トーヨーアサノ株式会社（5271）企業分析レポート
1. 企業情報
トーヨーアサノ株式会社は、静岡県沼津市に本社を置く、コンクリート二次製品メーカーです。主力製品は中低層ビル用高支持力パイルで、トンネル用構造材なども製造・販売しています。 近年は不動産賃貸事業も展開しています。従業員数は198名と比較的小規模な企業です。
2. 業界のポジションと市場シェア
コンクリート二次製品業界においては中堅企業に位置づけられます。具体的な市場シェアの情報は公開されていませんが、主力製品である高支持力パイル市場における競争は激しいと推測されます。競合他社は規模の大きな企業も多く、価格競争や技術革新への対応が課題となります。2023年にはセグメント子会社を譲渡しており、事業構造の再編を進めている状況です。
3. 経営戦略と重点分野
公開情報からは、具体的な中期経営計画の詳細は不明です。決算短信に記載されている「TAFCO・RR計画」の内容は詳細が不明です。 しかし、セグメント子会社の譲渡から、事業ポートフォリオの最適化や収益性の向上を目指しているものと推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
事業モデルは、コンクリートパイルの製造・販売と不動産賃貸の2本柱です。建設業界の景気動向に大きく依存する構造であり、建設需要の減少は業績に直接的な影響を与えます。不動産賃貸事業は安定的な収益源となり得ますが、その規模は現時点では小さいです。市場ニーズの変化への適応力については、技術革新への対応や新たな製品開発の状況が重要になります。
5. 技術革新と主力製品
主力製品である高支持力パイルにおいて、技術開発の動向や独自性に関する情報は公開情報からは得られません。 競争優位性を維持するためには、高品質、高耐久性、コスト競争力といった要素に加え、環境配慮型製品の開発なども重要となるでしょう。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 8.88倍（連結）
- PBR（実績）: 0.74倍（連結）
- EPS（会社予想）: 262.44円（連結）
- BPS（実績）: 3,095.99円（連結）
- 株価: 2330円
現在の株価は、PBRで0.74倍と1を下回っており、純資産価値を下回っています。PERは業界平均（7.3倍）をやや上回っています。これらの数値だけで株価の高低を判断することはできませんが、割安感がある可能性も示唆しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は2240円～2400円の間で推移しており、大きな変動は見られません。年初来高値2792円からは下落しており、高値圏にあるとは言えません。年初来安値1733円からは上昇しており、安値圏からも離れています。50日移動平均線、200日移動平均線も下回っています。
8. 財務諸表分析
過去数年の損益計算書をみると、売上高は減少傾向にあり、営業利益も変動が大きいです。2025年2月期第3四半期決算では、売上高、営業利益、純利益が前年同期比で大きく減少しています。ROEは過去数年で変動していますが、直近の11.46%は比較的高い水準です。自己資本比率は26.2%と低くありませんが、総負債/自己資本比率は148.55%と非常に高い水準です。財務の健全性には懸念が残ります。
9. 株主還元と配当方針
予想年間配当は75円、配当利回りは3.22%です。配当性向は公開情報からは算出できません。自己株買いに関する情報は確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は小幅な変動にとどまっており、大きな上昇・下降の勢いは見られません。 投資家関心は低く、出来高も少ないです。建設業界の景気動向や、企業の業績改善策が株価に影響を与える要因と考えられます。
11. 総評
トーヨーアサノは、コンクリート二次製品業界の中堅企業であり、主力製品である高支持力パイルの市場競争が激しい環境下にあります。近年は売上高や利益の減少傾向が見られ、財務状況にも懸念が残ります。事業構造の再編や技術革新への対応、建設業界の景気回復が今後の業績に大きく影響すると考えられます。 株価はPBRで割安感がある可能性も示唆していますが、財務状況や業績の不確実性を考慮する必要があります。 投資判断にあたっては、今後の業績動向や経営戦略の詳細な情報を入手することが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 5271 |
| 企業名 | トーヨーアサノ |
| URL | http://www.toyoasano.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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