企業の一言説明
イサム塗料は、自動車補修用塗料を主力に展開する塗料中堅メーカーです。建築・道路用塗料なども手掛け、環境対応品の開発にも注力しています。
総合判定
高い財務健全性と割安なバリュエーションが魅力の成熟企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて高い自己資本比率と潤沢なキャッシュによる優れた財務健全性があり、低いPBRが示す割安感が際立っています。
- 安定した収益基盤と堅実な配当政策を維持しており、株主還元への意識も定着しています。
- 過去数年の売上成長は緩やかで、低いROEが示す資本効率の改善が今後の株価上昇の重要なドライバーとなります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 鈍化傾向 |
| 収益性 | C | 低位 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | S | 極めて割安 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 3,850.0円 | – |
| PER | 13.10倍 | 業界平均15.9倍 |
| PBR | 0.41倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 1.30% | – |
| ROE | 3.22% | – |
1. 企業概要
イサム塗料は1927年創業の塗料中堅メーカーで、自動車補修用塗料を主力に、一般・工業用、建築用、エアゾール塗料、溶剤、建築材料の製造販売を手掛けています。塗料製造の技術的専門性を基盤とし、防水工事や塗装工事の設計・施工も行い、多角的な収益モデルを構築しています。最近では環境対応品の開発にも力を入れています。
2. 業界ポジション
国内塗料業界において中堅企業として位置付けられ、特に自動車補修用塗料で強固な基盤を持っています。このニッチな分野での専門性が競合に対する強みですが、市場全体の成長が鈍化する中、大規模メーカーと比較した市場シェアの拡大には課題があります。
3. 経営戦略
中期経営計画は開示されていませんが、決算短信からは安定した本業の収益維持と、環境対応品開発による将来的な成長機会の追求がうかがえます。直近の大きなM&Aや設備投資の発表はなく、堅実経営を継続しています。最近のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日を迎えています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAはプラスだが、営業CFデータが不明。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化の点で優良。 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率は高いが、ROE改善と四半期売上成長に課題。 |
Piotroski F-Scoreの解説:
イサム塗料のPiotroski F-Scoreは6/9点と「良好」な判定です。これは企業の財務状況が全体的に健全であることを示唆しています。収益性では純利益がプラスでROAも0を上回っていますが、四半期連結キャッシュ・フロー計算書未提示により営業キャッシュフローに関する項目は評価不能となっています。財務健全性においては、流動比率の高さ、低いD/Eレシオ、株式の希薄化がないことから満点であり、安定した財務基盤が確認されます。効率性では、高い営業利益率が評価される一方で、ROEが10%を下回っている点や、四半期売上成長率がマイナスである点が課題として認識されています。
【収益性】営業利益率、ROE、ROA
| 指標 | 値 | ベンチマーク | 評価 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率(過去12ヶ月) | 15.88% | 5-10%以上 | 良好 |
| ROE(実績) | 3.22% | 10%以上 | 低い |
| ROA(過去12ヶ月) | 2.27% | 5%以上 | 低い |
イサム塗料は過去12ヶ月の営業利益率が15.88%と高く、本業での収益力は良好です。しかし、ROEは3.22%、ROAは2.27%と、資本効率を示す指標は一般的な目安(ROE 10%、ROA 5%)を大きく下回っており、資本の有効活用に改善の余地があることを示しています。
【財務健全性】自己資本比率、流動比率
| 指標 | 値 | ベンチマーク | 評価 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率(実績) | 82.5% | 40%以上 | 極めて優良 |
| 流動比率(直近四半期) | 3.95倍 | 1.5倍以上 | 極めて優良 |
自己資本比率は82.5%と非常に高く、流動比率も3.95倍と極めて優良な水準にあります。これは、企業が借入に依存せず、短期的な支払い能力も非常に高いことを示しており、財務基盤の堅牢性は極めて高いと評価できます。
【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況 (単位: 百万円)
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 688 | -473 | -105 | 215 | 3,441 |
| 2024.03 | 798 | -707 | -105 | 91 | 3,426 |
| 2025.03 | 486 | -330 | -109 | 156 | 3,472 |
イサム塗料のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)が安定してプラスを維持しており、本業で着実に現金を稼ぎ出していることがわかります。投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)は継続的にマイナスであり、事業拡大や設備投資に資金を投じていることを示します。フリーキャッシュフロー(FCF)も安定してプラスであり、企業が自由に使える資金を生み出しているため、財務の健全性に貢献しています。
【利益の質】営業CF/純利益比率
営業CF/純利益比率の算出に必要な過去12ヶ月の営業CFデータが、提供データからは特定できません。決算短信にも四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していない旨の注記があります。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期予想に対する進捗率は売上高が74.8%でしたが、営業利益と親会社株主に帰属する四半期純利益はそれぞれ112.4%、104.8%と、既に通期予想を上回る好調な進捗を見せています。これにより、直近の収益は堅調に推移していることが確認できます。
【バリュエーション】PER/PBR
イサム塗料のPER(会社予想)は13.10倍、PBR(実績)は0.41倍であり、業界平均PER15.9倍、 PBR0.7倍と比較して、PER・PBRともに割安な水準にあります。特にPBRが1倍を大きく下回っていることは、企業の純資産価値と比較して株価が過小評価されている可能性が高いことを示しています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -41.25 / シグナルライン: -56.73 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 54.8% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +2.80% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +1.36% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +1.06% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +6.11% | 長期トレンドからの乖離 |
テクニカルシグナルは全体的に中立的な状況です。MACDは中立、RSIも54.8%と買われすぎ・売られすぎの判断水準ではありません。移動平均線からの乖離率は、概ねプラス圏にあり、株価は直近の移動平均線をやや上回る位置で推移していますが、明確なトレンド転換のシグナルは出ていません。
【テクニカル】
現在の株価3,850.0円は52週高値4,300.00円から約10%低い位置にあり、52週安値2,900.00円からは約32%高い位置にあたる、52週レンジの62.1%に位置しています。移動平均線を見ると、現在株価は5日移動平均線(3,712.00円)を上回る一方、25日移動平均線(3,812.00円)や75日移動平均線(3,808.00円)を下回っており、短期から中期的な上値抵抗にあっている状況です。一方で、長期的な200日移動平均線(3,621.88円)は上回っており、トレンドは上向きを維持しています。
【市場比較】日経平均との相対パフォーマンス
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -3.95% | +3.04% | -6.98%pt |
| 3ヶ月 | +5.60% | +6.43% | -0.83%pt |
| 6ヶ月 | +2.45% | +25.46% | -23.02%pt |
| 1年 | +14.59% | +50.58% | -35.99%pt |
イサム塗料の過去1年間の株価パフォーマンスは+14.59%でしたが、同期間の日経平均の+50.58%を大幅に下回っています。全ての期間において、日経平均およびTOPIXといった市場全体の主要指数を下回る相対的に低調なパフォーマンスとなっています。
【注意事項】
データ上、信用売残が0株であるため信用倍率は0.00倍と表示されており、短期的な売り圧力は認められません。しかし、信用買残が113,600株と発生していることから、将来的な買い玉の解消による売り圧力には留意が必要です。
【定量リスク】
イサム塗料のベータ値は0.36と低く、市場全体の変動に比較的影響を受けにくい特性を持っています。年間ボラティリティは25.08%、最大ドローダウンは過去に-31.74%を記録しています。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±25万円程度、最悪期には31.7万円程度の変動が過去には発生していたことを示唆しており、将来も同程度の変動が想定されるリスクがあります。シャープレシオが-0.32であるため、過去のリスクに見合うリターンは得られていない状況です。
【事業リスク】
- 原材料価格の変動: 原油や化学品を原材料とする塗料メーカーにとって、原材料価格の高騰はコスト増となり収益を圧迫する可能性があります。
- 自動車産業の動向: 主力である自動車補修用塗料は、自動車生産台数の変動やEVシフトに伴う車体構造の変化、補修頻度の変化などの影響を受ける可能性があります。
- 競争環境の激化: 国内塗料市場は成熟しており、大手メーカーとの競争や海外からの新規参入により、価格競争が激化するリスクがあります。
7. 市場センチメント
信用買残が113,600株ある一方で、信用売残が0株であるため、信用倍率はテクニカルには0.00倍と表示されます。これは、現在の市場に空売りによる売り圧力がほとんどないことを示唆しますが、将来的な信用買残の解消が短期的な株価下落圧力となる可能性もあります。
主要株主は、創業家である北村初美氏、北村健氏が合わせて44.25%と大きな比率を保有し、自社栄勇会(従業員持ち株会含む)、自社(自己株口)も上位を占めています。これにより、安定的な株主構成が特徴であり、短期的な株価変動の抑制要因となる一方、市場流通株式数(浮動株)が限られる可能性があります。
8. 株主還元
イサム塗料の配当利回りは1.30%であり、1株配当は年間50円を予定しています。2025年3月期の配当性向は17.4%、過去12ヶ月では15.32%と、一般的な適正水準(30-50%)よりも低く、利益に占める配当額の割合は健全な水準にあります。
配当性向が健全な範囲内であるため、現在の利益水準であれば減配リスクは低いと考えられます。直近の自社株買いの発表はありません。
SWOT分析
強み
- 自己資本比率が82.5%と極めて高く、財務基盤が非常に安定している。
- 自動車補修用塗料というニッチ市場での専門性と実績がある。
弱み
- ROEが3.22%と低く、資本効率の改善が課題である。
- 売上高の成長が緩慢であり、事業の成長性に乏しい。
機会
- 0.41倍という低いPBRは、資本効率改善への取り組みが評価されれば、株価の大幅な見直し余地がある。
- 環境対応型製品への需要増加は、技術開発強化の機会となる可能性がある。
脅威
- 原材料価格の変動リスクが引き続き存在し、利益を圧迫する可能性がある。
- 自動車業界の構造変化(EV化など)が、主力製品の需要に影響を与える可能性がある。
この銘柄が向いている投資家
- 財務の安定性を重視する長期投資家: 非常に堅実な財務基盤と安定した配当を魅力と考える投資家。
- PBR1倍割れ改善に期待するバリュー投資家: 割安なバリュエーションに着目し、将来的な資本効率改善や株主還元強化を期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 企業価値向上に向けた具体的な成長戦略やROE改善策が明確でない場合、株価の上昇が限定的になる可能性があります。
- 市場全体の成長率に比べて緩やかな売上成長が続くと、長期的な投資リターンに影響を与える可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
- ROEの改善: ROEが5%以上に改善する具体的な取り組みと実績。
- 四半期売上成長率のプラス転換: 直近のマイナスからプラスへと回復し、持続的な成長が見られるか。
- PBR1倍割れ解消への取り組み: 企業が資本コストや株価を意識した経営を強化し、PBR0.7倍以上の業界平均水準を目指す動きが見られるか。
10. 企業スコア
- 成長性: C (鈍化傾向)
四半期売上成長率が-3.5%とマイナスであり、過去12ヶ月のRevenueはゆるやかな増加に留まっているため、成長性は鈍化傾向にあります。 - 収益性: C (低位)
ROEが3.22%とベンチマークの10%を大きく下回っており、資本効率の面で課題があるため、収益性は低いと評価されます。ただし、営業利益率は15.88%と本業の収益性は良好です。 - 財務健全性: A (良好)
自己資本比率は82.5%と極めて高く、流動比率も3.95倍と非常に優良な水準にあります。Piotroski F-Scoreも6点と良好であり、財務基盤は非常に安定しています。最高点のSではないのはF-Scoreが満点ではないためです。 - バリュエーション: S (極めて割安)
PERは13.10倍、PBRは0.41倍と、それぞれ業界平均の15.9倍、0.7倍を大幅に下回っており、極めて割安な水準にあると判断できます。
企業情報
| 銘柄コード | 4624 |
| 企業名 | イサム塗料 |
| URL | http://www.isamu.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,850円 |
| EPS(1株利益) | 293.89円 |
| 年間配当 | 1.30円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9.5% | 15.1倍 | 6,981円 | 12.7% |
| 標準 | 7.3% | 13.1倍 | 5,485円 | 7.4% |
| 悲観 | 4.4% | 11.1倍 | 4,059円 | 1.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,850円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,731円 | △ 41%割高 |
| 10% | 3,411円 | △ 13%割高 |
| 5% | 4,304円 | ○ 11%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ナトコ | 4627 | 1,718 | 139 | 13.99 | 0.52 | 4.0 | 3.14 |
| アトミクス | 4625 | 823 | 59 | 7.36 | 0.41 | 7.8 | 2.43 |
| 神東塗料 | 4615 | 128 | 43 | 29.09 | 0.32 | 1.1 | 0.00 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。
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