日本パワーファスニング株式会社(5950)企業分析レポート

1. 企業情報

日本パワーファスニング株式会社は、建築用ファスナー(ネジ、ピン、ばねなど)および関連ツールを製造・販売する企業です。住宅用ファスナーが中心であり、特殊ファスナーに強みを持っています。かつては中国事業を展開していましたが、赤字が続いたため撤退しています。従業員数は148名、平均年齢は44.7歳です。

2. 業界のポジションと市場シェア

工業用ファスナー業界において、日本パワーファスニングは中堅規模の企業です。具体的な市場シェアデータは公開情報からは得られませんでしたが、住宅用ファスナー市場を中心に事業展開しており、特殊ファスナー分野での競争優位性を有するとされています。 しかし、業界全体としては、建設・住宅業界の動向(民間設備投資、新築住宅着工戸数)や鋼材価格の高止まり、人手不足といった課題に直面しています。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、資材価格や人件費の高騰分を販売価格に転嫁する戦略、新規顧客開拓、生産体制の再編成といった施策を実行しています。 中国事業からの撤退も、経営資源の最適化を図る戦略の一環と考えられます。中期経営計画に関する具体的な情報は公開情報からは確認できませんでした。

4. 事業モデルの持続可能性

日本パワーファスニングの収益モデルは、建築用ファスナーの製造・販売です。住宅建設需要に大きく依存しているため、市場ニーズの変化(住宅着工数の減少など)には脆弱性があります。しかし、特殊ファスナーへの強みと、価格転嫁による収益確保の努力は、事業モデルの持続可能性を高めるための取り組みと言えるでしょう。

5. 技術革新と主力製品

公開情報からは、具体的な技術開発の動向や主力製品に関する詳細な情報は得られませんでした。特殊ファスナーが強みであるとされていますが、その具体的な種類や技術的な優位性については不明です。

6. 株価の評価

  • PER(会社予想): 10.97倍
  • PBR(実績): 1.90倍
  • EPS(会社予想): 34.00円
  • BPS(実績): 196.56円
  • 株価: 374.0円

PERは業界平均(11.3倍)をやや下回っていますが、PBRは業界平均(0.5倍)を大きく上回っています。 BPSを考慮すると、現在の株価はBPSを大きく上回っており、割高感がある可能性が示唆されます。 ただし、これらの指標だけで株価の高低を判断することはできません。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、株価は350円台から370円台で推移しており、年初来高値(760円)からは大きく下落しています。 現在の株価は安値圏にあると言えるでしょう。しかし、テクニカル分析はあくまで過去の株価データに基づいたものであり、将来の株価を予測するものではありません。

8. 財務諸表分析

過去数年の損益計算書を見ると、売上高は減少傾向にあり、営業利益は赤字もしくは微益となっています。 2024年12月期第3四半期決算では、売上高は前期比減少、営業利益は赤字となっていますが、経常利益と純利益は増加しています。 ROEは過去12ヶ月で13.22%と高いですが、これは中国事業撤退による一時的な影響の可能性もあります。 財務状況は必ずしも安定しているとは言えず、今後の業績改善が求められます。

9. 株主還元と配当方針

予想年間配当は25.00円、配当利回りは6.70%と高水準です。配当性向は93.94%と非常に高く、利益の大部分を配当に充当していることがわかります。 自社株買いに関する情報は公開情報からは確認できませんでした。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、やや上昇傾向にあるものの、大きな上昇トレンドは見られません。 株価に影響を与える要因としては、建設・住宅業界の動向、原材料価格、為替レートなどが挙げられます。 また、大株主の動向も株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

日本パワーファスニングは、特殊ファスナーに強みを持つ建築用ファスナーメーカーですが、業界全体の課題や、売上高減少、営業利益の低迷といった課題を抱えています。 高配当利回りは魅力的ですが、財務状況の不安定さや、現在の株価の高値感も考慮する必要があります。 投資判断にあたっては、今後の業績改善の進捗や、市場環境の変化を注視する必要があるでしょう。 本レポートは情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資の最終決定はご自身の責任において行ってください。


企業情報

銘柄コード 5950
企業名 日本パワーファスニング
URL http://www.jpf-net.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 金属製品

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By ジニー

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