企業の一言説明

共英製鋼は、日本製鉄系の電炉大手で、鉄筋用棒鋼でトップシェアを誇る企業です。国内、海外、環境リサイクル事業を展開しています。

総合判定

PBR割安な堅実企業、海外事業の成長と国内電炉事業の回復が鍵

投資判断のための3つのキーポイント

  • 実績PBRは0.50倍と業界平均0.6倍を下回る割安水準にあり、企業価値が見直される可能性があります。
  • 配当利回り3.81%と健全な配当性向35.05%を維持しており、安定した株主還元が期待できます。
  • 海外鉄鋼事業が著しい成長を見せ黒字転換した一方で、国内鉄鋼事業は需要減により営業減益となっており、国内事業の回復が今後の課題です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 停滞・減少
収益性 C やや不安
財務健全性 A 良好
バリュエーション B 普通

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,363.0円
PER 9.78倍 業界平均8.0倍
PBR 0.50倍 業界平均0.6倍
配当利回り 3.81%
ROE 5.43%

1. 企業概要

共英製鋼は、主に鉄筋コンクリート用棒鋼や異形棒鋼などの電炉鋼材の製造・加工・販売を手がける日本製鉄系の電炉大手企業です。国内、ベトナム、北米で事業を展開し、鉄骨事業に加え、産業廃棄物の処理・リサイクルを行う環境リサイクル事業も手がけています。

2. 業界ポジション

共英製鋼は、電炉業界において鉄筋用棒鋼でトップの地位を確立しており、強固な製品供給体制と品質が強みです。競合は日本製鉄やJFEスチールといった高炉メーカーや、他の電炉メーカーですが、多様な事業展開で安定性を図っています。

3. 経営戦略

中期経営計画に関する具体的な情報は提供されていませんが、決算短信からは海外鉄鋼事業の成長を推進しつつ、環境リサイクル事業にも注力する姿勢が見て取れます。直近では2026年3月30日に配当落ち日が実施されました。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 純利益とROAはプラスを維持しており、基本的な収益性は確保されています。
財務健全性 3/3 流動比率が1.5以上、負債比率が1.0未満、株式の希薄化なしと、財務基盤は強固です。
効率性 0/3 営業利益率とROEが改善目標を下回っており、売上成長率もマイナスです。
  • 根拠解説: 共英製鋼のF-Scoreは5点で「良好」と判定されます。収益性では純利益とROAがプラスであるものの、営業キャッシュフローのデータが提供されていないため評価は限定的です。財務健全性は、流動比率、負債比率、株式希薄化のいずれも健全性の高さを裏付けています。一方で、効率性は営業利益率、ROE、四半期売上成長率が基準を満たしておらず、改善の余地があることを示唆しています。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 5.43%。直近12ヶ月の営業利益率は、業界内で一般的とされる水準と比較してやや低いものの、安定した事業基盤を反映しています。
  • ROE(実績): 5.43%。株主資本を効率的に活用して利益を上げているかを示すROEは、一般的な目安(10%)を下回っており、資本効率の改善が課題です。
  • ROA(過去12か月): 3.43%。総資産に対する利益を示すROAも、一般的な目安(5%)を下回っており、資産全体の運用効率に改善の余地があります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 57.5%。50%を超える高い自己資本比率は、企業の財務基盤が非常に安定していることを示します。
  • 流動比率(直近四半期): 1.99。短期的な支払い能力を示す流動比率が200%(2.0倍)に近く、短期的な負債の返済能力は十分に高いと言えます。

【キャッシュフロー】

決算期 フリーCF(億円) 営業CF(億円) 投資CF(億円) 財務CF(億円) 現金等残高(億円)
2023.03 131.21 192.59 -61.38 -90.17 324.21
2024.03 72.42 242.90 -170.48 -141.73 260.94
2025.03 295.26 394.08 -98.82 -182.24 380.52
  • 営業キャッシュフローは継続的にプラスであり、事業活動から安定して資金を生み出していることを示します。
  • フリーキャッシュフローも2025年3月期に大きく増加しており、事業の収益性が高まっていることを確認できます。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 営業CF 394.08億円 / 純利益107.91億円(2025年3月期)= 約3.65倍。この比率は1.0倍を大きく上回っており、純利益以上に営業活動でキャッシュを生み出しているため、利益の質は非常に健全です。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期累計の進捗は、通期予想に対し売上高が73.4%、営業利益が79.1%、純利益が75.7%と順調に進捗しています。特に営業利益は前年同期比で38.6%増と大きく改善しており、通期目標達成への期待が高まります。事業別では海外鉄鋼事業が黒字転換し売上を伸ばす一方、国内鉄鋼事業は売上・営業利益ともに減少しています。

【バリュエーション】

共英製鋼のPERは9.78倍で業界平均8.0倍と比較するとやや割高です。しかし、PBRは0.50倍と業界平均0.6倍と比較して割安水準にあり、企業の純資産価値に対して株価が低く評価されている可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 -20.97 / -29.02 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 45.3% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -1.10% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -0.81% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -5.00% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +1.40% 長期トレンドからの乖離
  • RSIは45.3%と中立域にあり、買われすぎでも売られすぎでもない状態を示唆しています。

【テクニカル】

現在株価2363.0円は、52週高値2,696.00円から約12%下方に位置し、52週安値1,771.00円からは上昇した水準にあります。短期・中期移動平均線(5日線、25日線、75日線)を若干下回っており、直近はやや下落トレンドですが、200日移動平均線を上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されています。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 -2.92% +3.45% -6.37%pt
3ヶ月 -4.33% +9.55% -13.88%pt
6ヶ月 +6.83% +26.68% -19.85%pt
1年 +17.27% +59.82% -42.55%pt
  • 過去1年間では株価は上昇していますが、日経平均株価と比較すると、全ての期間で大幅にアンダーパフォームしており、市場全体の勢いには乗り切れていない状況です。TOPIXに対しても同様にアンダーパフォームしています。

【定量リスク】

共英製鋼のベータ値は0.44であり、市場全体の変動に対して株価が比較的安定していることを示します。年間ボラティリティは31.24%です。仮に100万円投資した場合、年間で±31.24万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-44.10%であり、これは過去最悪の下落率として、同様の状況が今後も起こりうるリスクを示しています。シャープレシオは-0.04とマイナスであり、リスクに見合うリターンが十分に得られていない状況です。

【事業リスク】

  • 景気変動リスク: 鉄鋼製品の需要は国内外の建設投資や製造業の動向に左右されやすく、景気後退期には業績が悪化する可能性があります。
  • 原材料価格変動リスク: 電炉の主原料である鉄スクラップ価格や、電力料金の変動はコストに直結し、収益性を圧迫する可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外事業を展開しているため、為替レートの変動が業績に影響を及ぼすリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が37,700株、信用売残が24,400株で、信用倍率は1.55倍と低水準にあり、将来的な需給の偏りは小さいと言えます。

主要株主構成

  • 日本製鉄: 25.82% (11,592,932株)
  • 高島秀一郎: 9.68% (4,347,460株)
  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 6.04% (2,712,800株)

8. 株主還元

配当利回り(会社予想)は3.81%であり、安定したインカムゲインを期待できます。1株配当(会社予想)は90.00円です。配当性向は35.05%と、利益の約3割を配当に充てており、健全な水準です。自社株買いに関する直近の情報はありません。

SWOT分析

強み

  • 鉄筋用棒鋼でトップシェアを誇るなど、国内電炉業界で確固たるポジションを確立しています。
  • 堅実な財務体質と安定したキャッシュフローにより、事業継続性とリスク耐性が高いです。

弱み

  • 国内鉄鋼事業の需要減が直近の業績に影響し、収益性が他の事業に比べて課題となっています。
  • ROEやROAが市場の一般的な目安を下回っており、資本効率の改善が求められます。

機会

  • 海外鉄鋼事業の黒字転換と成長が示唆されており、グローバルな需要拡大を取り込む可能性があります。
  • 環境リサイクル事業は、資源循環型社会への移行に伴い、中長期的な成長機会が見込まれます。

脅威

  • 原材料コストやエネルギー価格の変動、為替レートの変動が業績に直接影響を与えるリスクがあります。
  • 国内の建設投資や設備投資の低迷が続けば、国内電炉事業の回復が遅れる可能性があります。

この銘柄が向いている投資家

  • PBRが割安で純資産価値に着目するバリュー投資家
  • 高すぎない配当性向で安定した配当利回りを重視する長期投資家
  • 海外事業の成長性や環境リサイクル事業の将来性に期待する投資家

この銘柄を検討する際の注意点

  • 国内電炉事業の収益性改善と成長戦略の具体策について、今後の決算発表での説明を注視する必要があります。
  • 鉄鋼市況の悪化や原材料価格の高騰など、外部環境の変化が業績に与える影響を常に警戒すべきです。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外鉄鋼事業の売上高・営業利益の継続的な成長率: 特に四半期ごとの前年比成長率が+10%以上を維持できるか。
  • 国内鉄鋼事業の営業利益率: 5%以上への回復と維持が可能か。
  • ROE: 8%以上への改善と維持ができるか。

10. 企業スコア

  • 成長性: D(停滞・減少)
    • 四半期売上成長率がマイナスであり、全体的な売上高も直近で横ばいまたは減少傾向にあるため、成長性には懸念があります。
  • 収益性: C(やや不安)
    • ROE(5.43%)は5%~8%の範囲内、営業利益率(5.43%)は3%~5%の範囲の上限に位置しており、資本効率と収益力の改善が望まれます。
  • 財務健全性: A(良好)
    • 自己資本比率57.5%と流動比率1.99は高く、F-Scoreも5点と良好な水準であり、財務基盤は非常に安定しています。
  • バリュエーション: B(普通)
    • PBRは業界平均を下回り割安感があるものの、PERは業界平均を上回っており、割安と割高の要素が混在しているため、妥当な評価です。

企業情報

銘柄コード 5440
企業名 共英製鋼
URL http://www.kyoeisteel.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,363円
EPS(1株利益) 241.61円
年間配当 3.81円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 11.2倍 2,717円 3.0%
標準 0.0% 9.8倍 2,363円 0.2%
悲観 1.0% 8.3倍 2,111円 -2.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,363円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,184円 △ 100%割高
10% 1,479円 △ 60%割高
5% 1,866円 △ 27%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
大和工業 5444 12,280 7,613 14.36 1.38 9.5 3.25
東京製鐵 5423 1,745 1,920 21.81 0.81 4.1 2.86
合同製鐵 5410 3,580 613 7.22 0.37 6.3 5.02

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.35)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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