企業の一言説明

自重堂は作業服を主力事業とし、医療用白衣や安全靴、カジュアル衣料も展開する業界大手で、海外生産も行う老舗企業です。

総合判定

高い配当利回りを維持する堅実な財務体質の成熟企業

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて強固な財務基盤と非常に高い自己資本比率を誇る。
  • 高い配当利回り(5.00%)を通じて安定的な株主還元を目指す。
  • 収益性(ROE)と成長性に課題があり、バリュエーションには割高感が見られる。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 C 売上・利益は減少傾向、回復見込みも高成長には繋がらず。
収益性 B 営業利益率高いが、ROEは低水準で課題。
財務健全性 S 自己資本比率・流動比率が非常に高く強固。
バリュエーション D PER、PBRともに業界平均を大きく上回り割高。

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 10010.0円
PER 21.37倍 業界平均12.6倍
PBR 0.76倍 業界平均0.5倍
配当利回り 5.00%
ROE 3.33%

1. 企業概要

自重堂は1924年創業、1960年設立の歴史ある企業で、作業服の企画・製造・販売を主力事業としています。その他、医療用白衣、安全靴、カジュアル衣料も手掛け、製品は海外の協力工場で生産されています。堅実な事業展開と国内外の生産体制により、幅広い顧客層に製品を提供しています。

2. 業界ポジション

同社は、日本の作業服市場において大手の一角を占める企業であり、長年にわたる実績と「JICHODO」ブランドの認知度により、安定した顧客基盤を構築しています。医療用白衣やカジュアル衣料といった関連分野にも展開することで、特定の市場変動リスクを分散し、事業の多角化を進めています。

3. 経営戦略

自重堂は、2026年6月期通期で売上高160億円、営業利益18億円の達成を目指しており、これは前年の減少傾向からの回復を見込むものです。経営戦略に関する具体的な中期経営計画の開示はありませんが、極めて高い自己資本比率に裏打ちされた安定経営を重視しているものと推測されます。2026年6月29日には配当の権利落ち日が予定されています。

4. 財務分析

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 6/9 A: 良好
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAいずれも良好
財務健全性 2/3 流動比率は良好だが、D/Eレシオデータなし
効率性 1/3 営業利益率は高いが、ROEと四半期売上成長率に課題

Piotroski F-Scoreは6点/9点と「A: 良好」評価で、全体の財務品質は健全であると判断できます。収益性に関しては、過去12ヶ月の純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであり、本業で安定して利益を生み出せていることが評価されます。財務健全性では、流動比率が非常に高い一方で、有利子負債の状況を示すD/Eレシオのデータがないため、完全な評価とはなりません。効率性については、営業利益率は高いものの、株主資本利益率(ROE)が低く、直近の四半期売上成長率もマイナスである点が課題として挙げられます。
【収益性】
過去12ヶ月の営業利益率は15.70%と極めて高水準を維持しており、本業における収益性の高さが際立っています。これは、効率的な事業運営やコスト管理が奏功していることを示唆しています。しかし、株主資本利益率(ROE)は3.33%と、多くの企業で目安とされる10%を大幅に下回っており、株主から預かった資本を効率的に活用して利益を生み出す能力には改善の余地があると言えます。また、総資産利益率(ROA)も2.33%と低く、企業全体の資産をどれだけ効率的に使って利益を上げているかという点も課題です。
【財務健全性】
同社の財務健全性は極めて優れています。自己資本比率は直近で90.3%と非常に高く、負債が少なく自己資金で事業が成り立っていることを示しています。これにより、景気変動や予期せぬ事態に対する耐性が非常に強い企業体質です。流動比率も直近で11.71倍(1,171%)と、短期的な支払い能力に全く問題がない水準であり、資金繰りに関する懸念は非常に低いと評価できます。
【キャッシュフロー】

項目 過去12か月
営業CF 2億6,800万円
フリーCF 3,112万円

過去12ヶ月の営業キャッシュフローは2億6,800万円のプラスで、本業で堅実に資金を稼ぎ出していることが確認できます。しかし、フリーキャッシュフローは3,112万円と比較的小規模であり、営業活動で得た資金が設備投資などに充当された結果、企業が自由に使えるキャッシュが限定的であることが示唆されます。今後の成長投資や株主還元における資金創出能力に注目が必要です。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は0.21と低く、「D (要注意(利益の質に懸念))」と評価されます。この比率が1.0を下回ることは、計上されている純利益に対して、実際に営業活動で得られた現金が少ないことを示しており、利益の質に慎重な評価が求められます。会計上の利益と実際の現金の流れの乖離については、その背景を確認する必要があります。
【四半期進捗】
2026年6月期第2四半期決算において、売上高は通期予想160億円に対して42.6%の進捗となっています。一方で、営業利益は通期予想18億円に対し55.1%、当期純利益は通期予想13.5億円に対し68.8%と、利益面では通期計画に対する進捗が順調です。売上高は前年同期比で10.3%減となっていますが、営業利益は11.3%増、純利益は15.9%増となっており、利益率の改善が見られます。

5. 株価分析

【バリュエーション】
自重堂のPER(会社予想)は21.37倍、PBR(実績)は0.76倍です。これらを業界平均(PER12.6倍、PBR0.5倍)と比較すると、PERは業界平均の約1.7倍、PBRは約1.5倍となり、両指標ともに業界平均を大きく上回る水準です。利益率(ROE)が相対的に低いことを考慮すると、現状の株価は割高感が強いと判断できます。
【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD値: 45.79 / シグナルライン: 42.34 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 48.9% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.73% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +0.48% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +0.32% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +3.34% 長期トレンドからの乖離

現在のMACDは中立シグナルを示しており、上昇または下降トレンドへの明確な転換は見られません。RSIも48.9%と50%近辺で推移しており、買われすぎや売られすぎといった過熱感は低い状態です。株価は5日移動平均線をわずかに下回っていますが、25日、75日、200日移動平均線は上回っており、中長期的な視点では緩やかな上昇トレンドが継続している可能性を示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価10,010円は、過去52週間の高値11,220円から約11%低い位置にあり、安値8,760円からは約14%高い位置(52週レンジ内位置は50.8%)にあります。また、過去3年間の高値13,970円から見ると約28%低い水準(3年レンジ内位置は24.6%)です。現在の株価は主要な移動平均線(25日、75日、200日)を上回って推移しており、特に200日移動平均線を大きく上回っていることから、長期的な基調は比較的良好と言えます。
【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +2.67% +5.86% -3.19%pt
3ヶ月 +1.62% +8.07% -6.44%pt
6ヶ月 +7.06% +20.37% -13.31%pt
1年 +5.81% +87.80% -81.99%pt

過去1年間において、日経平均株価が大幅に上昇する中で、自重堂の株価上昇率は+5.81%に留まり、市場平均を81.99%ポイント下回るパフォーマンスとなっています。これは、同社が市場全体の強い上昇トレンドに乗れていないことを示唆しており、市場全体ではなく個別要因による値動きの傾向が強いと言えます。一方で、直近1ヶ月ではTOPIXを1.50%ポイント上回るパフォーマンスを見せています。

6. リスク評価

【注意事項】
⚠️ 信用買残は17,300株存在するものの、信用売残がゼロであるため信用倍率が0.00倍と計算されています。これは計算上の数値であり、将来の売り圧力を直接的に示唆するものではありません。しかし、日々の出来高が900株と非常に少ないことから、流動性の低さに伴う株価の変動には注意が必要です。
【リスク指標テーブル】

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
年間ボラティリティ 21.79% ○普通 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -36.87% △やや注意 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ 0.10 △やや注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指号 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.06 ▲注意 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.05 ▲注意 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.26 ○普通 日経平均とどれだけ連動するか
0.07 値動きのうち市場要因で説明できる割合

【ポイント解説】
自重堂の株価は年間ボラティリティが21.79%と「普通」の水準であり、極端に激しい値動きをする銘柄ではありません。しかし、過去には-36.87%という「やや注意」すべき最大ドローダウンを経験しており、この程度の下落は今後も起こりうる可能性があります。リスク調整後のリターンを示すシャープレシオ0.10は「やや注意」、ソルティノレシオ0.06やカルマーレシオ0.05といったリスク効率指標は「注意」評価となっており、リスクを取った分に見合う効率的なリターンが得られていない可能性があります。市場相関係数が0.26と低いため、日経平均との連動性は弱く、市場全体のトレンドに左右されにくい独自の株価形成をする傾向が見られます。現在のボラティリティ水準は過去1年の上位65%に位置しており、「通常」の範囲内です。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±20万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの5%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】

  • 為替変動リスク: 生産を海外の協力工場に依存しているため、円安や円高の進行が原材料調達コストや製品の販売価格、ひいては収益性に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料・エネルギー価格変動リスク: 主な原材料(繊維製品関連)やエネルギー価格の高騰は、製造コストを押し上げ、最終的な製品価格転嫁が困難な場合、利益率を圧迫するリスクがあります。
  • 海外協力工場の生産状況リスク: 生産拠点である海外工場の政治的・経済的混乱、災害、あるいは労働問題などが発生した場合、安定的な製品供給が途絶え、業績に悪影響を与える可能性があります。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残は17,300株存在するものの、信用売残が0株であるため、計算上の信用倍率は0.00倍となっています。これは売り圧力が非常に低いことを示唆する一方、日々の出来高が900株と少ないため、流動性が低い銘柄であることに留意が必要です。
主要株主構成は、筆頭株主の出原正博氏が17.59%、「MASANOBU INVESTMENT CAPITAL(株)」が8.5%、そして「出原ホールディングス」が8.5%を保有しており、創業家およびその関連法人による安定的な大株主構成となっています。

8. 株主還元

自重堂の配当利回りは5.00%と非常に高水準であり、株主還元に積極的な姿勢が見られます。しかし、過去12ヶ月の配当性向は114.70%、特に2025年6月期の実績では153.2%と、いずれも利益を上回る配当を実施している状況です。
⚠️ 配当性向が100%を大きく超過しており、利益を超える配当を継続しているため、現水準の配当維持は困難になる可能性があります。今後の業績動向や配当方針の変更には十分な注意が必要です。現時点での大規模な自社株買いの情報は確認できません。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 極めて強固な財務体質
安定した事業基盤とブランド力
安定性重視の投資家にとって魅力的
⚠️ 弱み 低いROEと利益の質
過去の業績および成長性の鈍化
資本効率改善が株価上昇に必須
🌱 機会 効率的なコスト管理による利益率改善
新市場・新製品開拓による成長軌道の再構築
経営戦略の転換が評価を見直す契機に
⛔ 脅威 為替変動・原材料高騰リスク
市場での競争激化と需給の低迷
外部環境悪化や成長戦略失敗で業績下振れ

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
高配当・安定志向の長期投資家 強固な財務で配当維持の可能性が高い。
値動きの穏やかさを求める投資家 市場連動性が低く、独自の値動き傾向。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 高すぎる配当性向: 利益を超える配当は持続可能性に疑問符をつけ、将来的な減配リスクがあるため、今後の配当方針や業績推移に注目すべきです。
  • 低い資本効率(ROE): 非常に高い自己資本比率を誇る一方でROEが低く、株主資本の有効活用に課題があるため、経営効率の改善策を監視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
配当性向 114.7% (過去12ヶ月) 80%以下への改善 配当持続性を示す
ROE 3.33% (過去12ヶ月) 10%以上への回復 資本効率改善を確認
営業利益進捗率 55.1% (Q2) 70%以上への上昇 通期業績達成の目安

企業情報

銘柄コード 3597
企業名 自重堂
URL http://www.jichodo.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 繊維製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 10,010円
EPS(1株利益) 468.42円
年間配当 5.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 23.1倍 10,803円 1.6%
標準 0.0% 20.1倍 9,394円 -1.2%
悲観 1.0% 17.0倍 8,392円 -3.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 10,010円

目標年率 理論株価 判定
15% 4,683円 △ 114%割高
10% 5,848円 △ 71%割高
5% 7,380円 △ 36%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ナガイレーベン 7447 1,763 541 18.67 1.37 7.0 3.40
ヤマトインターナショナル 8127 600 127 63.82 0.68 1.1 2.33

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.43)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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