企業の一言説明

ズームはハンディレコーダーやマルチエフェクターなどの音響機器を開発・販売するファブレスメーカーで、国際的に事業を展開しています。

総合判定

構造改革中の高配当だが財務改善が急務な割安銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 2025年に行った構造改革により、2026年12月期には黒字回復を計画しており、今後の収益改善に期待が持たれます。
  • 業績悪化期にもかかわらず、高水準の配当(利回り約4.93%)を維持する方針であり、株主還元への意識は高いです。
  • 2期連続の赤字と高い負債比率、配当性向から、財務健全性と利益の質には注意が必要で、バリュートラップの可能性も視野に入れるべきです。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 C 当期赤字だが2026年増収黒字転換予想
収益性 D 大幅な赤字計上により収益性低迷
財務健全性 C 自己資本比率低め、F-Score普通判定
バリュエーション C PERは業界平均よりやや高め、PBRは割安だが赤字

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 649.0円
PER 14.0倍 業界平均12.9倍
PBR 0.50倍 業界平均0.8倍
配当利回り 4.93%
ROE -19.81%

1. 企業概要

ズームは1983年設立の音響機器専門ファブレスメーカーです。ハンディオーディオ/ビデオレコーダー、デジタルミキサー、マルチエフェクターなどを開発・販売しており、独創的な製品でプロからアマチュアまで幅広いユーザーに支持されています。製品は日本、北米、欧州を中心に国際的に展開されており、MogarやHookUpなどのブランドも手掛けています。

2. 業界ポジション

ズームは世界の音楽・音響機器市場において、ニッチながらも高機能な製品群で独自の地位を築いています。ファブレス形態を採用することで開発に経営資源を集中させ、多様なユーザーニーズに応える製品を迅速に投入しています。競合には大手メーカーも存在しますが、特定分野における技術的優位性とブランド力で差別化を図っています。

3. 経営戦略

2025年12月期に構造改革を断行し、中国生産管理拠点(ZOOM Dongguan)の閉鎖や固定費削減(年間約4億円想定)により、収益構造の是正を目指しています。これにより、2026年12月期には営業利益6.5億円、当期純利益2.0億円の黒字回復を計画しています。短期的な痛みを伴う改革を経た後、P4next、H6studioなどの新製品群投入で高付加価値化を図り、2027年以降の成長フェーズへの移行を目標としています。株主還元として配当は1株当たり32円を維持する方針です。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 3/9 B: 普通
収益性 1/3 純利益とROAがマイナスだが営業CFはプラス
財務健全性 2/3 流動比率は良好だが負債資本倍率が高め
効率性 0/3 営業利益率、ROE、四半期売上成長率が課題

ズームのPiotroski F-Scoreは3点/9点「B: 普通」と判定されます。収益性では純利益とROAがマイナスとなっているものの、営業キャッシュフローはプラスを維持しています。財務健全性では流動比率が健全な水準にある一方で、負債資本倍率が高い点が課題です。効率性においては営業利益率、ROE、四半期売上成長率のいずれも低調であり、全体的な資本の効率的な活用と成長に改善の余地があることを示唆しています。

【収益性】

過去12か月の営業利益率4.21%ですが、2025年12月期は-0.33%と営業赤字を計上しました。株主資本利益率(ROE)は驚きの-19.81%、総資産利益率(ROA)も-0.18%と、いずれもベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大きく下回っており、抜本的な収益力回復が急務です。

【財務健全性】

自己資本比率は前期の35.7%から30.1%に低下し、財務基盤の弱体化が懸念されます。流動比率1.81倍と、短期的な支払い能力は確保されていますが、負債資本倍率(Total Debt/Equity)は113.34%と高い水準にあり、有利子負債への依存度が高い状況です。

【キャッシュフロー】

指標
営業CF 601百万円
投資CF -690百万円
財務CF -113百万円
フリーCF 29百万円

過去12か月の営業キャッシュフロー601百万円とプラスを維持しており、事業からのキャッシュ創出能力は健在です。しかし、積極的な設備投資や関係会社株式取得により投資キャッシュフロー-690百万円となり、結果としてフリーキャッシュフロー29百万円という小幅なプラスに留まっています。財務活動によるキャッシュフローは配当金支払いなどでマイナスとなっており、現預金残高はやや減少傾向です。

【利益の質】

利益の質は「B (普通(赤字だがキャッシュフロー創出))」と評価されています。2025年12月期は純利益が大幅なマイナスとなりましたが、営業キャッシュフローは黒字を確保しており、事業そのものがキャッシュを生み出す力は残っています。これは赤字が一時的な特別損失による影響が大きいことを示唆しますが、継続的な利益創出能力の回復が課題です。

【四半期進捗】

2025年12月期は構造改革費用の計上などにより、売上高17,437百万円、営業利益-56百万円、当期純利益-1,728百万円と大幅な赤字決算となりました。しかし、2026年12月期には売上高17,500百万円、営業利益650百万円、当期純利益200百万円への回復を見込んでおり、特に利益面でのV字回復に期待が寄せられます。

【バリュエーション】

ズームの現在の株価649.0円に基づくと、PER14.0倍であり、業界平均の12.9倍と比較してやや割高な水準にあります。ただし、2025年12月期は大幅な赤字であるため、このPERは2026年12月期の予想利益に基づいて算出されている可能性があり、その信頼性には留意が必要です。一方、PBR0.50倍であり、業界平均の0.8倍と比較すると大きく割安な水準です。これは、株価が企業の純資産価値を下回っていることを示しますが、業績不振の続く企業ではバリュートラップに陥る可能性も考慮する必要があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
5日線乖離率 +0.34% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +0.77% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +0.78% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +0.78% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDシグナルとRSI状況は共に中立であり、明確な売買シグナルは発生していません。移動平均乖離率はいずれの期間も小幅なプラスであり、株価が主要な移動平均線からわずかに上方に推移していることを示しています。

【テクニカル】

現在の株価649.0円は、過去52週間の高値705.00円に対して約7.9%下、安値601.00円に対して約7.9%上(52週レンジ内位置は46.2%)に位置しています。株価は5日移動平均線(646.80円)、25日移動平均線(644.04円)、75日移動平均線(643.97円)、200日移動平均線(644.06円)の全てを上回っており、短期から中期にかけて緩やかな上昇トレンドを示唆する形状となっています。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +1.25% +11.40% -10.15%pt
3ヶ月 -0.61% +11.23% -11.84%pt
6ヶ月 +1.41% +25.50% -24.09%pt
1年 +3.51% +75.73% -72.22%pt

当銘柄は、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年のいずれの期間においても日経平均株価を大幅に下回るパフォーマンスとなっており、市場全体の成長から大きく取り残されています。

【注意事項】

⚠️ 信用買残が77,900株と累積しており、出来高も少ないため、将来的な売り圧力に注意が必要です。また、当期赤字でPBRが0.50倍であることから、バリュートラップの可能性も考慮すべきです。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
年間ボラティリティ 30.07% △やや注意 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -45.90% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ 0.83 ○普通 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ -0.57 ▲注意 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ -0.37 ▲注意 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.41 ◎良好 日経平均とどれだけ連動するか
0.17 値動きのうち市場要因で説明できる割合

【ポイント解説】

ズームの株価は年間ボラティリティが30.07%とやや高く、過去には-45.90%という大きな下落(最大ドローダウン)を経験しており、そこからの回復は未だ果たせていません。下落リスクに対するリターン効率を示すソルティノレシオや最大下落後の回復力を示すカルマーレシオもマイナスとなっており、リスクに対して十分なリターンが得られていない状況です。現在のボラティリティは過去1年と比較して「低」水準にありますが、市場全体の動き(R²が0.17)で説明できる部分は比較的少なく、個別要因での値動きが大きい傾向があります。

【投資シミュレーション】

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±28万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの4%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 市場競争と需要回復の遅れ: ハンディオーディオ・ビデオレコーダーやマルチエフェクター市場は競争が激しく、特に北米市場での需要回復の遅れや関税政策の継続・拡大が収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外売上高の比率が高く、為替予約等によるヘッジが限定的であるため、USD/JPYやEUR/JPYの為替レート変動(1円変動で営業利益に約1,100万円/600万円の影響)が業績に直接的な影響を及ぼすリスクがあります。
  • 構造改革の不確実性: 2025年に行った構造改革の効果や、計画通り固定費削減や生産委託先との協業による原価低減が進まない場合、2026年以降の黒字回復目標達成が困難となる可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残は77,900株、信用売残は0株で、信用倍率はデータ上0.00倍となっています。これは信用売りがない状態を示しますが、信用買残が積み上がっていることは、将来的に株価上昇局面で利益確定の売り圧力となる可能性を秘めているため、需給状況には注意が必要です。主要株主は、飯島雅宏氏(7.77%)、サウンドハウス(7.73%)、公益財団法人ズームグループ学術振興財団(7.62%)が上位を占めており、安定株主としての存在感が一定程度あります。

8. 株主還元

ズームの現在の配当利回りは4.93%と非常に高く、株主還元に積極的な姿勢が見られます。しかし、2025年12月期の配当性向329.44%と、当期純利益を大きく上回る配当を実施しています。
配当持続可能性: ⚠️ 利益を超える配当を実施中。現水準の維持は困難な可能性。2026年12月期は黒字回復を予想していますが、それでも配当性向は高止まりする見込みであるため、現状の配当水準を長期的に維持できるかは引き続き注視が必要です。自社株買いの状況については、データが提供されていないため不明です。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 国際的なブランド力と技術力、高付加価値新製品投入計画 独自製品供給で収益回復の原動力となる。
⚠️ 弱み 構造改革途上にあり、現在の収益性と財務健全性に課題。高い配当性向。 業績回復が遅れれば株価変動リスクを高める。
🌱 機会 グローバルな音楽制作・動画配信ニーズの拡大。生産拠点の見直しによる原価低減。 構造改革と新製品投入で市場成長を取り込む。
⛔ 脅威 北米市場の需要回復遅延、関税政策の継続・拡大、為替変動。 外部環境の悪化が業績回復に大きな影響を与える。

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
構造改革の成功に期待するリスク許容度の高い投資家 短期的な損失を受け入れ、長期的な成長と高配当に期待。
PBRの割安感を重視するバリュー投資家 純資産価値に対し株価が低い現状に注目し、業績回復による再評価を期待。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 構造改革の進捗と効果: 2026年の黒字回復予想は構造改革の成功が前提であり、計画通りに収益改善が進むかを注視すべきです。
  • 財務健全性の改善: 高い負債比率と配当性向は財務を圧迫しており、自己資本比率の回復と健全な配当水準への移行が重要です。
  • 外部環境の変動: 主要市場の需要回復や為替レート、関税政策の動向が業績に大きく影響するため、これらの情報を継続的に監視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 4.21%(2025年実績-0.33%) 5%以上への回復 収益構造改善の兆候
自己資本比率 30.1% 35%以上への改善 安定的な企業基盤強化
北米市場売上高成長率 データなし(要確認) プラスへの転換 主要市場の需要回復判断

企業情報

銘柄コード 6694
企業名 ズーム
URL https://www.zoom.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 電機・精密 – 電気機器

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ヤマハ 7951 1,117 5,174 21.57 1.05 5.3 2.32
ローランド 7944 4,215 1,120 15.55 2.70 17.5 4.03
河合楽器製作所 7952 2,786 251 30.61 0.53 1.8 3.40

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.49)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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