企業の一言説明

キムラ(7461)は、北海道を地盤に住宅用資材の卸売を展開する企業です。全国に事業を広げ、ホームセンター経営や建具施工など多角的な事業も手掛ける、地域に根ざした老舗企業です。

総合判定

バリュエーション妙味の高い事業構造転換期企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • PBRが業界平均の約6割という割安水準にあり、株価純資産倍率から見たバリュエーション妙味が高い点が魅力です。
  • 不動産事業における分譲マンションの引き渡し完了など、一時的ながらも特定のセグメントが収益全体を牽引する可能性を秘めています。
  • 直近で通期業績の下方修正が発表されており、今後も業績の変動リスクには注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 C やや不安
財務健全性 A 良好
バリュエーション B 普通

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 477.0円
PER 12.46倍 業界平均10.1倍
PBR 0.42倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.94%
ROE 7.50%

1. 企業概要

キムラは1946年創業、1951年設立の歴史ある企業で、北海道を主要拠点に住宅用資材の卸売事業を展開しています。その事業は全国規模に及ぶほか、ホームセンター経営、不動産賃貸・販売、足場レンタル、サッシ・ガラス施工といった多角的な事業ポートフォリオを持つ点が特徴です。建材販売だけでなく、技術的な施工やサービス、小売展開を通じて、住宅関連市場で幅広いニーズに応えています。

2. 業界ポジション

同社は住宅用資材卸売業界において、地域に根ざした事業展開で強固な顧客基盤を確立しています。全国展開しているものの、特に北海道においては高い認知度とサプライチェーンを構築しており、地域密着型のサービス提供で競合に対する差別化を図っています。一方で、建設市場全体の動向や原材料価格の変動に影響を受けやすいという業界特有の課題も抱えています。

3. 経営戦略

キムラは、主力である住宅用資材卸売事業を基盤としつつ、小売、不動産、足場レンタル、サッシ・ガラス施工といった多角的な事業展開を推進しています。特に不動産事業では、分譲マンションの引き渡しなどにより、一時的に大きな収益貢献を見込む事例もあり、事業ポートフォリオの最適化による収益安定化を目指しています。直近の適時開示では、通期予想に対して第3四半期時点での純利益進捗率が97.3%と高水準ですが、これは不動産事業の一時的な貢献が大きいため、来期以降の収益の継続性には継続的な注視が必要です。2026年3月30日に予定されていた配当の権利落ち日は既に到来しています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

パインスキー教授が考案したPiotroski F-Scoreは、企業の財務健全性を9つの指標で評価し、0~9点でスコア化するものです。スコアが高いほど財務の質が良いとされます。

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 2/3 直近12ヶ月の純利益は黒字で、ROAもプラスであり、基本的な収益性を確保しています。営業キャッシュフローのデータが不足しているため、この項目で満点は得られませんでした。
財務健全性 3/3 流動比率が健全な水準(1.80)を維持し、負債資本倍率も低く(0.5968)、株式の希薄化も発生していないため、非常に良好な財務健全性を示しています。
効率性 1/3 ROEと営業利益率がベンチマーク(10%)を下回っており、資本の効率性や本業の収益性には改善の余地が見られます。しかし、四半期の売上高成長率は確保しています。

【収益性】

営業利益率(過去12か月)3.68%と、一般的な高収益企業と比較してやや低い水準にあります。これは、住宅用資材卸売という事業の性質上、粗利率が限定的であることに起因すると考えられます。
ROE(実績)7.50%であり、株主資本を効率的に活用して利益を上げられているかの目安とされる10%には及ばず、改善の余地があります。
ROA(過去12か月)2.91%と、企業が資産全体をどれだけ効率的に使って利益を挙げているかを示す指標としては、目標とされる5%を下回っており、資産効率性の向上が求められます。

【財務健全性】

自己資本比率(実績)51.8%と、50%を超える良好な水準を維持しており、財務基盤の安定性を示しています。
流動比率(直近四半期)1.80倍と、短期的な支払い能力を示す2.0倍にはわずかに届かないものの、1.5倍を上回る健全な水準であり、短期的な債務返済能力には問題がないと考えられます。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF (百万円) 営業CF (百万円) 投資CF (百万円) 財務CF (百万円) 現金等残高 (百万円)
2023.03 1,260 1,901 -641 -1,233 3,367
2024.03 898 2,006 -1,108 -401 3,864
2025.03 -2,520 1,408 -3,928 2,400 3,744

営業キャッシュフローは2025年3月期に減少傾向にあるものの、継続してプラスを維持しており、本業で安定的に資金を生み出す力はあります。しかし、2025年3月期には投資キャッシュフローが大幅なマイナスとなり、フリーキャッシュフローも大きく悪化している点に注意が必要です。これは、大規模な設備投資や不動産関連投資があった可能性を示唆しており、将来の成長への投資と捉えることもできますが、短期的な財務負荷となる可能性もあります。現金等残高は概ね安定的に推移しています。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は、2025年3月期のデータで約1.19倍(営業CF1,408百万円 / 純利益1,184百万円)となっており、1.0倍を上回るため、利益の質は健全であると評価できます。これは、計上された利益がキャッシュとして実際に会社に入ってきていることを示唆しています。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の決算では、通期予想に対する売上高進捗率が74.0%、営業利益進捗率が85.8%、純利益進捗率が97.3%と、純利益が特に高水準で推移しています。これは主に不動産事業の大きな貢献によるもので、通期予想(売上394.00億円、営業利益16.30億円、純利益9.00億円)は変更されていませんが、この一時的な要因を除いた本業の推移については慎重な評価が必要です。

【バリュエーション】

同社のPERは12.46倍であり、業界平均の10.1倍と比較するとやや割高感があります。しかし、PBRは0.42倍と、業界平均の0.7倍を大幅に下回っており、株価が純資産に対して非常に割安な水準にあることを示唆しています。これは、企業の保有する資産価値から見ると現在の株価が過小評価されている可能性があり、バリュエーション上の魅力と捉えられます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -6.48 / シグナルライン: -8.32 / ヒストグラム: 1.84 MACDラインがシグナルラインをわずかに上回っているものの、明確なゴールデンクロスやデッドクロスは形成されておらず、短期トレンドは中立的な状況です。
RSI 中立 48.9% RSIは48.9%と50%付近で推移しており、買われすぎでも売られすぎでもない中立的な状態を示しています。
5日線乖離率 +0.00% 現在株価が5日移動平均線上に位置しており、直近の株価と短期的な平均価格が一致していることを示します。
25日線乖離率 -1.05% 短期的な平均価格からわずかに下回り、短期的なモメンタムがやや弱いことを示唆しています。
75日線乖離率 -4.34% 中期トレンドの移動平均線を下回っており、中期的な下落トレンドにある可能性を示唆しています。
200日線乖離率 -3.86% 長期トレンドの移動平均線からも下方向に乖離しており、長期的なトレンドもやや弱いことを示唆しています。

MACDとRSIは中立的なシグナルを示していますが、株価がすべての主要な移動平均線を下回っていることは、中期から長期にかけて株価が軟調に推移している可能性を示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価477.0円は、52週高値535.00円と安値430.00円の中間(約59.7%の位置)に位置しており、直近では52週安値に近い水準で推移しています。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を下回って推移しており、株価は短期・中期・長期的に見て下落基調にあると言えます。特に75日線および200日線といった中長期の移動平均線との乖離が大きい点は、トレンド転換には時間を要する可能性を示唆しています。

【市場比較】

キムラの株価は、日経平均株価およびTOPIXと比較して、過去1年間を通じて大幅にアンダーパフォームしています。

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -4.79% +3.76% -8.55%pt
3ヶ月 -4.60% +10.54% -15.14%pt
6ヶ月 -3.05% +23.45% -26.50%pt
1年 +2.14% +58.61% -56.47%pt
期間 当銘柄 TOPIX
—— ——– ——- —–
1ヶ月 -4.79% +2.00% -6.79%pt
3ヶ月 -4.60% +6.85% -11.45%pt

過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間において、キムラの株価は日経平均およびTOPIXのパフォーマンスを大きく下回っており、市場全体の株価上昇の恩恵を十分に享受できていない状況が続いています。

【注意事項】

信用売残が0株のため信用倍率の数値は算出不能な状態であり、信用買残が積み上がっていることから、将来的な売り圧力が発生する可能性には注意が必要です。

【定量リスク】

キムラの年間ボラティリティは26.01%最大ドローダウンは-25.28%です。これは、仮に100万円を投資した場合、年間で±26万円程度の変動が想定され、過去には最大で25万円超の損失を抱える可能性があったことを意味します。ベータ値は-0.05とほぼゼロに近く、市場全体の動きとはほとんど連動せず、むしろ逆方向に動く傾向がわずかにあることを示唆しており、市場全体のリスクから孤立した値動きをする可能性があります。

【事業リスク】

  • 住宅市場の変動リスク: 主力である住宅用資材卸売事業は、国内の住宅着工数や建築単価の動向に大きく左右されます。人口減少や金利上昇、資材価格の高騰などが需要に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の変動リスク: 木材や建材などの原材料価格の変動は、コスト構造に直接影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。
  • 特定事業への収益依存リスク: 直近では不動産事業が大きく収益に貢献していますが、分譲マンションの引き渡しなど一時的な要因が大きく、継続的な安定収益に繋がるか不透明であるため、特定事業への依存度が高まるリスクがあります。

信用取引状況

信用買残が20,400株に対し、信用売残は0株です。信用売残がゼロであるため、信用倍率は算出不能な状態となっていますが、買残のみが積み上がっていることから、将来的な買い戻し圧力は存在せず、現時点では買い方に傾いた需給バランスであり、将来的な売り圧力に転じる可能性を内包しています。

主要株主構成

  • (株)カネキ: 34.71%
  • 自社取引先持株会: 9.19%
  • 北海道銀行: 4.84%

8. 株主還元

同社の配当利回りは2.94%(会社予想)と、市場平均と比較して魅力的な水準です。
配当性向は19.6%(2025年3月期実績)と低く、利益に余裕のある健全な水準であり、将来的な増配余地や予期せぬ業績悪化時にも配当を維持しやすい体質であると考えられます。自社株買いに関する情報は見当たりませんでした。

【配当持続可能性】

配当性向19.6%は、企業が稼いだ利益に対して配当に回す割合として非常に健全な水準にあり、現行の配当水準を維持する持続可能性は高いと評価できます。

SWOT分析

強み

  • 北海道を地盤とした強固な顧客基盤と全国規模の事業展開能力を持ち合わせています。
  • 卸売、小売、不動産、足場レンタル、サッシ・ガラス施工といった多角的な事業ポートフォリオを構築し、リスク分散を図っています。

弱み

  • 本業である住宅用資材卸売事業の営業利益率が低く、収益性が市場平均に対して劣後しています。
  • 住宅市場全体の動向や原材料価格の変動に収益が左右されやすいという事業特有の変動性を抱えています。

機会

  • PBRが著しく低い水準にあり、M&Aや事業再編などによる企業価値向上、あるいはアクティビストからのアプローチの可能性を秘めています。
  • 不動産事業におけるマンション開発など、特定のプロジェクトが短期的な業績を大きく押し上げる機会となり得ます。

脅威

  • 国内の人口減少に伴う住宅需要の構造的な縮小は、長期的な事業成長にとって脅威となります。
  • 原材料費や物流費の高騰は、同社の利益率を圧迫し続ける可能性があります。

この銘柄が向いている投資家

  • 割安株投資家: PBRが業界平均を大幅に下回るため、資産価値からの割安感を重視する投資家。
  • バリュー株投資家: 堅実な財務健全性と配当性向の低さから、長期的な視点で安定性を求める投資家。
  • 配当志向投資家: 比較的安定した配当と健全な配当性向を評価し、インカムゲインを重視する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近で発表された業績下方修正の背景と、それが一時的なものか構造的な問題なのかを深く理解する必要があります。
  • 不動産事業による一時的な収益貢献が大きく、本業の収益安定性や成長性については継続的な分析が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の改善: 目標は5%以上。収益構造の改善が見られるか、あるいはコスト削減策が奏功しているかを確認します。
  • 不動産事業の新規案件動向と収益寄与度: 分譲マンションの引き渡しなど一時的な収益に依存しない、安定的な収益源の確立が見られるかを確認します。
  • 全国展開事業における市場シェアの変化: 特に、地域密着型ではない全国市場で、卸売事業の競争力と市場浸透度合いを注視します。
  • 住宅着工数の動向と資材価格の安定性: マクロ経済環境の変動が同社の業績に与える影響を把握するため、関連指標を定期的に確認します。

成長性

C: やや不安

直近の四半期売上高成長率は2.2%とプラスであるものの、過去の売上高の推移を見ると概ね横ばいまたは微減傾向にあり、持続的な高成長は見られません。特に、通期業績の下方修正が発表されており、成長ドライバーの確実性には懸念があります。

収益性

C: やや不安

ROEは7.50%、営業利益率は3.68%と、いずれも一般的な目安とされる水準を下回っています。本業の収益性が依然として課題であり、資本効率や利益率の向上に向けた具体的な施策の進捗を注視する必要があります。

財務健全性

A: 良好

自己資本比率は51.8%、流動比率は1.80倍と、ともに健全な水準を維持しており、F-Scoreも6/9点と「良好」な評価です。短期・長期ともに負債に対する返済能力は高く、安定した財務基盤を築いていると評価できます。

バリュエーション

B: 普通

PERは12.46倍と業界平均をやや上回るものの、PBRは0.42倍と、業界平均を大幅に下回る水準で、極めて割安な状態です。PBRの観点からは強い割安感がありますが、PERで見ると一部割高感もあり、収益性の課題を考慮すると「普通」と判断しました。資産価値と比較した際には魅力的な水準にあります。


企業情報

銘柄コード 7461
企業名 キムラ
URL http://www.kimuranet.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 477円
EPS(1株利益) 38.29円
年間配当 2.94円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 1.5% 14.3倍 591円 4.9%
標準 1.2% 12.5倍 505円 1.8%
悲観 1.0% 10.6倍 426円 -1.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 477円

目標年率 理論株価 判定
15% 259円 △ 84%割高
10% 323円 △ 48%割高
5% 408円 △ 17%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
クワザワホールディングス 8104 580 96 10.41 0.51 5.8 3.10
北恵 9872 894 89 15.99 0.59 3.9 3.13
杉田エース 7635 5.2

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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