企業の一言説明
ワイエイシイホールディングスは、半導体・ディスプレイ・医療・環境分野向けの自動化機器を展開する中堅メーカーです。
総合判定
構造改革の過渡期にある高配当魅力企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 半導体・メカトロニクス関連、環境・社会インフラ関連といった成長分野での売上伸長が期待され、特に環境関連の事業が収益を牽引しています。
- 過去12ヶ月のROEは6.40%とやや低水準ですが、第3四半期の売上高および営業利益は前年比で大幅な増益を達成しており、今後の収益改善が期待されます。
- 信用倍率が19.42倍と高水準であり、将来的な需給悪化による売り圧力が懸念されます。また、直近の実績配当性向が123.4%と利益を上回る配当となっており、配当持続可能性には注意が必要です。(ただし、会社予想EPSからの計算では約61%)。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好 |
| 収益性 | C | やや不安 |
| 財務健全性 | B | 普通 |
| バリュエーション | B | 適正 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,058.0円 | – |
| PER | 16.24倍 | 業界平均16.6倍 |
| PBR | 1.16倍 | 業界平均1.4倍 |
| 配当利回り | 3.78% | – |
| ROE | 3.30% | – |
1. 企業概要
ワイエイシイホールディングスは、国内外でメカトロニクス、ディスプレイ、産業機械、電子機器関連製品を手掛ける自動化機器メーカーです。主力は半導体・LED製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、医療・ヘルスケア機器など多岐にわたり、技術的な独自性とソリューション提供能力を強みとしています。
2. 業界ポジション
各種自動化機器市場における中堅企業として位置付けられています。半導体やディスプレイ製造装置、医療分野といったニッチながらも専門性の高い領域で存在感を示しており、特定の技術分野における強みが競合との差別化要因となっています。
3. 経営戦略
2026年3月期の通期連結業績予想は、売上高300億円、営業利益20億円、当期純利益12億円を見込んでいます。特に環境・社会インフラ関連事業の売上が大きく伸長しており、M&A(TTホールディングス完全子会社化)による事業拡大も進めています。今後の成長戦略や具体的な事業展望については、2026年5月21日に開催予定の通期決算説明会で詳細が発表される見込みです。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がゼロを上回り、ROAもプラスであり、健全な水準です。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率は良好な水準を維持していますが、負債比率に課題が見られます。 |
| 効率性 | 1/3 | 四半期の売上成長はありますが、営業利益率とROEが改善の余地を示しています。 |
Piotroski F-Scoreは5/9点と「良好」な評価です。収益性では純利益とROAがプラスを維持しているものの、営業利益率やROEが基準を下回っています。財務健全性では流動比率は健全ですが、D/Eレシオが1.0を超え、負債負担がやや大きくなっています。効率性については四半期売上成長率がプラスであるものの、営業利益率とROEの改善が課題です。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月):6.29%。ベンチマークである10%を下回っており、収益性には改善の余地があります。
- ROE(過去12ヶ月):6.40%。株主の資本を使ってどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標で、一般的な目安である10%を下回っています。
- ROA(過去12ヶ月):2.66%。企業が総資産をどれだけ効率的に利用して利益を上げているかを示す指標で、一般的な目安である5%を下回っており、資産効率性には課題が見られます。
【財務健全性】
- 自己資本比率:41.1%。企業の財務状態の安定性を示す指標で、40%台と一定の健全性を保っています。
- 流動比率:1.83倍。短期的な支払い能力を示す指標で、目安とされる1.5〜2.0倍の範囲内であり、短期的な負債の返済能力は良好です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 営業CF(百万円) | フリーCF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023.03 | -1,636 | -2,378 | 6,552 |
| 2024.03 | 882 | -1,296 | 7,558 |
| 2025.03 | 2,670 | 1,593 | 7,094 |
過去3年のキャッシュフローを見ると、2023年3月期は営業キャッシュフローがマイナスでしたが、2024年3月期からはプラスに転じ、2025年3月期にはフリーキャッシュフローもプラスとなりました。これは事業活動による資金創出力が改善していることを示唆しています。
【利益の質】
F-Scoreの項目の一つである営業キャッシュフローに関する評価はデータが不足しているため直接的な算出はできませんが、損益計算書上の純利益はプラスであり、2025年3月期の営業CFが大きく改善していることから、利益の質は改善傾向にあると推察されます。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期までの連結業績は、通期予想に対し、売上高が63.5%、営業利益が58.3%、純利益が55.2%の進捗率です。売上高は順調に推移していますが、利益面は通期達成に向けて第4四半期での巻き返しが求められる状況です。売上高と営業利益の四半期での前年比成長率はそれぞれ17.6%と53.2%と好調です。
【バリュエーション】
PER(会社予想)は16.24倍(各種指標)に対し、業界平均は16.6倍であり、ほぼ業界平均並みの水準で推移しており、適正な水準と言えます。(バリュエーションセクションではPERが15.7倍と記載されており、情報ソース間で若干の差異があります。)
PBR(実績)は1.16倍(各種指標)に対し、業界平均は1.4倍であり、業界平均を下回っており、やや割安感があるとも見ることができます。(バリュエーションセクションではPBRが1.13倍と記載されており、情報ソース間で若干の差異があります。)
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -15.96 / シグナルライン: -18.98 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 50.2% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +0.97% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +0.12% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -2.26% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +11.36% | 長期トレンドからの乖離 |
現在のMACDは中立、RSIも50.2%と中立圏にあり、売買の過熱感は見られません。しかし、5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線に対しては僅かな乖離率で、直近で短期上向きに転じつつある動きが見られます。
【テクニカル】
現在の株価は1,058.0円であり、52週高値1,230.00円に対して下落局面にあり、52週安値615.00円からは大きく上昇しています。200日移動平均線(948.27円)を上回っており長期的な上昇トレンドは維持していますが、5日、25日、75日移動平均線は現在の株価に近く、短期・中期での方向性は明確ではありません。
【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -5.37% | -3.37% | -1.99%pt |
| 3ヶ月 | -1.40% | +5.71% | -7.11%pt |
| 6ヶ月 | +17.04% | +17.77% | -0.73%pt |
| 1年 | +15.00% | +41.38% | -26.38%pt |
過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全ての期間において、日経平均のパフォーマンスを下回っています。特に1年間では日経平均と比較して26.38%ptもの差がついており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない状況です。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が19.42倍と高水準です。将来的な需給悪化による売り圧力に注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly):0.85。市場全体と比べると株価変動の連動性が低く、やや安定していると言えます。
- 年間ボラティリティ:82.56%。ワイエイシイホールディングスの株価は過去に年間で最大82.56%程度の価格変動があったことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±82.56万円程度の変動が想定されるため、価格変動リスクは高い銘柄です。
- 最大ドローダウン:-49.14%。過去の投資期間において、最大で投資元本から49.14%減少する局面があったことを示します。この程度の下落は今後も起こりうる可能性があります。
【事業リスク】
- 設備投資サイクルの影響: 半導体やディスプレイ製造装置は需要が設備投資サイクルに左右されやすく、市場環境の変化が業績に直接影響を与える可能性があります。
- 為替変動リスク: 海外売上高が大きいため、為替レートの変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。
- 特定顧客への依存: 特定の分野や顧客への売上依存度が高い場合、その顧客の事業戦略変更や業績低迷がリスクとなる可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残が908,900株、信用売残が46,800株で、信用倍率は19.42倍です。信用買残が多い状況は、将来的に株価上昇局面での売り圧力となる可能性があります。
- 主要株主構成:
- (株)モモタケ: 12.5%
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 9.46%
- 自社(自己株口): 5.38%
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想):3.78%。高めの配当利回りを維持しています。
- 配当性向(2025年3月期実績値):123.4%。過去の利益を超える配当を実施しており、⚠️ 2025年3月期は利益を超える配当を実施中。現水準の維持は困難となる可能性があります。ただし、2026年3月期の会社予想EPS(65.15円)と1株配当(40円)で計算すると配当性向は約61%となり、情報源間で差異があります。直近では81.87%というデータもありますが、いずれにしても配当性向は高水準であり、利益と配当のバランスを慎重に見極める必要があります。
- 自社株買いの状況:データなし。
SWOT分析
強み
- 半導体・メカトロニクス、環境・社会インフラといった成長分野で事業基盤を確立しており、特に環境関連事業が成長を牽引しています。
- 技術的独自性を持つ自動化機器を多岐にわたり展開しており、幅広い産業ニーズに対応できるソリューション提供能力を有しています。
弱み
- 過去12ヶ月のROEやROAが業界ベンチマークを下回っており、資本効率性とアセット効率性に改善の余地があります。
- 信用倍率が高水準であり、将来的な株式の需給バランス悪化による株価下落リスクを抱えています。
機会
- 半導体市場の継続的な成長や、脱炭素・省エネなどの環境・社会インフラ投資の拡大は、同社の主要事業にとって大きな追い風となります。
- 医療・ヘルスケア分野での需要増加も、新たな成長ドライバーとなる可能性があります。
脅威
- 世界経済の景気変動や設備投資サイクルの影響を受けやすく、特に半導体市場の減速は業績に直接的な打撃を与える可能性があります。
- 為替変動や原材料価格の高騰も、収益性を圧迫する要因となります。
この銘柄が向いている投資家
- 環境・社会インフラ関連分野の成長性に注目する投資家
- 高い配当利回りを重視し、かつ同社の事業構造改革に期待する投資家
この銘柄を検討する際の注意点
- 配当性向が高水準にあるため、今後の利益成長や配当方針の変更によって減配リスクがないか慎重に確認する必要があります。
- 信用買残の多さが株価の重しとなる可能性があり、需給状況を継続的に監視することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率:8%以上への回復。収益性の改善を示す重要な指標です。
- ROE:8%以上への改善。資本効率性の改善を示す指標として注視が必要です。
- 環境・社会インフラ関連事業の売上高・利益成長率:現在の成長ドライバーの持続性を示すため、前年比20%以上の成長を維持できるか。
- 信用倍率:10倍以下への改善。需給状況の健全化を示す指標として監視が必要です。
10. 企業スコア
- 成長性: A(良好)
過去12ヶ月の四半期売上成長率が26.40%と非常に高く、特に現在の成長を牽引する環境・社会インフラ関連事業の伸長が顕著です。 - 収益性: C(やや不安)
過去12ヶ月のROEが6.40%、営業利益率が6.29%、ROAが2.66%と、いずれも一般的な目安やベンチマークを下回っており、資本効率および収益性に課題が見られます。 - 財務健全性: B(普通)
自己資本比率は41.1%、流動比率も1.83倍と一定の健全性は保たれていますが、F-Scoreが5/9点であり、D/Eレシオや営業利益率の基準未達が、より高い評価への足かせとなっています。 - 株価バリュエーション: B(適正)
PER(16.24倍)は業界平均(16.6倍)とほぼ同水準、PBR(1.16倍)は業界平均(1.4倍)を下回っており、市場からの評価は概ね適正圏内にあると判断できます。
企業情報
| 銘柄コード | 6298 |
| 企業名 | ワイエイシイホールディングス |
| URL | http://www.yac.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,058円 |
| EPS(1株利益) | 65.15円 |
| 年間配当 | 3.78円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 2.3% | 18.7倍 | 1,371円 | 5.6% |
| 標準 | 1.8% | 16.3倍 | 1,161円 | 2.2% |
| 悲観 | 1.1% | 13.8倍 | 952円 | -1.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,058円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 587円 | △ 80%割高 |
| 10% | 733円 | △ 44%割高 |
| 5% | 925円 | △ 14%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| サムコ | 6387 | 8,320 | 669 | 38.67 | 4.81 | 12.7 | 0.72 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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