企業の一言説明
ジュンテンドーはホームセンター事業を展開する中国地方首位の中堅企業です。
総合判定
構造改革過渡期の割安成熟企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 実績PBR 0.33倍という大幅な割安感と、帳簿上の資産価値に対する株価の乖離。
- Piotroski F-Scoreが6/9点(良好)と評価する、基本的な財務健全性と収益性の維持能力。
- 直近の純損失計上や低い収益性指標(ROE 0.88%、営業利益率 3.45%)が示す、事業構造改善と収益力回復の必要性。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 低成長 |
| 収益性 | C | 課題あり |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | S | 割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 512.0円 | – |
| PER | 27.73倍 | 業界平均21.1倍 |
| PBR | 0.33倍 | 業界平均1.3倍 |
| 配当利回り | 1.95% | – |
| ROE | 0.88% | – |
1. 企業概要
ジュンテンドーは島根県益田市に本社を置くホームセンター中堅企業で、中国地方で首位の地位を確立しています。農業・園芸資材、DIY用品、日用品等を扱うホームセンターを主力とし、ドラッグストアやブックセンターも展開。JAとの提携による農業関連小型店も手掛け、地域密着型の店舗戦略と多様なカテゴリーで収益を上げています。
2. 業界ポジション
ホームセンター業界において、ジュンテンドーは中国地方で高いシェアを持つ中堅企業です。地域密着型の店舗展開と、農業関連資材に強みを持つ点で大手企業とは異なる独自性を有します。近年は競争激化や物流コスト増加が課題となるものの、多様な商品ラインナップと地域での利便性で一定の顧客基盤を保持しています。
3. 経営戦略
2026年2月期は固定資産の除却損や減損損失等の特別損失計上により純損失となりましたが、2027年2月期は売上高440億円(前期比+2.2%)、営業利益4.2億円(前期比+76.4%)、純利益1.5億円への回復を計画しています。特に営業利益の大幅な改善を見込んでおり、販売力強化とコスト効率化が今後の重要な戦略と推察されます。また、2027年2月25日に期末配当の権利落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAいずれも過去12ヶ月でプラスを確保し、基本的な収益力は維持。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が基準未達だが、負債比率と株式希薄化は良好。 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率とROEが基準を下回るも、四半期売上成長率はプラス。 |
Piotroski F-Scoreは、ジュンテンドーの財務体質が全体的に「良好」であることを示しています。特に、過去12ヶ月の純利益及び営業キャッシュフローがいずれもプラスであり、ROAも正であることから、本業で収益を生み出し、現金を確保する基本的な力はあると評価されます。ただし、流動比率や資本効率を示す営業利益率、ROEには改善の余地があり、これらがスコアに影響を与えています。
【収益性】
営業利益率は過去12ヶ月で3.45%(ベンチマーク15%でS)、直近の決算期ではさらに低下しており、収益力の改善が急務です。ROE(株主資本利益率)は過去12ヶ月で0.88%と低く(ベンチマーク10%でB)、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が不足していることを示唆しています。なお、各種指標では直近実績ROE-2.83%と記載されていますが、F-Scoreでは過去12ヶ月の数値0.88%を使用しています。ROA(総資産利益率)も過去12ヶ月で1.82%(ベンチマーク5%でB)と低水準であり、総資産に対する利益貢献も限定的です。
【財務健全性】
自己資本比率は30.5%と、安全性の面で一定の基盤を確保していますが、小売業としてはやや低い水準です。流動比率は1.16倍であり、短期的支払い能力にはやや不安が残ります(ベンチマーク1.5倍以上が目安)。一方で、有利子負債に対する自己資本の比率(D/Eレシオ)は93.91%と1倍未満であり、過度な借入依存ではない状況です。
【キャッシュフロー】
| 指標 | 2024.02(百万円) | 2025.02(百万円) | 2026.02(百万円) |
|---|---|---|---|
| 営業CF | 624 | 2,029 | 1,663 |
| 投資CF | -1,762 | -1,913 | -3,015 |
| 財務CF | 1,049 | -49 | 1,926 |
| フリーCF | -1,138 | 116 | -1,352 |
過去12ヶ月の営業キャッシュフローは22億9,000万円と潤沢に確保されており、本業で現金を稼ぐ力は健在です。しかし、積極的な設備投資(投資CFのマイナス幅拡大)により、フリーキャッシュフローは過去12ヶ月で6億9,124万円と黒字を維持しているものの、直近の2026年2月期は-13億5,200万円と大きな赤字を計上しています。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は23.42倍と非常に高く(1.0以上が健全)、利益の質は極めて優良です。これは、計上されている利益に対して実際に生み出されたキャッシュフローが大幅に上回っていることを意味し、会計上の利益操作リスクが低いことを示唆しています。
【四半期進捗】
2026年2月期決算では、売上高が会社予想の97.8%、営業利益が56.7%と未達に終わり、純利益は前期の黒字から赤字に転落しました。2027年2月期は売上高440億円(前期比+2.2%)、営業利益4.2億円(前期比+76.4%)、純利益1.5億円への大幅な回復を計画しており、今後モニタリングが必要です。
【バリュエーション】
PER(会社予想)は27.73倍であり、業界平均21.1倍と比較すると割高な水準にあります。これは直近の純利益が低いため、PERが一時的に高く算出されている影響が大きいと考えられます。一方で、PBR(実績)は0.33倍と業界平均1.3倍を大幅に下回っており、株価が企業の純資産価値と比較して極めて割安であることを強く示唆しています。この差は、市場がジュンテンドーの収益力回復に対し慎重な見方をしている可能性がありますが、大幅な資産価値割れであるため、潜在的な割安感は大きいと言えます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 0.14 / シグナルライン: -0.34 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 47.6% | RSIが50%近辺で中立 |
| 5日線乖離率 | – | -0.27% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +0.04% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +0.23% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +2.73% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDは中立、RSIも47.6%と中立圏にあり、明確な買われすぎや売られすぎのシグナルは出ていません。移動平均線からの乖離率も小さく、直近は方向感の乏しいレンジ相場が続いていることを示唆します。
【テクニカル】
現在の株価512.0円は、52週高値528.00円に対して比較的近い位置(レンジ内位置66.7%)にあり、上昇傾向にあります。しかし、3年高値616.00円からは大きく下回っており、中長期的な株価回復には課題を残しています。株価は5日移動平均線を下回るも、25日、75日、200日移動平均線を上回っており、短期的な調整局面ながらも、中長期では上昇トレンドを維持しているように見受けられます。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -1.35% | +3.76% | -5.11%pt |
| 3ヶ月 | +2.20% | +10.54% | -8.34%pt |
| 6ヶ月 | +3.85% | +23.45% | -19.60%pt |
| 1年 | -1.54% | +58.61% | -60.15%pt |
当銘柄は日経平均と比較して全ての期間において劣後しており、特に1年間のリターンでは日経平均が大幅に上昇する中で当銘柄はマイナスとなっており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていないことが示されています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率3.85倍、将来の売り圧力に注意。
⚠️ PBR0.33倍かつ直近の決算期で赤字計上。利益回復が見込めない場合、バリュートラップの可能性あり。
【定量リスク】
ベータ値は0.28と低く、市場全体の変動に対する株価の連動性が低いことを示しています。年間ボラティリティは11.52%であり、仮に100万円投資した場合、年間で±11.52万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-8.16%であり、比較的安定した値動きを好む投資家には魅力的かもしれませんが、リターンも限定的である可能性があります。
【事業リスク】
- 競争激化と収益性: 小売業界全般での価格競争や、Eコマースの普及による競争激化が、ジュンテンドーの低い営業利益率をさらに圧迫する可能性があります。
- 地域経済への依存: 中国地方を主戦場としており、地域経済の動向や人口減少が直接的に事業成長に影響を与えるリスクがあります。
- 人件費・物流コストの変動: 物流コストや人件費の上昇は、薄利多売の小売業において利益を圧迫する主要なリスク要因です。
7. 市場センチメント
信用買残は12,700株、信用売残は3,300株で、信用倍率は3.85倍です。信用買残が信用売残を上回っており、将来的な売り圧力が発生する可能性に注意が必要です。出来高も2,600株と少なく、市場での流動性が限定的であることも特徴です。
主要株主構成
- 飯塚正: 27.09%
- (有)サンデーズ: 12.86%
- 山陰合同銀行: 4.38%
8. 株主還元
配当利回りは1.95%(会社予想)と、市場全体と比較して平均的な水準です。配当性向は過去12ヶ月の実績に基づくと48.66%であり、健全な水準にあります。ただし、2026年2月期が純損失であったため、この期の配当性向は算出不能または極端な数値となります。2027年2月期の会社予想(予想EPS18.50円、予想配当10.00円)に基づくと配当性向は約54.05%となり、利益の回復が見込まれれば配当持続可能性は高いと考えられます。自社株買いの状況に関するデータは提供されていません。
SWOT分析
強み
- 中国地方での強固な市場地位と地域密着型経営。
- 実績PBRが0.33倍と極めて低く、大きな資産価値の割安感。
弱み
- 営業利益率3.45%、ROE0.88%と収益性が低迷し、特に直近決算期で純損失を計上。
- 市場全体の成長から大きく取り残されており、株価モメンタムが弱い。
機会
- 低PBR解消に向けた株主還元強化や資本効率改善への期待。
- 地域に根差した農業関連小型店の強化によるニッチ市場での成長。
脅威
- 小売業界内の競争激化や人件費・物流コストの上昇による収益圧迫。
- 地域経済の停滞や人口減少が、売上高および客数の減少に直結する可能性。
この銘柄が向いている投資家
- バリュー株投資家: PBRが非常に低く、企業が持つ資産価値を重視する投資家。
- 配当重視の安定志向投資家: 小売業としての安定した事業基盤と、相対的に安定した配当を期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性回復の見通し: 直近の赤字および低い収益性が改善され、会社予想通りに利益を回復できるか注視が必要です。
- 流動性の低さ: 出来高が少ないため、大量の売買を行うと株価に影響を与えやすく、希望する価格での売買が困難になる可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の改善: 目標5%以上への回復。コスト管理と販売戦略の効果を評価します。
- ROEの向上: 目標5%以上への回復。株主資本を効率的に活用できているかを確認します。
- 通期予想の達成状況: 2027年2月期の売上高440億円、営業利益4.2億円、純利益1.5億円の達成状況を四半期ごとに確認します。
成長性
スコア: C
判定理由: 過去12ヶ月の売上高成長率が2.8%と低く、今後の大幅な売上拡大は見込みにくい状況です。
収益性
スコア: C
判定理由: ROEが0.88%、営業利益率が3.45%と、ベンチマーク(ROE10%、営業利益率10%)を大きく下回っており、収益性には課題を抱えています。
財務健全性
スコア: A
判定理由: 自己資本比率が30.5%と一定水準を維持し、Piotroski F-Scoreが6点と良好な評価を受けていますが、流動比率には改善余地があります。
バリュエーション
スコア: S
判定理由: PBRが0.33倍と業界平均を大きく下回っており、市場から極めて割安に評価されている状況です。PERは利益低迷期のため一時的に高めですが、資産価値からの割安感が際立っています。
企業情報
| 銘柄コード | 9835 |
| 企業名 | ジュンテンドー |
| URL | http://www.juntendo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 512円 |
| EPS(1株利益) | 18.50円 |
| 年間配当 | 1.95円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.8% | 30.7倍 | 994円 | 14.5% |
| 標準 | 9.1% | 26.7倍 | 764円 | 8.7% |
| 悲観 | 5.5% | 22.7倍 | 548円 | 1.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 512円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 386円 | △ 33%割高 |
| 10% | 482円 | △ 6%割高 |
| 5% | 609円 | ○ 16%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コメリ | 8218 | 3,605 | 1,939 | 13.95 | 0.66 | 5.6 | 1.55 |
| アレンザホールディングス | 3546 | 1,453 | 438 | 16.87 | 1.35 | 8.1 | 0.00 |
| サンデー | 7450 | – | – | – | – | -3.3 | – |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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