企業の一言説明

デンヨーは、可搬型発電機、溶接機で高いシェアを誇る電機・精密機器メーカーです。特に国内では首位級の地位を確立し、非常用電源の多用途化を推進しながら国内外で事業を展開しています。

総合判定

割安な財務優良・安定配当銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 可搬型発電機・溶接機分野で国内首位級の地位を確立し、災害対策や安定稼働需要に支えられた堅実な事業基盤を有しています。
  • 自己資本比率が75.0%と極めて高く、F-Scoreも7/9点(S評価)と財務健全性が非常に優れており、安定性への信頼度が高いです。
  • PER、PBRともに業界平均を大きく下回る水準で、特にPBRが0.89倍と1倍を割れており、割安感が強い一方、直近の四半期決算では減収減益となっており、今後の業績回復が課題となります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 堅実な成長基調
収益性 B 改善途上
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション S 非常に割安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3,495.0円
PER 14.02倍 業界平均24.2倍
PBR 0.89倍 業界平均1.6倍
配当利回り 2.86%
ROE 7.52%

1. 企業概要

デンヨーは、可搬型発電機、溶接機、空気圧縮機などの産業用電力機器および特殊機械の製造・販売・リース・サービスを国内外で展開する国内首位級のメーカーです。震災を契機とした非常用電源の多用途化推進により、安定した需要に応える収益モデルを確立しており、特定のニッチ市場で高い技術力とブランド力を確立し、容易な参入を許さない独自の地位を築いています。

2. 業界ポジション

電気機器産業の中でも、可搬型電源および溶接機分野において国内市場でトップクラスのシェアを誇ります。災害対策インフラの強化や、多様な産業設備への電源供給ニーズを背景に安定した事業基盤を構築しており、米国やアジア地域など国際市場にも積極的に展開し、グローバルな競争力を維持しています。

3. 経営戦略

震災を契機に非常用電源の多用途化を推進しており、社会インフラのレジリエンス強化に貢献する製品・サービスの提供を継続しています。国内外での事業拡大と安定的な収益確保を目指していると推測されます。直近では2026年3月30日に期末配当の権利落ち日を通過し、株主還元への姿勢を示しました。

4. 財務分析

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 2/3 純利益、ROAはプラスだが、ROEが10%未満で減点。
財務健全性 3/3 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化のいずれも良好。
効率性 2/3 営業利益率と四半期売上成長率は良好だが、ROEの改善が必要。

デンヨーのPiotroski F-Scoreは7/9点と非常に高く、財務優良のS評価を獲得しています。収益性においては、純利益とROAがプラスであるものの、株主資本利益率(ROE)が7.52%と、一般的な目安である10%を下回ったため減点されています。一方で、財務健全性は満点の3/3と評価され、流動比率の高さ、低い負債比率、株式希薄化の不在が評価されました。効率性も、事業の収益性と売上成長は評価されるものの、ROEの改善が課題として残っています。

【収益性】

営業利益率は過去12ヶ月で13.53%と、高い水準を保持しており、事業の収益性が良好であることを示しています。ROEは7.52%と、上場企業の目安とされる10%には及ばないものの、堅実な水準であり、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す能力を一定程度有しています。ROA(総資産利益率)はF-Scoreのデータで5.48%と、一般的な目安の5%を上回っており、総資産を効率的に活用して利益を上げている状況です。

【財務健全性】

自己資本比率は75.0%と極めて高く、上場企業の中でも exceptionally 優れた水準を維持しており、外部負債への依存度が非常に低い堅固な財務基盤です。流動比率は4.06倍と、短期的な支払い能力が極めて高く、財務的な安全性が非常に高いことを示しています。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF(百万円) 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) 現金等残高(百万円)
2023.03 -2,085 2,031 -4,116 937 22,331
2024.03 2,341 4,176 -1,835 -819 24,029
2025.03 1,767 7,315 -5,548 -1,791 24,497

デンヨーの営業キャッシュフローは、2025年3月期に73億15百万円と大幅に増加し、事業活動を通じて安定的に資金を生み出しています。フリーキャッシュフローも2024年3月期以降はプラスを維持しており、本業で稼いだ資金で投資や負債返済を賄えている健全な状況です。

【利益の質】

営業キャッシュフローを純利益で割った比率は、2025年3月期実績で約1.30(73億15百万円 ÷ 56億47百万円)であり、純利益を上回る営業キャッシュフローが確保されており、利益の質が極めて健全であることを示しています。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の決算では、売上高が512億86百万円(前年同期比△2.4%)、営業利益が47億99百万円(前年同期比△9.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益が35億47百万円(前年同期比△12.3%)と、前年同期比で減収減益となりました。通期予想に対する進捗率は、売上高71.2%、営業利益65.8%、純利益69.6%であり、特に営業利益の進捗が通期予想に対してやや遅れ気味であるため、第4四半期での挽回が期待されます。

5. 株価分析

【バリュエーション】

デンヨーのPERは14.02倍、PBRは0.89倍です。業界平均PERの24.2倍、業界平均PBRの1.6倍と比較すると、どちらの指標においてもデンヨーの株価は大きく割安な水準にあります。特にPBRが1倍を下回っている点は、企業が持つ純資産価値に対して株価が低く評価されていることを示しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -46.06 / シグナル値: -50.37 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 44.9% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.60% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -2.27% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -3.74% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +8.49% 長期トレンドからの乖離

MACDは中立、RSIは44.9%と過熱感や売られすぎ感は示されていません。株価は5日、25日、75日移動平均線を下回っており、短期的および中期的な調整局面にあることを示唆しています。一方で、200日移動平均線を8.65%上回っており、長期的な上昇トレンドは依然として継続している状況です。

【テクニカル】

現在の株価3,495.0円は、52週高値の3,975.0円から約12%下落した位置にあり、52週レンジ内では比較的高い76.5%に位置しています。年初来高値も3,975円と同じであり、直近の調整を経て高値圏での推移がうかがえます。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -6.30% +7.54% -13.84%pt
3ヶ月 -0.71% +11.43% -12.14%pt
6ヶ月 +22.72% +20.72% +2.00%pt
1年 +43.24% +62.00% -18.77%pt

足元の1ヶ月、3ヶ月といった短期では日経平均やTOPIXを下回るパフォーマンスとなっています。しかし、6ヶ月では日経平均を2.00%pt上回るなど、中期的なモメンタムは強かった時期もありました。1年で見ると日経平均を大きく下回っていますが、過去1年の株価は43.24%の上昇と自体は堅調です。

6. リスク評価

【注意事項】

信用倍率が1.46倍と低く、将来の売り圧力への懸念は限定的です。PBRが1倍割れではありますが、継続的な黒字を達成しており、バリュートラップの可能性は低いと判断できます。

【定量リスク】

デンヨーのベータ値は0.57と市場全体(ベータ値1.0)よりも変動が小さい特性を持ち、守りの強い銘柄と言えます。年間ボラティリティは33.68%であり、仮に100万円投資した場合、年間で±33.68万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-49.68%であり、市場全体の大きな下落局面では株価が大きく調整する可能性があることを示唆しています。なお、シャープレシオは-0.46とマイナスであり、この期間のリスクに見合うリターンは得られていない状況です。

【事業リスク】

  • 為替変動リスク: 海外売上が全体の相当部分を占めるため、為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 景気変動リスク: 可搬型発電機などの需要は設備投資やインフラ整備動向に左右されるため、景気後退期には需要が鈍化する可能性があります。
  • 原材料価格高騰リスク: 製造業であるため、鋼材や半導体などの原材料価格の高騰が製造コストを押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残は13,000株、信用売残は8,900株で、信用倍率は1.46倍となっています。信用倍率は1倍をやや上回る程度であり、現時点では信用取引による需給バランスの大きな偏りは見られず、株価への将来的な売り圧力や買い圧力は限定的であると考えられます。
主要株主は、以下のように比較的安定した構成となっています。

  • SFPバリュー・リアライゼーション・マスターファンド (9.67%)
  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) (9.24%)
  • 久栄 (6.48%)

8. 株主還元

デンヨーの配当利回りは2.86%であり、配当性向は2026年3月期の通期予想ベースで約40.1%です。これは、企業の利益の約4割を配当に回していることを意味し、一般的な目安である30-50%の範囲内に収まる健全な水準と言えます。同社は年間配当を前期の75円から今期は100円に増配する予定であり、安定的な株主還元姿勢がうかがえます。自社株買いの状況に関する具体的なデータは提供されていません。現在の配当性向は健全な水準であり、減配リスクは低いと考えられます。

SWOT分析

強み

  • 可搬型発電機・溶接機分野における国内首位級の市場地位と高いブランド力。
  • 自己資本比率75.0%とPiotroski F-Score 7/9 (S)が示す極めて強固な財務体質。

弱み

  • 直近の四半期決算において減収減益となっており、通期予想に対する営業利益の進捗に遅れが見られる点。
  • ROEが7.52%と資本効率の面で改善余地があり、株主価値向上へのさらなる取り組みが期待される点。

機会

  • 災害対策やインフラ老朽化対策としての非常用電源需要の継続的な拡大。
  • ASEAN諸国を中心とした海外市場でのインフラ整備需要の取り込み。

脅威

  • 世界経済の景気減速による設備投資需要の鈍化や、海外市場での競争激化。
  • 原材料価格やエネルギーコストの高騰が収益性を圧迫する可能性。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した事業基盤と堅実な配当を求める長期投資家: 財務健全性が高く、安定的な配当が見込まれるため。
  • PBR1倍割れ銘柄へのバリュー投資家: 業界平均と比較して割安な水準にあり、企業価値再評価の潜在性を持つため。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の業績が減速傾向にあるため、今後の四半期業績の推移と通期予想達成への見込みを慎重に確認する必要があります。
  • ROEが10%を下回っているため、投資家からの資本効率改善への要求が高まる可能性があり、経営戦略の進捗を注視すべきです。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率8%以上への回復: 第3四半期時点での通期目標達成に向けた収益性の改善状況。
  • ROE 10%超え: 資本効率改善への具体的な取り組みと成果。
  • 海外市場での売上高成長率: 特にアジア・米国市場での新規受注動向と市場シェアの拡大。

10. 企業スコア

成長性: B

過去5年間の売上高や利益は堅調に推移してきたものの、2026年3月期の通期予想では減収が見込まれるなど、直近は成長が一時的に鈍化しており、堅実ながらも顕著な高成長は見られないためB評価としました。

収益性: B

過去12ヶ月の営業利益率は13.53%と良好な水準にあるものの、ROEは7.52%と、一般的な目安である10%を下回っており、資本効率の面で一層の改善余地があるためB評価としました。

財務健全性: S

自己資本比率が75.0%と極めて高く、流動比率も4.06倍と非常に優れており、Piotroski F-Scoreも7点/9点で優良と評価されていることから、財務基盤は極めて強固でありS評価としました。

株価バリュエーション: S

PERは14.02倍、PBRは0.89倍と、それぞれ業界平均のPER24.2倍、PBR1.6倍を大きく下回っており、足元の株価は企業価値に対して非常に割安であると判断できるためS評価としました。


企業情報

銘柄コード 6517
企業名 デンヨー
URL http://www.denyo.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,495円
EPS(1株利益) 249.34円
年間配当 2.86円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 9.0% 16.1倍 6,183円 12.2%
標準 6.9% 14.0倍 4,884円 7.0%
悲観 4.1% 11.9倍 3,641円 0.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,495円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,437円 △ 43%割高
10% 3,043円 △ 15%割高
5% 3,840円 ○ 9%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
やまびこ 6250 3,975 1,753 10.56 1.35 13.8 2.76
AIRMAN 6364 1,985 598 11.08 1.23 13.2 3.02

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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