企業の一言説明

KOKUSAI ELECTRICは半導体製造用の成膜装置を開発・製造・販売する、半導体製造装置業界において独自の技術を持つ企業です。

総合判定

高成長期待もバリュエーションは割高、財務健全な半導体関連銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 独自の成膜技術と高い収益性・財務健全性が強み。
  • 将来のAI需要拡大による半導体市場の成長期待が大きい。
  • 高いバリュエーションと市場変動リスクには留意が必要。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 D 四半期売上成長率がマイナス傾向。
収益性 S ROE、営業利益率ともに高水準。
財務健全性 S 自己資本比率高く、F-Scoreも優良。
バリュエーション D PER、PBRともに業界平均を大きく上回り割高。

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 6941.0円
PER 57.58倍 業界平均24.2倍
PBR 7.55倍 業界平均1.6倍
配当利回り 0.52%
ROE 18.77%

1. 企業概要

KOKUSAI ELECTRICは、半導体を製造する際に不可欠な「成膜プロセス」で使用される装置の開発、製造、販売、保守サービスを手掛ける企業です。日立国際電気からスピンオフして設立されました。主に薄膜を形成するデポジション装置や、処理プロセス装置、測定システムを提供しており、半導体の微細化・高性能化を支える独自の技術力と製品ポートフォリオを強みとしています。

2. 業界ポジション

半導体製造装置業界において、KOKUSAI ELECTRICは特に「成膜装置」の分野で高い技術力を持つ専門企業として位置づけられています。半導体前工程の分野における競合には、アプライド・マテリアルズ(Applied Materials)やラムリサーチ(Lam Research)などの巨大企業が存在しますが、同社は特定のプロセスにおけるニッチトップ戦略や高付加価値製品の提供により存在感を示しています。ロジック・メモリ半導体メーカーに幅広く製品を供給し、グローバル市場での市場シェア確立を目指しています。

3. 経営戦略

KOKUSAI ELECTRICは、高付加価値製品であるミニバッチALD(原子層堆積)対応装置やトリートメント装置の比率を高めることで収益性の向上を目指しています。また、アップグレード改造などのサービス事業を強化し、安定的な収益源の確立を推進しています。研究開発への投資も積極的で、R&D費率は第3四半期累計で約7.4%に達しています。2027年3月期には装置とアップグレード改造を含め、前期比20%超の成長を目指す中期的な目標を掲げています。直近では、2026年3月期第3四半期時点での通期業績・配当予想は変更なく、堅実な経営が継続されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性を9つの基準で評価する指標で、0点から9点で示されます。7点以上は優良な財務体質、3点以下は改善が必要な財務リスクを抱えている可能性が高いとされます。KOKUSAI ELECTRICの財務品質は以下の通りです。

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てプラスで優良な収益性を示す
財務健全性 3/3 流動比率が高く、有利子負債比率が低く、株式希薄化もない
効率性 2/3 営業利益率とROEは基準クリアも、四半期売上成長率がマイナスで減点

KOKUSAI ELECTRICのPiotroski F-Scoreは8/9点と非常に高く、全体として極めて優良な財務体質と評価できます。収益性および財務健全性においては満点を取得しており、企業が利益を着実に生み出し、安定した資金繰りを維持していることが伺えます。資産の効率性に関しては、ROEや営業利益率は良好であるものの、直近の四半期売上成長率がマイナスであったため、減点され2点という結果になっています。これは、足元での成長性には課題がある一方で、基本的な収益構造と財務基盤は強固であることを示唆しています。

収益性

過去12ヶ月の営業利益率は17.56%であり、高水準で利益を創出できていることが示されています。これは半導体製造装置という専門性の高い分野での競争優位性を反映していると言えるでしょう。また、株主資本利益率(ROE)は過去12ヶ月で16.35%、直近実績では18.77%と、一般的な目安とされる10%を大きく上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を上げている優良企業であることを示しています。総資産利益率(ROA)も7.68%と、総資産に対する利益貢献度も良好な水準にあります。

財務健全性

自己資本比率は57.4%と、一般的に健全とされる40%を大きく上回る高い水準を維持しており、財務基盤が非常に安定していることを示しています。これは外部からの借入に過度に依存せず、自社の資本で事業を賄う力が強いことを意味します。流動比率は直近四半期で2.20倍(220%)と非常に高く、短期的な支払能力も極めて良好であり、突発的な資金需要にも十分対応できる財務体質であると言えます。

キャッシュフロー

キャッシュフローは企業の活動から生み出される現金の流れを示すため、利益の質を測る上で重要な指標です。

決算期 フリーCF(百万円) 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) 現金等残高(百万円)
I2023.03* 22168 29993 -7825 -25113 106053
I2024.03 -9008 2942 -11950 -6312 92619
I2025.03 10771 38477 -27706 -58106 44755
過去12か月 24060 46220 -22160 -nan 47730

直近12ヶ月の営業キャッシュフローは462億2,000万円と潤沢であり、本業で安定して現金を稼ぎ出していることが伺えます。フリーキャッシュフローも同期間で240億6,000万円とプラスを維持しており、事業活動で得た現金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出しているため、新規事業投資や株主還元に回せる余力があることを示しています。

利益の質

営業キャッシュフローを純利益で割った営業CF/純利益比率は1.41と、1.0を大きく上回っており、利益の質が極めて高いことを示しています。これは、計上された純利益が現金としてしっかりと手元に残っていることを意味し、会計上の利益操作のリスクが低い、健全な収益構造であると評価できます。

四半期進捗

2026年3月期第3四半期累計の売上収益は通期予想の75.24%、営業利益は83.79%、親会社に帰属する当期利益は81.82%の進捗率です。特に営業利益・当期利益の進捗率が高いことから、通期予想の達成に向けて順調に推移していると判断できます。決算説明資料でも通期業績予想の変更がないことが確認されており、会社側も達成に自信を持っていると言えるでしょう。ただし、第3四半期累計の売上収益が前年同期比で△0.9%減、営業利益も△18.1%減となっている点には注意が必要です。

バリュエーション

KOKUSAI ELECTRICのPER(会社予想)は57.58倍、PBR(実績)は7.55倍です。これらの数値は、業界平均PER 24.2倍、業界平均PBR 1.6倍と比較して大幅に高水準であり、現状の株価は割高であると判断できます。これは、同社が半導体製造装置という成長性の高い分野に属し、将来の業績拡大への期待から高いプレミアムが乗っていることを示唆しています。投資家は成長期待と現在の割高感を慎重に比較検討する必要があります。

テクニカルシグナル

テクニカルシグナルは、短期的な株価の動きを予測するのに役立つ指標です。

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 341.91 / シグナル値: 191.35 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 59.0% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.03% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +17.46% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +14.35% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +45.28% 長期トレンドからの乖離

MACDは中立を示していますが、MACD値がシグナルラインを上回っているため、短期的な買い圧力が続いている可能性を示唆しています。RSIは59.0%と中立域にあり、買われすぎでも売られすぎでもないバランスの取れた状態です。5日移動平均線からの乖離率はほぼゼロであり、直近の株価が短期的な平均水準で推移していることを表しています。一方で、25日、75日、200日移動平均線からは大きく上回って推移しており、中長期的な上昇トレンドが継続していることが見て取れます。

テクニカル

現在の株価6,941.0円は、52週安値1,666.50円、3年安値1,666.50円に対して、52週高値7,615.00円、3年高値7,615.00円に近い水準(レンジ内位置88.7%)にあります。これは過去1年・3年で見ても高値圏での推移が続いていることを示しています。株価は25日、75日、200日の各移動平均線を大きく上回っており、明確な上昇トレンドの中に位置しています。特に200日移動平均線からの乖離率が+45.68%と大きいことから、株価の上昇が長期的なトレンドと比較して急激であった可能性があります。

市場比較

KOKUSAI ELECTRICは、過去のどの期間においても日経平均株価やTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを記録しています。

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +28.44% +10.22% +18.23%pt
3ヶ月 +12.17% +9.06% +3.10%pt
6ヶ月 +56.15% +22.33% +33.83%pt
1年 +287.87% +78.19% +209.68%pt

この非常に強い相対パフォーマンスは、半導体市場全体の活況と、同社への高い成長期待、そして市場における同社の優位性に対する評価を反映していると言えるでしょう。

注意事項

⚠️ 信用倍率3.21倍と、将来の需給動向には一定の注意が必要です。

基本リスク指標

リスク指標は、株価の変動の激しさや、過去の損失、リスクに対するリターンの効率性を示すものです。

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 2.12 ▲注意 市場平均より値動きが大きいか小さいか
年間ボラティリティ 71.39% ▲注意 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -70.29% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.17 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 1.60 ◎良好 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.99 ○普通 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.60 ◎良好 日経平均とどれだけ連動するか
0.36 値動きのうち市場要因で説明できる割合

※判定の見方: ◎良好 ○普通 △やや注意 ▲注意

ポイント解説

KOKUSAI ELECTRICはベータ値2.12と非常に高く、市場全体が1%動くと、同社株は約2.12%動く傾向があるため、市場変動の影響を大きく受ける銘柄と言えます。年間ボラティリティは71.39%と非常に高く、株価のブレ幅が大きい「激しい値動き」が特徴です。現在のボラティリティ水準は過去1年で「高」(上位84%)であり、短期間で株価が大きく変動するリスクを許容する必要があります。最大ドローダウンは-70.29%と過去に大きな下落を経験しており(ピークからの下落から回復まで143日間を要した経験あり)、今後も同様の大きな下落リスクが存在しうることを示唆しています。シャープレシオが-0.17とマイナスであることは、過去のリスクに見合うリターンが得られていないことを意味します。一方で、下方偏差だけを考慮したソルティノレシオは1.60と良好であり、下落リスクに対するリターン効率は高い側面もあります。市場相関が0.60と良好で、R²も0.36と約36%が市場要因で説明されるため、市場全体のトレンドを無視できない銘柄です。

投資シミュレーション

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±70万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

事業リスク

  • 中国地場DRAM向け装置販売減少: 主要な市場である中国における半導体需要の変動や地政学的な影響は、同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 製品構成変化による売上総利益率低下・販管費増加: 成長戦略で高付加価値製品へのシフトを進めるものの、市場ニーズの変化や競争激化により、製品構成が変わり利益率が低下するリスクがあります。
  • 為替変動、サプライチェーン・地政学リスク: グローバルに事業を展開しているため、為替の変動(特に円高転換)、原材料調達の滞り、国際情勢の不安定化などが経営環境に影響を及ぼす可能性があります。

信用取引状況

信用買残は1,564,500株、信用売残は488,100株で、信用倍率は3.21倍です。信用倍率は前週から悪化しており、需給バランスの過熱感は高くありませんが、今後買い残の増加が顕著になる場合は、将来の売り圧力に繋がる可能性があり、注意深く見ていく必要があります。

主要株主構成

  • BNYメロンAsAGTクライアント・ノントリーティ(ジャスデック) (14.68%)
  • KKR・HKEインベストメント (10.37%)
  • ステート・ストリート・バンク&トラスト505001 (8.57%)

上位にはBNYメロン、KKR、ステート・ストリート・バンク&トラストといった国内外の機関投資家が多く名を連ねており、機関投資家からの注目度が高いことが伺えます。

8. 株主還元

KOKUSAI ELECTRICは、会社予想で1株配当36.00円、配当利回り0.52%を計画しています。配当性向は23.8%と、利益に占める配当の割合は比較的低い水準であり、内部留保を厚くして事業投資に充てる方針と見られます。

配当持続可能性

配当性向23.8%は、一般的な健全水準とされる30-50%の範囲内ではありませんが、80%を超える高水準ではないため、現状では減配リスクの警告は不要です。利益成長に応じた配当増加の余地があるとも解釈できます。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 半導体成膜装置における独自の技術力と高シェア
S評価の極めて高い収益性・財務健全性
競争優位性と安定した事業基盤による成長期待
⚠️ 弱み 高いPER・PBRによるバリュエーションの割高感
直近四半期売上成長率がマイナス
業績成長が期待を下回る際の株価調整リスク
🌱 機会 生成AI需要拡大に伴う半導体市場の持続的成長
高付加価値製品・サービス強化による収益機会
市場全体の成長と製品ラインナップの進化で業績拡大
⛔ 脅威 中国市場の需要変動と地政学リスク
為替変動、サプライチェーンの不安定化
特定市場への依存が高く、外部環境変化に注意

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
半導体市場の成長を信じる投資家 AI需要拡大で長期的な半導体市場成長を享受。
高い利益率と安定財務を重視する投資家 競合優位性に基づく高収益性と強固な財務体制。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 高水準のバリュエーション: 現在のPER、PBRは業界平均を大きく上回っており、すでに高い成長期待が織り込まれているため、今後の業績で期待値を大きく上回らなければ株価の調整リスクがあります。
  • 半導体サイクルの変動: 半導体製造装置業界は景気循環の影響を受けやすく、市場の需要変動や投資タイミングのずれが業績に直接響く可能性があります。
  • 中国市場の状況: 中国市場での売上比率が高く、中国経済の動向や米中摩擦などの地政学リスクが、同社の業績を大きく左右する可能性があります。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
四半期売上成長率 -7.10% プラス転換 成長トレンド回復の証左
営業利益率 17.56% 20%以上への回復 さらなる収益力向上
受注残高 データなし 増加傾向への転換 将来の業績を予測

企業情報

銘柄コード 6525
企業名 KOKUSAI ELECTRIC
URL https://www.kokusai-electric.com/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 6,941円
EPS(1株利益) 119.60円
年間配当 0.52円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 2.6% 46.0倍 6,255円 -2.1%
標準 2.0% 40.0倍 5,282円 -5.3%
悲観 1.2% 34.0倍 4,316円 -9.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 6,941円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,627円 △ 164%割高
10% 3,281円 △ 112%割高
5% 4,141円 △ 68%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
東京エレクトロン 8035 46,250 218,130 39.65 10.69 29.8 1.29
SCREENホールディングス 7735 10,770 20,544 23.34 4.59 20.9 1.29
アルバック 6728 9,850 4,861 25.58 2.14 8.5 1.66

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.43)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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