企業の一言説明

東洋埠頭は、埠頭最大手で港湾運送に強みを持つ、特殊倉庫のパイオニア企業です。

総合判定

堅実な財務基盤と配当を兼ね備えたバリュー株、ただし成長性と株価上昇には課題

投資判断のための3つのキーポイント

  • 低PBRと安定配当: 実績PBRは0.48倍と業界平均を下回る水準にあり、配当利回りも3.58%と魅力的です。健全な財務基盤に支えられた安定した株主還元が期待できます。
  • 経営効率と成長戦略: ROEや営業利益率といった収益性指標は業界平均を下回りますが、DX化と国際物流強化を戦略の柱とし、事業構造の変革を通じて収益改善と成長を目指しています。直近四半期では売上・利益ともに高い成長率を達成しており、今後の進捗に注目が必要です。
  • 高い信用倍率と市場連動性: 信用倍率が142.75倍と非常に高く、将来の売り圧力となるリスクを抱えています。また、市場との相関は低いものの、現在の株価ボラティリティは極めて高い水準にあり、短期的な値動きには注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 回復基調
収益性 D 改善必要
財務健全性 A 良好
バリュエーション B 適正水準

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,955.0円
PER 10.99倍 業界平均11.8倍
PBR 0.48倍 業界平均0.5倍
配当利回り 3.58%
ROE 4.18%

1. 企業概要

東洋埠頭は、埠頭事業を主軸に、定温・冷凍倉庫、特殊倉庫など多様な物流サービスを提供する国内最大級の総合物流企業です。港湾運送に強みを持ち、DX化や国際物流の強化を通じて、顧客の多様な物流ニーズに対応する収益モデルを構築しています。

2. 業界ポジション

倉庫・運輸関連業界において、埠頭最大手として確固たる地位を確立しています。特殊倉庫のパイオニアとしての技術的独自性と、港湾運送における強みが競合に対する差別化要因です。広範な物流ネットワークと長年の実績により、高いブランド力と信頼性を有しています。

3. 経営戦略

中期経営計画では、DX(デジタルトランスフォーメーション)化による業務効率の向上と、国際物流事業の強化を成長戦略の要としています。多様化するグローバルサプライチェーンに対応するため、海外ネットワークの拡大や新たな物流ソリューションの提供を推進し、事業領域の拡大と収益性の向上を目指しています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益、ROAはプラスだが営業CFのデータなし
財務健全性 2/3 D/Eレシオは健全、株式希薄化なしだが流動比率に課題
効率性 1/3 四半期売上成長は良好だが、営業利益率とROEに改善余地

解説: 東洋埠頭のPiotroski F-Scoreは5/9点で「良好」と判定されます。収益性では純利益とROAがプラスであるものの、営業キャッシュフローのデータが不足しています。財務健全性は、有利子負債過多を示すD/Eレシオ(負債資本倍率)の低さや株式の希薄化がない点で評価が高まる一方、流動比率(短期的な支払い能力)に課題があります。効率性に関しては、直近四半期の売上成長率は良好ですが、全体的な営業利益率やROE(自己資本利益率)は低水準にあり改善の余地があることを示しています。

【収益性】

営業利益率は過去12か月で4.87%、ROE(自己資本利益率)は過去12か月で5.21%、ROA(総資産利益率)は過去12か月で2.04%です。ROEおよびROAは投資家が期待する効率性(ROE 10%、ROA 5%)を下回っており、資本を効率的に活用し収益を向上させるための取り組みが求められます。

【財務健全性】

自己資本比率は実績で53.6%と、企業の安定性を示す健全な水準を維持しています。一方で、流動比率は直近四半期で0.84と100%(短期的な支払い能力の目安とされる200%)を下回っており、短期的な資金繰りにはやや注意が必要です。

【キャッシュフロー】

企業の経営の質を示すキャッシュフローの状況は以下の通りです。
(単位: 百万円)

決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高
2023.03 8 4,184 -4,176 -945 2,523
2024.03 1,504 2,604 -1,100 -1,760 2,260
2025.03 -66 2,153 -2,219 2,295 4,486

解説: 営業活動によるキャッシュフローは安定的にプラスを維持しており、本業で現金を稼ぐ力があることを示しています。しかし、2025年3月期は投資活動によるキャッシュフローが大幅なマイナスとなり、フリーキャッシュフローが-66百万円とマイナスに転じています。これは新たな設備投資や事業拡大への積極的な投資が先行している可能性を示唆しており、一時的なものか中長期的なトレンドか注視が必要です。財務キャッシュフローは2025年3月期に大きくプラスに転じており、資金調達を行っていることがうかがえます。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は、直近の営業CF(連結2,153百万円)と過去12か月の純利益(1,450百万円)を基に算出すると約1.48倍です。この比率が1.0倍を超えているため、利益の質は健全であると言えます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期決算は、売上高(営業収益)が前年同期比+10.2%29,103百万円、営業利益が同+73.0%1,293百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同+41.5%1,100百万円と大幅な増収増益を達成しました。通期予想に対する進捗率は、売上高76.6%、営業利益92.4%、純利益84.6%と、特に営業利益と純利益が第3四半期時点で既に高い水準に達しており、通期業績の上振れの可能性があります。

【バリュエーション】

東洋埠頭のPER(株価収益率)は会社予想で10.99倍、実績PBR(株価純資産倍率)は0.48倍です。同業種の業界平均PER11.8倍、業界平均PBR0.5倍と比較すると、PERはやや割安、PBRも業界平均よりわずかに低い水準にあり、企業価値に対して株価が比較的適正な評価を受けていると言えます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD: 1.84 / シグナルライン: -1.51 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 47.7% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -1.52% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -0.73% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +2.55% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +15.91% 長期トレンドからの乖離

解説: MACDシグナルとRSIはいずれも中立を示しており、明確なトレンドサインは出ていません。現在の株価は短期移動平均線(5日線、25日線)を下回っていますが、中期・長期移動平均線(75日線、200日線)は上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されています。

【テクニカル】

現在の株価1,955円は、52週高値2,100円に対して比較的近い位置(52週レンジ内位置84.6%)にあり、高値圏で推移しています。短期売買のモメンタムはやや弱含みですが、中期・長期的な視点では株価は上昇基調にあると言えます。

【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -3.22% +5.86% -9.08%pt
3ヶ月 +12.23% +8.07% +4.16%pt
6ヶ月 +26.13% +20.37% +5.76%pt
1年 +53.45% +87.80% -34.35%pt

総括: 直近1ヶ月では日経平均を下回るパフォーマンスでしたが、3ヶ月および6ヶ月の中期期間では日経平均を上回る相対的な強さを見せています。ただし、1年間の長期で見ると日経平均の大幅な上昇には及ばず、アウトパフォームできていない状況です。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率142.75倍と高水準であり、将来の売り圧力に注意が必要です。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
年間ボラティリティ 17.77% ◎良好 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -17.18% ○普通 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.82 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 1.13 ○普通 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.99 ○普通 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.42 ◎良好 日経平均とどれだけ連動するか
0.18 値動きのうち市場要因で説明できる割合

判定の見方: ◎良好 ○普通 △やや注意 ▲注意

【ポイント解説】

東洋埠頭のベータ値は0.51であり、市場平均と比較して値動きは穏やかであるとされています。しかし、現在のボラティリティ水準は過去1年で「極めて高い」状況にあり、短期的な株価変動が大きい点に留意が必要です。過去の最大ドローダウンは-17.18%で、これからの回復には228日を要しました。シャープレシオが-0.82とマイナスであることから、過去のリスクに見合うリターンは必ずしも得られていない状況です。一方で、ソルティノレシオやカルマーレシオは「普通」の判定であり、下落リスクに対する効率や最大下落からの回復力は一定レベルを確保しているといえます。市場相関係数が0.42と「良好」であり、株価変動の18%のみが市場要因で説明されることから、独自の要因で株価が動く傾向が比較的強い銘柄であるとも言えます。

【投資シミュレーション】

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±18万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの6%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 景気変動と貿易量: 物流事業は国内外の景気動向や貿易量に大きく左右され、世界経済の減速や地政学的リスクは収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 法規制・環境規制: 港湾運送や倉庫業は、環境規制の強化や安全基準の変更など、様々な法規制の影響を受けやすく、対応コストの増加が懸念されます。
  • 競争激化: 物流業界は競合が多く、特に国際物流やDX化の進展は新たな競争環境を生み出しており、価格競争の激化や投資負担の増加リスクがあります。

信用取引状況

信用買残が57,100株に対し信用売残が400株で、信用倍率は142.75倍と非常に高い水準です。これは、将来的な信用買い方の返済売りによる株価の重しとなる可能性を示唆しています。

主要株主構成

  • 第一生命保険: 6.05%
  • 自社(自己株口): 5.45%
  • 三井埠頭: 4.50%

8. 株主還元

配当利回りは会社予想で3.58%、1株配当は年間70.00円を予定しています。配当性向は39.5%と利益水準から見て健全な範囲にあり、配当の持続可能性は高いと考えられます。直近の配当落ち日は2026年3月30日でした。現時点での自社株買いの発表はありません。

SWOT分析

強み

  • 埠頭最大手としての安定した事業基盤と、特殊倉庫・港湾運送における専門性。
  • DX化と国際物流強化に向けた明確な成長戦略。

弱み

  • ROEと営業利益率の低さによる資本効率の課題。
  • 流動比率が1.0を下回る短期的な財務健全性への一部懸念。

機会

  • 国際貿易量の回復やDX推進による効率化と新規事業機会の創出。
  • アジアを中心とした国際物流需要の安定的な拡大。

脅威

  • 世界経済の不確実性や地政学的リスクによる貿易量の変動。
  • 燃料価格の高騰や法規制強化による事業コストの増加。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定配当と堅実な財務基盤を重視する長期投資家: 低PBRで配当利回りが高く、自己資本比率も高いため、安定志向の投資に適しています。
  • バリュー株としての再評価を期待する投資家: 業界平均をやや下回るPBR水準にあり、企業価値向上の取り組みが株価に反映されることを期待する投資家には魅力的な選択肢です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 株価変動リスク: 現在のボラティリティは高水準であり、短期的な株価の急変動に注意が必要です。
  • 信用倍率の高さ: 大量の信用買残が存在するため、将来的に売り圧力として株価の上昇を抑制する可能性があります。
  • 収益性の改善進捗: 低ROEや営業利益率の改善が中期経営計画通りに進むか否かは、今後の株価を左右する重要な要素です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 第3四半期決算で営業利益が大幅に改善していますが、通期での営業利益率5.0%以上への安定的な回復を注視します。
  • 流動比率: 短期的な財務健全性を示す流動比率が1.0以上へ回復し、さらに健全な水準(一般に2.0倍)を目指せるかを確認します。
  • 国際物流事業の収益貢献度: DX化と並ぶ成長戦略の柱である国際物流事業の売上高・利益が計画通りに伸長し、全体収益に貢献しているかをモニタリングします。

10. 企業スコア

成長性

スコア: B
判定理由: 直近四半期の売上高成長率は18.80%と高いものの、過去の通期売上高に変動があり、中長期的な爆発的成長というよりは回復基調にあると評価できます。

収益性

スコア: D
判定理由: ROE(5.21%)および営業利益率(4.87%)がいずれも評価基準でD(それぞれ5%未満、3%未満に近接)に該当し、資本の効率性や本業の稼ぐ力に課題があります。

財務健全性

スコア: A
判定理由: 自己資本比率が53.6%と高く、F-Scoreも5/9点で「良好」と評価されますが、流動比率が0.84と低い点が一部懸念材料です。

バリュエーション

スコア: B
判定理由: PER(10.99倍)およびPBR(0.48倍)ともに業界平均(PER11.8倍、PBR0.5倍)に比してほぼ同水準からわずかに割安な範囲にあり、株価は適正な水準にあると判断されます。


企業情報

銘柄コード 9351
企業名 東洋埠頭
URL http://www.toyofuto.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,955円
EPS(1株利益) 177.90円
年間配当 3.58円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 4.4% 12.6倍 2,788円 7.5%
標準 3.4% 11.0倍 2,309円 3.6%
悲観 2.0% 9.3倍 1,837円 -1.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,955円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,158円 △ 69%割高
10% 1,446円 △ 35%割高
5% 1,824円 △ 7%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
日本トランスシティ 9310 1,260 836 13.93 0.81 6.5 3.09
ヤマタネ 9305 2,087 473 9.58 0.75 8.4 3.59
東陽倉庫 9306 2,108 165 10.83 0.56 5.7 3.32

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.38)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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