企業の一言説明

遠藤照明は商業施設用照明で国内大手地位を確立し、LED照明の積極展開とインテリア家具・コンサル事業も手掛ける電気機器業界の企業です。

総合判定

堅実な配当とPBR割安だが、高信用倍率の成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高い財務健全性:Piotroski F-Score 8/9点、自己資本比率65.3%と盤石な財務で事業基盤を支えます。
  • 割安なバリュエーション:PER 8.61倍、PBR 0.76倍は業界平均と比較して割安であり、株価の上昇余地が期待されます。
  • 高水準の信用倍率:信用倍率が105倍と極めて高く、短期的な売り圧力や株価変動リスクに注意が必要です。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 B 売上は伸長も純利益は微減、ROEも横ばい。
収益性 B ROEと営業利益率が横ばいで、改善が課題。
財務健全性 S 自己資本比率・流動比率が高く、F-Scoreも優良。
バリュエーション A PER・PBRともに業界平均より割安水準。

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,566.0円
PER 8.61倍 業界平均12.9倍
PBR 0.76倍 業界平均0.8倍
配当利回り 3.43%
ROE 9.23%

1. 企業概要

遠藤照明は、商業施設向け照明器具の企画・設計・製造・販売を国内外で展開する国内大手企業です。特にLED照明の積極的な展開が特徴で、インテリア家具販売やコンサルティングも手掛け、設計施工案件までカバーする独自のビジネスモデルを確立しています。

2. 業界ポジション

商業施設用照明分野で国内大手としての地位を確立しており、LED照明への転換を積極的に進めることで市場での競争力を維持しています。建築設計事務所や店舗オーナーへのコンサルティング機能も持ち、光環境全体を提案できる点が強みとなり競合との差別化を図っています。

3. 経営戦略

2027年3月期は、売上高595億円(前期比+7.3%)、営業利益60億円(前期比+4.5%)、当期純利益44億円(前期比+1.3%)を見込み、引き続き増収増益を目指す方針です。LED照明の需要拡大を取り込み、事業成長を継続する戦略です。今後のイベントとして、2026年9月29日に配当の権利落ち日を迎える予定です。

4. 財務分析

遠藤照明の財務状況を詳細に分析します。

  • 【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがプラスで良好。
財務健全性 3/3 流動比率が高く、D/Eレシオが低く、株式希薄化もない。
効率性 2/3 営業利益率は良好だが、ROEがわずかに基準未達。
Piotroski F-Scoreは**8/9点**と非常に高い評価であり、同社の財務が優良であることを示しています。特に収益性と財務健全性が完璧なスコアを達成しています。効率性においても、営業利益率は高い水準ですが、ROEがベンチマークの10%には惜しくも届かず、これが唯一の改善点として示唆されています。
  • 【収益性】
    過去12か月の営業利益率13.42%と高く、本業でしっかりと稼ぐ力を示しています。ROE(株主資本利益率)9.23%で、株主のお金でどれだけ効率よく稼いだかを示しますが、一般的な目安とされる10%にはわずかに届いていません。ROA(総資産利益率)4.98%であり、総資産を効率的に活用できている点で一般的な目安(5%)に近い水準にあります。
  • 【財務健全性】
    自己資本比率65.3%と非常に高く、財務基盤の安定性を示しています。流動比率3.66倍であり、流動資産が流動負債を大幅に上回るため、短期的な支払い能力に全く問題がない極めて健全な状態です。
  • 【キャッシュフロー】
決算期 フリーCF(百万円) 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) 現金等残高(百万円)
2024.03 7,248 10,152 -2,904 -4,094 16,163
2025.03 -1,406 2,916 -4,322 -6 15,467
2026.03 5,975 10,278 -4,303 1,131 23,534
2026年3月期は、営業活動によるキャッシュフローが**102億7,800万円**と大幅に増加し、それに伴いフリーキャッシュフローも**59億7,500万円**と大きく改善しました。これは本業で現金を稼ぐ力が強化されたことを示し、投資活動への充当や将来の成長投資、株主還元余力が増したことを意味します。
  • 【利益の質】
    過去12か月の営業CF/純利益比率2.37であり、純利益をキャッシュフローが大幅に上回る優良な状態です。これは会計上の利益が実態を伴った現金流入であることを示し、利益の質が高いと評価できます。
  • 【四半期進捗】
    データは通期予想のみ提供されています。直近四半期の売上高・営業利益の推移のデータはありません。

5. 株価分析

遠藤照明の株価の動向とバリュエーションについて分析します。

  • 【バリュエーション】
    現在の株価に基づくPER(株価収益率)8.61倍であり、株価が利益の何年分かを示します。業界平均の12.9倍と比較すると大幅に割安な水準にあります。PBR(株価純資産倍率)0.76倍で、株価が純資産の何倍かを示しますが、業界平均の0.8倍を下回り、企業が持つ純資産価値よりも株価が低い割安な評価です。
  • 【テクニカルシグナル】
指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 2.17 / シグナルライン: -0.25 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 41.7% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -5.16% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -3.56% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -4.29% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +5.76% 長期トレンドからの乖離
MACD、RSIともに中立圏にあり、明確な短期的なトレンドシグナルは出ていません。現在の株価は短中期移動平均線(5日、25日、75日)を下回っていますが、長期移動平均線である200日線は上回っており、短期的な調整局面にあるものの、長期的な上昇トレンドは維持している可能性があります。
  • 【テクニカル】
    現在の株価2,566.0円は、52週高値3,100.00円から約17%下落した水準にあり、52週レンジ内では約69.4%の位置にあります。直近の動向としては、短期・中期移動平均線を下回っている状況ですが、200日移動平均線を上回っており、市場トレンドが変化する可能性も考慮しつつ、長期的な視点ではまだ上昇基調が見られます。
  • 【市場比較】
    遠藤照明の過去1年間のリターンは日経平均を16.63%ポイント上回る強いパフォーマンスを見せましたが、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月では市場平均を下回る動きとなっています。
期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -0.96% +10.74% -11.71%pt
3ヶ月 +6.65% +11.53% -4.88%pt
6ヶ月 +10.89% +22.35% -11.46%pt
1年 +87.99% +71.36% +16.63%pt

6. リスク評価

  • 【注意事項】
    ⚠️ 信用倍率105.06倍、将来の売り圧力に注意。
  • 【リスク指標テーブル】

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
年間ボラティリティ 39.99% △やや注意 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -41.48% ▲注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.59 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 1.23 ○普通 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.93 ○普通 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.52 ◎良好 日経平均とどれだけ連動するか
0.27 値動きのうち市場要因で説明できる割合
  • 【ポイント解説】
    遠藤照明の年間ボラティリティは39.99%で、過去1年間の価格変動はやや大きい傾向にあります。最大ドローダウンは-41.48%に達しており、今後も同様の大きな下落が発生する可能性は考慮すべきです。ただし、市場との相関は0.52と中程度で、値動きの27%は市場の影響を受けますが、残りは独自要因で動く特性も持ちます。下落リスクに対するリターン効率を示すソルティノレシオは1.23と普通水準であり、リスクを取りつつもリターンを得る能力は平均的です。
  • 【投資シミュレーション】
    > 仮に100万円投資した場合: 年間で±39万円程度の変動が想定されます。
    > 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
    > ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
  • 【事業リスク】
    • 景気変動リスク: 商業施設やオフィスビルなどの建設・設備投資サイクルに業績が左右される可能性があります。
    • 原材料価格高騰リスク: 照明器具製造に必要な金属や電子部品の価格変動が収益性を圧迫する可能性があります。
    • 競争激化リスク: LED照明市場における国内外の競合他社との価格競争や技術革新への対応が求められます。

7. 市場センチメント

信用買残が189,100株に対し、信用売残は1,800株と極めて少なく、信用倍率は105.06倍と非常に高い水準です。これは、株価が何らかの好材料で上昇した際に、買い方の利益確定売りが出やすくなるため、将来的な売り圧力となりやすい状況です。
主要株主は、(株)アーバンが33.38%、日本カストディ銀行(信託口)が3.97%、日本生命保険が2.46%を保有しています。

8. 株主還元

来期も継続予定の年間配当88.00円に基づくと、現在の株価に対する配当利回りは3.43%です。配当性向は29.9%と適正な水準であり、利益の範囲内で無理なく配当を支払う姿勢が伺えます。現状では配当性向は健全な水準にあり、減配リスクは低いと評価できます。自社株買いのデータは提供されていません。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 商業施設用照明での国内大手地位
高い財務健全性と安定的なキャッシュフロー
安定した事業基盤と経営の安心感がある
⚠️ 弱み 高すぎる信用倍率
ROEがベンチマーク未達
短期的な売り圧力の可能性を高める
資本効率改善の余地がある
🌱 機会 LED照明の需要拡大と環境意識の高まり
インテリア・コンサル事業による成長
中長期的な売上拡大と事業多角化に期待
⛔ 脅威 景気変動による設備投資抑制
原材料価格高騰と競争激化
外部環境による業績変動リスクを監視すべき

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
安定配当を求める長期投資家 健全な配当性向と利回り、強固な財務体質。
割安性を重視するバリュー投資家 PER、PBRが業界平均と比較して割安水準。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 信用倍率の高止まり: 信用買残が大量に積み上がっており、将来の売り圧力につながる可能性があるため、今後の推移を注視し、短期的な株価変動に注意すべきです。
  • 直近の株価軟調とアナリスト予想未達: 増益予想は出ているものの、直近の決算発表でアナリスト予想を下回っており、市場の期待値と乖離している点を十分に確認すべきです。
  • 成長性とROEの改善: 売上は伸びているものの、ROEがベンチマークに届いておらず、資本効率の更なる改善が中長期的な株価上昇に繋がるかを検証すべきです。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 10.35% 12%以上への回復 収益性改善の兆し確認
信用倍率 105.06倍 30倍以下への改善 売り圧力の減少確認
ROE 9.23% 10%以上への改善 資本効率の向上確認

企業情報

銘柄コード 6932
企業名 遠藤照明
URL http://www.endo-lighting.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,566円
EPS(1株利益) 297.93円
年間配当 3.43円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 12.8% 9.9倍 5,398円 16.1%
標準 9.9% 8.6倍 4,109円 10.0%
悲観 5.9% 7.3倍 2,908円 2.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,566円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,054円 △ 25%割高
10% 2,566円 △ 0%割高
5% 3,238円 ○ 21%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
パナソニック ホールディングス 6752 3,324 81,588 33.98 1.54 5.1 1.20
MARUWA 5344 70,650 8,740 46.74 6.18 14.6 0.14

関連情報

証券会社


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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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