企業の一言説明
両毛システムズは行政、公共、製造業向けにシステム開発・情報処理サービスを展開するIT中堅企業です。
総合判定
高成長を背景に極めて割安な堅実企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて高い財務健全性: Piotroski F-Scoreが満点の9点であり、キャッシュフローも利益を大幅に上回る、非の打ちどころのない財務基盤を誇ります。
- 業界比で大幅な割安感: PER 7.13倍、PBR 0.91倍と、業界平均と比較して株価が過小評価されており、将来の株価上昇余地が大きい可能性があります。
- 堅調な事業成長性: 直近四半期で売上高・純利益ともに前年比37%超と高い成長を継続しており、DX需要の拡大を背景に業績拡大が期待されます。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 四半期売上高が大幅に成長 |
| 収益性 | A | ROEは優良だが営業利益率が及ばず |
| 財務健全性 | A | F-Score満点・高水準だが自己資本比率でSに至らず |
| バリュエーション | S | 業界平均と比較しPER/PBRが大幅割安 |
※スコア凡例: S=優良 / A=良好 / B=普通 / C=やや不安 / D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 3870円 | – |
| PER | 7.13倍 | 業界平均17.6倍 |
| PBR | 0.91倍 | 業界平均1.6倍 |
| 配当利回り | 1.14% | – |
| ROE | 12.11% | – |
1. 企業概要
両毛システムズは、群馬県桐生市に本社を置くミツバ傘下のIT企業です。行政・公共機関、教育機関、医療機関、製造業、流通業など多岐にわたる顧客に対し、ソフトウェア開発、システム販売、情報処理サービス、クラウドサービスなどを提供しています。特に官民向けのシステム開発と情報処理に強みを持ち、近年は製造業向けの一括サービスにも注力しています。
2. 業界ポジション
両毛システムズは情報・通信業において、地域密着型かつ官民両方へのサービス提供を特徴とする中堅企業です。主要株主であるミツバを中心としたグループ内連携に加え、幅広い顧客基盤を持つことで安定的な事業運営を実現しています。特出した市場シェアを持つわけではないものの、特定の地域や公共セクターでは信頼と実績を築いています。
3. 経営戦略
両毛システムズは、官民両方のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進ニーズを取り込み、持続的な成長を目指しています。特に製造業向けにはスマートファクトリーやSAP、CATIA V5といった先進ソリューションを提供し、一括サービスで顧客競争力強化を支援しています。今後もクラウドサービスの強化やデータセンター事業の拡大を通じて、広範な顧客層の課題解決に貢献する方針です。
4. 財務分析
両毛システムズの財務状況を詳細に分析します。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を9つの指標で評価するスコアです。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 9/9 | S: 優良 |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラス |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が健全、D/Eレシオが低い、株式希薄化なし |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率が改善 |
Piotroski F-Scoreは総合スコアで9点満点(S:優良)を獲得しており、収益性、財務健全性、効率性のいずれにおいても非常に高い評価です。これは、同社が安定した収益基盤を持ち、健全な財務体質と効率的な経営を両立していることを示しています。特に純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスである点や、負債比率が低く、高水準の流動比率を維持している点が評価されます。また、高い営業利益率とROE、そして堅調な売上成長率も効率性の高さを示しています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月): 11.18%。ITサービス業としては良好な水準で、効率的な事業運営ができていることを示唆しています。
- ROE(実績): 12.11%(過去12ヶ月では15.15%)。株主資本を効率的に活用し、利益を創出する能力が高く、ベンチマークの10%を上回る優良な水準です。
- ROA(過去12ヶ月): 7.68%。総資産を効率的に利用して利益を生み出しており、ベンチマークの5%を上回る良好な水準です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 55.1%。50%を超える健全な水準であり、財務体質の安定性を示しています。
- 流動比率(直近四半期): 2.69倍(269%)。短期的な支払い能力が極めて高く、財務的に非常に安定していることを裏付けています。
【キャッシュフロー】
両毛システムズのキャッシュフローは以下の通りです。
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | フリーCF(百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 連2023.03 | 2,201 | -1,030 | 605 | 1,171 |
| 連2024.03 | 737 | -3,419 | 1,663 | -2,682 |
| 連2025.03 | 2,209 | -768 | -842 | 1,441 |
| 過去12ヶ月 | 3,620 | -2773.0 (注1) | -896 (注2) | 847 |
| 直近四半期 | 1,034 | -362 | -896 | 671 |
注1: 過去12ヶ月のフリーCFから営業CFを引いた逆算値。データソースの「有形固定資産取得170,938千円、無形固定資産取得111,795千円、合計約282.7百万円」よりも大きいため、他の投資も含まれている可能性あり。
注2: データソースの「財務CF -896百万円」を転記。
過去12ヶ月の営業キャッシュフローは36億2千万円と潤沢で、事業活動から安定して現金を創出できています。フリーキャッシュフローも直近12ヶ月で8億4,737万円、直近四半期でも6億7,100万円とプラスを維持しており、本業で稼いだ資金を新規投資や株主還元に充てる余力があります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率(過去12ヶ月): 1.72。この比率は1.0を大きく上回っており、純利益が会計上の利益だけでなく、実際の現金の流入を伴っていることを示しています。利益の質はS (優良)であり、非常に健全な状況です。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算の通期予想に対する進捗率は、売上高68.6%、営業利益67.9%、親会社株主に帰属する当期純利益68.4%です。第3四半期時点としては概ね順調に推移していますが、残りの四半期での挽回が通期目標達成のカギとなります。直近3四半期の売上高・営業利益は前年同期比で大幅な増加を見せており、好調な業績を維持しています。
【バリュエーション】
両毛システムズのバリュエーションは、PER(会社予想)7.13倍、PBR(実績)0.91倍です。これに対し、情報・通信業の業界平均はPER 17.6倍、PBR 1.6倍です。同社のPERは業界平均の約40%、PBRは約57%と、業界平均と比較して大幅に割安な水準にあります。高い成長性と健全な財務状況を考慮すると、現在の株価は過小評価されている可能性が高いと判断できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値:22.93 / シグナル値:-9.63 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 49.5% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -3.47% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +2.78% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -7.83% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -5.83% | 長期トレンドからの乖離 |
テクニカル指標を見ると、RSIは49.5%と中立域にあり、MACDも特に強いシグナルは出ていません。5日移動平均線は下回っていますが、25日移動平均線は上回っており、短期的な方向感は定まらない状況です。一方で、75日線および200日線は下回っており、中期・長期のトレンドは下降基調にあることが示唆されます。
【テクニカル】
現在の株価3,870円は、52週高値5,420円から約29%下落した水準であり、52週安値2,776円からは約40%上昇した位置にあります(52週レンジ内位置:46.8%)。株価は最近50日移動平均線(3,970.10円)と200日移動平均線(4,132.90円)を下回っており、上値の重さが意識される状況です。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +10.26% | +15.48% | -5.22%pt |
| 3ヶ月 | -18.27% | +13.30% | -31.57%pt |
| 6ヶ月 | -5.26% | +21.50% | -26.76%pt |
| 1年 | +53.09% | +76.64% | -23.56%pt |
当銘柄の株価パフォーマンスは直近1年で+53.09%とプラスではあるものの、日経平均の上昇率を大きく下回っています。特に3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期では日経平均比でアンダーパフォームしており、市場全体の勢いには乗り切れていない状況です。
【注意事項】
データなし
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.35 | ◎良好 | 市場平均より値動きが大きいか小さいか |
| 年間ボラティリティ | 37.26% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -46.34% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.43 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.94 | ○普通 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.62 | ○普通 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.35 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.13 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
両毛システムズはベータ値0.35と市場連動性が低く、R²も0.13と低いことから、市場全体の動きに比較的左右されにくい独自の株価変動パターンを持つ銘柄と言えます。一方で、年間ボラティリティは37.26%と「やや注意」水準であり、過去には-46.34%という大きな最大ドローダウンを経験しており、値動きが荒くなるリスクがあります。現在のボラティリティ水準は過去1年で高水準(上位85%)です。また、シャープレシオが-0.43とマイナスであるため、リスクに見合うリターンが十分に得られていない状況です。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±36万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- IT人材不足と人件費の高騰: IT業界全体で人材獲得競争が激化しており、人件費上昇は収益を圧迫する可能性があります。
- 技術革新への対応: IT技術は進化が速く、新しい技術トレンドへの対応の遅れは競争力低下に繋がる可能性があります。
- 公共事業依存度: 公共事業は安定しているものの、政府予算や政策変更の影響を受けやすく、変動リスクを内包します。
7. 市場センチメント
信用買残は32,400株と存在しますが、信用売残が0株であるため、計算上の信用倍率は0.00倍となっています。信用売残がない状態は、将来の買い戻しによる株価上昇圧力がないことを意味しますが、同時に信用買残が積み上がった場合の将来の売り圧力には注意が必要です。
主要株主構成は以下の通りです。
- ミツバ: 51.14%
- 横浜銀行: 4.93%
- HIKARI TSUSHIN INVESTMENTS OKINAWA(株): 3.05%
8. 株主還元
両毛システムズの配当利回りは1.14%(会社予想)、配当性向は過去12ヶ月で7.86%です。配当性向は非常に低く、利益に対して余裕を持った配当を実施しているため、現状の配当水準は持続可能性が高いと言えます。2026年3月期の年間配当は前期実績の42円から44円に増配予想であり、株主還元への意欲も伺えます。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 高い財務健全性と収益性(F-Score満点、ROE15%超) 官民からの安定した需要と幅広い顧客基盤 |
安定した経営基盤と収益力が株価を下支えする |
| ⚠️ 弱み | 市場平均を下回る株価パフォーマンス 親会社ミツバへの依存度 |
株価が市場の関心を集めにくく、割安感が解消されにくい |
| 🌱 機会 | DX推進によるシステム投資需要の拡大 スマートシティ関連など新規領域への展開機会 |
中長期的な成長を牽引する事業拡大の余地が大きい |
| ⛔ 脅威 | IT人材の獲得競争激化とコスト上昇 技術革新への対応遅れ |
利益率の圧迫や競争力低下を招くリスクがある |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 割安成長株を求める中長期投資家 | 業界平均比で大幅に割安な企業価値で高成長に期待 |
| 財務内容の健全性を重視する投資家 | F-Score満点の優れた財務品質は安心感をもたらす |
この銘柄を検討する際の注意点
- 過去の株価変動リスク: 年間ボラティリティが高く、過去に大きな下落を経験しているため、短期的な値動きの荒さには注意が必要です。
- 市場評価と流動性の低さ: 非常に割安な水準にありながらも市場からの評価が低く、出来高が少ないため、流動性が低い点に留意が必要です。
- 親会社との関係性: 主要株主ミツバの保有割合が高く、経営方針が親会社の影響を受ける可能性がある点も考慮すべきです。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 四半期売上成長率 | 37.7% | 20%未満への減速 | 成長の持続性を評価 |
| 営業利益率 | 11.18% | 10%を下回る | 収益性の維持能力を把握 |
| 信用買残推移 | 32,400株 | 5万株超への増加 | 将来の売り圧力増大を監視 |
企業情報
| 銘柄コード | 9691 |
| 企業名 | 両毛システムズ |
| URL | http://www.ryomo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,870円 |
| EPS(1株利益) | 543.08円 |
| 年間配当 | 1.14円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.2% | 8.2倍 | 7,566円 | 14.4% |
| 標準 | 8.6% | 7.1倍 | 5,850円 | 8.6% |
| 悲観 | 5.2% | 6.1倍 | 4,233円 | 1.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,870円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,912円 | △ 33%割高 |
| 10% | 3,637円 | △ 6%割高 |
| 5% | 4,589円 | ○ 16%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NCD | 4783 | 2,549 | 211 | 12.82 | 2.57 | 21.1 | 4.70 |
| 鈴与シンワート | 9360 | 2,942 | 88 | 7.80 | 1.77 | 25.0 | 3.73 |
| IC | 4769 | – | 80 | 20.01 | 1.19 | 6.2 | 3.86 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。