1. 企業情報
富士興産株式会社は、1949年に設立された東京都に本社を置く企業で、主に石油製品を供給しています。事業内容には、軽油や灯油、重油などの燃料油、アスファルト製品、潤滑油、アドブルー（ディーゼル排気ガス浄化用商品）、および太陽光発電システムが含まれます。また、北海道ではガス小売りや建機レンタルなども展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
富士興産はENEOS系の石油販売会社として、石油業界において一定の地位を占めています。主力商品である灯油や重油においては、競合他社との競争が激しいものの、地域特化型のサービス（北海道でのガス小売りや建機レンタル）により、競争優位性を維持しています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能なエネルギー供給と環境への配慮を重視しており、中期経営計画では、リサイクル事業や環境関連事業の強化を掲げています。具体的には、再生可能エネルギーの導入や新しいアスファルト技術の開発が重点施策とされています。
4. 事業モデルの持続可能性
富士興産の収益モデルは、石油製品の販売に依存していますが、環境関連事業やリサイクル事業の拡大により市場ニーズの変化に適応しようとしています。特に、アドブルーや太陽光発電システムの提供は、環境意識の高まりに応じた新たな収益源となる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
富士興産は、アスファルト製品や潤滑油の技術革新に注力しています。特に、アスファルトの再生技術や環境に優しい製品の開発が進められており、これが競争力の源泉となっています。
6. 株価の評価
現在の株価1453.0円に対して、予想EPSは85.04円、PERは17.09倍です。業界平均PER（10.1倍）と比較すると、やや高めの評価となっています。PBRは1.03倍であり、業界平均（0.7倍）を上回っています。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見ると、1450円から1463円の範囲で推移しており、年初来高値2183円からは大きく下落しています。現在の株価は、過去の高値圏からは安値圏に位置していると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高は61,912百万円、営業利益は913百万円、純利益は607百万円です。
- 過去数年の傾向として、売上高は安定しているものの、営業利益と純利益は変動が見られます。
- ROEは6.45%、自己資本比率は49.7%で、財務の安定性は高いと評価できます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは5.92%で、年間配当予想は86.00円です。配当性向は148.44%と高く、利益の大部分が配当に回されている状況です。自社株買いの情報はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、過去10日間での取引量も減少しています。市場全体の動向や原材料価格の変動が影響を及ぼしている可能性があります。
11. 総評
富士興産は、石油事業を中心に環境関連事業やリサイクル事業の拡大を目指しており、持続可能な成長を図っています。競争環境は厳しいものの、地域特化型のサービスや技術革新により、一定の競争優位性を維持しています。財務指標は安定しており、株主還元にも積極的ですが、株価は過去の高値から下落しているため、投資判断には慎重さが求められます。
企業情報
| 銘柄コード | 5009 |
| 企業名 | 富士興産 |
| URL | http://www.fkoil.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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