企業の一言説明
東陽倉庫は名古屋を地盤に国際・国内の総合物流サービスと不動産事業を展開する企業です。
総合判定
割安な純資産を持つ堅実な配当銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- PBRが0.57倍と純資産の半分程度で取引されており、配当利回りも高い水準で安定している。
- 堅実な物流事業と不動産事業を両輪とし、市場変動に強いディフェンシブな側面を持つ。
- 信用倍率が異常に高く、将来的な売り圧力が懸念されるほか、流動性も低い。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 予想EPS成長率が2桁で良好 |
| 収益性 | C | ROE・ROAが市場および目標を下回る |
| 財務健全性 | A | 自己資本比率が高くF-Scoreも良好 |
| バリュエーション | B | PERは割安だがPBRは業界平均並み |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,114.0円 | – |
| PER | 9.59倍 | 業界平均11.8倍 |
| PBR | 0.57倍 | 業界平均0.50倍 |
| 配当利回り | 3.31% | – |
| ROE | 5.77% | – |
1. 企業概要
東陽倉庫は1926年設立の老舗総合物流企業で、保管、荷役、陸上運送、通関、国際輸送などを一貫して提供しています。名古屋を地盤に、農水産品、食品、自動車関連部品の物流に強みを持ち、その他に不動産の賃貸・管理を行う不動産事業も展開しています。親会社は東レであり、安定した経営基盤を背景に幅広いサービスを提供している点が特徴です。
2. 業界ポジション
同社は名古屋を中心とした東海エリアに強固な地盤を築き、地域密着型の総合物流企業として独自の地位を確立しています。多様な物流サービスと不動産賃貸事業を組み合わせることで、顧客への付加価値提供と安定的な収益確保を図っています。大規模なM&Aによる成長よりも、既存事業の堅実な運営と効率化を重視する傾向があり、特定の地域や産業に深く根ざした事業展開が強みです。
3. 経営戦略
東陽倉庫は、物流事業の効率化とサービス品質の向上を軸に、収益性改善を目指しています。2026年3月期第3四半期決算では、物流事業は堅調に推移し増収増益を達成しており、通期会社予想に対する進捗も良好で、達成可能性が高いと評価されています。同社は、安定的成長を支える不動産事業も強化しつつ、燃料費や人件費などのコスト上昇圧力に対応するための取り組みを継続しています。また、積極的な株主還元姿勢を示しており、2026年3月期の年間配当は前期から増配となる70円を予定しています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | ✅純利益>0、✅ROA>0、N/A営業CF>0 |
| 財務健全性 | 3/3 | ✅流動比率>=1.5、✅D/Eレシオ<1.0、✅株式希薄化なし |
| 効率性 | 1/3 | ❌営業利益率>10%、❌ROE>10%、✅四半期売上成長率>0% |
Piotroski F-Scoreは6点/9点で「A: 良好」と評価されます。これは同社の財務体質が総合的に健全であることを示唆します。収益性では純利益とROAがプラスであると評価される一方、営業キャッシュフローのデータは直接提供されていないものの、営業利益率とROEが目標水準に達していないため、効率性に課題が残ります。しかし、財務健全性においては、流動比率やD/Eレシオ、株式希薄化の観点から満点を取得しており、盤石な財務基盤を有していることが示されています。
【収益性】
営業利益率は過去12か月の実績で4.84%と、一般的な目安である5-10%の範囲の下限に位置しており、収益性には改善余地があります。ROE(株主資本利益率)は過去12か月の実績で5.86%と、資本効率の目安とされる10%を下回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が課題です。また、ROA(総資産利益率)は過去12か月の実績で1.61%と、目安の5%を大きく下回っており、総資産に対する利益貢献度は低い水準にあります。
【財務健全性】
自己資本比率は実績で54.8%と高く、財務の安定性を示す良好な水準を維持しています。流動比率は直近四半期で1.63倍(163%)であり、短期的な支払い能力に問題はないと判断できます。同社は金融機関からの借入も活用しつつ、安定した事業運営を行っている堅実な財務体質です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | -711百万円 | 2,651百万円 | -3,362百万円 | 1,372百万円 | 8,328百万円 |
| 2024.03 | -1,264百万円 | 1,811百万円 | -3,075百万円 | -508百万円 | 6,556百万円 |
| 2025.03 | 1,232百万円 | 3,243百万円 | -2,011百万円 | -1,442百万円 | 6,346百万円 |
同社の営業キャッシュフロー(営業CF)は2025年3月期に3,243百万円と大幅に改善し、フリーキャッシュフロー(FCF)も1,232百万円のプラスに転じています。これは、本業で稼ぐ力が強化され、投資活動に必要な資金を内部でまかなえている良好な状態を示しています。過去2年間は投資が先行してフリーCFがマイナスでしたが、2025年に安定性を回復したことは評価できる点です。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は、2025年3月期の実績で2.17倍(営業CF 3,243百万円 / 純利益 1,495百万円)と1.0倍を大きく上回っており、利益の質が非常に高いことを示しています。これは、決算書上の利益が、実質的な現金の流入を伴っている健全な状態であることを意味します。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期累計の通期予想に対する進捗率は、売上高76.9%、営業利益83.2%、経常利益83.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益88.7%と、いずれも高い水準で推移しており、通期予想の達成可能性は高いと評価できます。ただし、特別利益(投資有価証券売却益等)が純利益を押し上げている点、持分法投資利益の減少や支払利息の増加が経常利益を圧迫している点は、今後の動向を注視する必要があります。
【バリュエーション】
東陽倉庫のPER(会社予想)は9.59倍に対し、業界平均は11.8倍と、同社のPERは業界平均と比較して割安な水準にあります。PBR(実績)は0.57倍であり、業界平均の0.50倍をわずかに上回りますが、純資産の半分程度の評価に留まっています。目標株価は業種平均PER基準で2,657円、業種平均PBR基準で1,864円と試算され、株価が割安である可能性を示唆しています。この水準は、市場が同社の収益性や成長性を保守的に評価していることを示唆しており、将来の利益成長やPBR改善の取り組みが評価されれば、株価の上昇余地はあります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 2.68 / シグナルライン: 3.82 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 54.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.45% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +0.31% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +1.81% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +10.40% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDシグナルは中立で、RSIは54.1%と買われすぎ・売られすぎの判断はできません。株価はすべての移動平均線の上に位置しており、特に200日移動平均線からの乖離率が+10.49%と大きくなっています。これは短期から中長期にわたり、上昇トレンドが継続していることを示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価2,114.0円は、52週高値2,166.0円に近い水準にあり、52週レンジ内位置は93.0%で高値圏で推移しています。全ての移動平均線(5日線、25日線、75日線、200日線)を上回っており、短期から中長期にかけて株価が上昇基調にあることを示しています。直近1ヶ月および3ヶ月のレンジ上限にも近い位置にあり、上値抵抗線も意識される局面です。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +1.59% | +15.48% | -13.89%pt |
| 3ヶ月 | +1.83% | +13.30% | -11.47%pt |
| 6ヶ月 | +11.50% | +21.50% | -10.00%pt |
| 1年 | +48.14% | +76.64% | -28.50%pt |
当銘柄は過去1年で+48.14%と大幅に上昇していますが、日経平均の+76.64%には及ばず、市場全体と比較するとパフォーマンスは劣後しています。特に直近1ヶ月から6ヶ月の期間で日経平均との差が広がっており、市場の大型株への資金流入の影響を受けている可能性があります。
6. リスク評価
⚠️ 信用倍率251.64倍、将来の売り圧力に注意
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.34 | ◎良好 | 市場平均より値動きが小さい |
| 年間ボラティリティ | 20.65% | ○普通 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -24.76% | ○普通 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.58 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.88 | ○普通 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.63 | ○普通 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.53 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.28 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
東陽倉庫の株価は、ベータ値0.34が示すように市場全体(日経平均など)の値動きに比べて穏やかな特性を持つディフェンシブな傾向があります。年間のボラティリティは20.65%と普通水準ですが、シャープレシオが-0.58と「▲注意」の判定であり、過去の特定期間ではリスクを取った分だけ十分なリターンが得られていない可能性があります。現在のボラティリティは過去1年で「低」水準にあり、直近の値動きは比較的落ち着いている状況です。市場連動性は高いものの、R²が0.28と低いため、株価は市場全体の動きに加えて企業固有の要因で大きく変動しやすい特性も持っています。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±20万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの5%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- コスト上昇: 原油価格高騰による燃料費や人件費の上昇が、収益を圧迫する可能性があります。
- 経済状況の変動: 国内外の景気変動や国際貿易量の影響を直接受けやすく、荷動きの減少が業績に響く恐れがあります。
- 金利変動リスク: 有利子負債の増加と金融政策変更に伴う金利上昇は、支払利息の増加を通じて経常利益を圧迫する可能性があります。
- 流動性不足: 日々の出来高が少なく、市場で大量の株式を売買する際に希望する価格で取引できない流動性リスクがあります。
7. 市場センチメント
信用買残が276,800株に対し信用売残が1,100株と極めて少なく、信用倍率は251.64倍と高水準にあります。これは将来的に大量の買い玉が売り圧力となる可能性があり、注意が必要です。主要株主は、あいち銀行(4.74%)、ダイセー倉庫運輸(4.58%)、自社(自己株口)(4.13%)などが上位を占めており、安定株主が多く経営基盤は安定していると考えられます。
8. 株主還元
東陽倉庫の配当利回りは3.31%と市場平均を上回っており、魅力的な水準です。2026年3月期の会社予想に基づく配当性向は30.4%と、利益水準に対して十分に余裕を持った健全な範囲にあり、配当の持続可能性は高いと判断できます。過去の自社株買いの状況として自社(自己株口)が発行済株式数の4.13%を保有しており、株主還元への意識はあると見られますが、直近の具体的な自社株買いの情報は提供されていません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 名古屋地盤の総合物流と不動産事業の安定性 | 景気変動耐性があり、長期保有に向く |
| ⚠️ 弱み | ROE・ROAが低く、資本効率と収益性に課題 経常利益を圧迫する金利負担 |
利益水準の改善が株価上昇の鍵となる |
| 🌱 機会 | 東海経済圏の発展による物流需要の継続 既存資産を活用した不動産価値向上 |
地域経済の成長が業績を底上げする |
| ⛔ 脅威 | 燃料費高騰や人件費上昇などのコスト増加 景気後退や金利変動による影響 |
コスト管理と金利動向を注視すべき |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定配当を求める長期投資家 | 高い配当利回りと健全な配当性向が魅力 |
| 割安株を好むバリュー投資家 | PBRが純資産の半分程度で取引されているため |
この銘柄を検討する際の注意点
- 信用倍率の高さ: 信用倍率が251倍と非常に高く、将来の売り圧力につながる可能性があるため、今後の動向を注意深く確認する必要があります。
- 収益性の改善: ROE、ROAが業界平均や目標水準を下回っており、資本効率の改善が株価の本格的な上昇には不可欠な課題です。
- 金利変動リスク: 有利子負債の増加と金融政策に伴う金利上昇は、支払利息増加を通じて経常利益を圧迫するため、金利動向を注視すべきです。
- 流動性リスク: 出来高が少なく、市場で大量の株式を売買する際に希望する価格で取引できない可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.84% | 5.5%以上への回復 | 収益性改善の動向を示す |
| ROE | 5.86% | 8%以上への改善 | 資本効率の向上を確認 |
| 信用倍率 | 251.64倍 | 100倍以下への低下 | 将来の売り圧力緩和を示す |
| 経常利益 | 1,458百万円(3Q累計) | 前期比プラスを維持 | 利払い負担の影響を把握 |
企業情報
| 銘柄コード | 9306 |
| 企業名 | 東陽倉庫 |
| URL | http://www.toyo-logistics.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,114円 |
| EPS(1株利益) | 220.46円 |
| 年間配当 | 3.31円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.7% | 11.0倍 | 3,214円 | 8.9% |
| 標準 | 4.4% | 9.6倍 | 2,624円 | 4.6% |
| 悲観 | 2.7% | 8.2倍 | 2,048円 | -0.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,114円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,314円 | △ 61%割高 |
| 10% | 1,641円 | △ 29%割高 |
| 5% | 2,071円 | △ 2%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中央倉庫 | 9319 | 1,989 | 379 | 21.06 | 0.75 | 3.9 | 1.91 |
| 川西倉庫 | 9322 | 2,378 | 196 | 27.65 | 0.84 | 3.3 | 5.46 |
| 杉村倉庫 | 9307 | 1,035 | 169 | 17.87 | 0.97 | 5.6 | 1.15 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.63)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。