企業の一言説明
南海辰村建設は建築工事を主力とする中堅ゼネコンで、南海電気鉄道グループに属する企業です。
総合判定
割安に評価される成熟企業
投資判断のための3つのキーポイント
- PERが業界平均を大きく下回っており、バリュエーションに割安感があります。
- 自己資本比率や流動比率が高く、財務健全性は非常に良好な水準です。
- 直近の受注高が大幅に増加しており、将来の売上高拡大に向けた基盤が強化されています。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 直近の売上高は減少予想、直近四半期売上成長率もマイナスです。 |
| 収益性 | A | ROEが11%と良好な水準を維持し、株主資本を効率的に活用しています。 |
| 財務健全性 | A | 自己資本比率が高く、流動比率が極めて良好、F-Scoreも高得点です。 |
| バリュエーション | S | PERが業界平均の70%台であり、大きく割安な水準で評価されています。 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 452.0円 | – |
| PER | 8.57倍 | 業界平均11.3倍 |
| PBR | 0.71倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 1.33% | – |
| ROE | 11.44% | – |
1. 企業概要
南海辰村建設は、南海電気鉄道グループに属する中堅ゼネコンです。建築・土木工事を主力事業とし、マンション等の大規模修繕や耐震工事、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)サービスなども手掛けています。また、鉄道施設のメンテナンスや管理も行っています。
2. 業界ポジション
同社は建設業界の中堅企業として、親会社である南海電気鉄道の安定した事業基盤を背景にしています。公共工事やグループ内部からの受注を通じて、建設市場の景気変動に対する一定の耐性を持ち、安定的な事業運営を可能にしています。
3. 経営戦略
2026年3月期第3四半期では、受注高が前年同期比で96.7%増と大幅に伸長しました。これは、将来の売上高を支える強力な基盤となるでしょう。直近のイベントとしては、3月30日に配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAがプラスで良好な水準です。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化なしで非常に優良です。 |
| 効率性 | 1/3 | ROEは良好ですが、営業利益率と売上成長率に課題が見られます。 |
Piotroski F-Scoreの総合スコア6/9点は、同社の財務状態が「良好」であることを示しています。特に、財務健全性においては満点を獲得しており、短期および長期的な支払い能力は非常に高い水準にあります。一方で、収益性と効率性については、一部改善の余地があることを示唆しています。
【収益性】
営業利益率は過去12か月で5.61%と、建設業としてはまずまずの水準です。ROEは11.44%と、株主から預かった資本を効率的に活用して利益を生み出す能力を示すベンチマークの10%を上回る良好な水準を維持しています。ROAは4.97%と、総資産に対する利益創出力は一般的な目安である5%に近く、堅実な水準です。
【財務健全性】
自己資本比率は40.3%と、財務の安定性を示す目安として良好な水準にあります。流動比率は2.15倍と200%を大きく超えており、短期的な支払い能力には全く問題がなく、非常に健全な財務状況と言えます。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金等残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 2,535百万円 | 1,824百万円 | 711百万円 | -125百万円 | 7,829百万円 |
| 2024.03 | 1,015百万円 | 1,522百万円 | -507百万円 | -2,574百万円 | 6,269百万円 |
| 2025.03 | -6,270百万円 | -6,133百万円 | -137百万円 | 3,933百万円 | 3,932百万円 |
直近の2025年3月期には、営業キャッシュフローが-6,133百万円、フリーキャッシュフローも大幅なマイナス-6,270百万円となっており、キャッシュ創出力に一時的な懸念が見られます。これは、運転資金の増加や設備投資の増加が主な要因である可能性があります。現金等残高も減少傾向にあります。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は約-2.97倍(営業CF -6,133百万円 / 純利益 2,065百万円)と、1.0を大幅に下回っています。これは、会計上の純利益が実際のキャッシュの流入を伴っていない状況を示しており、利益の質に注意が必要であることを示唆しています。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期の売上高は336億8,500万円で、通期予想(485億円)に対する進捗率は69.5%です。営業利益は17億7,300万円で通期予想(22億3,000万円)に対する進捗率は79.5%、純利益は12億3,500万円で通期予想(15億2,000万円)に対する進捗率は81.3%です。売上高はやや遅れ気味ですが、利益面では順調に進捗しており、通期目標達成の可能性は高いと判断できます。
【バリュエーション】
同社のPER(会社予想)は8.57倍であり、建設業界平均の11.3倍と比較して大幅に割安な水準で評価されています。PBR(実績)は0.71倍で、業界平均の0.7倍とほぼ同じ水準にあり、純資産に対する株価の評価は適正からやや割安な範囲にあると言えるでしょう。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -14.54 / シグナルライン: -14.9 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 34.1% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.66% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -4.63% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -15.12% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -11.38% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDシグナルは現在「中立」であり、明確な短期的なトレンド転換の兆候は確認できません。RSIは34.1%と売られすぎのゾーンに近い水準で推移しており、株価は下値を探る展開となっています。
【テクニカル】
現在の株価452.0円は、52週高値652.0円から大きく下落した位置(52週レンジ内位置 45.4%)にあります。同時に、5日移動平均線(455.00円)、25日移動平均線(473.96円)、75日移動平均線(532.51円)、200日移動平均線(510.07円)の全てを下回って推移しており、短期から中期にかけて下降トレンドが継続していると考えられます。
【市場比較】日経平均比
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -10.14% | +11.40% | -21.54%pt |
| 3ヶ月 | -27.91% | +11.23% | -39.14%pt |
| 6ヶ月 | -28.37% | +25.50% | -53.87%pt |
| 1年 | +55.33% | +75.73% | -20.40%pt |
過去1年間の株価リターンは+55.33%と好調に見えますが、日経平均の+75.73%には及ばず、アウトパフォームできていません。特に直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の期間では日経平均比で大きくアンダーパフォームしており、市場全体の好調な動きから取り残されている状況が続いています。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ベータ値 | 0.13 | ◎良好 | 市場平均より値動きが小さいか小さいか |
| 年間ボラティリティ | 39.58% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -29.95% | △やや注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.20 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.68 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.76 | ○普通 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.46 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.21 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
南海辰村建設の株価は、ベータ値0.13と非常に低く、市場全体の動きに比較的連動しにくい特性(◎良好)を持っています。しかし、年間ボラティリティは39.58%と△やや注意の水準にあり、最大ドローダウンも-29.95%と△やや注意であることから、市場全体から独立した要因で株価が大きく変動するリスクがあることに留意が必要です。現在のボラティリティは過去1年で「低」水準にあり比較的穏やかですが、リスクに見合うリターンは▲注意レベルに留まっています。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±39万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 建設需要の変動: 景気動向や公共投資の増減、民間設備投資の動向が、同社の建設事業の受注量や収益に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
- 資材価格高騰と人件費上昇: 建設資材価格の高騰や深刻な人手不足に伴う人件費の上昇は、原価を押し上げ、同社の利益率を圧迫する主要なリスク要因です。
- 災害リスク: 地震や台風などの自然災害は、工事の遅延や施設の損害を引き起こし、業績に悪影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残は449,500株である一方、信用売残が0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。これは計算上の数値であり、現時点では信用取引における将来の売り圧力は極めて低いことを示しています。
主要株主構成は以下の通りです。
- 南海電気鉄道: 57.69%
- 住之江興業: 3.02%
- 奥村組: 2.77%
8. 株主還元
配当利回り(会社予想)は1.33%、配当性向は10.1%と比較的低い水準です。これは、利益を内部留保として効率良く活用し、将来の成長投資や財務体質のさらなる強化に充てていることを示唆しており、配当持続可能性は良好と判断できます。自社株買いに関する直近の情報はデータにありません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 南海電気鉄道グループとしての安定基盤 優れた財務健全性(高水準の流動比率) |
安定した事業運営と資金繰りの安心感がある |
| ⚠️ 弱み | 利益の質への懸念(営業CFのマイナス) 市場全体に対するアンダーパフォーマンス |
キャッシュフローの改善が見られないと評価が下がる |
| 🌱 機会 | 受注高の大幅な増加 マンション修繕やZEHといった新規事業分野への進出 |
将来の売上高増加と新規分野での成長が期待できる |
| ⛔ 脅威 | 建設資材価格の高騰と人件費の上昇 国内景気変動による建設機械全体の需要低迷 |
コスト増や需要減退は業績悪化に繋がる可能性がある |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定志向のバリュー投資家 | 業界平均より割安で財務健全性が高いため |
| 長期的な事業安定性を重視する投資家 | 親会社との連携と堅実な事業基盤があるため |
この銘柄を検討する際の注意点
- 利益の質の改善: 営業キャッシュフローがマイナスとなっているため、本業からの実際の資金創出力が健全な状態に戻るかを注意深く監視する必要があります。
- 成長戦略の具体性: 直近の売上高が減少傾向にあるため、売上高を再成長させるための具体的な戦略や進捗状況を確認することが重要です。
- 市場からの評価改善: 日経平均を大きく下回るパフォーマンスが続いているため、市場からの評価が改善されるようなポジティブな材料出現が望まれます。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | -6,133百万円 (2025.03) | プラス転換 | 本業からの資金創出力を示す |
| 受注高 | +96.7% (2026.3期3Q 前年同期比) | 継続的な高水準維持 | 将来の売上を予測し業績成長の基盤を示す |
| 営業利益率 | 5.61% (過去12ヶ月) | 8%以上への改善 | 収益性の回復と向上を示す重要な指標 |
企業情報
| 銘柄コード | 1850 |
| 企業名 | 南海辰村建設 |
| URL | http://www.nantatsu.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 452円 |
| EPS(1株利益) | 52.73円 |
| 年間配当 | 1.33円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 2.7% | 9.9倍 | 595円 | 5.9% |
| 標準 | 2.1% | 8.6倍 | 501円 | 2.4% |
| 悲観 | 1.3% | 7.3倍 | 409円 | -1.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 452円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 253円 | △ 79%割高 |
| 10% | 316円 | △ 43%割高 |
| 5% | 398円 | △ 13%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大末建設 | 1814 | 3,410 | 361 | 9.99 | 1.45 | 15.7 | 5.10 |
| 森組 | 1853 | 319 | 104 | 15.41 | 0.69 | 4.5 | 4.38 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.57)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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