企業の一言説明

キングジムは事務用品大手で、厚型ファイルで業界首位の地位を確立している企業です。主力製品のラベルプリンター「テプラ」やデジタルメモ「ポメラ」など、電子文具分野において独自の製品開発力を有するメーカーです。

総合判定

財務基盤は強固だが収益性の向上が待たれる成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 独自のブランド力: 「テプラ」に代表される高い製品知名度と、ニッチな領域における圧倒的なシェアが強みです。
  • 盤石な財務体質: 自己資本比率が高く、無借金に近い財務構成は不況耐性が強く、長期的な経営の安定性を担保しています。
  • 収益力と成長性の課題: 売上高成長が停滞傾向にあり、低いROEをどのように改善していくかが中長期的な株価浮揚の鍵となります。

銘柄スコアカード

観点 評価 判定根拠
収益力 D ROE 1.55%と営業利益率が低水準であるため
安全性 A 自己資本比率67.5%と流動性に余裕があるため
成長性 D 直近の売上成長および利益成長が鈍化傾向のため
株主還元 B 配当利回りは平均的だが配当性向が高い水準
割安度 B PBRは1倍を下回るがPERは割高評価のため
利益の質 A 営業CFが純利益を上回る営業活動であるため

総合: B

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 785.0円
PER 33.98倍 業界平均14.5倍
PBR 0.88倍 業界平均1.3倍
配当利回り 1.78%
ROE 1.76%

企業概要

キングジムは1927年創業の老舗事務用品メーカーです。主力製品であるファイル製品は国内トップクラスのシェアを誇ります。その他、ラベルプリンター「テプラ」といった電子文具や、デジタルメモ「ポメラ」、さらにはインテリア雑貨に至るまで多角的に製品を展開しており、ニッチな市場で確固たる地位を築いています。独自のアイデアを製品化する開発力や、顧客の細かなニーズを拾い上げる顧客密着型の製品開発が最大の独自性となっています。

業界ポジション

国内の事務用品業界において、ファイルや電子文具といった特定のニッチ市場で高いシェアを占めています。文具・事務用品セグメントを基軸としつつ、ライフスタイル用品への展開を通じて収益のポートフォリオを形成していますが、オフィス市場の縮小という逆風を受けています。競合他社と比較して「キングジムならでは」の製品ラインナップに強みがある一方、デジタル化による需要減をいかに打開するかが課題です。

競争優位性 (Moat)

観点 評価 根拠
ブランド・知名度 強い 「テプラ」がカテゴリー名として定着している
スイッチングコスト 中程度 オフィスでのファイル管理システムへの依存度
ネットワーク効果 弱い 事務用品という性質上効果は限定的
コスト優位 (規模の経済) 中程度 永年培った生産販売網による一定の効率性
規制・特許 中程度 多数の特許を保有し参入障壁を構築している

経営戦略

中期経営計画では、既存の事務用品・ライフスタイル用品の収益安定化に加え、新たな製品開発と海外市場の開拓を掲げています。最近ではDXツールや新たな電子文具への投資を行うことで、オフィス環境の変化に対応する戦略を推進しています。また、不採算事業の整理と固定資産の効率的な活用を進めており、ポートフォリオの最適化による収益性向上が期待されますが、現時点では前年同期比▲3.1%の売上成長率に見られる通り、苦戦を強いられています。

収益性

ROEは1.76%、ROAは1.09%と依然として低い水準にあります。営業利益率は約3.15%で推移しており、いずれの指標もベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大きく下回っています。

財務健全性

自己資本比率は67.5%と極めて安定しており、企業の倒産リスクは低い水準です。流動比率も2.54倍と短期的な支払い能力に何ら懸念はありません。

キャッシュフロー

期間 営業CF FCF
2025.06 146.8億円 64.3億円
2024.06 104.7億円 6.03億円
2023.06 16.6億円 ▲10.68億円

営業CFは堅調に推移しており、本業で現金を稼ぎ出す力は保たれています。投資CFの抑制によりFCFの中長期的な改善が図られている点は評価されます。

利益の質

営業CF/純利益比率は過去3年平均で1.93と非常に健全です。会計上の利益だけでなく、キャッシュを伴った利益の質は高いと言えます。

四半期進捗

第3四半期累計の売上進捗率は68.9%、営業利益進捗率は52.3%です。通期予想に変更はないものの、特に営業利益面で期後半の追い上げが必要な状況です。

バリュエーション

PERは33.98倍と業界平均の14.5倍に対して割高です。一方でPBRは0.88倍と1倍を割り込んでおり、解散価値評価で見ると割安な水準にあります。

テクニカル分析

指標 状態 数値 解釈
MACD デッドクロス 2.16 / 2.51 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 37.7 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -2.99% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -2.06% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -2.93% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -4.72% 長期トレンドからの乖離

短期的には移動平均線をすべて下回っており、下落トレンドが継続しています。800円近辺がレジスタンスとなっており、明確なブレイクアウトまでは慎重な姿勢が望まれます。

市場比較

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 ▲1.26% +18.81% +20.07%pt
3ヶ月 ▲3.21% +32.19% +35.40%pt
6ヶ月 ▲6.77% +40.27% +47.04%pt
1年 ▲9.14% +89.20% +98.34%pt

日経平均との乖離が顕著であり、市場全体の上昇局面でも低迷が続いています。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.05 ◎良好 市場変化に対し極めて鈍感
年間ボラティリティ 12.40% ◎良好 価格変動は比較的に穏やか
最大ドローダウン ▲68.39% ▲注意 過去の大幅下落は記憶に留めるべき
シャープレシオ 0.26 △やや注意 リスク対リターン効率が低い

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.19 ▲注意 下落リスク効率は悪い
カルマーレシオ 0.06 ▲注意 回復力は限定的

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.47 ◎良好 市場の影響を受けにくい独自性
0.22 市場と連動しない要素が強い

ポイント解説

この銘柄は市場との相関が低く、独自の値動きをしがちです。現在のボラティリティは過去1年間で上位94%に位置しており、トレンド転換点を注意深く見守る必要があります。大幅な下落経験があるため、リスク管理は必須です。

投資シミュレーション

仮に100万円投資した場合: 年間で±12万円程度の変動が想定されます。
分散投資の目安: ポートフォリオの8%程度が目安です。
※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

事業リスク

  • オフィス市場の縮小に伴う主要製品の需要減少リスク。
  • 原材料コストの高騰による営業利益率の圧迫リスク。
  • デジタル製品分野における競合との競争激化リスク。

信用取引状況

信用倍率は0.17倍と極端に売り建てが先行しています。個人投資家の需給が大幅に売り偏重であり、将来的な踏み上げ(ショートカバー)の可能性を秘めていますが、同時に上値の重さも示唆しています。

主要株主構成

株主名 保有割合
自社(自己株口) 10.49%
東京中小企業投資育成(株) 6.8%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.58%
三井住友銀行 4.15%
自社第一共栄持株会 3.25%

株主還元

配当利回りは1.78%です。配当性向は74.87%となっており、非常に高い水準で利益を還元しています。収益が振るわない中でも安定配当を維持する姿勢は評価されますが、利益水準の改善が必須です。

カタリスト整理

上昇要因 下落要因
短期 (〜3ヶ月) ショートカバーによる自律反発 業績進捗率の低迷による売り
中長期 (〜2 年) 新規電子文具のヒット オフィス需要の構造的減少トレンド

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 強固なブランド(テプラ)
良好な財務構成
安定した下値抵抗力を持つ
⚠️ 弱み 収益性の低いセグメント
鈍い売上成長
業績成長には時間がかかる
🌱 機会 海外市場の拡大
新製品投入
新規製品のヒットで一気に株価再評価
⛔ 脅威 オフィス需要の減退
原材料価格の高騰
監視すべき重要リスク指標

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
安定志向の長期投資家 盤石な自己資本比率を持つため倒産リスクは低い。
逆張り・需給重視投資家 信用倍率が極めて低く、動意づけば急騰の可能性。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性の低さ: ROEが極めて低く、資本効率が悪い投資先となる点。
  • 需給の偏り: 信用倍率が異常に低く、ショートカバー以外の上昇要因に欠ける点。
  • 業績トレンド: 売上高成長が鈍化しており、成熟産業である点。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 3.15% 5.0%超への改善 収益性回復の証明
信用倍率 0.17倍 0.5倍以上への改善 需給の健全化を確認
営業CF 146億円 安定したプラス維持 利益の質を担保

企業情報

銘柄コード 7962
企業名 キングジム
URL http://www.kingjim.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 785円
EPS(1株利益) 23.10円
年間配当 1.78円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 13.6% 32.4倍 1,413円 12.7%
標準 10.5% 28.1倍 1,068円 6.6%
悲観 6.3% 23.9倍 749円 -0.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 785円

目標年率 理論株価 判定
15% 537円 △ 46%割高
10% 671円 △ 17%割高
5% 847円 ○ 7%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
コクヨ 7984 802 3,540 17.45 1.34 8.0 3.05
三菱鉛筆 7976 2,556 1,534 19.93 0.98 5.5 2.15
リヒトラブ 7975 1,070 40 20.41 0.33 1.8 2.33

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.2.28)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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