企業の一言説明
パーク24は、24時間貸駐車場「タイムズパーキング」を主力事業とし、カーシェア「タイムズカー」などのモビリティサービスも展開する、国内外で事業を広げる駐車場・モビリティインフラのリーディングカンパニーです。
総合判定
構造改革と財務改善が課題の高成長配当期待銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- 駐車場事業の安定性とモビリティ事業の成長性:国内駐車場事業は安定した収益源であり、カーシェアを中心としたモビリティ事業が売上高前年同期比10.7%増と高い成長を見せています。
- 高い収益性と増配意欲:ROEは21.39%と非常に高く、株主資本を効率的に活用して利益を生み出しています。また、2026年10月期の年間配当は前期の30円から65円への大幅増額を予想しており、株主還元への意欲が伺えます。
- 財務健全性の懸念と海外事業リスク:直近四半期の自己資本比率は22.8%に低下し、有利子負債も高水準です。加えて、英国子会社の倒産手続き開始など、海外事業における構造改革と財務改善が急務であり、信用倍率8.05倍も将来的な売り圧力となる可能性があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 堅実な伸び |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | C | やや不安 |
| バリュエーション | C | やや割高 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,970.0円 | – |
| PER | 12.93倍 | 業界平均13.6倍 |
| PBR | 4.74倍 | 業界平均1.6倍 |
| 配当利回り | 3.30% | – |
| ROE | 21.39% | – |
1. 企業概要
パーク24は、主力事業である24時間貸駐車場「タイムズパーキング」の運営を日本・豪州・英国で展開する企業です。カーシェアやレンタカー、ロードサービスからなるモビリティ事業も手掛け、移動に関するソリューションを多角的に提供しています。技術的独自性としては、駐車場運営ノウハウとモビリティサービスを組み合わせた総合的なサービス提供能力に強みがあります。
2. 業界ポジション
パーク24は、国内において圧倒的な市場シェアを持つ駐車場運営のリーディングカンパニーです。タイムズパーキングのブランド力と広範なネットワークが強みであり、カーシェア事業においても業界を牽引しています。競合は多岐にわたりますが、広範な事業領域と多様なサービス展開により、優位性を確立しています。
3. 経営戦略
パーク24は、国内駐車場事業の安定基盤を維持しつつ、カーシェアを中心としたモビリティ事業の成長戦略を推進しています。また、海外事業の再編にも積極的で、足元では英国子会社の倒産更生手続きを開始しました。2026年10月期は売上高4,100億円、営業利益415億円と増収増益を見込み、年間配当も大幅な増額予想を発表しており、収益基盤の強化と株主還元を両立させる方針です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 3/3 | 優良 (純利益、営業CF、ROEが全てプラス) |
| 財務健全性 | 1/3 | 注意 (流動比率、D/Eレシオに課題) |
| 効率性 | 2/3 | やや改善余地あり (営業利益率が課題もROE改善・売上成長を達成) |
総合スコア6点は、財務全体としては良好な状態を示していますが、詳細は各項目で異なる評価です。収益性に関しては、純利益、営業キャッシュフローがプラスであり、ROAも改善しているため優良です。財務健全性については、流動比率の低さと負債比率の高さが課題となり、やや注意が必要です。効率性については、営業利益率がベンチマークに届いていないものの、直近のROE改善と売上成長は評価できます。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 8.63%。この水準は業界内で標準的であり、収益性は安定しています。
- ROE(実績): 21.39%。ROE 10%を大きく上回る優良な水準で、株主資本を効率的に活用し、高い利益を上げていることを示します。
- ROA(過去12か月): 7.71%。ROA 5%のベンチマークを超える良好な水準であり、総資産に対する利益創出力が高いことを示しています。
【財務健全性】
- 自己資本比率(直近四半期): 22.8%。前期末の27.7%から悪化しており、一般的に好ましいとされる30%以上を下回る水準で、財務の安全性がやや不安視されます。
- 流動比率(直近四半期): 1.03倍。一時的な債務返済能力を示す流動比率は100%をわずかに上回る程度で、短期的な資金繰りに注意が必要です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | フリーCF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 過去12か月 | 61,730 | -55,720 | 6,010 |
| 直近四半期 | 9,471 | -14,162 | -4,691 |
過去12か月では60億1,000万円のプラスフリーキャッシュフローを確保しており、本業で稼いだ資金が設備投資を上回っています。しかし、直近四半期ではフリーキャッシュフローはマイナスに転じており、今後の動向を注視する必要があります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(過去12か月): 3.73倍。純利益に対して営業キャッシュフローが大幅に上回っており、利益の質は非常に優良(S判定)です。これは会計上の利益が現金としてしっかりと裏付けられていることを示します。
【四半期進捗】
2026年10月期第1四半期の通期予想に対する進捗率は、売上高が24.0%、営業利益が22.2%、純利益が24.2%です。これは順調なスタートと言えます。直近3四半期の売上高は増加傾向にあり、営業利益は前期同期比でやや減少しましたが、純利益は増加しています。
【バリュエーション】
- PER(会社予想): 12.93倍。業界平均の13.6倍と比較してほぼ同水準であり、適正な評価を受けていると言えます。
- PBR(実績): 4.74倍。業界平均の1.6倍と比較して大幅に高く、純資産価値から見ると割高感があります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -11.33 / シグナル値: -18.54 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 49.4% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.43% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +0.90% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -5.42% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -0.17% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDは中立となっており、明確なトレンド転換シグナルは見られません。RSIは49.4%と中立圏にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状況です。
【テクニカル】
現在の株価1,970円は、52週高値2,331円からは約15%下落した位置(52週レンジ内位置は43.3%)にあり、中期的なトレンドラインである75日移動平均線(2,082.87円)を下回っています。しかし、5日線、25日移動平均線は上回っており、短期的なモメンタムには改善の兆しが見られます。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -5.76% | +5.86% | -11.62%pt |
| 3ヶ月 | -13.41% | +8.07% | -21.47%pt |
| 6ヶ月 | +7.36% | +20.37% | -13.01%pt |
| 1年 | +1.47% | +87.80% | -86.34%pt |
パーク24の株価は、全ての期間において日経平均を大きく下回るパフォーマンスとなっており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない状況が伺えます。
6. リスク評価
⚠️ 信用倍率8.05倍と高水準。将来の売り圧力に注意
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 32.81% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -82.70% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.07 | △やや注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.39 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.12 | ▲注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.45 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.20 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
パーク24の株価は、年間ボラティリティが32.81%とやや高めで、値動きが比較的激しい特性があります。過去には最大で-82.70%もの大幅な下落を経験しており、その回復には1277日間を要しました。現在のボラティリティ水準は過去1年で通常レベルにありますが、リスク効率を示すシャープレシオやソルティノレシオは低く、リスクに見合ったリターンが十分に得られていない可能性があります。市場相関係数は0.45と良好であり、日経平均と中程度の連動性を示しつつも、企業の個別要因も株価に大きな影響を与えています。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±35万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 海外事業展開のリスク: 英国子会社の倒産更生手続きにみられるように、海外事業の収益見通しや為替変動、政治・経済情勢の変化が業績に影響を与える可能性があります。
- 金利上昇リスク: 高水準の有利子負債を抱えているため、金利が上昇した場合、支払い利息が増加し、収益を圧迫する可能性があります。
- 競争激化と規制環境の変化: 駐車場やモビリティ事業においては、新規参入や他社との競争、また各国の法規制変更などが事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残が544,700株、信用売残が67,700株であり、信用倍率は8.05倍と高水準です。これは将来的な株価の重石となる可能性があります。
- 主要株主構成
- (有)千寿:12.71%
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口):11.75%
- 西川光一:4.74%
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 3.30%。
- 配当性向(2026年10月期予想): 予想年間配当65円に対し、予想1株利益152.34円から計算すると約42.7%。これは健全な水準であり、持続可能な配当政策と評価できます。
- 自社株買いの状況: (データなし)
SWOT分析
強み
- 国内外で展開する駐車場事業の高いブランド力と安定した収益基盤。
- カーシェアなどのモビリティ事業が成長分野として業績を牽引。
弱み
- 直近の自己資本比率の低下や高い有利子負債による財務健全性への懸念。
- 海外事業(特に英国子会社)における構造改革とそれに伴うリスク。
機会
- モビリティサービス市場の拡大に伴うカーシェア事業の一層の成長。
- インバウンド需要回復などによる国内駐車場利用者の増加。
脅威
- 金利上昇による有利子負債の利息負担増大。
- 景気変動や競争激化による国内・海外事業の収益性低下。
この銘柄が向いている投資家
- 中期的な財務改善と成長に期待する投資家: 財務上の課題を理解し、今後の構造改革とモビリティ事業の成長を信じる方。
- 配当利回りと株主還元意識を評価する投資家: 3.30%の配当利回りと積極的な増配予想を魅力に感じる方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 財務健全性の動向: 自己資本比率の改善や有利子負債の削減状況を継続的に確認する必要があります。
- 海外事業の再編の進捗: 英国子会社の倒産手続きとその後の事業再編が業績に与える影響を注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 自己資本比率: 30%以上への回復。
- 有利子負債: 総資産に対する比率の継続的な低下。
- 海外事業のセグメント利益: 黒字化、または継続的な改善が見られるか。
成長性: B
売上高は前年同期比で9.5%の成長を遂げていますが、通期予想の売上高成長率は1%未満と鈍化傾向にあるため、堅実な伸びと評価しました。
収益性: A
ROEは21.39%と非常に高く、ROAも7.71%とベンチマークを上回る一方、営業利益率は8.63%とやや標準的であるため、全体として良好と判断しました。
財務健全性: C
直近四半期の自己資本比率が22.8%と低く、流動比率も1.03倍と短期的な安全性に課題があるものの、Piotroski F-Scoreは6点(A判定)であるため、全体としてはやや不安と評価しました。
バリュエーション: C
PERは業界平均とほぼ同水準ですが、PBRが業界平均の3倍近くに達しており、純資産価値から見ると割高感が強いため、やや割高と評価しました。
企業情報
| 銘柄コード | 4666 |
| 企業名 | パーク24 |
| URL | http://www.park24.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,970円 |
| EPS(1株利益) | 152.34円 |
| 年間配当 | 3.30円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.3% | 14.9倍 | 2,298円 | 3.3% |
| 標準 | 0.2% | 12.9倍 | 1,992円 | 0.4% |
| 悲観 | 1.0% | 11.0倍 | 1,760円 | -2.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,970円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 999円 | △ 97%割高 |
| 10% | 1,247円 | △ 58%割高 |
| 5% | 1,574円 | △ 25%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本駐車場開発 | 2353 | 275 | 958 | 16.76 | 4.60 | 29.8 | 3.27 |
| パラカ | 4809 | 2,097 | 218 | 10.47 | 1.02 | 10.0 | 3.33 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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