菊水化学工業株式会社（7953）企業分析レポート
1. 企業情報
菊水化学工業株式会社は、建築用仕上げ材、塗料、下地調整材などを製造・販売する企業です。下地材から仕上げ材まで一貫した製品供給体制を有し、近年は改修・改築市場にも注力しています。名古屋市に本社を置き、従業員数は約450名です。
2. 業界のポジションと市場シェア
建築仕上げ材業界において、菊水化学工業は中堅規模の企業と位置付けられます。具体的な市場シェアデータは公開情報からは確認できませんでしたが、競合他社との競争においては、一貫生産体制や改修市場への対応などが競争優位性となり得ます。一方で、大手建材メーカーとの競争や原材料価格の高騰といった課題も存在します。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、改修・改築市場の拡大を捉え、同市場を成長の柱として位置付けていると考えられます。中期経営計画の詳細は公開情報からは確認できませんでしたが、原材料価格高騰への対応として価格改定を実施するなど、収益性の向上に努めていることがうかがえます。
4. 事業モデルの持続可能性
菊水化学工業の事業モデルは、建築業界の需要に依存する性質を持ちます。そのため、建築市場の動向、特に改修・改築市場の成長持続性が事業モデルの持続可能性に大きく影響します。原材料価格の変動リスクへの対応策の継続的な強化も重要です。
5. 技術革新と主力製品
公開情報からは、具体的な技術開発の動向や主力製品に関する詳細な情報は得られませんでした。
6. 株価の評価
- PER: 予想PERは11.68倍で、業界平均PER（10.0倍）をやや上回っています。
- PBR: 実績PBRは0.52倍で、業界平均PBR（0.5倍）とほぼ同水準です。
- EPS: 予想EPSは33.72円です。
- BPS: 実績BPSは763.05円です。
現在の株価（395円）を上記の指標と比較すると、PBRは1倍を大きく下回っており、株価は資産価値に対して割安に取引されている可能性が示唆されます。ただし、PERは業界平均を上回っており、業績に対する評価は割高気味である可能性も示唆されます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は375円～399円のレンジで推移しており、年初来高値（425円）からはやや下落しています。現在の株価は年初来安値（350円）からは高値圏に位置付けられますが、明確なトレンドは確認できません。
8. 財務諸表分析
過去数年の損益計算書をみると、売上高は横ばい傾向にあり、営業利益は変動が大きいです。2025年3月期中間決算では、営業利益が大幅に増加しており、収益性の改善が見られます。自己資本比率は53.0%と高く、財務の安定性は良好です。
9. 株主還元と配当方針
予想配当利回りは4.06%、予想1株配当は16円です。配当性向は公開情報からは確認できませんでしたが、安定的な配当を実施しているようです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は横ばい傾向にあり、大きな上昇・下降の勢いは見られません。株価への影響要因としては、建築市場の動向、原材料価格、為替変動などが考えられます。
11. 総評
菊水化学工業は、建築仕上げ材業界において中堅規模の企業であり、改修市場への注力など、成長戦略を推進しています。財務状況は比較的安定しており、配当利回りも魅力的です。ただし、建築市場の動向や原材料価格の変動リスクには注意が必要です。 PBRが低いことから、資産価値に対して割安に取引されている可能性も示唆されますが、PERは業界平均を上回っており、業績に対する評価は割高気味である可能性も考慮する必要があります。 より詳細な分析には、より多くの情報が必要となります。
企業情報
| 銘柄コード | 7953 |
| 企業名 | 菊水化学工業 |
| URL | http://www.kikusui-chem.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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