企業の一言説明
Speeeはデータを利活用したマーケティング支援を中核ビジネスとし、不動産・リフォーム・介護といったレガシー産業のDX、DXコンサルティング、そしてステーブルコイン事業を軸とした金融DXへと多角的に事業を展開するITサービス企業です。
総合判定
変革期を迎えた高成長志向の財務改善と将来性期待銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- レガシー産業DXとDXコンサルティングの継続的な成長基盤:成熟市場のDXを支援することで安定的な収益源を確保しつつ、SOMPO HDとの合弁会社設立など、事業基盤の強化を通じて持続的な拡大を目指しています。
- 金融DX事業がもたらす革新的な成長ポテンシャル:ステーブルコインを用いた国際送金やトークン化預金といった新領域への参入は、大きな市場機会を捉える可能性を秘めていますが、法規制や市場形成の不確実性も併せ持ちます。
- 直近の赤字転落と収益性改善が急務:将来成長のための先行投資により、直近では営業利益・純利益ともに赤字に転落し、今期の通期予想も厳しい状況です。高水準のPBRが示す成長期待に見合う収益性の回復が喫緊の課題となっています。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 鈍化傾向 |
| 収益性 | D | 低迷 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | D | 割高 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,681.0円 | – |
| PER | — | (通期赤字予想のため算出不可) |
| PBR | 4.42倍 | 業界平均1.6倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -14.96% | – |
1. 企業概要
Speeeは、データを利活用したデジタルマーケティング支援を軸に、中古物件・リフォーム仲介サイトなどのレガシー産業DX事業と、企業へのDXコンサルティング事業を展開しています。近年はステーブルコイン事業を中核とする金融DX領域にも進出し、多角的な事業ポートフォリオを構築し、各産業のデジタル変革を推進するITサービス企業です。
2. 業界ポジション
デジタルマーケティングおよびDX推進市場において、Speeeはデータ分析能力とコンサルティング実践力を強みとしています。特に、不動産・リフォーム・介護といった既存産業のデジタル化を推進する分野では、市場開拓者としての優位性を築き、顧客の事業成長に貢献しています。新たに参入する金融DX市場は黎明期であり、先行者利益を狙うポジションです。
3. 経営戦略
Speeeは、レガシー産業DXとDXコンサルティング事業の継続的な拡大に加え、金融DX事業を新たな成長ドライバーと位置付けています。特に金融DXでは、ステーブルコインを用いた国際送金やトークン化預金などのグローバル展開を目指し、大規模な市場獲得を視野に入れています。また、最近ではSOMPO HDとの合弁会社設立に関する基本合意書を締結し、事業連携によるシナジー創出と基盤強化を図ることで、成長戦略を加速させる方針です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Speeeの財務状況をPiotroski F-Scoreに基づいて評価します。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 4/9 | B: 普通(複数の改善点あり) |
| 収益性 | 0/3 | 純利益、ROA、営業利益率がマイナス |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が高く、負債依存度が低い |
| 効率性 | 1/3 | 売上成長はありながらもROE、営業利益率が課題 |
詳細解説:
- 収益性スコア: 0/3
- 純利益がマイナスであるため、最初の基準(純利益がプラス)を満たしていません。これは企業が最終的に損失を計上していることを意味します。
- ROAもマイナスであるため、資産を効率的に活用して利益を生み出せていない状態です。
- 営業利益率もマイナスであり、本業での収益力が課題となっていることを示しています。
- 財務健全性スコア: 3/3
- 流動比率が3.16と非常に高く、短期的な債務返済能力には優れています。
- D/Eレシオ(負債資本比率)が0.5886と1.0を下回っており、有利子負債への依存度が低い強固な財務体質を示しています。
- 過去1年で株式の希薄化が見られないため、株主価値の維持に努めていると評価できます。
- 効率性スコア: 1/3
- 直近の四半期売上成長率が0.1%とプラスではあるものの、大幅な成長とは言えません。
- ROEはマイナスであり、株主が投下した資本を効率的に活用して利益を生み出せていない状態です。
- 営業利益率もマイナスであるため、費用対効果の改善と利益率の向上が求められます。
【収益性】
- 営業利益率:過去12か月で-6.32%と大幅な赤字であり、本業の収益性はベンチマークを大きく下回る状況です。
- ROE(株主資本利益率):過去12か月で-19.28%とマイナスであり、株主から預かった資本を効率的に活用できていない状態が示されており、一般的な目安である10%を大きく下回ります。
- ROA(総資産利益率):過去12か月で-4.94%とマイナスであり、総資産を運用して利益を生み出す力が低迷していることを示し、一般的な目安の5%を下回ります。
【財務健全性】
- 自己資本比率:49.2%と、事業内容を考慮しても比較的健全な水準を維持しており、負債への過度な依存はありません。
- 流動比率:3.16と200%を大きく上回っており、短期的な支払い能力は極めて高く、財務基盤は非常に強固であると言えます。
【キャッシュフロー】
Speeeのキャッシュフローは以下の通りです。
| 決算期 | フリーCF(百万円) | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.09 | -88 | 477 | -565 | 1056 | 6643 |
| 2024.09 | -1558 | -1336 | -222 | -95 | 4988 |
| 2025.09 | -902 | -751 | -151 | 5310 | 9395 |
直近2期連続で営業キャッシュフローがマイナスとなっており、本業でのキャッシュ創出力が懸念されます。投資キャッシュフローも継続してマイナスであるため、事業成長のための投資活動が行われている一方で、事業活動で生み出すキャッシュがそれを上回れていない状況です。ただし、2025年9月期には財務キャッシュフローが53.1億円と大きくプラスとなっており、新規の資金調達が行われたことで現金等残高が増加しています。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率:純利益がマイナスであるため算出できません。しかし、営業キャッシュフローもマイナスであることから、利益の質は懸念される状況であり、会計上の利益よりも実態としてのキャッシュが不足している可能性を示唆します。
【四半期進捗】
- 2026年9月期第1四半期の売上高は3,877百万円で、通期予想17,000百万円に対する進捗率は22.8%です。
- 営業利益は通期予想の損失△1,704百万円に対し、第1四半期の実績は△245百万円の損失に留まっており、前期の第1四半期比でも損失幅は縮小していますが、依然として先行投資による赤字が継続している状況です。
【バリュエーション】
- PERは、通期が赤字予想のため算出できません。
- PBRは4.42倍であり、業界平均の1.6倍と比較すると大幅に割高感があります。この高いPBRは、現在の収益力を超える将来の成長期待や、無形資産価値を市場が評価している可能性を示唆していますが、目標株価が971円と算定されており、現状の株価との乖離が大きい点に注意が必要です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 10.83 / シグナル値: 23.72 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 49.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.59% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -1.12% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +2.85% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +5.11% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDは中立圏にあり明確なゴールデンクロスやデッドクロスは発生しておらず、RSIも49.1%と売られすぎ・買われすぎの水準にはないため、短期的なトレンドは方向感に欠ける状況です。
【テクニカル】
現在の株価2,681.0円は、52週高値4,090.00円から大きく下落した位置にありますが、52週安値1,745.00円からは上昇しています。短期的な移動平均線(5日、25日)を下回っているため、足元では調整局面にあるものの、中長期的な移動平均線(75日、200日)は上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -3.94% | +5.86% | -9.80%pt |
| 3ヶ月 | -2.65% | +8.07% | -10.72%pt |
| 6ヶ月 | +22.48% | +20.37% | +2.11%pt |
| 1年 | +62.48% | +87.80% | -25.32%pt |
直近1ヶ月と3ヶ月では日経平均をアンダーパフォームしていますが、6ヶ月ではプラス2.11%ポイント上回っており、中期的には市場をアウトパフォームしていました。しかし、直近1年間のパフォーマンスでは日経平均に比べて25.32%ポイントと大きく下回っています。
【注意事項】
⚠️ 通期EPSが大幅な赤字予想であり、収益性の不安定さから今後の業績変動リスクに注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | -0.39 | ○普通 | 市場平均より値動きは小さい傾向、ただし逆相関 |
| 年間ボラティリティ | 83.81% | ▲注意 | 1年間で株価が大きくブレる可能性が高い |
| 最大ドローダウン | -71.05% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.23 | △やや注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.91 | ○普通 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.70 | ○普通 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.32 | ◎良好 | 日経平均とあまり連動しない独自の値動きをする |
| R² | 0.10 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合は低い |
【ポイント解説】
Speeeのベータ値は-0.39とマイナスであり、市場全体の動きとは逆方向に動く傾向があるため、ポートフォリオの分散効果が期待できる銘柄と言えます。しかし、年間ボラティリティが83.81%と非常に高く、株価が大きく変動するリスクを伴います。過去の最大ドローダウンは-71.05%と極めて大きく、これほどの大幅な下落が今後も発生しうることを理解しておく必要があります。リスク対比のリターン効率を示すシャープレシオは0.23とやや注意レベルですが、下落リスクに焦点を当てたソルティノレシオや、最大下落からの回復力を示すカルマーレシオは普通レベルを維持しています。現在のボラティリティは過去1年で「通常」の水準(過去1年の上位40%)にあり、最大ドローダウン-71.05%からの回復は未だ達成されていません。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±84万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 金融DX事業におけるステーブルコインの法規制の動向や、発行・運用タイミングの不確実性が、事業の成長を大きく左右する可能性があります。
- 為替変動や金利変動、景気後退などのマクロ経済要因は、特にグローバル展開を目指す金融DX事業や主要顧客であるレガシー産業の業績に影響を与える可能性があります。
- デジタルマーケティングやDXコンサルティング市場における競合の激化、および技術革新の速さへの対応が、事業の収益性を圧迫するリスクがあります。
7. 市場センチメント
信用買残は905,200株、信用売残は372,800株で、信用倍率は2.43倍となっています。信用倍率自体は過熱感を示す水準ではありませんが、買い残が売り残の2倍以上と多い状態は、将来的な株価上昇の際の売り圧力となる可能性があります。
主要株主構成
- 大塚英樹: 22.46%
- Print: 21.84%
- 久田哲史: 19.11%
8. 株主還元
Speeeの配当利回りは0.00%、配当性向も0.00%であり、現在、株主への配当は実施されていません。2026年9月期も年間配当は無配を予想しています。
⚠️ 利益が赤字であるため、現状では積極的な株主還元は期待できない状況です。同社は成長事業への投資を優先しており、将来的には株主還元も検討される可能性はありますが、まずは収益性の回復が課題となります。
SWOT分析
強み
- データを活用したデジタルマーケティングと多角的なDX支援で高い技術力と実績を持つ。
- ステーブルコイン事業を軸とした金融DXという、将来性が非常に大きい新領域へ積極的に参入している。
弱み
- 短期的な収益性が低迷し、直近では営業利益・純利益ともに赤字に転落している。
- 高い成長期待が織り込まれているPBRと、通期赤字予想により、バリュエーションに割高感がある。
機会
- 法規制整備や技術進化に伴い、金融DX市場が今後爆発的に拡大する余地がある。
- 国内のレガシー産業におけるDX需要が依然として旺盛であり、事業拡大の機会が大きい。
脅威
- 金融DX事業の法規制動向や市場形成の不確実性が高く、事業計画に大きな影響を与える可能性がある。
- デジタル技術の進化や競合他社の参入により、既存事業の競争優位性が損なわれるリスクがある。
この銘柄が向いている投資家
- 新しいテクノロジー分野(特に金融DX)の将来性を高く評価し、先行投資による短期的な業績低迷を許容できる成長株投資家。
- 市場の動向に左右されにくい独自の値動きをする銘柄をポートフォリオに加えたいと考える投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 金融DX事業が具体的に収益に貢献するまでの時間軸と、関連する法規制や市場環境の変化を十分に理解しておく必要があります。
- 継続的な営業赤字とフリーキャッシュフローのマイナスが続く場合に備え、企業の資金繰りや財務状況の悪化リスクも考慮に入れるべきです。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率: 黒字転換、または安定的に5%以上へ回復
- 金融DX事業の具体的な売上高と利益貢献度: 四半期ごとの進捗報告
- 営業キャッシュフロー: 継続的なプラス転換とフリーキャッシュフローの改善
10. 企業スコア
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 鈍化傾向 |
| 収益性 | D | 低迷 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | D | 割高 |
- 成長性: C
- 直近の四半期売上高成長率は前期比+0.1%と鈍化傾向にあり、2026年9月期は営業利益および純利益ともに大幅な赤字予想であることから、現在の企業スコア基準では成長性が一時的に低迷していると評価しました。
- 収益性: D
- 過去12か月の営業利益率が-6.32%、ROEが-19.28%と大きくマイナスであり、一般的な収益性基準を著しく下回っているため、収益性は低迷していると評価しました。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率が49.2%、流動比率が3.16と、非常に良好な水準を維持しており、Piotroski F-Scoreの財務健全性カテゴリでも3点満点を獲得しているため、財務健全性は良好と評価しました。
- バリュエーション: D
- PBRが4.42倍と業界平均の1.6倍を大幅に上回っており、通期赤字予想のためPERが参考にできないことから、現状の株価水準は割高であると判断し、バリュエーションはD評価としました。
企業情報
| 銘柄コード | 4499 |
| 企業名 | Speee |
| URL | https://speee.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ベイカレント | 6532 | 5,618 | 8,731 | 17.38 | 7.28 | 41.0 | 2.31 |
| GMOペイメントゲートウェイ | 3769 | 9,071 | 6,944 | 29.67 | 6.25 | 20.7 | 1.87 |
| ファンコミュニケーションズ | 2461 | 468 | 310 | 21.66 | 1.76 | 8.1 | 4.48 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。