企業の一言説明
理研計器は産業用ガス検知警報機器と分析計を展開する国内首位の企業です。
総合判定
堅実な高収益体質だが成長加速に注目
投資判断のための3つのキーポイント
- 産業用ガス検知器国内首位の安定した事業基盤と高い収益性
- 極めて強固な財務体質と安定的な株主還元策で企業価値を保全
- 海外市場での成長加速と新規事業開拓が今後の成長ドライバー
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 年次売上成長は堅実だが加速が必要性 |
| 収益性 | A | 営業利益率とROEが共に高水準を維持 |
| 財務健全性 | S | 自己資本比率が高く非常に強固な財務基盤 |
| バリュエーション | A | PERは割安、PBRは適正水準と判断できる |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 3,360.0円 | – |
| PER | 17.94倍 | 業界平均21.1倍 |
| PBR | 1.88倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 1.49% | – |
1. 企業概要
理研計器は1934年設立の老舗企業で、産業用ガス検知警報機器および分析計の研究開発、製造、販売、保守を手掛けています。主力は定置型・可搬型ガス検知器で、高い技術的独自性と安全分野における不可欠な製品を提供し、安定した収益モデルを確立しています。
2. 業界ポジション
ガス検知警報機器市場において国内トップシェアを誇ります。長年にわたる技術蓄積と信頼性が参入障壁となり、競合に対して優位性を維持。防災関連分野への注力も強みで、幅広い産業に製品を供給しています。海外展開も積極的に進めています。
3. 経営戦略
中期経営計画では国内市場での安定基盤維持に加え、アジアを中心とした海外市場での事業拡大を加速しています。2026年3月期には売上高520億円、営業利益120億円を目指しており、直近の第2四半期には上海に子会社を設立し、連結範囲を拡大しています。2026年5月13日に決算発表を予定しています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 優良 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAはプラスだが、営業CFのデータ評価は不足 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率とD/Eレシオが良好、株式希薄化もなし |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率全てが良好 |
F-Score解説: 理研計器の総合スコアは8/9と「優良」に位置付けられます。これは、高い収益性、極めて良好な財務健全性、そして効率的な経営が複合的に評価された結果です。特に財務健全性と効率性の項目は満点であり、企業としての安定性と成長に向けた基盤の強さを示しています。収益性に関しては、純利益とROAがプラスであるものの、営業キャッシュフローの項目が「データなし」とされているため、今後のキャッシュフロー創出力の推移に注目が必要です。
【収益性】
- 営業利益率: 過去12か月で21.16%と非常に高い水準を維持しており、本業で高い収益力を生み出していることを示しています。
- ROE: 実績で10.68%と、株主資本を効率的に活用して利益を上げている良好な水準です。
- ROA: F-Score詳細より8.63%と、総資産に対する利益貢献度も高く、効率的な経営ができていると評価できます。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 実績で83.5%を誇り、非常に強固な財務基盤を有しています。これは、外部負債への依存度が極めて低く、経済変動に対する耐性が高いことを意味します。
- 流動比率: 直近四半期で5.50倍と非常に高く、短期的な支払い能力に全く問題がない極めて良好な状態です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | フリーCF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 4,572 | -648 | -4,255 | 3,924 | 18,913 |
| 2024.03 | 2,613 | -2,463 | -2,464 | 150 | 17,167 |
| 2025.03 | 6,295 | -650 | -4,168 | 5,645 | 19,033 |
2025年3月期における営業キャッシュフローは6,295百万円と大幅に回復し、投資キャッシュフローを上回るフリーキャッシュフロー5,645百万円を創出しており、事業活動による資金創出力は堅調です。現金等残高も19,033百万円と潤沢で、今後の成長投資余力も十分です。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は2025年3月期実績ベースで0.79です。これは、会計上の利益の一部が現金として入ってきておらず、利益の質がやや低い水準にあります。ただし、キャッシュフローの回復傾向にあるため、今後の改善が期待されます。
【四半期進捗】
2026年3月期の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が78.7%、営業利益が70.5%、純利益が76.7%です。売上高と純利益は順調に進捗している一方で、営業利益はやや遅れが見られるものの、最終四半期での挽回が期待されます。
【バリュエーション】
理研計器のPER(会社予想)は17.94倍に対し、業界平均は21.1倍であり、業界平均と比較して割安な水準にあります。PBR(実績)は1.88倍に対し、業界平均は1.8倍とほぼ同水準であり、こちらは適正な水準と判断できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 33.0 / シグナル値: 30.7 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 51.5% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.06% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +2.38% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +1.07% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +2.70% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDはシグナルラインを上回っていますが、その差は小さく「中立」と判断されています。RSIは51.5%と中立域にあり、買われすぎや売られすぎの状態ではありません。各移動平均線からの乖離率も小さく、株価は移動平均線近辺で推移しており、明確なトレンドは確認できません。
【テクニカル】
現在の株価3,360.0円は、52週高値3,845.00円から12.6%低い水準、52週安値2,625.00円からは28.0%高い水準に位置しています。株価は5日移動平均線をわずかに下回っていますが、25日、75日、200日移動平均線は全て上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されていることを示唆しています。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +15.07% | +16.10% | -1.03%pt |
| 3ヶ月 | +2.60% | +11.16% | -8.56%pt |
| 6ヶ月 | -6.01% | +20.23% | -26.25%pt |
| 1年 | +37.48% | +72.45% | -34.97%pt |
過去1年間の株価リターンは+37.48%と良好ですが、同時期の日経平均の伸び+72.45%には大きく劣後しています。短期的には日経平均に対してほぼ同等のパフォーマンスですが、中長期では市場全体の勢いについていけていない状況が伺えます。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 38.09% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -68.46% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.17 | △やや注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.73 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.25 | △やや注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.55 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.31 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
ポイント解説: 理研計器の年間ボラティリティは38.09%とやや高めで、過去には-68.46%という大きな下落(最大ドローダウン)を経験しています。これは、市場全体の変動や個別要因により株価が大きく変動する可能性があることを示唆しています。リスク調整後リターンを示すシャープレシオやソルティノレシオもやや注意の判定であり、リスクを取った対価として十分なリターンが得られていない可能性があります。一方で、市場相関係数は0.55と良好で、株価変動の31%が市場要因で説明可能であり、ある程度は市場全体の動きに連動すると考えられます。現在のボラティリティは通常水準(過去1年の上位66%)です。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±34万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
事業リスク
- 為替変動リスク: 製品輸出や原材料輸入における為替レートの変動が、収益に影響を及ぼす可能性があります。
- 規制・標準変更リスク: 各国の安全規制や産業標準の変更が、製品開発や販売戦略に影響を与える可能性があります。
- 競合激化リスク: 新興国企業の台頭や技術革新により、価格競争激化や市場シェアの低下に繋がる可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が17,600株に対して信用売残が110,200株と、信用売残が大幅に多い状況です。信用倍率は0.16倍と低く、需給面では将来的な買い戻しによる株価上昇の可能性も秘めています。
- 主要株主構成(上位3社)
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)
- ステート・ストリート・バンク&トラスト505001
- 日本カストディ銀行(信託口)
8. 株主還元
会社予想の一株配当は50.00円で、配当利回りは1.49%です。配当性向は26.96%と健全な水準であり、利益の範囲内で安定した配当を継続する方針が見られます。特に配当性向30-50%の範囲内であるため、現時点での減配リスクの警告は不要です。自社株買いは直近で公表されているデータはありません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 産業用ガス検知器の国内首位シェアと技術力 極めて高い財務健全性と高収益性 |
高い参入障壁と安定した事業基盤が株価を下支え |
| ⚠️ 弱み | 特定分野への収益依存度 営業CFが純利益を下回る傾向 |
事業領域の拡大が課題であり成長鈍化リスクがある |
| 🌱 機会 | 国内外の安全規制強化と防災意識の高まり アジア市場を中心とした海外展開の加速 |
規制強化がガス検知器需要を押し上げ成長期待 |
| ⛔ 脅威 | 主要原材料価格の変動と為替レートの変動 競合他社の技術革新や価格競争の激化 |
コスト増大や収益圧迫リスクは要監視 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定志向の中長期投資家 | 強固な財務と高収益性で事業安定性が期待できる |
| 成長機会を狙う投資家 | 海外展開や新技術での市場拡大に期待が持てる |
この銘柄を検討する際の注意点
- 市場全体の成長率: 足元の日経平均に対する劣後パフォーマンス継続リスクに注意。
- 利益の質の改善: 営業キャッシュフローが純利益を下回る傾向の改善を注視すべき。
- 通期業績達成の進捗: 第3四半期時点での営業利益の進捗率から、通期達成の確度を確認すべき。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 海外売上高比率 | 未公表 | 50%以上への上昇 | 成長ドライバーの加速 |
| 営業CF/純利益比率 | 0.79 | 1.0以上への回復 | 利益の質改善を確認 |
| PER(会社予想) | 17.94倍 | 業界平均21.1倍との乖離縮小 | 割安感の有無を判断 |
企業情報
| 銘柄コード | 7734 |
| 企業名 | 理研計器 |
| URL | http://www.rikenkeiki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,360円 |
| EPS(1株利益) | 187.32円 |
| 年間配当 | 1.49円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 3.0% | 21.2倍 | 4,594円 | 6.5% |
| 標準 | 2.3% | 18.4倍 | 3,863円 | 2.9% |
| 悲観 | 1.4% | 15.7倍 | 3,139円 | -1.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,360円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,925円 | △ 75%割高 |
| 10% | 2,404円 | △ 40%割高 |
| 5% | 3,033円 | △ 11%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 能美防災 | 6744 | 4,110 | 2,500 | 21.55 | 1.85 | 9.0 | 2.43 |
| ホーチキ | 6745 | 1,926 | 1,525 | 20.06 | 2.23 | 12.8 | 2.07 |
| 新コスモス電機 | 6824 | 5,780 | 726 | 15.44 | 1.38 | 9.8 | 1.64 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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