企業の一言説明

リョービは、主に自動車向けダイカスト部品の製造を手がける独立系の最大手企業です。住建機器や印刷機器事業も展開し、国内外で事業を展開しています。

総合判定

堅実な財務基盤と著しい割安感を享受するも、成長性には課題を抱える成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 際立った低PER(6.85倍)と低PBR(0.44倍)は、同業他社と比較して非常に割安な水準にあり、企業価値向上の余地が大きい可能性があります。
  • 自己資本比率が52.2%、Piotroski F-Scoreが7/9点(S評価)と極めて堅実な財務体質を有し、安定した事業運営を支える基盤が確立されています。
  • 主力である自動車向けダイカスト事業は需要変動の影響を受けやすく、直近の2026年12月期予想では経常利益が減益を見込むなど、成長戦略の具体性と実施状況が今後を注視する上で重要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 緩やかな成長
収益性 B 改善途上
財務健全性 S 極めて堅実
バリュエーション S 著しい割安感

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,476.0円
PER 6.85倍 業界平均80.4倍
PBR 0.44倍 業界平均0.8倍
配当利回り 4.20%
ROE 6.45%

1. 企業概要

リョービは1943年設立の独立系ダイカスト最大手で、自動車向け部品を中心に、住建機器(ドアクローザー等)、印刷機器(オフセット印刷機等)を展開します。特に自動車部品では、シリンダーブロック、トランスミッションケースなど高性能なダイカスト製品に強みを持ち、国内外で高い技術力と供給体制を確立しています。

2. 業界ポジション

非鉄金属業界において、独立系ダイカスト分野で最大手の地位を確立しています。自動車の電動化対応部品への注力や、グローバルな生産拠点を背景に、競合に対して安定供給能力と技術的優位性を有しています。一方で、自動車産業の動向に業績が大きく左右される構造です。

3. 経営戦略

2025年12月期は売上高で前期比+5.4%、営業利益で+33.4%、純利益で+61.2%と大幅な増益を達成しました。ダイカスト事業が成長を牽引し、住建機器事業も黒字転換しました。2026年12月期は売上高+1.3%、営業利益+1.1%増の一方、経常利益は9.0%減益を見込んでいます。この減益は特別利益の剥落によるものです。配当は年間104円(前期比+4円)と増配を予定しており、株主還元への意識は高いと言えます。今後は、自動車のEV化に伴う部品構成の変化への対応や、政策保有株式売却による財務体質の強化と有効活用が注目されます。
今後のイベントとして、2026年5月12日に決算発表が、2026年6月29日に配当落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益が黒字、営業キャッシュフローがプラス、ROAもプラスであり、収益性は優良です。
財務健全性 3/3 流動比率が1.5以上、負債比率が1.0未満、株式の希薄化も観測されず、財務健全性は非常に良好です。
効率性 1/3 四半期売上成長率はプラスですが、営業利益率およびROEが10%の基準を下回っているため、効率性には改善の余地があります。

【収益性】

過去12か月の営業利益率5.72%であり、業界平均と比較して中程度の水準です。ROE6.45%(実績)で、株主資本効率の一般的な目安とされる10%を下回っていますが、過去の推移を見ると改善傾向にあります。ROA2.34%で、総資産に対する収益性はやや低い水準にあります。

【財務健全性】

自己資本比率52.2%と健全な水準を維持しており、財務基盤は強固です。流動比率1.73倍(173%)と、短期的な負債の返済能力に問題はなく、財務健全性は良好です。

【キャッシュフロー】

Breakdown 2023.12(百万円) 2024.12(百万円) 2025.12(百万円)
営業CF 26,005 29,162 13,888
投資CF -17,432 -13,723 -22,529
財務CF -8,593 -14,901 7,651
フリーCF 8,573 15,439 -8,641

直近の過去12か月では、営業キャッシュフローは138億9,000万円と依然として大きな資金を創出していますが、設備投資の増加によりフリーキャッシュフローは-86億4,100万円とマイナスに転じています。

【利益の質】

営業CF/純利益比率1.24であり、純利益を営業キャッシュフローが大きく上回る良好な状態を示しており、利益の質は高いと評価できます。

【四半期進捗】

2025年12月期の売上高は309,111百万円、営業利益は12,665百万円、純利益は11,182百万円で着地し、前期から大幅な増益となりました。2026年12月期の通期予想では、売上高は313,000百万円(前期比+1.3%)、営業利益は12,800百万円(同+1.1%)と緩やかな成長を見込む一方、経常利益は13,300百万円(同△9.0%)と減益を予想しています。これは、2025年12月期に計上された特別利益(投資有価証券売却益など)の剥落が主な要因です。

【バリュエーション】

PER(会社予想)は6.85倍、PBR(実績)は0.44倍であり、業界平均PER80.4倍、業界平均PBR0.8倍と比較すると、非常に割安な水準にあります。特にPBRが1倍を大きく下回っており、純資産に対して株価が過小評価されている可能性が高いと判断できます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -86.93 / シグナルライン: -92.88 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 41.0% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.95% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -4.25% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -9.69% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -5.09% 長期トレンドからの乖離

MACDはシグナルラインを上回っているものの、RSIは中立圏にあり、明確な買いまたは売りのシグナルは出ていません。

【テクニカル】

現在の株価2,476.0円は、52週高値3,065.00円と安値1,691.00円の中間(57.1%)に位置しています。株価は5日移動平均線を上回っていますが、25日、75日、200日移動平均線をすべて下回っており、短期から中期にかけて下落トレンドにあることを示唆しています。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -7.06% -2.07% -4.99%pt
3ヶ月 -10.19% +4.68% -14.87%pt
6ヶ月 -10.13% +16.10% -26.23%pt
1年 +5.14% +41.25% -36.12%pt

リョービの株価は、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年すべての期間で日経平均をアンダーパフォームしており、市場全体と比較して軟調なパフォーマンスが続いています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が4.63倍となっており、将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

ベータ値は0.62と市場全体に比べて株価変動が小さい銘柄です。年間ボラティリティは36.46%、最大ドローダウンは-47.78%であり、仮に100万円投資した場合、年間で±36万円程度の変動が想定されると共に、過去には最大で約48万円程度の資産減少リスクがあったことを意味します。

【事業リスク】

  • グローバルな自動車生産の動向やEVシフトによる部品構成の変化は、主力であるダイカスト事業の需要に大きな影響を与える可能性があります。
  • 原材料価格や為替レートの変動は、製造コストや海外売上高に直接的な影響を与え、収益性を圧迫するリスクがあります。
  • 政策保有株式の売却益が純利益に大きく寄与しているため、その売却進捗の不確実性は今後の利益水準を変動させる要因となります。

7. 市場センチメント

信用売残が28,800株に対し信用買残が133,300株と、信用買残が信用売残を大きく上回る状況です。信用倍率は4.63倍であり、買い方に偏りが見られ、将来的な売り圧力が市場センチメントに影響を与える可能性があります。

主要株主構成

  • 菱工会持株会: 6.74%
  • 明治安田生命保険: 5.85%
  • UBS(香港): 5.71%

8. 株主還元

予想配当利回りは4.20%と高水準です。配当性向は28.87%(過去12ヶ月)、2025年12月期は28.9%と、利益に対して無理のない健全な範囲にあり、配当の持続可能性は高いと考えられます。自社株買いのデータは提供されていません。

SWOT分析

強み

  • 独立系ダイカスト最大手としての技術力とグローバルな供給体制を確立しています。
  • 自己資本比率が高く、Piotroski F-Scoreも優良で、財務基盤は極めて堅実です。

弱み

  • 自動車産業への依存度が高く、市場や技術トレンドの変化が業績に大きく影響しやすい構造です。
  • 収益性指標(ROE、ROA)が業界平均やベンチマークを下回っており、資本効率の改善が課題です。

機会

  • 自動車の電動化(EVシフト)に伴う新たな部品需要への対応や、軽量化技術への貢献で事業機会を創出できる可能性があります。
  • 政策保有株式の売却による資金を戦略的投資や株主還元に充てることで、企業価値向上に繋げられます。

脅威

  • 原材料価格の高騰や為替の変動が継続した場合、収益を圧迫する可能性があります。
  • 競合他社との技術開発競争や価格競争の激化により、市場シェアや採算性が低下するリスクがあります。

この銘柄が向いている投資家

  • 割安株を好み、PBR1倍割れ銘柄への関心が高い投資家:非常に低いPBRは、企業の本源的価値を見出す投資家にとって魅力的な可能性があります。
  • 安定配当と堅実な財務健全性を重視する長期投資家:高い配当利回りと強固な財務体質は、長期保有における安定感を求める投資家にとって魅力的です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 2026年12月期の経常利益は減益予想であり、特別利益の剥落を除いた本業の成長性を見極める必要があります。
  • 主力事業である自動車向けダイカストの需要変動リスクやEVシフトへの対応状況を継続的に監視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率:安定的に6%以上を維持できるか、中期的に8%以上への回復を目指せるか。
  • フリーキャッシュフロー:設備投資とのバランスを取り、継続的なプラス転換を達成できるか。
  • PBR:自己資本効率の改善や株主還元策により、PBRが0.6倍以上へ上昇するか。

成長性

C評価(緩やかな成長):過去12ヶ月の売上高は前年比約5.4%増加していますが、来期予想売上高成長率は+1.3%と緩やかであり、高成長カテゴリには属しません。

収益性

B評価(改善途上):ROEは6.45%、営業利益率は5.72%であり、一般的なベンチマーク(ROE 10%、営業利益率10%)には届いていません。ただし、前年度と比較して改善傾向が見られます。

財務健全性

S評価(極めて堅実):自己資本比率が52.2%、流動比率は173%といずれも高水準で、Piotroski F-Scoreも7点/9点と優良な評価を受けており、非常に強固な財務基盤を確立しています。

バリュエーション

S評価(著しい割安感):PERは6.85倍、PBRは0.44倍であり、業界平均と比較して著しく低い水準にあり、株価の割安感が非常に強いと評価できます。


企業情報

銘柄コード 5851
企業名 リョービ
URL http://www.ryobi-group.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,476円
EPS(1株利益) 361.53円
年間配当 4.20円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 3.1% 7.9倍 3,315円 6.2%
標準 2.4% 6.8倍 2,784円 2.5%
悲観 1.4% 5.8倍 2,259円 -1.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,476円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,396円 △ 77%割高
10% 1,743円 △ 42%割高
5% 2,199円 △ 13%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
アーレスティ 5852 817 208 6.95 0.38 5.7 5.14

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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