企業の一言説明

エヌ・シー・エヌは、木造耐震設計に基づく構造部材の販売を通じて、安全で環境に優しい木造建築の普及を目指す、ニッチ市場のリーディングカンパニーです。

総合判定

構造改革の過渡期にある高配当維持企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • SE構法Ver.3やG-BOARDなど、建築基準法改正を追い風とした高付加価値型事業戦略を推進しています。
  • 財務健全性は高いものの、直近の業績は確認申請期間の遅延により下方修正され、利益率の改善が課題です。
  • 株主還元を重視する方針は維持されており、予想配当利回りは高水準ですが、配当性向が高止まりしています。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 D 売上高が減少傾向にあり、直近四半期もマイナス。
収益性 D ROE・ROA、営業利益率がいずれも低水準。
財務健全性 A 自己資本比率はやや低いが流動比率、F-Scoreは良好。
バリュエーション D PER、PBRが業界平均を上回り割高感がある。

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 961.0円
PER 21.7倍 業界平均15.0倍
PBR 1.44倍 業界平均1.2倍
配当利回り 3.23%
ROE 6.42%

1. 企業概要

エヌ・シー・エヌは、木造建築物の構造躯体である「SE構法」を提供する企業です。耐震設計に基づく構造部材の販売を主軸とし、全国の工務店ネットワークを通じて、高耐震・大空間を実現する木造住宅を提供しています。独自の構造計算技術と品質管理体制が強みです。

2. 業界ポジション

木造住宅の耐震設計および構造部材供給の分野において、独自の「SE構法」により高いブランド力と市場でのニッチな地位を築いています。全国に提携プレカット工場と登録施工店ネットワークを持ち、競合他社に対する技術力と供給体制での差別化を図っています。

3. 経営戦略

2026年4月の建築基準法改正を成長機会と捉え、G-BOARD採用の「SE構法 Ver.3」で木造建築の新たな可能性を追求しています。大規模木造(非住宅)領域への事業拡充、BIMソリューションや省エネ計算支援の拡大を通じて、事業領域と収益源の多角化を目指しています。直近では確認申請手続きの遅延により通期業績予想を下方修正しましたが、株主還元(配当)は据え置いています。

4. 財務分析

エヌ・シー・エヌの財務状況を詳細に分析します。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益が正、ROAが正。
財務健全性 3/3 流動比率が基準以上、D/Eレシオが基準以下、株式希薄化なし。
効率性 0/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率がいずれも基準未満。

F-Score総合スコアは5/9点と「良好(A)」と判定されています。収益性に関しては、直近12か月の純利益とROAがいずれも正であるため、一定の収益は確保できています。財務健全性については、流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の全ての項目で満点であり、安定した財務基盤が評価できます。一方で、効率性については、営業利益率、ROE、四半期売上成長率のいずれも基準を満たしておらず、資本効率や成長力に課題があることを示しています。特に成長性が低く、収益性が乏しい点がスコアを押し下げています。

【収益性】

営業利益率は直近12か月で3.25%と、一般的な基準(5%以上)と比較して低い水準にとどまっています。ROE(株主資本利益率)は直近12か月で6.42%と、目安とされる10%を下回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が弱いと言えます。ROA(総資産利益率)も0.57%と、目安の5%を大きく下回っており、資産全体の運用効率には課題があります。

【財務健全性】

自己資本比率は2025年3月期実績で35.58%であり、安定性を示す一般的な目安(40%以上)を下回る水準ですが、前年からは改善傾向にあります。流動比率は直近四半期で1.54倍と、短期的な支払い能力を示す目安とされる1.0倍~2.0倍の範囲内であり、比較的健全な水準を維持しています。総じて、短期的な資金繰りに問題はないものの、自己資本の強化は中長期的な課題と言えるでしょう。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2023.03 -127百万円 61百万円 -188百万円 -558百万円 2,851百万円 41.63%
2024.03 -421百万円 -144百万円 -277百万円 -233百万円 2,195百万円 38.36%
2025.03 530百万円 685百万円 -155百万円 -157百万円 2,567百万円 44.40%

2024年3月期には営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともにマイナスでしたが、2025年3月期には大幅に改善し、プラスに転じています。これは事業活動による資金創出能力が回復したことを示しており、一過性の要因でなければ好材料です。一方で、投資活動によるキャッシュフローは継続してマイナスであり、事業拡大に向けた投資が続いていると推測されます。

【利益の質】

直近12ヶ月の営業キャッシュフローのデータはありませんが、2025年3月期の営業キャッシュフロー685百万円に対し、純利益は193百万円と、営業CFが純利益を大きく上回っています。これは、利益が現金としてしっかりと手元に残っていることを示唆しており、利益の質は健全であると考えられます。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の決算短信によると、通期予想(修正後)に対する進捗率は、売上高が約71.3%、営業利益が約45.9%、純利益が約20.5%にとどまっています。特に純利益の進捗率が低く、第4四半期での巻き返しがなければ、通期計画達成は厳しい状況です。決算説明資料では、確認申請手続き期間の延長が住宅分野の売上低迷の要因とされており、これが利益進捗に大きく影響しています。直近3四半期の売上高・営業利益は前年同期比で減益(売上高△3.9%、営業利益△57.1%)となっており、業績の厳しい状況が続いていると言えます。

【バリュエーション】

エヌ・シー・エヌのPERは21.7倍、PBRは1.44倍であり、それぞれ業界平均(PER 15.0倍、PBR 1.2倍)と比較すると割高感が否めません。直近の業績下方修正を考慮すると、現在の株価は収益性に対して高めに評価されている可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.17% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -2.76% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -9.39% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -5.72% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDとRSIはどちらも「中立」状態であり、明確な上昇・下降トレンドを示唆するシグナルは出ていません。移動平均線乖離率を見ると、全ての期間で株価が移動平均線を下回っており、特に75日線や200日線からの乖離が大きいため、中期から長期にかけて軟調なトレンドが継続していると見られます。

【テクニカル】

現在の株価961.0円は、52週高値1,298.00円に対して15.1%の位置(安値寄り)にあり、52週安値901.00円に接近しています。全ての主要移動平均線(5日、25日、75日、200日)を現在株価が下回っており、株価は弱いトレンドの中にあります。特に75日移動平均線、200日移動平均線からの乖離が大きく、中長期的な下落圧力が継続している状況です。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -6.24% +10.22% -16.46%pt
3ヶ月 -14.12% +9.06% -23.18%pt
6ヶ月 -8.39% +22.33% -30.71%pt
1年 -3.51% +78.19% -81.70%pt

エヌ・シー・エヌの株価は、全ての期間において日経平均を大きく下回るパフォーマンスとなっています。これは、個別企業の業績不振だけでなく、市場全体のテーマから外れている可能性も示唆しており、市場連動性が低い銘柄であると言えます。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0株であることに起因します。信用買残71,000株に対し信用売残がないため、実質的に信用買いに偏っており、将来の売り圧力が顕在化する可能性に注意が必要です。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.05 ◎良好 市場平均より値動きが非常に小さく、市場全体の影響を限定的に受ける
年間ボラティリティ 41.03% △やや注意 1年間で株価が大きく変動する可能性がある
最大ドローダウン -36.93% △やや注意 過去最悪で3割以上下落しており、今後も同様の事態は起こりうる
シャープレシオ 0.12 △やや注意 リスクを取った分だけのリターン効率は低い水準

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.35 △やや注意 下落リスクを考慮すると、リターンの効率は低い
カルマーレシオ 0.31 △やや注意 最大下落からの回復力はまだ不十分な状態

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.30 ◎良好 日経平均とはあまり連動せず、独自の値動きをしがち
0.09 株価の値動きのうち市場要因で説明できる割合はごく一部

【ポイント解説】

エヌ・シー・エヌのベータ値は0.05と非常に低く、市場全体の変動に左右されにくい、独自の株価変動パターンを持つ銘柄であることが示されています。これは、ポートフォリオのリスク分散に貢献する可能性があります。一方で、年間ボラティリティは41.03%、最大ドローダウンは-36.93%と、値動きが比較的激しく下落リスクも存在することも示しており、過去には高い下落率を経験しています。最大ドローダウンからの回復は現在「未回復」となっており、株価がピークから大きく下落したままの状況が続いています。シャープレシオやソルティノレシオ、カルマーレシオも「△やや注意」判定であり、リスクに見合うリターンが十分に得られていない現状を数値が示唆しています。現在のボラティリティは過去1年で平均的な「通常」水準ですが、市場相関が低い性質を持つため、個別要因の動向に注目する必要があります。

【投資シミュレーション】

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±41万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 行政手続きの遅延リスク: 確認申請手続きの期間延長が直近の業績下方修正の主因であり、今後のさらなる遅延が業績を圧迫する可能性があります。
  • 金利上昇・インフレの影響: 高金利や資材価格高騰、インフレの進行は、登録施工店や一般消費者の住宅取得意欲を低下させ、SE構法の需要減少につながる懸念があります。
  • 住宅分野の構造計算出荷数減少: 住宅着工数の減少傾向や競合の激化により、主力である住宅分野での構造計算出荷数が計画を下回るリスクが存在します。

7. 市場センチメント

信用買残が71,000株に対し信用売残が0株となっており、信用倍率は計算上0.00倍です。これは、株価上昇を期待する買い方が多く、売り方がほとんどいない状況を示唆しています。将来の売り圧力が少ないと解釈できる一方で、買残が積み上がった後に利益確定売りが出る可能性には注意が必要です。

主要株主構成

  • (有)田杉総行: 20.49%
  • 田鎖郁夫: 18.07%
  • 自社(自己株口): 7.45%

8. 株主還元

エヌ・シー・エヌの予想配当利回りは3.23%と高水準です。2025年3月期の実績配当性向は44.5%でしたが、2026年3月期の通期予想では1株益44.3円に対し配当金31円を予定しており、予想配当性向は約70%となります。決算説明資料では株主還元を重視する方針が示され、配当予想は据え置かれています。
【配当持続可能性】
配当性向は高水準であり、業績の更なる悪化があった場合には減配リスクが顕在化する可能性がありますが、現在の予想配当性向約70%は80%超ではないため、直ちに「減配リスクに注意」というレベルではありません。ただし、今後の利益成長と配当性向の推移は注視する必要があります。自社株買いは、主要株主に「自社(自己株口)」があることから過去に実施されており、株主還元の選択肢の一つとして認識されていると考えられます。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み SE構法による高い耐震性・差別化技術
全国登録施工店ネットワーク
法改正で技術優位性がさらに高まる可能性。
⚠️ 弱み 利益率の低迷・業績の不確実性
確認申請期間延長による売上機会損失
利益率改善と業績予想達成の動向を監視すべき。
🌱 機会 大規模木造建築市場の拡大
BIM・省エネ支援需要増加、建築基準法改正
新規市場開拓で成長ドライバーになる可能性がある。
⛔ 脅威 行政手続きの更なる遅延
金利上昇・インフレによる需要低迷
外部環境の変化が業績に直接的な悪影響を及ぼす。

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
中長期での事業再編・回復期待投資家 建築基準法改正を契機とした成長戦略に期待できる
安定配当を求めるインカムゲイン志向投資家 業績悪化の中でも高水準の配当を維持する方針

この銘柄を検討する際の注意点

  • 利益率の低迷と業績下方修正: 収益力改善が課題であり、通期予想の下方修正は成長戦略の足枷となるため、今後の業績変動に注意が必要です。
  • 配当性向の高止まり: 高い配当利回りは魅力的ですが、予想配当性向が約70%と高水準であるため、業績が計画を下回る場合に現水準の維持が困難になる可能性があります。
  • 市場との乖離: 株価が日経平均やTOPIXを大幅に下回るパフォーマンスが継続しており、市場全体のトレンドに乗りにくい傾向があるため、個別材料への注目が必要です。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 3.25% 5%以上への回復 収益性改善の兆候を確認するため
建築基準法改正に伴う受注・出荷数 未知 前年同期比10%以上の増加 新戦略が事業に貢献するか判断
純利益進捗率(通期) 20.5%(3Q) 75%以上への回復 通期予想達成の蓋然性を測る

企業情報

銘柄コード 7057
企業名 エヌ・シー・エヌ
URL https://www.ncn-se.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 961円
EPS(1株利益) 32.87円
年間配当 31.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 23.8倍 782円 -0.5%
標準 0.0% 20.7倍 680円 -2.8%
悲観 1.0% 17.6倍 608円 -4.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 961円

目標年率 理論株価 判定
15% 415円 △ 131%割高
10% 519円 △ 85%割高
5% 654円 △ 47%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
地盤ネットホールディングス 6072 1,106 256 141.79 17.50 15.0 0.00
エプコ 2311 815 75 15.49 1.56 10.4 3.92

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.43)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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