企業の一言説明
内海造船は、フェリー、タンカー、バルクキャリアなど幅広い船種の建造・修繕を手がける独立系造船事業を展開する企業です。
総合判定
構造改革と成長投資期の割安成長期待銘柄
投資判断のための3つのキーポイント
- 受注残高の大幅増加と業績回復トレンド:船舶建造需要回復を背景に、受注残高が1,434億円超と過去最高水準であり、今後の売上・利益貢献に期待が高まります。
- 財務体質の改善と収益性の向上:過去の業績低迷期を経て、自己資本比率の緩やかな改善とROE 14.82%と高い水準を達成し、財務と収益性が向上傾向にあります。
- 高い信用倍率と市場平均比較での短期的な下振れ:信用買残の高さと日経平均を大きく下回る直近のパフォーマンスは、需給悪化や将来的な売却圧力のリスクを示唆しており、注意が必要です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 通期予想増収も直近減収 |
| 収益性 | A | ROEは高水準だが利益率は変動あり |
| 財務健全性 | B | F-Score良好も自己資本比率は改善余地あり |
| バリュエーション | D | 業界平均と比べ割高水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 11970.0円 | – |
| PER | 10.14倍 | 業界平均7.3倍 |
| PBR | 1.62倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 0.84% | – |
| ROE | 14.82% | – |
1. 企業概要
内海造船は、広島県尾道市に本社を置く旧日立造船系の造船会社です。フェリー、内航コンテナ船、各種タンカー(プロダクトタンカー、LPG/LEG/LAGタンカー、ケミカルタンカー)、バルクキャリアなど、多種多様な高付加価値船舶の建造・修繕を主力事業としています。長年培われた建造技術と品質管理体制が独自性を高め、高い参入障壁を持つ市場で事業を展開しています。
2. 業界ポジション
国内造船業界においては中堅規模のプレイヤーであり、旧日立造船系の技術力を背景に、中型バラ積み船やフェリー、特殊タンカーなど幅広い船種に対応できる汎用性と技術力が強みです。特に国内フェリー市場においては高い実績と信頼を誇ります。グローバルな巨大造船所と比べると規模では劣りますが、高付加価値船やニッチな市場で独自の競争力を維持しています。
3. 経営戦略
内海造船の経営戦略は、船舶需要の回復期を捉えた安定的な受注確保と、効率的な建造による収益力のさらなる向上に重点を置いています。中期経営計画では、大規模な受注残高を背景に着実な売上・利益計上を目指し、生産性向上とコスト削減も推進しています。2026年3月期は通期で売上高46,500百万円、営業利益2,600百万円と増収増益を見込んでおり、配当も100.00円への増配を予想しています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がゼロより大きい、ROAがゼロより大きい |
| 財務健全性 | 2/3 | D/Eレシオが1.0未満、株式希薄化なし |
| 効率性 | 1/3 | ROE(直近12ヶ月)が10%より大きい |
解説: 内海造船のPiotroski F-Scoreは5/9点と「良好」な水準です。特に収益性と財務健全性において複数の基準を満たしています。しかし、流動比率が1.5を下回る点、営業利益率が10%に至らない点、直近の四半期売上成長率がマイナスである点については改善の余地があり、今後注視が必要です。
【収益性】
過去12か月の営業利益率は8.08%であり、業界水準と比較して変動が大きい傾向にあります。株主資本利益率(ROE)は14.82%(過去12ヶ月)とベンチマークの10%を大きく上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が高いことを示唆しています。一方で、総資産利益率(ROA)は3.78%(過去12ヶ月)とベンチマークの5%を下回っており、総資産全体での収益効率には改善余地があります。
【財務健全性】
自己資本比率は25.6%と、安全性の面ではやや低い水準にあります。流動比率は1.12と、短期的な支払い能力を示すベンチマークの150%(1.5)を下回っており、資金繰りには注意が必要です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 | 現金比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | -6,631百万円 | -6,382百万円 | -249百万円 | -359百万円 | 9,127百万円 | 22.7% |
| 2024.03 | 5,923百万円 | 6,747百万円 | -824百万円 | -528百万円 | 14,613百万円 | 33.35% |
| 2025.03 | -6,576百万円 | -5,375百万円 | -1,201百万円 | -3,444百万円 | 4,509百万円 | 10.61% |
直近の2025年3月期における営業キャッシュフローは-5,375百万円と大幅なマイナスとなっており、本業での現金創出力に課題が見られます。フリーキャッシュフローも-6,576百万円と、事業投資などを賄う現金を十分に生み出せていない状況が継続しています。
【利益の質】
営業CF/純利益比率を計算すると、直近の2025年3月期データでは純利益1,017百万円に対し営業CFが-5,375百万円とマイナスであり、この期間の利益の質には懸念が必要です。これは、会計上の利益と実際の現金の動きに大きな乖離があることを示唆しています。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算は、売上高32,994百万円(通期予想46,500百万円に対し71.0%)、営業利益2,307百万円(通期予想2,600百万円に対し88.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,571百万円(通期予想2,000百万円に対し78.6%)と、利益面で会社予想を上回る好調な進捗を見せています。特に営業利益は前年同期比で92.2%もの大幅増益を達成しており、受注残高の積み上がりを背景とした収益改善が進行していることが伺えます。
【バリュエーション】
内海造船のPER(会社予想)は10.14倍、PBR(実績)は1.62倍です。これに対し、業界平均のPERは7.3倍、PBRは0.5倍となっており、業界平均と比較するとPER、PBRともに割高水準にあります。これは、将来の業績回復や成長期待が株価に織り込まれている可能性を示唆しています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -723.15 / シグナル値: -628.35 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 32.6% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.91% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -10.99% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -21.08% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -4.41% | 長期トレンドからの乖離 |
RSIが32.6%と売られすぎ水準30%に近づいており、株価が短期的な下落局面にあるか、底打ちの兆候を探る段階である可能性を示唆しています。MACDは中立状態ですが、MACD値がシグナルラインを下回っており、下落圧力が継続している可能性も考慮すべきです。
【テクニカル】
現在株価11,970円は、52週高値20,540円から大きく下落した位置(52週レンジ内位置46.3%)にあります。移動平均線を見ると、現在の株価は5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線の全てを下回っており、短期から中期にかけて下降トレンドが継続している状況です。特に75日線からの乖離率が-21.08%と大きく、中期的な下落圧力が強いことを示しています。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -17.62% | +10.74% | -28.36%pt |
| 3ヶ月 | -20.47% | +11.53% | -32.00%pt |
| 6ヶ月 | -2.60% | +22.35% | -24.95%pt |
| 1年 | +135.17% | +71.36% | +63.81%pt |
直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の期間では、内海造船の株価は日経平均株価を大幅に下回るパフォーマンスを見せています。これは短期的に軟調な推移を示していることを意味します。しかし、過去1年間で見ると+135.17%と日経平均の+71.36%を大きくアウトパフォームしており、長期的な視点では強い上昇を経験したことがわかります。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率529.2倍と高水準、将来の売り圧力に注意。
📌 高ボラティリティかつ低出来高。売買時に価格変動リスク。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | -0.32 | ◎良好 | 市場との連動性が非常に低い独自の値動き |
| 年間ボラティリティ | 66.81% | ▲注意 | 1年間で株価が大きくブレる傾向がある |
| 最大ドローダウン | -48.38% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.30 | ▲注意 | リスクを取った分だけのリターンは不十分 |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 1.53 | ◎良好 | 下落リスクだけで見たリターン効率は良好 |
| カルマーレシオ | 1.33 | ◎良好 | 最大下落からの回復力は高い |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.40 | ◎良好 | 日経平均と連動するが、独自要因も大きい |
| R² | 0.16 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
内海造船は年間ボラティリティが66.81%と非常に高く、過去1年で48.38%もの最大ドローダウンを記録するなど、値動きが激しい傾向にあるハイリスク銘柄と言えます。シャープレシオが-0.30であることから、リスクに見合うリターンが十分に得られていない状況です。一方で、ベータ値が-0.32と珍しいマイナス値を示しており、市場全体の動きとは独立した、あるいは逆相関的な値動きをする特性があります。市場相関は0.40と低いものの、R²値が0.16であることから、株価変動の大部分は個別要因によると考えられます。現在のボラティリティ水準は過去1年で「低」水準にありますが、過去データから潜在的な大きな下落リスクは依然として存在します。ただし、下落局面におけるリターン効率を示すソルティノレシオやカルマーレシオが良好であるため、過去の下落から回復する力は高いと言えます。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±68万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 景気変動や国際貿易動向による船舶需要の周期的な変動が、受注量や業績に直接影響を与えるリスク。
- 主要な原材料である鋼材価格の高騰、燃料費の上昇、または為替レートの変動が製造コストを押し上げ、収益を圧迫するリスク。
- 国際的な環境規制の強化や他国造船所との競争激化、技術革新への対応が遅れることにより、市場シェアや競争力が低下するリスク。
信用取引状況
信用買残は264,600株に対し、信用売残は500株と極めて少なく、信用倍率は529.20倍と非常に高い水準にあります。これは将来の株価上昇局面において、信用買残が解消される際の売り圧力として作用する可能性があり、需給面での注意が必要です。
主要株主構成
- カナデビア: 29.62%
- 自社(自己株口): 24.78%
- SBI証券: 3.85%
8. 株主還元
配当利回り(会社予想)は現在の株価に対し0.84%であり、1株配当は年間100.00円を予定しています。会社予想の配当性向は約8.5%と極めて低い水準です。
【配当持続可能性】
配当性向が8.5%と非常に低いため、利益から十分に配当を捻出できており、現水準で配当が維持される可能性は高いと考えられます。ただし、利益の源泉となるキャッシュフローの改善は継続的にウォッチすべき点です。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 受注残高の大幅増加 多種多様な船舶建造技術 |
将来の売上・利益を安定させる主要なドライバーとなる |
| ⚠️ 弱み | 自己資本比率の低さ キャッシュフローの不安定さ |
外部環境悪化時に財務体質を揺るがし経営リスクを高める |
| 🌱 機会 | 船舶需要の回復期 環境規制強化による代替需要 |
新規建造や高付加価値船の受注増に繋がり成長を加速する |
| ⛔ 脅威 | 原材料価格高騰・為替変動 信用倍率の高さによる売り圧力 |
収益性悪化や株価の急落を招く恐れがあり注意が必要 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 業績回復・成長期待投資家 | 大幅な受注積み上げで将来の成長期待が高いため。 |
| 高ボラティリティ許容投資家 | 値動きが比較的大きく、短期的な変動も覚悟できるため。 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 高い信用買残: 現在の信用倍率529.2倍は将来の株価反発時に、買残解消のための売り圧力がかかる可能性があるため注意が必要です。
- 不安定なキャッシュフロー: 大幅な増収が見込まれる中でも営業CFがマイナスとなる期があり、本業における資金創出力の動向を継続して確認する必要があります。
- 業界平均と比べたバリュエーションの割高感: PER10.14倍、PBR1.62倍は業界平均を上回るため、今後の収益改善が正当化されるか見極めが必要です。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 受注残高 | 1,434億円 | 1,500億円以上への増加 | 将来の業績ドライバー |
| 営業キャッシュフロー | -5,375百万円 | プラスへの転換 | 利益の質と資金繰り |
| 自己資本比率 | 25.6% | 30%以上への改善 | 財務健全性向上を示す |
企業情報
| 銘柄コード | 7018 |
| 企業名 | 内海造船 |
| URL | http://www.naikaizosen.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 11,970円 |
| EPS(1株利益) | 1,180.09円 |
| 年間配当 | 0.84円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 11.7倍 | 13,761円 | 2.8% |
| 標準 | 0.0% | 10.1倍 | 11,966円 | 0.0% |
| 悲観 | 1.0% | 8.6倍 | 10,690円 | -2.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 11,970円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 5,951円 | △ 101%割高 |
| 10% | 7,433円 | △ 61%割高 |
| 5% | 9,379円 | △ 28%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 名村造船所 | 7014 | 4,025 | 2,796 | 15.53 | 2.23 | 17.2 | 0.99 |
| 中北製作所 | 6496 | 5,760 | 220 | 16.98 | 0.72 | 5.1 | 1.90 |
| 阪神内燃機工業 | 6018 | 5,640 | 183 | 34.58 | 1.20 | 3.5 | 1.32 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.65)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。