企業の一言説明
博展はイベント展示、販促支援、ディスプレー制作を主軸に、顧客体験をデザインする「エクスペリエンス・マーケティング」を展開するグロース市場上場の企業です。
総合判定
高い成長性と強固な財務基盤を持つ割安成長企業
投資判断のための3つのキーポイント
- エクスペリエンス・マーケティング事業の需要回復と資源循環型イベントへのシフトで、売上・利益ともに大幅な成長を達成しています。
- Piotroski F-Scoreが9点満点と財務体質が極めて良好で、ROEも45%超と資本効率が非常に高い優良企業です。
- FY2026は成長投資を優先するため一時的に減益を計画しており、信用倍率が高水準であるため株価の一時的な調整には注意が必要です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 直近の売上高成長率が39.80%と高水準。 |
| 収益性 | S | ROE45.81%と極めて高水準。 |
| 財務健全性 | S | F-Score9点満点と財務状況が非常に良好。 |
| バリュエーション | A | PERが業界平均の約35%と割安。 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 933.0円 | – |
| PER | 8.92倍 | 業界平均25.7倍 |
| PBR | 2.92倍 | 業界平均2.5倍 |
| 配当利回り | 2.89% | – |
| ROE | 45.81% | – |
1. 企業概要
博展は、イベントプロモーション、ビジネスミーティング、展示会、セミナー、店舗・ショールーム等の体験型マーケティングの企画・制作・運営をワンストップで手掛ける企業です。独自のクリエイター陣と制作拠点を活用し、顧客との直接取引を主体とすることで高い付加価値を提供しています。
2. 業界ポジション
イベント・展示会業界において、企画から制作、運営、分析までを一貫して提供できる数少ない企業の一つです。人財・制作・サステナビリティに関する独自の強みを持ち、資源循環型イベントへの対応を強化することで、環境意識の高まる顧客ニーズを捉え、競合に対する優位性を確立しています。
3. 経営戦略
2023-2025中期経営計画を達成し、FY2026を新たな成長投資の初年度と位置付けています。エクスペリエンス・マーケティングを軸に、人材と新規施策への投資を強化し、持続的な成長基盤を構築する方針です。2026年6月29日には配当の権利落ち日を迎える予定です。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務状況を9つの観点から評価する指標で、博展は以下の通り極めて高い評価を得ています。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 9/9 | S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROA全てプラスで優良 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率・D/Eレシオが良好、株式希薄化なしで優良 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率・ROE・売上成長率が全て基準超えで優良 |
各カテゴリの根拠:収益性では純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスであり、財務健全性では流動比率2.02倍、D/Eレシオ0.25倍と基準を満たし、株式の希薄化もありません。効率性においても営業利益率12.18%、ROE45.90%、四半期売上成長率39.80%と高い水準を維持しています。
【収益性】
営業利益率(過去12か月)は12.18%と10%を超え良好な水準です。ROE(実績)は45.81%、ROA(過去12か月)は17.92%と、ベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に上回る極めて高い資本効率を示しています。
【財務健全性】
自己資本比率(実績)は49.1%と安定した水準を保っており、流動比率(直近四半期)は2.02倍と短期的な支払い能力に全く問題なく、高い健全性を示しています。
【キャッシュフロー】
企業のキャッシュ創出力は以下の通りです。
| 決算期 | 営業CF(百万円) | FCF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023.12 | 1,090 | 465 | 2,527 |
| 2024.12 | 1,100 | 931 | 2,642 |
| 2025.12 | 2,704 | 2,651 | 4,495 |
営業キャッシュフローは2025年12月期に27億4百万円と大幅に増加し、フリーキャッシュフローも同期間で26億5千1百万円と、事業から潤沢な資金が生み出されていることが伺えます。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は1.41と1.0を大幅に上回っており、純利益以上に営業活動でキャッシュを生み出せている、非常に質の高い利益であることを示しています。
【四半期進捗】
直近四半期の個別の業績データは提供されていませんが、年度別業績推移を見ると、足元にかけて売上高、営業利益、経常利益、当期純利益が大幅に成長している状況が確認できます。
【バリュエーション】
PER(会社予想)は8.92倍であり、業界平均の25.7倍と比較して大幅に割安な水準にあります。PBR(実績)は2.92倍で、業界平均の2.5倍よりやや高いものの、高いROEを考慮すれば適正範囲内と評価できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -5.8 / シグナル値: -1.25 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 40.8% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -1.27% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -2.85% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -4.94% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +16.76% | 長期トレンドからの乖離 |
RSIは40.8%と中立圏にあり、売られすぎや買われすぎの兆候は見られません。MACDは中立シグナルを示しており、明確なトレンド転換は確認できません。
【テクニカル】
現在の株価は933.0円であり、52週高値1,088.00円から約14%下落、52週安値494.00円からは大きく上昇したレンジ内の73.9%の位置にあります。短中期的な移動平均線(5日、25日、75日)は全て株価を上回っており、直近はやや下降トレンドを示唆しています。一方で、200日移動平均線(797.38円)は大きく上回っており、長期的な上昇トレンドは継続中です。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +0.54% | +10.74% | -10.20%pt |
| 3ヶ月 | -6.51% | +11.53% | -18.05%pt |
| 6ヶ月 | +37.81% | +22.35% | +15.46%pt |
| 1年 | +85.12% | +71.36% | +13.76%pt |
直近1ヶ月および3ヶ月では日経平均を下回るパフォーマンスとなっていますが、半年、1年といった中長期では日経平均を上回る株価成長を見せています。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が8.2倍と高水準で、将来の売り圧力に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.18 | ◎良好 | 市場平均と比較して値動きが非常に小さい |
| 年間ボラティリティ | 48.56% | ▲注意 | 1年間で価格が大きくブレる傾向がある |
| 最大ドローダウン | -86.44% | ▲注意 | 過去最悪の下落率は極めて大きく、今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.27 | ▲注意 | リスクを取った分のリターンが市場平均以下 |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.69 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率は改善の余地あり |
| カルマーレシオ | 0.31 | △やや注意 | 最大下落からの回復力は平均的 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.30 | ◎良好 | 日経平均との連動性が比較的低い |
| R² | 0.09 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合はわずか |
【ポイント解説】
博展の株価はベータ値が0.18と非常に低く、市場全体の変動にはあまり影響されにくい独自の値動きをする傾向があります。一方で、年間ボラティリティは48.56%と高めで、過去には-86.44%という大きな下落(最大ドローダウン)を経験しており、値動き自体は激しい銘柄と言えます。現在のボラティリティは過去1年で「低」水準にあり、比較的落ち着いていますが、過去最悪の下落からの回復には時間がかかっています。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±57万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 大型イベントへの依存: 主要な事業が大型イベントや催事に左右され、中止・延期・規模縮小が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 成長投資による利益率低下: FY2026は成長投資を優先する計画であり、一時的に利益率が低下するリスクがあります。
- 人材確保・施工管理リスク: 専門性の高い人材の確保や大規模イベントの施工管理におけるリスクが、事業遂行に影響を与える可能性があります。
信用取引状況
信用買残が150,100株であるのに対し、信用売残は18,300株と少なく、信用倍率は8.20倍と高水準です。これは、将来的に信用買い残の解消に伴う売り圧力が発生する可能性があることを示唆しています。
主要株主構成
- T&Pホールディングス: 36.68%
- 自社従業員持株会: 4.78%
- ティーケーピー: 3.82%
上位株主は筆頭株主のT&Pホールディングスを中心に、自社株主や取引先が多く、安定した株主構成です。
8. 株主還元
配当利回り(会社予想)は2.89%であり、配当性向(2025年12月期実績)は24.5%と、利益水準に対して無理のない健康的な水準です。
会社はFY2025で特別配当を含め年間30円を実施し、FY2026は年間27円(中間13円、期末14円)を予想しています。
現在のところ、自社株買いの実施状況についての具体的なデータはありません。
【配当持続可能性】
配当性向が24.5%の範囲内であるため、利益を十分確保しつつ安定的な配当を維持できる健全な水準です。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | エクスペリエンス・マーケティングのワンストップ提供 高い財務品質(F-Score 9点)と資本効率(ROE 45.81%) |
安定的な受注と高収益性が株価の持続的成長を支える。 |
| ⚠️ 弱み | 成長投資による一時的な利益率低下計画 直近での市場平均を下回る株価パフォーマンス |
短期的には企業成長への期待が株価に反映されにくい可能性がある。 |
| 🌱 機会 | 資源循環型(サステナブル)イベント需要の拡大 イベント・展示会市場の回復とデジタルコンテンツとの融合 |
新規市場開拓と技術革新が長期的な成長ドライバとなる。 |
| ⛔ 脅威 | 高水準の信用買残による将来的な売り圧力 イベントの中止・延期など外部環境の変化リスク |
信用倍率と市場環境を注視し、下落リスクに備えるべき。 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 長期的な成長を重視する投資家 | 高い成長性、優良な財務、割安なPERに魅力を感じるため。 |
| 品質の高い配当を求める投資家 | 健全な財務と配当性向で、安定した配当が期待できるため。 |
この銘柄を検討する際の注意点
- FY2026の減益予想: 成長投資によって短期的には利益が減少する計画であり、株価が一時的に調整する可能性があります。
- 高水準の信用買残: 信用倍率が高いため、将来的にこの買残が解消される際に株価に売り圧力がかかることがあります。
- 市場からの乖離した値動き: ベータ値が低いものの、年間ボラティリティは高いため、市場全体が安定していても独自の値動きで大きく変動する可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 11.1% | 12%以上への回復 | 成長投資の効果を測る |
| 信用倍率 | 8.20倍 | 5倍以下への改善 | 需給の健全化を確認する |
| サステナブルイベント受注高 | 12,894百万円 | 前年比+10%以上の維持 | 新規事業成長の継続性 |
企業情報
| 銘柄コード | 2173 |
| 企業名 | 博展 |
| URL | https://www.hakuten.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 933円 |
| EPS(1株利益) | 104.62円 |
| 年間配当 | 2.89円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 18.6% | 10.3倍 | 2,517円 | 22.2% |
| 標準 | 14.3% | 8.9倍 | 1,821円 | 14.6% |
| 悲観 | 8.6% | 7.6倍 | 1,197円 | 5.4% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 933円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 916円 | △ 2%割高 |
| 10% | 1,144円 | ○ 18%割安 |
| 5% | 1,444円 | ○ 35%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スペース | 9622 | 1,482 | 394 | 11.94 | 1.04 | 9.4 | 4.85 |
| テー・オー・ダブリュー | 4767 | 372 | 182 | 12.15 | 1.44 | 15.1 | 4.91 |
| セレスポ | 9625 | 1,089 | 62 | 10.53 | 0.58 | 6.4 | 3.67 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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