企業の一言説明

データ・アプリケーションは企業間の電子データ交換(EDI)ソフトウェア開発で国内首位の座を確立している、情報通信・サービスその他業界の有力企業です。

総合判定

構造改革の過渡期にある高配当魅力企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 企業向けデータ連携ソリューション分野における国内トップの地位と、安定したリカーリング売上比率に支えられた事業基盤。
  • M&Aを通じた積極的な事業拡大戦略により売上高は急成長しているものの、利益面での通期進捗率には課題があり、今後の収益貢献が注目されます。
  • 極めて高い自己資本比率と潤沢な流動性を誇る強固な財務健全性を有しており、Piotroski F-Scoreでも良好な評価を受けていますが、事業効率性には改善の余地が見られます。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 鈍化懸念
収益性 C 改善余地
財務健全性 A 非常に良好
バリュエーション A 割安感あり

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 879.0円
PER
PBR 1.13倍 業界平均1.6倍
配当利回り 3.98%
ROE 5.61%

1. 企業概要

株式会社データ・アプリケーションは、企業間の電子データ交換(EDI)や企業内外のデータ連携を支援するソフトウェアの開発、販売、コンサルティングを主要事業として展開しています。主力製品はEDI/EAI(企業アプリケーション統合)ミドルウェアであり、特にB2BサーバーやWeb-EDIシステム等のインフラ提供に強みを持ちます。大手システムインテグレーター(SIer)からの受注を主体とし、流通業や製造業に強固な顧客基盤を有しています。長年の事業活動で培われた専門技術力と実績が、高い参入障壁として機能しています。

2. 業界ポジション

国内の企業向けデータ連携ソフトウェア市場において、データ・アプリケーションはトップクラスの市場シェアを誇るリーディングカンパニーです。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴うデータ連携需要の高まりを背景に、安定した事業基盤を築いています。競合他社と比較して、幅広い業種に対応できる汎用性の高い製品ラインナップと、長期的な顧客関係を構築できる高いサポート体制が強みです。特定のニッチ市場における豊富な知見とカスタマイズ能力も、競争優位性を支える要因となっています。

3. 経営戦略

データ・アプリケーションは、持続的な企業成長と企業価値向上を目指し、積極的なM&A戦略を推進しています。直近では3社の子会社化を進め、事業領域の拡大と売上高の成長を図っています。これにより提供するソリューションの幅を広げ、顧客への付加価値向上を目指すことで、市場での競争力を一層強化する方針です。また、株主還元も重視しており、安定配当に加え、創業40周年記念配当の実施など、株主への利益還元を通じて投資家からの信頼獲得に努めています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性と収益性を9つの基準で評価する指標です。スコアが高いほど財務品質が優れていると判断されます。

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 2/3 純利益とROAがプラスであり、安定した収益基盤を持つ
財務健全性 3/3 流動比率・D/Eレシオが良好で、株式希薄化もない優れた健全性
効率性 1/3 営業利益率が目標を下回るものの、四半期売上成長率は堅調である

本社のF-Scoreは6/9点と「良好」な評価です。収益性では純利益がプラスであり、総資産利益率(ROA)もプラスを維持していることから、企業として利益を生み出す基礎体力があることを示しています。財務健全性では、流動比率が高く、債務資本比率(D/Eレシオ)も低水準、さらに株式の希薄化も生じていないことから、極めて強固な財政基盤を持っていることが確認できます。一方で、効率性については営業利益率が目標の10%を下回っている点が課題として挙げられますが、四半期売上成長率はプラスを維持しており、事業の拡大傾向は認められます。

【収益性】

営業利益率は過去12か月で5.31%、株主資本利益率(ROE)は直近実績で5.61%です。一般的な目安とされる営業利益率10%、ROE10%と比較すると、足元の収益性は改善の余地がある水準にあります。第3四半期累計のROEは1.77%、ROAは1.15%と、通期での巻き返しが期待されます。

【財務健全性】

自己資本比率は直近実績で77.3%と非常に高く、企業の財務基盤が極めて強固であることを示しています。また、流動比率は直近四半期で2.59倍259%)と、短期的な支払い能力も潤沢であり、財務的な安定性は極めて優れていると評価できます。

【キャッシュフロー】

企業の現金創出能力を示すキャッシュフローの状況は以下の通りです。

決算期 フリーCF(百万円) 営業CF(百万円)
連2023.03 15 446
単2024.03 629 642
連2025.03 -158 103

過去2期は安定してプラスの営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローを計上していましたが、直近の2025年3月期(連結)では一時的に営業キャッシュフローが減少し、フリーキャッシュフローはマイナスに転じています。これはM&Aなどの投資活動が活発化した影響も考えられますが、今後の推移を注視する必要があります。

【利益の質】

営業キャッシュフローを純利益で割った営業CF/純利益比率は、2025年3月期(連結)で約0.38倍(営業CF103百万円 ÷ 純利益268百万円)となっており、これは純利益の一部が非現金費用や運転資本の変動によるものであることを示唆します。この比率が1.0倍を下回る場合、会計上の利益と実際に手元に残る現金との間に乖離が生じている可能性があり、収益の質について確認が必要です。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の決算では、通期業績予想に対して売上高進捗率が68.6%3,087百万円 ÷ 4,500百万円)、営業利益進捗率が45.0%126百万円 ÷ 280百万円)となっています。売上高は順調に推移していますが、営業利益の進捗が通期予想に対してやや遅れ気味であり、第4四半期での挽回が求められる状況です。

【バリュエーション】

株価純資産倍率(PBR)は1.13倍であり、情報・通信業の業界平均PBRである1.6倍と比較すると、割安感がある水準と評価できます。PBRは株価が企業の純資産に対してどの程度の評価を受けているかを示す指標であり、一般的に業界平均より低い場合は割安と判断される傾向があります。一方、株価収益率(PER)については会社予想のEPSが未公表のため算出できませんが、PBR基準では現在の株価が企業の持つ資産価値に対して過度に評価されている状況ではないと見られます。

【テクニカルシグナル】

主要なテクニカル指標の状況は以下の通りです。

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: -29.74 / シグナル値: -23.46 MACDとシグナルラインの交差がないため、明確な短期トレンド方向は示されていません。MACDラインがシグナルラインを下回っているものの、乖離は縮小傾向にあります。
RSI 中立 38.1% 相対力指数(RSI)は38.1%30%70%の中立域に位置しており、買われすぎでも売られすぎでもないことを示唆しています。
5日線乖離率 +1.50% 現在株価が5日移動平均線をわずかに上回っており、直近のモメンタムはやや上向きです。
25日線乖離率 -6.56% 現在株価が25日移動平均線を下回っており、短期トレンドからは下方向に乖離しています。
75日線乖離率 -7.41% 現在株価が75日移動平均線を下回っており、中期トレンドからも下方向に乖離しています。
200日線乖離率 +0.33% 現在株価が200日移動平均線をわずかに上回っており、長期トレンドは中立ないし微かに上向きを示唆しています。

移動平均線分析では、25日線が75日線を下抜けるデッドクロスが発生しており、中期的な下降トレンドへの転換の可能性を示唆しています。株価は短期・中期移動平均線を下回って推移しており、上値の重い展開が続いています。

【テクニカル】

現在の株価879.0円は、52週高値の1,272.00円から大きく下落した水準にあり、52週安値753.00円からは比較的近いレンジ(52週レンジ内位置27.6%)で推移しています。直近では25日移動平均線(947.28円)や75日移動平均線(948.93円)を下回る展開が続いており、上値が重い状況です。しかし、200日移動平均線(875.57円)はわずかに上回っており、長期的なトレンドにおいては底堅さを見せています。

【市場比較】

日経平均株価に対する相対パフォーマンスは以下の通りです。

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -7.68% +3.04% -10.72%pt
3ヶ月 -0.11% +6.43% -6.54%pt
6ヶ月 +2.66% +25.46% -22.81%pt
1年 -1.33% +50.58% -51.91%pt

データ・アプリケーションの株価は、全ての期間において日経平均株価のパフォーマンスを大幅に下回っています。特に6ヶ月、1年といった比較的長い期間で見ても、市場全体の強い上昇トレンドから取り残されている状況が見て取れます。これは、投資家が市場全体の成長と比較して、当銘柄の成長性や収益改善に対する期待値を現時点では低く評価している可能性を示唆しています。

【注意事項】

⚠️ 信用買残が20,000株、信用売残が15,100株、信用倍率は1.32倍と、現在のところ著しい信用需給の偏りは見られず、将来の大きな売り圧力の懸念は低いと判断されます。

【定量リスク】

年間ボラティリティは30.36%とされており、これは過去の株価が年間で平均してこの程度の変動幅を持っていたことを意味します。仮に100万円投資した場合、年間で±30.36万円程度の変動が想定されるため、投資家はそれなりの株価変動リスクを許容する必要があります。過去最大の下落率(最大ドローダウン)は-31.95%であり、将来的に同程度の価格変動が起こりうることを認識しておくべきです。

【事業リスク】

  • 企業のIT投資動向は景気変動の影響を受けやすく、景気後退局面では受注減少や収益悪化のリスクがあります。
  • データ連携・DX市場における技術革新は速く、競合他社の新規参入や先行技術によって市場シェアを奪われる競争リスクが存在します。
  • 積極的なM&A戦略に伴うのれんの減損リスク、買収した子会社の統合プロセスにおける予期せぬ費用発生や収益貢献の遅延リスクが挙げられます。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が信用売残を上回っているものの、信用倍率は1.32倍と比較的に低い水準にあります。これは、短期的な投機的な思惑による需給の偏りが少ないことを示しており、市場のセンチメントは健全な範囲に留まっていると考えられます。
主要株主構成は以下の通りです。

  • 自社(自己株口): 13.7%
  • 橋本慶太: 9.93%
  • (株)UHパートナーズ2: 5.86%

8. 株主還元

配当利回りは会社予想で3.98%と、現在の金利水準と比較しても魅力的な高水準です。1株配当は年間35.00円(普通配当26円、記念配当9円)を予定しています。
配当性向は、2026年3月期予想で59.9%です。これは利益の約6割を配当に回していることを意味し、一般的な適正水準とされる30%50%をやや上回るものの、直ちに減配リスクを強く示唆するほどではありません。ただし、利益進捗率の低い状況が継続し、通期業績予想の未達となる場合には、配当維持の持続可能性について注意深く見守る必要があります。自社株買いについては具体的な開示はありませんが、上位株主に「自社(自己株口)」が含まれており、過去に実施された実績がある可能性を示唆しています。2026年3月30日には配当の権利落ち日を迎えており、これは投資家にとって重要な株主還元イベントの一つでした。

SWOT分析

強み

  • 企業向けEDI市場において長年の実績と高い市場シェアを持つ国内首位企業です。
  • 自己資本比率77.3%、流動比率2.59倍など、極めて強固な財務基盤を有しています。

弱み

  • 過去12か月の営業利益率5.31%、ROE5.61%と、収益性において改善の余地が大きい水準です。
  • M&Aによる売上高の急増に対し、第3四半期時点の通期営業利益進捗率が45%と遅れが見られます。

機会

  • DX推進の流れの中で、企業間データ連携需要は今後も安定的な拡大が見込まれます。
  • 積極的なM&Aによる事業領域の拡大と、それに伴う新たな顧客獲得やシナジー創出の可能性があります。

脅威

  • EDI技術の進展やクラウドサービスへの移行に伴い、競合他社との競争がさらに激化する可能性があります。
  • 経済の不確実性や景気後退が企業のIT投資意欲を減退させ、売上高や利益に悪影響を及ぼすリスクがあります。

この銘柄が向いている投資家

  • 高配当利回りを重視し、安定したインカムゲインを求める長期投資家:強固な財務基盤に支えられた高水準の配当が魅力です。
  • M&Aによる事業再編と将来的な成長に期待する中長期投資家:積極的なM&A戦略が成功すれば、企業価値の飛躍的な向上が期待できます。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 買収した子会社との効果的な事業統合と、それらが計画通りに収益に貢献し、グループ全体の利益率を向上させられるかどうかが重要です。
  • 第3四半期における営業利益の通期進捗率の遅れを第4四半期で改善し、当初の業績予想を達成できるか、決算発表に注目する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率:現在の5.31%から10%以上への回復。M&A後の事業統合効果やコスト効率改善が利益率に反映されることが、企業価値向上の重要なトリガーとなります。
  • M&Aによる連結事業の利益貢献度:新規買収事業が利益成長の主要因として機能しているか、詳細なセグメント情報や収益内訳の開示を通じて確認が必要です。特にAI関連事業の赤字解消に注目します。
  • ROE(株主資本利益率):現在の5.61%から8%以上への改善。株主資本を効率的に活用し、どの程度利益を生み出せているかを示す重要な指標であり、持続的な企業価値向上のためには継続的な改善が不可欠です。

成長性: C (鈍化懸念)

理由: 直近第3四半期累計の売上高は前年同期比で76.2%と大幅な増収を達成していますが、これはM&Aによる連結範囲の拡大影響が大きく、純粋な事業成長とは異なる側面があります。また、営業利益の通期進捗率が45.0%に留まっていることから、利益面での成長には依然として課題が残されており、今後の利益貢献状況を慎重に見極める必要があります。

収益性: C (改善余地)

理由: 過去12か月の営業利益率は5.31%、実績ROEは5.61%と、一般的な目安とされる10%を下回っています。特に第3四半期累計ベースのROEは1.77%と低く、現在のM&A戦略が連結利益率を着実に向上させるかどうかに注目が必要です。事業の規模拡大だけでなく、収益効率の改善が喫緊の課題と見られます。

財務健全性: A (非常に良好)

理由: 自己資本比率が77.3%、流動比率が259%と非常に高く、Piotroski F-Scoreも6/9点で「良好」と評価されており、財務基盤は極めて安定しています。潤沢な自己資本と現金同等物を保有しており、外部環境の変化や事業投資に対し十分な耐性を持っていると判断できます。

株価バリュエーション: A (割安感あり)

理由: 株価純資産倍率(PBR)1.13倍は、情報・通信業の業界平均PBRである1.6倍よりも低い水準にあり、現在の株価に割安感があると考えられます。利益面での課題がある中で、資産価値ベースでは比較的に魅力的な水準にあると評価できます。


企業情報

銘柄コード 3848
企業名 データ・アプリケーション
URL http://www.dal.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 879円
EPS(1株利益) 46.67円
年間配当 3.98円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 10.8% 20.2倍 1,581円 12.8%
標準 8.3% 17.6倍 1,226円 7.3%
悲観 5.0% 15.0倍 891円 0.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 879円

目標年率 理論株価 判定
15% 622円 △ 41%割高
10% 777円 △ 13%割高
5% 981円 ○ 10%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
セゾンテクノロジー 9640 2,319 375 44.17 2.80 5.9 3.88
アステリア 3853 1,515 264 33.96 3.52 12.7 0.59
IPSホールディングス 4335 1,248 30 12.30 1.70 15.1 3.04

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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