企業の一言説明
KYORITSUは、商業・出版印刷を主軸に、情報デジタル事業、環境事業、BPO事業へと多角化を進める印刷業界の老舗企業です。
総合判定
構造転換期の割安成長期待株
投資判断のための3つのキーポイント
- 本業である印刷事業に加え、情報デジタル、環境、BPOといった成長分野の育成に注力しており、事業ポートフォリオの変革期にある。
- PER、PBRともに業界平均と比較して割安感があり、堅実な配当利回りも魅力。2026年3月期の年間配当は前期より増配予想で、株主還元への意識が見られる。
- 信用倍率が59.63倍と極めて高水準であり、将来的に大きな売り圧力となる可能性がある点には注意が必要。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | C | やや不安 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | A | 良好 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 227.0円 | – |
| PER | 8.85倍 | 業界平均10.0倍 |
| PBR | 0.54倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 3.52% | – |
| ROE | 7.31% | – |
1. 企業概要
KYORITSUは、商業印刷(チラシ、カタログなど)と出版印刷(書籍、雑誌など)を主力とする総合印刷会社です。近年は、デジタル化の進展に対応し、情報デジタル事業、バイオプラスチックフィルム製造・販売の環境事業、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業など、多角的な事業展開を推進しています。
2. 業界ポジション
印刷業界は市場の縮小傾向にあり、競争が激しい業界です。KYORITSUは、長年の実績と多様な印刷技術を強みとしつつ、情報デジタルや環境など非印刷分野への進出により、業界の変革期における新たな収益源の確立を目指しています。
3. 経営戦略
KYORITSUは、プリントメディア事業を基盤としつつ、情報デジタル事業、環境事業、BPO事業を成長ドライバーと位置付けています。2026年3月期第3四半期決算では、情報デジタル事業が売上高で前年同期比+35.3%、BPO事業が同+98.7%と高い成長を示しており、今後の収益構造転換が期待されます。会社は一時的な特別損益を除いた営業利益ベースでの業績推移を重視する方針です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAは良好だが、営業キャッシュフローはデータなし。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率に改善余地があるものの、D/Eレシオと株式希薄化は健全。 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率とROEは目安を下回るが、四半期売上成長率はプラス。 |
解説: KYORITSUのPiotroski F-Scoreは5点であり、財務品質は「良好」と判定されます。純利益は黒字でROAもプラスですが、営業キャッシュフローデータが提供されていないため、収益性を完全に評価できません。財務健全性では、流動比率が目安の1.5をわずかに下回る1.36である点は改善余地がありますが、デット・エクイティ・レシオが0.8317と1.0を下回っており、株式希薄化もないため基本的には健全です。効率性の面では、営業利益率3.56%とROE7.31%がいずれも目安の10%を下回っており、資本効率の改善が求められますが、直近四半期の売上高は前年同期比で成長しています。
【収益性】
- 営業利益率: 過去12か月で3.56%であり、一般的な目安とされる10%を大きく下回っており、収益性には改善の余地があります。
- ROE(株主資本利益率): 過去12か月で7.31%であり、ベンチマークである10%を下回っており、株主資本を効率的に活用しているとは言えません。
- ROA(総資産利益率): 過去12か月で2.09%であり、ベンチマークである5%を下回っており、総資産に対する収益力は低いと評価されます。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 実績で41.7%と40%を超えており、財務基盤は比較的安定していると評価できます。
- 流動比率: 直近四半期で1.36倍であり、目安とされる2倍には達していませんが、短期的な支払い能力に大きな懸念がある水準ではありません。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF(百万円) | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | -722 | 1,021 | -1,743 | -1,706 | 10,514 |
| 2024.03 | 3,359 | 4,584 | -1,225 | -1,312 | 12,561 |
| 2025.03 | -2,072 | 1,196 | -3,268 | -1,293 | 9,196 |
解説: 営業キャッシュフローは年間でプラスを維持していますが、投資キャッシュフローがマイナスで推移しており、設備投資を積極的に行っている状況がうかがえます。フリーキャッシュフローは変動が大きく、2025年3月期は投資活動が活発だったためマイナスに転じています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 2025年3月期の1.67倍(1,196百万円 / 715百万円)であり、営業活動による現金が純利益を上回っており、利益の質は健全であると評価できます。過去2年間も同様に健全な水準を保っています。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期累計の進捗率は、売上高75.1%、営業利益65.7%、純利益87.9%となっています。純利益の進捗率が高いのは、特別利益として投資有価証券売却益が計上された影響が大きいと見られますが、営業利益ベースでは通期予想に対する進捗がやや遅れているため、第4四半期の巻き返しが期待されます。
【バリュエーション】
- PER(株価収益率): 会社予想ベースで8.85倍は、業界平均10.0倍と比較して割安な水準にあります。
- PBR(株価純資産倍率): 実績で0.54倍は、業界平均0.5倍とほぼ同水準であり、1倍を大きく下回っていることから、純資産価値に比べて株価は割安と評価できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -0.94 / シグナル値: -1.16 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 46.0% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.96% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -0.96% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -1.48% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +9.39% | 長期トレンドからの乖離 |
シグナル: 25日移動平均線が75日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生しており、短期的な下落トレンドへの転換を示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価227.0円は、52週高値265.0円、52週安値158.0円の中間より高い位置(レンジ内位置71.2%)にあります。移動平均線を見ると、株価は5日線、25日線、75日線を下回っており、短中期的な下降トレンドにあることが示唆されますが、200日移動平均線を上回っており、長期的な上昇基調は維持しています。
【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -1.73% | +5.86% | -7.59%pt |
| 3ヶ月 | +0.89% | +8.07% | -7.18%pt |
| 6ヶ月 | +11.82% | +20.37% | -8.55%pt |
| 1年 | +47.40% | +87.80% | -40.40%pt |
総括: KYORITSUの株価は、短期から長期にわたって日経平均株価のパフォーマンスを下回っています。これは、市場全体の強い上昇トレンドに対して、同社の株価が追随しきれていない状況を示しています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が59.63倍と極めて高水準です。将来的に信用買い残の決済売りに伴う売り圧力が強まる可能性があり、株価への影響に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 29.50% | ○普通 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -34.31% | △やや注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.30 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.70 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.49 | △やや注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.49 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.24 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
ポイント解説:
KYORITSUの株価は、年間ボラティリティが29.50%と「普通」の水準ですが、過去には-34.31%の最大ドローダウンを経験しており、「やや注意」が必要です。シャープレシオが-0.30であることから、リスクに見合うリターンが得られていない点には「注意」が必要です。現在のボラティリティ水準は過去1年で「高」水準(上位79%)にあり、値動きが活発な状況です。市場との相関は0.49と良好で、日経平均との連動性はあるものの、株価変動の76%(R²=0.24の残余)は独自要因に起因しています。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±29万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 市場縮小と競争激化: 主力である印刷業界はデジタル化の進展により市場が縮小傾向にあり、同業他社との競争が激化しています。
- 原材料価格の変動: 紙やインキなどの原材料価格の変動が、コスト増加を通じて収益を圧迫する可能性があります。
- 新規事業の収益化まで: 情報デジタルや環境、BPOといった新規事業の成長は期待されるものの、収益の柱として既存事業を補完するまでには時間と投資を要します。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用倍率は59.63倍と非常に高く、信用買い残が大幅に積み上がっています。これは今後、信用取引による決済売りが発生した場合に、株価を押し下げる要因となる可能性があります。
- 主要株主構成:
- 自社(自己株口): 13.32%
- 野田勝憲: 7.05%
- 共栄会: 5.58%
8. 株主還元
配当利回りは会社予想で3.52%と、東証上場企業としては魅力的な水準です。2026年3月期の年間配当は前期より0.5円増配の8.00円を予定しており、配当性向は45.8%と、利益の範囲内で安定した配当を維持する方針が見て取れます。
配当持続可能性: 配当性向45.8%は、一般的に健全な水準(30-50%)にあり、現時点での減配リスクは低いと考えられます。
SWOT分析
強み
- 主力の印刷事業で培った顧客基盤と技術力を持ち、安定した売上を維持しています。
- 成長性のある情報デジタル、環境、BPO事業への多角化を推進し、新たな収益源を育成しています。
弱み
- 全体的な収益性(営業利益率、ROE、ROA)が業界平均や目標水準を下回っており、資本効率の改善が課題です。
- 信用倍率が高水準であり、需給バランスの悪化が株価の重石となる可能性があります。
機会
- 情報デジタル化の加速に伴う企業のDX需要や、ESG投資の高まりによる環境関連事業の需要増加は、新規事業の成長を後押しします。
- 低PBR銘柄としての評価により、株価が企業価値との乖離を是正する方向に動く可能性があります。
脅威
- 印刷市場の構造的な縮小と、印刷関連事業における新規参入や価格競争の激化が続く可能性があります。
- 外部環境の変化(景気変動、原材料価格の高騰など)が、収益に影響を及ぼすリスクがあります。
この銘柄が向いている投資家
- バリュー株投資家: 低PER、低PBRで割安感があり、配当利回りも魅力的なため、長期的な視点で企業価値向上に期待する投資家。
- 事業転換期待投資家: 既存事業から成長分野への転換期にある企業を好み、将来的な収益構造の変化と成長性を重視する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 低PBRですが、信用倍率の高さは将来の売り圧力を示唆しており、株価の本格的な上昇を妨げる可能性があります。
- 新規事業の成長性は高いものの、全体の収益性に寄与し、企業全体のROEや営業利益率を向上させるまでの進捗を継続的に確認する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率: 少なくとも5%以上への回復。成長事業の寄与による全体の収益性改善を示す指標となります。
- 信用倍率: 10倍以下への改善。信用残高の整理が進み、将来的な売り圧力が軽減されるかどうかの重要な指標です。
- 情報デジタル事業、BPO事業の売上高・利益成長率: それぞれ前年同期比で20%以上の成長を維持できるか。事業ポートフォリオ変革の成功を測る指標となります。
10. 企業スコア
- 成長性: C(やや不安)
- 通期予想の売上高成長率が約4.8%(42,300百万円 ÷ 40,353百万円 – 1)と、基準の0-5%の範囲であるため「やや不安」と評価しました。ただし、情報デジタルやBPOなど一部新規事業は高い成長を示しています。
- 収益性: C(やや不安)
- 過去12ヶ月のROEが7.31%、営業利益率が3.56%であり、いずれも目安とされる10%を下回っているため「やや不安」と評価しました。
- 財務健全性: A(良好)
- 自己資本比率が41.7%と健全な水準にあり、Piotroski F-Scoreも5/9点で「良好」と判定されることから「良好」と評価しました。
- バリュエーション: A(良好)
- PERが業界平均を下回り、PBRも業界平均と同水準ながら1倍を大きく下回るため、市場からは割安に評価されていると判断し「良好」と評価しました。
企業情報
| 銘柄コード | 7795 |
| 企業名 | KYORITSU |
| URL | https://www.kyoritsu-hd.co.jp |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 227円 |
| EPS(1株利益) | 25.66円 |
| 年間配当 | 3.52円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 18.6% | 10.2倍 | 613円 | 23.1% |
| 標準 | 14.3% | 8.8倍 | 443円 | 15.7% |
| 悲観 | 8.6% | 7.5倍 | 291円 | 6.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 227円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 234円 | ○ 3%割安 |
| 10% | 292円 | ○ 22%割安 |
| 5% | 368円 | ○ 38%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共同印刷 | 7914 | 1,575 | 472 | 12.77 | 0.67 | 5.8 | 4.82 |
| 竹田iPホールディングス | 7875 | 706 | 123 | 12.52 | 0.61 | 5.4 | 2.62 |
| 光村印刷 | 7916 | 1,945 | 60 | 75.38 | 0.32 | 0.4 | 2.57 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.38)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
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