企業の一言説明

エービーシー・マートは靴小売店「ABCマート」を全国展開し、VANS、HAWKINSなどの多様なブランドを取り扱う国内トップクラスの靴小売業です。

総合判定

堅実な成長と優れた財務健全性を誇る安定配当銘柄

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高収益体質と強固な財務基盤: 営業利益率16%超、自己資本比率87%超、Piotroski F-Score満点の圧倒的な財務健全性。
  • 国内外での着実な事業拡大: 国内既存店強化と海外展開(韓国、台湾、ベトナム、米国)による継続的な売上・利益成長。
  • 業界平均を下回るバリュエーション: 高い収益性・成長性にもかかわらずPER・PBRが業界平均より割安水準にあり、評価不足の可能性。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 B 来期5%台の売上成長予想で堅調
収益性 A ROE12%超、営業利益率16%台で高水準
財務健全性 S 自己資本比率87%超、F-Score満点の優良財務
バリュエーション A 業界PER/PBR比で割安余地あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2713.5円
PER 14.48倍 業界平均21.3倍
PBR 1.69倍 業界平均1.8倍
配当利回り 2.95%
ROE 12.11%

1. 企業概要

エービーシー・マートは1985年設立、東京都港区に本社を置く靴小売業のリーディングカンパニーです。全国に展開する「ABCマート」店舗を通じて、スニーカー、スポーツシューズ、ビジネスシューズ、カジュアルシューズなどを幅広く販売しており、VANS、HAWKINS、Sauconyといった自社ライセンスブランドや独自開発ブランドも展開しています。商品開発から小売りまで一貫して手掛けることで、顧客ニーズへの迅速な対応と高い粗利率を実現している点が強みです。

2. 業界ポジション

エービーシー・マートは、国内靴小売業界において圧倒的なリーダーシップを確立しており、幅広い価格帯と多様なブランドラインナップで高い市場シェアを誇ります。競合はG-FOOT(ASBee等)やチヨダ(シュープラザ等)が挙げられますが、エービーシー・マートは特に若年層や流行に敏感な層への訴求力が強く、VANSなど有力ブランドの独占販売権を持つことが大きな差別化要因となっています。また、海外展開を積極的に進めることで、国内市場の成熟に対応しています。

3. 経営戦略

エービーシー・マートは「世界に通じる小売業」を目指し、国内では既存店強化とDX推進による顧客体験向上、海外では店舗網拡大とブランド認知度向上を成長戦略の柱としています。2027年2月期の会社予想では、売上高4,008億円(前期比+5.9%)、営業利益656億円(前期比+3.7%)の増収増益を見込んでおり、今後も安定的な成長が期待されます。直近の重要イベントとしては、2026年7月8日に次期決算発表が、2026年8月28日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 9/9 S: 優良
収益性 3/3 純利益が黒字、営業CFがプラス、ROAがプラスで本業の収益力が極めて良好
財務健全性 3/3 流動比率が健全、D/Eレシオが低い、株式希薄化なしで盤石な財務体質
効率性 3/3 営業利益率向上、ROE向上、四半期売上成長率プラスで効率的な経営と成長性を示す

エービーシー・マートのPiotroski F-Scoreは満点の9/9点(S: 優良)と評価されました。これは収益性、財務健全性、効率性の全てにおいて最高の評価を得ていることを示しており、極めて強固な財務基盤と高い経営効率を持つ優良企業であることを裏付けています。特に、3/3の収益性スコアは、純利益の黒字化、営業キャッシュフローの継続的なプラス、そして投下資本に対する利益率(ROA)のプラスを意味し、本業で堅実かつ確実にキャッシュを生み出している高収益体質を証明しています。また、財務健全性3/3は、高い流動性(短期支払い能力)と低レバレッジ(負債依存度)を維持し、株主価値の希薄化も生じていない盤石な財務基質を示唆しており、不測の事態にも十分に耐えうる強靭さを持ち合わせていると言えます。さらに、効率性3/3は、昨年と比較した営業利益率とROEの改善、そして四半期売上高の成長を達成しており、経営資源を効率的に活用しながら事業を拡大していることが評価されています。

【収益性】

エービーシー・マートの収益性は非常に高い水準にあります。過去12か月の営業利益率16.56%と、一般的な小売業と比較しても高い水準を誇ります。これは自社ブランドの強みや効率的な店舗運営が寄与していると考えられます。ROE(株主資本利益率)12.07%(過去12ヶ月実績)と、日本企業の一般的な目安とされる10%を上回り、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、評価は良好です。ROA(総資産利益率)8.96%と、5%のベンチマークを大きく超えており、総資産に対する利益創出力も優良です。

【財務健全性】

財務健全性は極めて優良です。自己資本比率87.5%と非常に高く、財務の安定性が際立っています。これは会社が事業活動に必要な資金のほとんどを自己資金で賄っており、借入依存度が極めて低いことを意味します。流動比率6.59倍(659%)と、短期的な支払い能力が極めて高く、経営基盤の盤石さを示しています。これは流動負債の6倍以上の流動資産を持っており、短期的な資金繰りの心配がほとんど不要な水準です。

【キャッシュフロー】

エービーシー・マートのキャッシュフローは継続的に潤沢であり、安定した事業運営を支えています。

指標 2024.02(百万円) 2025.02(百万円) 2026.02(百万円)
営業CF 51,230 56,125 41,814
投資CF -11,405 -15,103 -15,403
財務CF -18,587 -17,082 -18,382
フリーCF 39,825 41,022 26,411

営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)は、2026年2月期に418億1,400万円と前々期から減少したものの、依然として高水準を維持しており、本業で安定的にキャッシュを生み出す力があることを示しています。投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)は継続してマイナスであり、事業拡大のための設備投資やM&Aなどを積極的に行っていることが伺えます。フリーキャッシュフロー(FCF)は264億1,100万円と、営業CFから投資CFを差し引いても十分なキャッシュが手元に残っており、財務の健全性と成長への投資余力を両立させています。

【利益の質】

営業CF/純利益比率0.90です。これは純利益の約90%が営業キャッシュフローで裏付けられていることを意味し、利益の質はB(普通)と評価できます。現金収益性が高く、会計上の利益と実際の現金の流れが概ね連動している健全な状態を示していると考えられます。

【四半期進捗】

2026年2月期は既に通期決算が発表されており、2027年2月期の会社予想(売上高4,008億円、営業利益656億円、純利益464億円)に対する進捗率はまだありません。同社は前期比で売上高+5.9%、営業利益+3.7%、当期純利益+0.1%と、引き続き堅実な成長を見込んでいます。

【バリュエーション】

エービーシー・マートのバリュエーションは、高い収益性・財務健全性を考慮すると、業界平均と比較して割安感がある可能性があります。会社予想ベースのPERは14.48倍であり、小売業界平均の21.3倍と比較すると低く、利益に対して株価が割安であると判断できます。PBR(株価純資産倍率)は1.69倍で、業界平均の1.8倍よりわずかに低い水準です。これは、企業の純資産価値に対して株価がほぼ適正か、やや割安な水準にあることを示しており、高いROEを持つ企業としては評価不足の可能性も考えられます。業種平均PER基準の目標株価は3988円、業種平均PBR基準の目標株価は2894円であり、現状株価(2713.5円)はPBR基準目標に近いですが、PER基準では上値余地があると言えます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 45.55 / シグナル値: 62.75 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 48.7% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -1.56% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -0.03% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +4.45% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -1.26% 長期トレンドからの乖離

テクニカル指標を見ると、MACDは中立状態であり、明確な売買シグナルは発生していません。RSIも48.7%と50%近辺に位置しており、買われすぎでも売られすぎでもない中立な状態です。移動平均線乖離率では、5日線、25日線、200日線からはわずかに下回っているものの、75日線からは上回っており、株価は短期的に若干の調整局面にあるものの、中期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。

【テクニカル】

株価2713.5円は、52週高値3,270円と52週安値2,375.50円のレンジの中央やや下(37.8%)に位置しています。直近では25日移動平均線(2,714.40円)をわずかに下回っており、短期的な上値の重さが示唆されます。しかし、75日移動平均線(2,598.96円)は上回っており、中期的な上昇トレンドはまだ継続していると見ることができます。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +7.83% +15.48% -7.65%pt
3ヶ月 +10.64% +13.30% -2.65%pt
6ヶ月 +0.28% +21.50% -21.22%pt
1年 +3.91% +76.64% -72.74%pt

足元の1ヶ月および3ヶ月リターンでは、エービーシー・マートは日経平均には劣後するものの、TOPIXに対してはそれぞれ+1.34%pt、+4.46%ptとアウトパフォームしています。これは、同社が一部グロース株的な特性を持ちつつも、内需系小売の側面も強いため、幅広い業種で構成されるTOPIXに対する相対優位性があることを示唆しています。しかし、過去6ヶ月や1年で見ると、日経平均の大きな上昇トレンドには乗り切れず、市場全体からは大きく劣後しています。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 -0.17 ○普通 市場平均より値動きが大きいか小さいか
年間ボラティリティ 26.46% ○普通 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -55.08% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ 0.23 △やや注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.68 △やや注意 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.27 △やや注意 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.30 ○普通 日経平均とどれだけ連動するか
0.09 値動きのうち市場要因で説明できる割合

【ポイント解説】

エービーシー・マートの株価は、ベータ値が-0.17と非常に低く、市場全体の動きとは逆行する、あるいは非連動型の独自の値動きをする特性があります。年間ボラティリティは26.46%と普通水準ですが、現在のボラティリティ水準(20日実現ボラティリティ 38.10%)は過去1年で極めて高い水準にあり、直近では値動きが激しい状況です。過去の最大ドローダウンは-55.08%と大きく、この程度の下落リスクは将来も存在しうると認識すべきです。シャープレシオやソルティノレシオもやや注意レベルであり、リスクに対して見合うリターンを期待しにくい局面である可能性を示唆しています。市場連動性(R²=0.09)が低いため、日経平均などの市場全体の動きよりも、企業固有のニュースや業績が株価に与える影響が大きい銘柄と言えます。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±31万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 景気変動リスク: 小売業であるため、個人消費の動向や景気低迷は売上高に直接影響を与える可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外展開や輸入品の仕入れがあるため、為替レートの変動は原材料費や海外子会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 競争激化リスク: アパレル・靴業界は競争が激しく、他社との競争、ECサイトの台頭などにより市場シェアや利益率が低下するリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残は61,800株、信用売残は45,000株で、信用倍率は1.37倍です。信用倍率は1倍をわずかに上回る程度で、需給面での大きな歪みは現状見られず、将来の売り圧力が著しく高まるような状況ではありません。
主要株主構成を見ると、合同会社イーエム・プランニングが49.89%、三木正浩氏が9.54%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が7.37%を保有しており、創業家及び資産管理会社が大半を保有し、安定した株主構成です。

8. 株主還元

エービーシー・マートは株主還元に積極的な姿勢を示しています。配当利回り(会社予想)は2.95%であり、高水準ではありませんが安定的に配当を支払っています。配当性向は40.07%(2027年2月期予想)と、利益の約4割を配当に回す健全な水準であり、持続的な配当が期待できます。2026年2月期には年間配当75円(前期70円)と増配しており、2027年2月期も年間80円への増配を計画しています。現在の配当性向は30-50%の範囲内であるため、配当持続可能性に対する特段の警告は不要です。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 高いブランド力と独自の仕入れ・開発力
極めて強固な財務基盤と高い収益性
安定成長と財務の安心感が株価を支える
⚠️ 弱み 海外セグメントの利益成長鈍化
市場全体のトレンドに乗り切れない株価
海外戦略の成果が業績に影響する可能性
🌱 機会 堅調な国内既存店売上と海外展開の成長余地
インバウンド需要回復による売上上乗せ
将来的なさらなる業績拡大に寄与する
⛔ 脅威 個人消費の低迷や競合激化
サプライチェーン問題や為替変動リスク
外部環境の変化が業績に悪影響を及ぼす

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
安定成長を求める中長期投資家 堅実な事業成長と盤石な財務基盤が魅力のため
高い財務健全性を重視する投資家 自己資本比率が高く信用リスクが極めて低いため

この銘柄を検討する際の注意点

  • 市場全体のトレンドとの乖離: 日経平均に大きく劣後することがあり、市場全体の上昇の恩恵を受けにくい可能性がある。
  • 海外事業の不振: 直近で海外セグメントの売上・利益が減少しており、今後の回復動向を注視すべきである。
  • 短期的なボラティリティの高さ: 現在の株価は値動きが激しくなっているため、慎重なエントリーが求められる。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
海外セグメント利益 70億3,100万円 前期比でプラス成長に転換 成長 драйバーとしての回復状況を確認
営業利益率 16.56% 17.0%以上を維持 高収益体質の持続性を測る指標
棚卸資産回転期間 データなし 減少傾向、または前期比横ばい 適正在庫水準を維持し効率性を確保

企業情報

銘柄コード 2670
企業名 エービーシー・マート
URL http://www.abc-mart.com/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,714円
EPS(1株利益) 187.39円
年間配当 2.95円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 10.9% 16.7倍 5,227円 14.1%
標準 8.4% 14.5倍 4,054円 8.5%
悲観 5.0% 12.3倍 2,946円 1.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,714円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,025円 △ 34%割高
10% 2,529円 △ 7%割高
5% 3,191円 ○ 15%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ユナイテッドアローズ 7606 2,477 748 13.36 1.60 14.8 3.31
チヨダ 8185 976 335 30.50 0.66 2.2 5.53
ジーフット 2686 297 126

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.59)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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