企業の一言説明

ビーマップは、鉄道などの交通関連、位置情報、映像配信といった多岐にわたるモバイルシステムインテグレーション事業を展開する、グロース市場に上場する情報・通信業の企業です。Wi-Fiサービスやクラウド型映像配信サービスなど、独自技術を核に幅広いソリューションを提供しています。

総合判定

構造改革が急務な高リスク銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 鉄道事業者向けWi-Fiインフラや位置情報サービスなど、特定のニッチ市場における豊富な知見と実績を有しています。
  • 継続的な営業赤字と不安定な収益体質が続いており、継続企業の前提に関する重要な不確実性がある点が最大の懸念です。
  • 第三者割当増資の発表により、株主価値の希薄化リスクが高まっており、短期的な株価への強い下落圧力が存在します。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 停滞・後退
収益性 D 極めて低い
財務健全性 C やや不安
バリュエーション C 適正〜割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 202.0円
PER 23.46倍 業界平均66.2倍
PBR 3.38倍 業界平均3.5倍
配当利回り 0.00%
ROE -37.64%

1. 企業概要

ビーマップは、モビリティ、ワイヤレス、ソリューションの3つのセグメントでシステムインテグレーション事業を展開しています。鉄道事業者向けWi-Fiインフラ構築、ルート検索サービス、位置情報サービス、クラウド型デジタルビデオレコーディング(DVR)サービスなどが主力事業です。Wi-Fi認証システムの開発・運用、オンエアからオンライン、オフラインへの連携を支援するO2Oソリューションに技術的独自性があり、特定の市場において実績を積み上げています。

2. 業界ポジション

情報・通信業に属し、東京証券取引所グロース市場に上場しています。特に鉄道関連や公共交通機関向けのWi-Fiシステム、位置情報サービスといったニッチ市場において、長年の経験と技術開発力で特定のポジションを築いています。競合と比較して中小規模のシステムインテグレーターですが、鉄道事業者との連携実績や独自ソリューションが強みとなる一方、事業規模やブランド力では大手には及ばない点が弱みです。

3. 経営戦略

ビーマップはシステム・ソリューション事業を単一セグメントとし、モビリティやワイヤレス技術を活用したサービス提供に注力しています。2026年3月期には、売上高1,900百万円、営業利益50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益30百万円と黒字転換を目標とする通期予想を掲げていますが、直近の2026年3月期第3四半期決算では大幅な営業損失を計上しており、達成には厳しい状況です。先日発表された第三者割当増資も、事業継続のための資金確保が目的と見られます。

4. 財務分析

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 3/9 B: 普通(複数の改善点あり)
収益性 0/3 純利益がマイナスであり、ROAもマイナスのため収益性要素は低評価。
財務健全性 3/3 流動比率が基準値を上回り、負債比率も低く、株式希薄化もないため健全性は高評価。
効率性 0/3 営業利益率とROEが低く、直近の売上高成長率もマイナスであるため効率性要素は低評価。

【収益性】

営業利益率は過去12ヶ月で-13.44%、ROE(実績)は-37.64%と、いずれも低い水準にあり、企業が本業で利益を生み出す力が著しく弱い状態です。

【財務健全性】

自己資本比率は(実績)40.7%、流動比率は(直近四半期)3.01倍と、流動性は比較的高い状態を保っています。ただし、継続企業の前提に関する重要な不確実性が記載されており、高い流動比率も安心材料とは言い切れません。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF(百万円) 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) 現金等残高(百万円)
連2023.03 132 -177 309 0 396
連2024.03 45 -159 204 -10 432
連2025.03 -262 -250 -12 -14 155

過去3期にわたり営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともにマイナスが続いており、本業で資金が生み出せていない厳しい状況です。

【利益の質】

営業CFは継続してマイナスであるため、営業CF/純利益比率は算出できませんが、営業活動で安定したキャッシュを生み出せていないことから、利益の質は低いと評価されます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の通期予想に対する進捗率は、売上高が54.7%であるのに対し、営業利益が-512.2%、純利益に至っては-876.6%と、利益面での通期予想からの著しい乖離が見られ、通期での黒字達成は極めて困難な状況です。

5. 株価分析

【バリュエーション】

PER(会社予想)は23.46倍、PBR(実績)は3.38倍です。業界平均PERが66.2倍であるため、一見するとPERは割安に見えますが、継続的な赤字と通期予想の達成困難さを考慮すると、このPERは実質的に評価が難しい状況です。PBRは業界平均3.5倍とほぼ同水準にあります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 [データなし] 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 [データなし] 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -11.25% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -69.37% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -78.88% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -79.55% 長期トレンドからの乖離

MACDとRSIは中立とされており、明確な短期トレンドシグナルは出ていません。

【テクニカル】

現在の株価202.0円は、52週高値2,282.00円と52週安値147.00円の間で、安値圏(レンジ内2.6%)に位置しています。株価は5日移動平均線(227.60円)を下回っており、25日、75日、200日の各移動平均線からも大きく下方に乖離しており、強い下降トレンドが継続していることを示唆しています。

【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -81.90% +8.15% -90.05%pt
3ヶ月 -80.29% +8.56% -88.85%pt
6ヶ月 -83.35% +21.24% -104.58%pt
1年 -39.88% +67.36% -107.24%pt

過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間において、ビーマップの株価は日経平均およびTOPIXを大幅にアンダーパフォームしており、市場全体の堅調な動きから完全に乖離しています。

6. リスク評価

【注意事項】

⚠️ 信用買残が136,700株であるにもかかわらず、信用売残が0株であり、信用倍率0.00倍は計算上ですが、買い方に極めて偏っている状況は将来的な売り圧力に繋がりえます。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が記載されており、第三者割当増資が株主価値を希薄化させるリスクも大きいです。

【定量リスク】

年間ボラティリティは124.48%と非常に高く、過去の最大ドローダウンは-86.26%です。仮に100万円投資した場合、年間で±124万円程度の変動が想定されるほど極めて高い変動リスクを有しています。これは過去における投資元本の大部分を失う可能性があったことを示唆しており、今後も同様のリスクが想定されます。

【事業リスク】

  • 継続企業の前提に関する疑義: 累積損失が大きく、事業活動を継続するための資金に関する重要な不確実性が存在します。
  • 競争激化と技術変化の速さ: 情報・通信業界は競争が激しく、技術革新も速いため、同社が常に最新技術と競争力を維持できるか不確実です。
  • 主要顧客への依存: 鉄道事業者など特定の顧客への依存度が高く、これらの顧客の経営状況や投資計画が業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント

【信用取引状況】

信用買残が136,700株に対し、信用売残は0株となっており、買い方が一方的に積み上がっている状況です。これは、株価が上昇した場合に利益確定売りが出やすい、あるいは株価が下落した場合に投げ売りが発生しやすい状況を示唆しています。

【主要株主構成】

  • (株)Spicy Company: 6.99%
  • 杉野文則(代表者): 6.49%
  • 鍵谷文勇: 1.87%

上位株主には代表者も名を連ねており、少数の特定株主によって株式が保有されている傾向が見られます。

8. 株主還元

配当利回りは0.00%、配当性向も0.00%であり、無配企業です。現在の事業状況や財務状況を鑑みても、当面の間は株主還元が期待できない可能性が高いです。自社株買いの状況も現在はありません。

【配当持続可能性】

利益が継続的に赤字であるため、配当は実施されておらず、現状では配当の持続可能性について議論する段階ではありません。

SWOT分析

強み

  • 鉄道向けWi-Fiや位置情報などニッチ市場での実績と専門性があります。
  • モバイル、ワイヤレス、映像技術など多角的な技術ポートフォリオを有しています。

弱み

  • 継続的な営業赤字と不安定な収益体質が続き、資金繰りに課題があります。
  • 増資による株主価値の希薄化リスクが投資家心理に悪影響を与えています。

機会

  • 交通インフラのDX推進やスマートシティ化に伴う需要拡大が期待されます。
  • 地域活性化やMaaS(Mobility as a Service)領域での位置情報・映像活用による事業拡大の可能性があります。

脅威

  • 資金調達の難航や継続企業の前提に関する不確実性が経営を圧迫しています。
  • 大手企業との競争激化や技術トレンドの変化への対応が常に求められます。

この銘柄が向いている投資家

  • 極めて高いリスク許容度を持ち、会社の事業再編や画期的な黒字化に期待する投機的な投資家。
  • 事業内容に高い関心があり、長期的な視点で企業の変革を支援する意欲のある投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 継続企業の前提に関する重要な不確実性が解消されるまで、投資リスクは極めて高い状態が続きます。
  • 第三者割当増資によって、発行済み株式数が増加し、一株当たりの価値が希薄化する可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益の黒字転換: 最低でも営業利益が年間50百万円以上へと回復し、その持続性が確認されること。
  • フリーキャッシュフローのプラス化: 継続的にフリーキャッシュフローがプラスに転じ、自力で資金を生み出せる体質になること。
  • 自己資本比率の安定化: 現行の40.7%からさらに悪化せず、安定的な財務基盤を維持できること。

10. 企業スコア

成長性: D(停滞・後退)

直近12ヶ月の売上高成長率がマイナスであり、通期予想の利益達成も極めて困難な状況で、事業拡大を見込むのは難しい段階です。

収益性: D(極めて低い)

ROEが-37.64%、営業利益率が-13.44%と、ベンチマークを大きく下回る水準で、収益力の改善が喫緊の課題です。

財務健全性: C(やや不安)

自己資本比率が40.7%で流動比率も高い一方、Piotroski F-Scoreが3点と低く、継続企業の前提に関する不確実性が存在するため、警戒が必要です。

株価バリュエーション: C(適正〜割高)

PERは業界平均より低いものの、利益の不安定さを考慮すると信頼性が低く、PBRは業界平均並みであるため、現在の事業リスクを鑑みると割安とは判断しにくい評価です。


企業情報

銘柄コード 4316
企業名 ビーマップ
URL http://www.bemap.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 202円
EPS(1株利益) 8.61円
年間配当 0.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 9.8% 34.4倍 472円 18.5%
標準 7.5% 29.9倍 370円 12.9%
悲観 4.5% 25.4倍 273円 6.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 202円

目標年率 理論株価 判定
15% 184円 △ 10%割高
10% 230円 ○ 12%割安
5% 290円 ○ 30%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
クレオ 9698 1,179 101 12.50 1.23 11.0 4.66
ブロードエンタープライズ 4415 1,366 83 12.91 5.16 40.0 1.54
ソーバル 2186 906 73 16.09 1.57 9.2 3.64

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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