1. 企業情報
中本パックス株式会社は、グラビア印刷サービスを提供する企業で、日本国内外で事業を展開しています。主な製品には、食品包装、医療関連、IT・工業材、建材関連などがあり、特に食品関連が65%を占めています。1941年に設立され、大阪に本社を置いています。従業員数は925人で、平均年齢は41.3歳、平均年収は5,280千円です。
2. 業界のポジションと市場シェア
中本パックスは、グラビア印刷業界において一定の競争優位性を持っています。食品包装や医療関連の分野で強みを発揮しており、特に高品質な印刷技術が評価されています。しかし、業界全体は競争が激しく、原材料価格の変動や海外景気の影響を受けやすいという課題も抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な成長を目指し、食品関連や医療関連の事業を強化する戦略を掲げています。中期経営計画では、コスト削減や生産性向上を図る施策が中心となっており、特にIT・工業材関連の成長を重視しています。
4. 事業モデルの持続可能性
中本パックスの収益モデルは、主に印刷サービスと包装材料の販売に依存しています。市場ニーズの変化に対しては、機能性材料や特殊な包装ソリューションの開発を通じて柔軟に対応しています。これにより、顧客の多様な要求に応えることが可能です。
5. 技術革新と主力製品
同社は、グラビア印刷技術に加えて、電導性ポリマーコーティングや特殊成形材料の開発にも取り組んでいます。主力製品には、食品包装材や医療用包装があり、これらは収益の重要な柱となっています。
6. 株価の評価
現在の株価は1,791円で、PERは10.10倍、PBRは0.84倍です。業界平均PERが10.0、PBRが0.5であることから、株価は業界平均とほぼ同水準で評価されています。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見たところ、1,775円から1,793円の範囲で推移しており、現在の株価は高値圏に近い状況です。過去10日間の取引で見ても、安値圏からの反発傾向が見受けられます。
8. 財務諸表分析
過去12か月の売上高は464.6億円、純利益は16.2億円で、営業利益率は約5.1%です。また、自己資本比率は45.7%であり、財務の健全性は比較的良好です。過去数年で売上は増加傾向にあり、特に最近の四半期では前年同期比で9.4%の成長を示しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは3.57%で、年間配当は64円を予想しています。配当性向は34.15%であり、安定した配当政策を維持しています。また、自社株買いの実施は確認されていませんが、株主還元に対する意識は高いと考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、特に最近の四半期での業績改善が投資家の関心を引いています。市場全体の動向や経済指標に影響されやすい状況ですが、業績の改善が続く限り、株価の上昇が期待されます。
11. 総評
中本パックスは、食品包装や医療関連に強みを持つ企業であり、安定した収益基盤を築いています。技術革新や市場ニーズへの柔軟な対応が求められる中、今後の成長が期待されます。株価は業界平均と同水準で評価されており、配当利回りも魅力的です。全体として、持続可能な成長を目指す企業として注目されるでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 7811 |
| 企業名 | 中本パックス |
| URL | http://www.npacks.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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