異常に高く、短期的な株価変動の大きさに繋がる可能性がある。
  • PBRが業界平均より高めであり、純資産価値に比べた割安メリットが薄い。

機会

  • 新中期経営計画による株主還元強化策は、長期的な投資家にとって魅力的な材料である。
  • 建設業界の再編が進む中で、 M&A等による事業領域拡大の可能性も考えられる。

脅威

  • 建設資材の高騰や人手不足は、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 金利上昇局面は、不動産事業および建設投資全体に悪影響を与える可能性がある。

この銘柄が向いている投資家

  • 高配当を重視する長期投資家: 新中計で配当方針が明確化され、高い配当利回りが期待できるため。
  • 財務健全性を重視する投資家: 堅固な財務基盤と安定したキャッシュフローは、安心して投資できる要素。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 信用倍率が極めて高く、将来的な需給悪化による株価下落リスクを十分に理解する必要があります。
  • 建設業は景気変動の影響を受けやすく、今後の経済状況を注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の推移: 10%以上への定常的な改善。
  • 信用倍率: 30倍以下への改善、または信用買残の顕著な減少。
  • 年間配当額: 230円の実現可能性と、その後の配当方針の安定性。

10. 企業スコア

  • 成長性: B (堅実な伸び)
    • 通期予想売上高成長率が約6.06%であり、着実な成長が見込まれます。
  • 収益性: A (良好な水準)
    • ROEが13.79%と高水準であり、営業利益率も9.89%と堅調です。
  • 財務健全性: A (強固な基盤)
    • 自己資本比率50.4%、流動比率2.41倍と財務基盤が非常に強固で、F-Scoreも6点と良好です。
  • 株価バリュエーション: C (評価にばらつき)
    • PER(7.12倍)は業界平均(11.3倍)より割安ですが、PBR(1.04倍)は業界平均(0.7倍)より割高であり、評価が分かれます。

企業情報

銘柄コード 1847
企業名 イチケン
URL http://www.ichiken.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 建設業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,698円
EPS(1株利益) 378.85円
年間配当 4.26円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.6% 8.2倍 7,276円 22.1%
標準 14.3% 7.1倍 5,262円 14.4%
悲観 8.6% 6.1倍 3,460円 5.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,698円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,632円 △ 2%割高
10% 3,288円 ○ 18%割安
5% 4,149円 ○ 35%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
大末建設 1814 3,425 363 10.04 1.45 15.7 5.08
北野建設 1866 1,205 305 11.60 0.59 5.6 2.28

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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