1. 企業情報
日特建設株式会社は、特殊土木工事を専門とする企業で、災害防止や環境保全に関連する工事を主な業務としています。具体的には、再植生、河川や海岸の護岸工事、斜面保護、地滑り防止などを手掛けています。また、都市再生サービスや基礎工事、産業廃棄物のリサイクル、構造物診断なども行っています。1947年に設立され、東京に本社を置く麻生グループの一員です。
2. 業界のポジションと市場シェア
日特建設は、特殊土木工事分野において強い競争優位性を持っています。特に環境や防災関連の工事に強みを持ち、公共事業の需要が高まる中で安定した市場シェアを確保しています。しかし、資材価格の高騰や人手不足といった課題も抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な社会の実現を目指し、環境保全や災害対策に注力するビジョンを掲げています。中期経営計画では、特に基礎工事や環境関連事業の強化を図っており、新技術の導入や効率的な施工方法の開発に取り組んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
日特建設の収益モデルは、公共事業や民間プロジェクトに依存しています。市場ニーズの変化に対しては、環境保全や防災対策の重要性が高まる中で、柔軟に対応できる体制を整えています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、最新の技術開発に積極的に取り組んでおり、特に地盤改良や構造物の診断技術において独自性を持っています。収益を牽引している主力製品は、ダム基礎工事や地盤改良工事です。
6. 株価の評価
現在の株価993.0円に対して、PER（予想）11.49倍、PBR（実績）1.25倍、EPS（予想）86.25円、BPS（実績）791.02円です。業界平均PER（14.0倍）やPBR（1.1倍）と比較すると、割安感があるといえます。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見ると、現在の株価は年初来高値1,214円から下落しており、現在は安値圏に位置しています。最近の出来高も比較的少なく、投資家の関心が薄れている可能性があります。
8. 財務諸表分析
売上高は71,879百万円、営業利益は4,357百万円、純利益は3,066百万円で、自己資本比率は62.2%と高い水準です。しかし、過去数年の売上高や利益は減少傾向にあり、特に最近の四半期では前年同期比で大幅な減少が見られます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは4.84%で、1株配当は48.00円（予想）です。配当性向は89.08%と高く、株主還元に積極的な姿勢が見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で上昇から下降に転じており、投資家の関心が薄れている兆候があります。信用倍率は9.70倍と高く、短期的な売買の活発さがうかがえます。
11. 総評
日特建設は、特殊土木工事において強みを持ち、安定した財務基盤を有していますが、最近の業績は減少傾向にあり、今後の成長には新たな受注の確保が必要です。株価は割安感があるものの、投資家の関心が薄れている点は懸念材料です。今後の市場動向や経営戦略の進捗に注目が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 1929 |
| 企業名 | 日特建設 |
| URL | http://www.nittoc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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