1. 企業情報
鹿島建設株式会社は、土木工事、建築工事、不動産開発、設計、エンジニアリングなどを手掛ける総合建設企業です。1840年に設立され、東京に本社を置いています。国内外での大型プロジェクトに強みを持ち、特に超高層ビル、耐震技術、原子力発電所の建設において高い技術力を誇ります。
2. 業界のポジションと市場シェア
鹿島建設は日本の建設業界において最大手ゼネコンの一角を占めています。競争優位性としては、高度な技術力と豊富な経験が挙げられますが、建設コストの上昇や人手不足といった課題も抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しており、特に環境配慮型の建設技術やデジタル技術の導入を進めています。中期経営計画では、国内外での不動産開発や新技術の開発に注力する方針を打ち出しています。
4. 事業モデルの持続可能性
鹿島建設の収益モデルは、公共工事や民間工事からの収入に依存しており、安定した需要が見込まれる一方で、景気の影響を受けやすい側面があります。市場ニーズの変化に対しては、環境に優しい建設方法の採用や、効率的なプロジェクト管理を通じて適応しています。
5. 技術革新と主力製品
技術革新においては、BIM（Building Information Modeling）やIoT（Internet of Things）を活用した建設プロセスの効率化を進めています。主力製品には、超高層ビルやインフラプロジェクトがあり、これらが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価は2,640円で、PERは10.78倍、PBRは1.03倍です。業界平均PER（14.0倍）やPBR（1.1倍）と比較すると、割安感があるといえます。EPSは244.99円で、配当利回りは3.41%と魅力的です。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見ると、株価は年初来高値3,213円から下落し、現在は2640円付近で推移しています。短期的には安値圏に位置していると考えられますが、反発の可能性もあります。
8. 財務諸表分析
過去12か月の売上高は2.66兆円、営業利益は1,362億円、純利益は1,150億円です。ROEは10.17%、自己資本比率は38.6%と健全な財務状況を維持しています。過去数年で売上は着実に増加しており、利益率も安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは3.41%で、年間配当金は90円を予想しています。配当性向は約47.79%であり、安定した株主還元策を実施しています。自社株買いは行っていませんが、自己株式の保有割合が高い点も注目です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下降トレンドにあり、投資家の関心は高いとは言えませんが、業績の安定性や配当利回りから一定の支持を受けていると考えられます。今後の業績予想に対する期待感が株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
鹿島建設は、技術力と市場での地位を持つ総合建設企業であり、持続可能な成長を目指しています。現在の株価は、業界平均と比較して割安感があり、安定した配当利回りを提供しています。今後の市場動向や業績に注目が集まる中、長期的な投資先としての魅力を持っていると言えるでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 1812 |
| 企業名 | 鹿島建設 |
| URL | http://www.kajima.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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