企業の一言説明
SUMINOEはカーペットや自動車・鉄道内装材、機能資材などを企画・製造・販売する歴史ある繊維製品企業です。
総合判定
構造改革過渡期の割安な老舗企業
投資判断のための3つのキーポイント
- PER 12.47倍、PBR 0.58倍と業界平均と比較して大幅に割安なバリュエーションにあり、株価の水準訂正期待がある。
- 財務健全性ではF-Scoreが良好な一方で、ROE 4.15%、営業利益率2.10%と収益性には課題があり、今後の改善が重要となる。
- 信用倍率が33.84倍と高水準にあり、将来的な需給悪化による売り圧力に警戒が必要である。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 緩やかな改善 |
| 収益性 | D | 改善が急務 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | S | 大幅割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,416.0円 | – |
| PER | 12.47倍 | 業界平均21.7倍 |
| PBR | 0.58倍 | 業界平均1.0倍 |
| 配当利回り | 3.05% | – |
| ROE | 4.15% | – |
1. 企業概要
SUMINOEは1883年創業の老舗繊維メーカーで、2024年12月にSUMINOE Co., Ltd.へ商号変更。カーペットやカーテンなどのインテリア製品、自動車・鉄道内装材、加熱式カーペットや航空機内装材などの機能資材を企画、製造、販売。空間設計も手掛け、特にカーペットと車・鉄道内装分野で独自の技術力を有しています。
2. 業界ポジション
繊維製品業界のプライム市場に上場する老舗大手企業。カーペット分野では国会議事堂への納入実績もある。自動車・鉄道内装材においても国内外でプレゼンスを発揮し、強固な顧客基盤を持つ。多様な製品展開で幅広い需要に対応する一方、成熟市場での差別化と高付加価値化が今後の成長の鍵となる。
3. 経営戦略
2025年3月1日付で1株を2株に分割済み。2026年5月期通期予想では売上高1,050億円(前年比+0.2%)、営業利益31億円(同+3.3%)と微増を見込む一方、純利益は15億円(同+123.9%)と大幅な回復を計画。また、投資家情報発信を強化し、企業理解促進に努める。今後のイベントとして、2026年5月28日に配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 3/3 | 優良 |
| 財務健全性 | 2/3 | 一部改善点あり |
| 効率性 | 1/3 | 改善余地大 |
解説: 収益性では純利益の黒字化、営業キャッシュフローの確保、総資産利益率(ROA)の改善が見られ優良です。財務健全性では、自己資本比率やD/Eレシオの面で安定しているものの、流動比率がベンチマークを下回るため一部改善余地があります。効率性では、わずかな売上成長に留まり、営業利益率や株主資本利益率(ROE)が低く、資本効率の改善が急務と言えます。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
- 営業利益率(過去12か月)は2.10%と低水準にあり、企業本来の稼ぐ力に課題が見られます。
- ROE(過去12か月)は4.15%と、株主から預かった資本を効率的に活用しているとは言えず、一般的な目安である10%を大きく下回ります。
- ROA(過去12か月)は2.08%と、総資産に対する利益率も低く、資産活用効率の改善が求められます。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
- 自己資本比率は32.8%と、事業継続に必要な安定性を保てる水準ですが、一層の財務基盤強化に向けた改善余地があります。
- 流動比率は1.28倍と、短期的な支払い能力を示す目安とされる1.5倍を若干下回っており、運転資金の効率的な管理が望まれます。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 営業CF | 47億6,000万円 |
| FCF | 16億8,000万円 |
解説: 営業活動によるキャッシュフローは47億6,000万円と安定的にプラスを維持しており、本業で現金を創出する力はあります。フリーキャッシュフローも16億8,000万円とプラスで、事業投資や株主還元に充てる自由な資金を確保できています。
【利益の質】営業CF/純利益比率
営業CF/純利益比率は6.90倍と非常に高く、純利益に対してキャッシュフローが大幅に上回っており、利益の質は極めて優良です。
【四半期進捗】
2026年5月期第2四半期(中間期)の通期予想に対する進捗率は、売上高が約50.4%、営業利益が約28.6%、純利益が約5.7%です。売上高は概ね順調に進捗しているものの、営業利益と特に純利益の進捗が低く、通期予想達成には下半期の大きな巻き返し、または特別利益の寄与が不可欠となります。直近3四半期の売上高および営業利益は増加傾向にあり、事業の勢いは見られるものの、収益性が追い付いていない状況です。
【バリュエーション】PER/PBR
SUMINOEのPERは12.47倍であり、業界平均の21.7倍と比較して大幅に割安です。PBRも0.58倍と、業界平均の1.0倍を大きく下回っており、純資産価値から見ても割安感があります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | 11.84 / 8.58 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 59.7% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +1.22% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +3.46% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +7.05% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +15.03% | 長期トレンドからの乖離 |
解説: MACDは現在中立とされていますが、MACD値がシグナルラインを上回っており、短期的な上昇モメンタムが存在することを示唆します。RSIは中立圏にあり過熱感はありません。株価は全ての移動平均線を上回っており、特に200日移動平均線からの乖離率も大きいことから、中長期的に強い上昇トレンドにあると考えられます。
【テクニカル】52週高値・安値との位置、移動平均線との関係
現在の株価1,416.0円は、52週高値1,447.0円に近く、52週レンジ内での位置は92.7%と高値圏にあります。株価が5日、25日、75日、200日移動平均線の全てを上回っているため、短期、中期、長期的に上昇トレンドが継続していると判断できます。
【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +3.51% | +6.79% | -3.28%pt |
| 3ヶ月 | +12.20% | +8.63% | +3.57%pt |
| 6ヶ月 | +15.59% | +25.32% | -9.73%pt |
| 1年 | +17.51% | +48.96% | -31.45%pt |
総括: 短期的には日経平均を上回るパフォーマンスを見せているものの、中長期(6ヶ月、1年)では大きく下回っており、市場全体の強い上昇トレンドには乗り切れていない現状にあります。
6. リスク評価
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が33.84倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。
📌 高ボラティリティかつ低出来高の銘柄です。売買時に価格変動リスクに留意してください。
【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン
- ベータ値は0.01と極めて低く、市場全体の変動に対する株価の連動性が非常に低いことを示しています。
- 年間ボラティリティは73.53%と高水準であり、比較的株価の変動が大きい銘柄です。仮に100万円投資した場合、年間で±73.53万円程度の変動が想定され、投資家には一定のリスク許容度が求められます。
- 過去の最大ドローダウンは-34.68%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識すべきです。
- シャープレシオは0.47と1.0を下回っており、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない状況です。
【事業リスク】
- 景気変動による需要減少: インテリア製品や自動車・鉄道内装材は景気動向に左右されやすく、景気後退期には需要が減少するリスクがあります。
- 原材料価格の高騰: 繊維素材や化学製品などの原材料価格が上昇した場合、製造コスト増加を招き、利益を圧迫する可能性があります。
- 為替変動リスク: 海外事業を展開しており、為替レートの変動は売上高や利益に影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用買残は64,300株、信用売残は1,900株で、信用倍率は33.84倍と、買い残が売り残を大きく上回る高水準にあります。これは将来的に株価の上昇局面で、信用買いの決済売りにより株価の上昇が抑制される可能性を示唆しています。
- 主要株主構成は、筆頭株主が自社(自己株口)で13.65%、次いで髙島屋が12.03%、日本生命保険が6.2%と、安定株主が一定割合を占めています。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想)は3.05%と、比較的魅力的な水準にあります。
- 配当性向は80.05%と高水準です。
- ⚠️ 配当性向が高く、利益の大部分を配当に回しているため、業績が悪化した場合には減配リスクに注意が必要です。
- 自社株買いの状況に関するデータは提供されていません。
SWOT分析
強み
- 140年を超える老舗としてのブランド力と、カーペット・車両内装材における高い技術力。
- インテリア、自動車・車両内装、機能資材と多岐にわたる事業ポートフォリオを持つ。
弱み
- ROE4.15%、営業利益率2.10%と収益性が低く、資本効率と収益力の改善が課題。
- 通期純利益進捗率が第2四半期時点で5.7%と著しく低く、業績の不確実性が高い。
機会
- 建築市場の回復や自動車生産の安定化による需要増加。
- 高機能素材や環境対応製品の開発・投入による高付加価値化。
脅威
- 国内市場の成熟化や少子高齢化に伴う需要の構造的減少。
- 原材料価格の高騰や資材調達コストの変動。
この銘柄が向いている投資家
- 割安なバリュエーションを重視するバリュー投資家: PER・PBRが業界平均を下回り、株価の上値余地を期待する方。
- 高配当利回りを魅力と感じ、長期保有を視野に入れる投資家: 安定した配当収入を期待しつつ、中長期的な企業価値向上を待てる方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 営業利益率やROEといった収益性指標の改善が遅れ、企業価値向上が鈍化するリスクがあります。
- 信用倍率の高さが将来的な株価の上昇を抑制したり、需給悪化を引き起こす可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率6%以上への回復: 現在2.10%であり、収益体質改善の具体的な目標値として重要。
- 通期純利益の目標達成度と四半期ごとのEPS成長率: 中間時点での進捗率5.7%からの挽回状況と、安定的な利益成長が実現できているか。
- 信用倍率5倍以下への改善: 需給バランスが健全化し、将来的な売り圧力が軽減されることを示す水準。
成長性 | スコア: B | 緩やかな改善
通期予想では売上高は微増に留まるものの、純利益は前期比で大幅な改善を見込んでいます。しかし、直近四半期のEPS成長率は-94.9%と大きく変動しており、安定的な成長には引き続き課題が残るため、緩やかな改善という評価になります。
収益性 | スコア: D | 改善が急務
ROE4.15%、営業利益率2.10%と、一般的な目安とされるROE10%や営業利益率5%を大きく下回る水準です。これは資本効率と本業の収益力の両面で課題を抱えており、収益構造の抜本的な改善が急務と判断されます。
財務健全性 | スコア: A | 良好
Piotroski F-Scoreが6/9点と良好な水準であり、自己資本比率も32.8%と一定の安定性を確保しています。ただし、流動比率が1.28倍と短期的な資金繰りに若干の改善余地があるため、優良(S)までには至らないものの、全体として良好な財務基盤を有しています。
バリュエーション | スコア: S | 大幅割安
PER12.47倍、PBR0.58倍は、それぞれ業界平均PER21.7倍、業界平均PBR1.0倍と比較して大幅に割安な水準にあります。特にPBRが1倍を大きく下回っており、純資産価値から見ても株価は過小評価されている可能性が高いと評価できます。
企業情報
| 銘柄コード | 3501 |
| 企業名 | SUMINOE |
| URL | https://suminoe.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,416円 |
| EPS(1株利益) | 113.17円 |
| 年間配当 | 3.05円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 17.9% | 14.3倍 | 3,698円 | 21.3% |
| 標準 | 13.8% | 12.5倍 | 2,690円 | 13.9% |
| 悲観 | 8.3% | 10.6倍 | 1,784円 | 5.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,416円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,349円 | △ 5%割高 |
| 10% | 1,685円 | ○ 16%割安 |
| 5% | 2,126円 | ○ 33%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| セーレン | 3569 | 3,280 | 2,119 | 13.33 | 1.26 | 11.1 | 2.31 |
| サンゲツ | 8130 | 3,090 | 1,829 | 14.07 | 1.57 | 11.5 | 5.01 |
| 東リ | 7971 | 678 | 407 | 10.19 | 0.78 | 8.3 | 4.71 |
関連情報
証券会社
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本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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