企業の一言説明
大運は阪神港地盤の港湾運送業を中心に、自動車運送や倉庫業を展開する老舗の企業です。
総合判定
割安だが収益性に課題を持つ成熟企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 安定した事業基盤と競争力のあるバリュエーション: 阪神港を地盤とする港湾運送事業は安定性が高く、PERが業界平均を下回る水準です。
- 堅実な株主還元と健全な財務体質: 配当利回りは3%を超え、配当性向も健全な水準です。自己資本比率も高く財務基盤は強固です。
- 収益構造の改善と効率性の向上が課題: 営業利益率やROEが低く、自動車運送事業は赤字であり、フリーキャッシュフローもマイナスであるため、収益性向上が急務です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 直近四半期売上成長率が5-10%の範囲 |
| 収益性 | D | ROE5%未満、営業利益率3%未満と低水準 |
| 財務健全性 | A | 自己資本比率は高いが流動比率に改善余地あり |
| バリュエーション | B | PERは割安だがPBRは業界平均並みで評価は中立 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 488.0円 | – |
| PER | 8.5倍 | 業界平均11.8倍 |
| PBR | 0.60倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 3.07% | – |
| ROE | 4.65% | – |
1. 企業概要
大運は1945年設立の大阪に本社を置く企業で、阪神港を主要拠点とする港湾運送業を主力に、自動車運送事業も展開しています。主要荷主にはパナソニックやスクリーンが名を連ね、海運貨物の積卸し、通関、倉庫、艀運送、陸上貨物運送、そして中古車ヤードサービスを提供しています。特定の港湾を地盤とする地域密着型の事業モデルが特徴です。
2. 業界ポジション
阪神港を地盤とする港湾運送業界において、長年の実績と大手荷主との関係を強みとしています。地域特化型であるため全国的な市場シェアは限定的ですが、その地域においては堅固な事業基盤を築いています。競合に対しては、永年にわたる信頼とノウハウが参入障壁となり、安定した事業運営を可能にしています。
3. 経営戦略
大運は、港湾運送事業を基盤とし、安定した収益確保と顧客満足度の向上を目指しています。直近の決算短信では、港湾運送事業が売上・利益ともに成長を牽引している一方で、自動車運送事業の赤字が課題として挙げられています。経営陣は通期予想の修正を行っておらず、既存事業の堅実な運営に基づいた収益計画を維持する方針です。最近のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
本銘柄のPiotroski F-Scoreは以下の通りです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 3/3 | 優良 |
| 財務健全性 | 1/3 | やや改善余地あり |
| 効率性 | 1/3 | やや改善余地あり |
収益性: 純利益、営業キャッシュフロー、ROA(純資産に対する利益率)がいずれも0を上回っており、得点満点の「優良」と判定されています。これは、企業が基本的な収益力を有していることを示します。
財務健全性: 流動比率が1.44で目安とされる1.5を下回っており、D/Eレシオ(負債資本比率)も108.85%で目安とされる1.0を上回っているため、財務健全性の項目では得点が低くなっています。ただし、株式の希薄化がない点は評価できます。
効率性: 営業利益率1.86%、ROE(自己資本利益率)4.65%がいずれも目安の達成には至らず、非効率と判断されています。しかし、直近四半期の売上高成長率が6.7%とプラスである点は評価できます。
【収益性】
大運の過去12か月の営業利益率は1.86%と低く、港湾運送という業態の特性上、高い利益率を確保することは難しい状況です。株主資本を効率的に活用して利益を上げているかを示すROEは4.65%、総資産に対する利益率を示すROAは1.36%であり、いずれもベンチマークであるROE 10%、ROA 5%を大きく下回っており、収益性には課題があります。
【財務健全性】
2025年3月期の自己資本比率は63.84%と非常に高く、資金調達における自己資金の割合が多く、安定した財務基盤を有しています。しかし、直近四半期の流動比率は1.44(144%)と、短期的な支払い能力を示す目安とされる2.0(200%)を下回っており、一時的な資金繰りには注意が必要です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 単位 | 営業CF | フリーCF |
|---|---|---|---|
| 過去12か月 | 万円 | 18,429 | -1,409 |
| 2025.03 | 億円 | 2.16 | 1.06 |
| 2024.03 | 億円 | 3.48 | 5.15 |
| 2023.03 | 億円 | 0.87 | 0.73 |
過去12か月の営業キャッシュフローは1億8,429万円のプラスで、本業で着実に現金を稼ぎ出していることを示します。一方で、フリーキャッシュフローは-1,409万円とマイナスであり、事業維持に必要な投資を営業キャッシュフローでは賄えていない状況がうかがえます。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は2.34(234%)と1.0以上を大きく上回っており、計上されている純利益が現金としてしっかりと裏付けられていることを示唆しています。これは、会計上の利益操作リスクが低い、非常に質の高い利益であると評価できます。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算は、通期売上高予想88億万円に対し約79.0%の進捗、通期営業利益予想2億6,000万円に対し約113.0%と既に達成しています。純利益予想2億8,000万円に対して進捗率約93.8%と、計画を上回るペースで推移しており、好調な業績が期待されます。港湾運送事業が売上、利益ともに大きく貢献し、自動車運送事業のセグメント損失を補っています。
【バリュエーション】
大運のPERは8.5倍であり、業界平均の11.8倍と比較して約72%の水準と割安感があります。一方、PBRは0.60倍であり、業界平均の0.5倍と比較して約120%の水準と、純資産に対してはやや割高に評価されている可能性があります。総合的には、PER基準では割安ですが、PBR基準では業界平均をやや上回るため、バリュエーション評価は中立的です。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 5日線乖離率 | – | -1.65% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -4.86% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -3.44% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +3.97% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDシグナルとRSI状況はいずれも「中立」です。株価は短期的な移動平均線(5日、25日、75日)を下回っていますが、長期的な移動平均線(200日)は上回っており、短期的な下落トレンドと長期的な上昇トレンドが混在する状況です。
【テクニカル】
現在の株価488.0円は、52週高値587.00円と52週安値386.00円のレンジの中央やや下、53.3%の位置にあります。また、50日移動平均線516.64円を下回り、200日移動平均線469.86円を上回っています。これは、短期的な下落局面にあるものの、中長期的なトレンドはまだ維持されていることを示唆します。
日経平均との相対パフォーマンス
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -9.63% | +10.03% | -19.66%pt |
| 3ヶ月 | -1.01% | +12.06% | -13.08%pt |
| 6ヶ月 | +4.50% | +22.50% | -18.00%pt |
| 1年 | +31.18% | +76.09% | -44.91%pt |
大運の株価は、全ての期間において日経平均およびTOPIXのパフォーマンスを大きく下回っており、市場全体の上昇トレンドの恩恵を十分に受けていない状況が続いています。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 42.35% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -39.81% | △やや注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.09 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.65 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.54 | ○普通 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.41 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.17 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
本銘柄はベータ値0.46と低く、市場の変動に対し比較的穏やかに値動きをする傾向があります。年間ボラティリティは42.35%と比較的高く、過去に最大-39.81%の下落を経験しています。現在のボラティリティは過去1年で「通常」水準(上位62%)に位置します。市場との相関は0.41と低く、株価変動の17%しか市場要因で説明できないため、独自の要因で変動しやすい銘柄といえます。シャープレシオが-0.09とマイナスであることから、リスクに見合ったリターンが過去1年間は得られなかったことを示します。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±43万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
大運の事業は、主に以下のリスク要因に影響を受ける可能性があります。第一に、国際貿易の動向や景気変動、為替変動が国際貨物輸送に直接影響を与えるリスク。第二に、燃料費の高騰などコスト増加リスク。第三に、国際物流の需給バランス変化による運賃価格競争のリスクが挙げられます。
7. 市場センチメント
信用倍率は0.00倍と非常に低いですが、これは信用売残が0株であるためであり、将来の売り圧力を直接示すものではありません。むしろ、空売りがほとんど入っていない状況を示唆します。ニュース動向分析では、「中立」の総合センチメントで、影響度も低いと評価されており、市場の注目は限定的です。
主要株主構成:
- 自社(自己株口): 22.13%
- 自社協力会社持株会: 16.15%
- 自社従業員持株会: 7.03%
8. 株主還元
大運は3.07%の配当利回りを予定しており、2026年3月期の配当性向(通期予想ベース)は約26.0%と、利益に対して配当に回す割合が健全な水準にあります。2026年3月期は設立80周年記念配当1.00円が含まれるため、年間配当は15円となります。現在の利益水準で配当の持続可能性は高く、減配リスクは低いと考えられます。自社株買いに関するデータはありません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 阪神港地盤の安定した事業基盤 堅実な低配当性向と高配当利回り |
景気変動耐性を持ち安定的な収益が見込める 安定したインカムゲインを期待できる |
| ⚠️ 弱み | 低い収益性と効率性(ROE, 営業利益率) フリーキャッシュフローのマイナス |
利益成長が鈍化し株価上昇の原動力に欠ける 事業拡大や株主還元を制限する可能性がある |
| 🌱 機会 | 関西圏の物流需要拡大による事業機会 国際貿易回復による貨物取扱量の増加 |
地域経済の発展が業績改善を後押しする グローバルな貿易環境改善で事業拡大の可能性がある |
| ⛔ 脅威 | 燃料費高騰や国際物流価格競争の激化 景気変動や自然災害による需要減退リスク |
コスト圧力で収益性がさらに悪化する可能性 外部環境の悪化で業績不振に陥る危険がある |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定配当を求める長期投資家 | 3%を超える配当利回りと健全な配当性向が魅力的 |
| 割安なバリュー株志向の投資家 | 業界平均を下回るPERと高自己資本比率が割安感を提供 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性改善の動向: 営業利益率が低く、ROE・ROAも基準を下回るため、事業効率化の進捗に注目すべきです。
- フリーキャッシュフローの状況: 過去12ヶ月のフリーキャッシュフローがマイナスであり、今後の事業投資と資金創出のバランスに注意が必要です。
- 自動車運送事業の赤字: 港湾運送事業の好調に隠れてはいますが、自動車運送事業のセグメント損失の改善は全体収益向上の鍵となります。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 1.86% | 3%以上への回復 | 企業体質の改善を示す |
| フリーキャッシュフロー | -1,409万円 | プラスへの転換 | 企業が自己成長できるかの目安 |
| 自動車運送事業セグメント利益 | -78千円 | 黒字転換 | 課題事業の改善度を測る |
| 配当性向 | 26.0% | 30-50%以内の維持 | 安定的株主還元の目安 |
企業情報
| 銘柄コード | 9363 |
| 企業名 | 大運 |
| URL | http://www.daiunex.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 488円 |
| EPS(1株利益) | 53.72円 |
| 年間配当 | 15.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.2% | 9.8倍 | 745円 | 11.4% |
| 標準 | 5.6% | 8.5倍 | 599円 | 7.1% |
| 悲観 | 3.3% | 7.2倍 | 457円 | 2.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 488円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 342円 | △ 43%割高 |
| 10% | 427円 | △ 14%割高 |
| 5% | 538円 | ○ 9%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大東港運 | 9367 | 2,062 | 193 | 27.64 | 1.78 | 7.4 | 1.16 |
| リンコーコーポレーション | 9355 | 2,171 | 58 | 8.61 | 0.30 | 3.7 | 2.53 |
| トレーディア | 9365 | 1,551 | 22 | 6.00 | 0.41 | 8.1 | 3.22 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.49)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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